V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
今から7年前に売上最大37億円だった会社が、現在6.7億円にまで縮小した…のだが、社長はかえって元気である。財務体質が強くなったからだ。かつては機械の販売店。売上は大きくても利は薄く、手形は切るし、割引もするし、毎日が冷や冷やだった。今は、特注品を一品加工させる企画業態へ転換。取引も現金一本にした。顧客リスト、企画力、下請けNWなど、資産を活かせば成長できるのだ。
昨日の会長曰く、ダンスホールの事業も、今は赤字だという。しかしその赤字がる人の一言で苦にならなくなったという。それは「お金を残せる事業は多数いますが、文化を残せる人は滅多に居ない。いいことしまたね」。その言葉に夏目漱石の「文化=住みにくい世の中を住みやすくするもの。それだからこそ尊い」という定義を思い出した。多くの公民館ダンサーに「憧れの地」を提供した価値は大きい。
大阪のダンスホール「ザ・ゴールデンパレス大阪」で講演会。このホールは、若い頃ダンスをしていた田中会長が、自社工場跡地を使って去年から始めたものだ。欧州本場のホールを模して作ったホールは、「普段より上質な自分になれる場所」としてダンサーの間で評判になり、名古屋や東京から観光バスで押し寄せるほどに。無意識でもきちんとコンセプトを建てるところが一流経営者の証である。
日帰り温泉で紀伊勝浦の「ホテル浦島」に立ち寄ったが、その規模に圧倒された。ホテル全体の規模も凄いが、そこにある温泉の規模も凄い。特に「忘帰洞」には肝を抜かれた。おまけにこのホテルは、桟橋から船に数分乗らないと行けない所にあり、非日常空間としての魅力たっぷり。名古屋や大阪から3.5時間もかかるが、その甲斐はあるよ!と言わせたい。経営者のその意地が伝わるような作りだ。
ホエールウォッチング後、太地町のくじら博物館に立ち寄る。ここにはくじらの骨格や生態、あるいは捕鯨の歴史などが余すことなく展示されている。小さな博物館でもテーマをハッキリさせ、その深さでNo.1だとやはり魅力である。同施設にはイルカやシャチのショウもあるが、そんなショウよりも、ジオラマや標本が素晴らしい。これなら詳しいと言い切れる孤高の存在はどこへ行っても美しいものだ。
鯨を見たくて、南紀までホエールウォッチングに出かける。残念ながら鯨は見られず、ゴンドウを数等見たに留まった。しかし、炎天下に漁船に乗って大海原に乗り出し、船の先頭に立って風を切り波を超えるのは、なんともいえない快感である。若い女性に「海が見たいの」と言われても見ても何も変わらないジャン、と思っていたが、沖に出たら違う。嫌なことなど忘れてしまうほど気持ちよかった。
福岡市の市職員がまた飲酒運転をしたという。それに対し福岡市長が「飲んだ後に運転するかなんて想定できない」という主旨のコメントをした。すると報道ステーションに出ていた北川教授(元三重県知事)が「この市長の考え方はなっていない!組織一丸となれば防げるはず!」と強い口調でコメントした。こんなシーンも珍しいが、北川教授の言うことは正論だろう。福岡市にはクレドが必要だ。
大阪ではじまった国際陸上で、早々に為末選手が予選敗退した。新聞のコメントでは体調の悪さに予選敗退を予感していたとか…。しかし広告塔になってしまった以上、ファイナルに残るとしか言えなかったという。スポーツ選手として嘘をつき続けるのはさぞかし辛かったであろう。TBS系はスポーツ中継をはずれのないエンターテイメントだと勘違いしているようだ。選手を追い込んで何が面白いのか。
某製作所のK所長が従業員ひとり一人とコミュニケーションをとるため、毎週火曜日の昼食の時間を従業員とのランチミーティングに当てることにした。1回のミーティングに参加する従業員は約8人。職場で気が付いたこと、日常感じていることを何でも話してもらおうという試みである。当初「工場長って話してはいけない人だと思っていました」と言われて驚きつつも、この試みを始めてよかったという。
佐賀北高が、甲子園で大逆転で優勝した。あの逆転満塁本塁打はたまたまタクシーに乗った時、ラジオで聞いた。まさか、と思って鳥肌が立った。オンタイムでなければ鳥肌は立たなかっただろう…今年は斉藤や田中のようなスターはいなかったが、野球の醍醐味を伝えてくれた。野球を始めた息子が初めて意識した甲子園でこのドラマ。多くの野球少年のモチベーションを高めた功績は大きい。
某社工場長が全社員に徹底し、これだけは全社でNo.1になろう!と決めて取り組んでいるのが「挨拶一番」運動。その趣意書には次のように書かれていた。「気持ちの良い会釈は全社員ができる営業活動です」。お客様が見学や検品に訪れることの多い同社にとって、作業員の会釈の必要性を説いたこれは至言だ。見られる製造業では、そこで働く人の気持ち・態度も品質の時代。そのことを端的に表している。
友人宅に泊まった翌朝、彼の犬の散歩に付き合う。彼は少し大きめのバッグを持っていく。犬の糞の処理のためだが、水入りペットボトルも入っている。これは犬の小便などを流すため。途中、何人もの犬と散歩する人に出会うが、小便の処理までしている人は皆無。彼は「この付近では、ちゃんと処理しない人は写真を撮られて、ホームページに掲載されてしまうんですよ」と笑っていたが、マナーを守りたいものだ。
某社の開発部長が、部門をもっと良くするための問題点を部下に出してもらった。そこで出された意見を見て私は驚いた。通常こうした意見の半分は愚痴か不満の類である。ところが、前向きな意見が大半を占めていたのだ。理由は、問題点を書かせた用紙のタイトル。そこには「前向きに新しい技術に挑戦する活気ある職場とするために」とあった。この超アグレッシブな表現に部下は引っ張られたのだ。
某社の部長から、若い頃若手ばかりでプロジェクトに取り組んだ日々の話を聞いた。このとき会社から3つの命題が与えられ、同時に自由に使える部室のような部屋も与えられた。現場の仕事が終わると皆そこに集まってきて、ワイワイと議論を交わす。部屋の壁に必要な情報を張り、机の上は議論したままで帰って構わない。そこで合宿してもよかった。今、彼は若手にそんな部屋を与えようと考えている。
某社の事業部長が、15人の設計部員を3チームに分けた。『今日の商品』を作る部隊、『明日の商品』を作る部隊。そして『明後日の商品』を作る部隊を5人づつに分ける。このうち今日の商品を作る部隊は目先の商品の立ち上げに全力を尽くす。明日の商品を作る部隊はコストダウン目標の達成と進捗管理に注力。そして明後日の商品を作る部隊は次期戦略商品の構想を練る。次の商品を育てるには、それに集中できる明確な役割分担が必要なのだ。
某社の技術部隊を率いるマネージャのK氏は、提案件数への対応率を引き上げることに拘っている。現場から設計変更も含めて多数の改善提案が出る。これらの提案にきちんと対応すると提案件数が増え、対応せずほかっておくと提案が無駄に思えて件数そのものが減ってしまう。そこで、この半年で対応率を49%から75%へと引き上げた。改善提案に対応することは明日の仕事を作ること。目標は90%だ。
甲子園で地元の大垣日大高が春に続きこの夏も順調に勝ち進んでいる。野球に興味を持ち始めた息子にとって、地元チームが勝ち上がるのはかなりの興奮だろう。新聞によると、同チームの主力2選手は、試合のない日は名古屋に帰ってきてマッサージを受けているという。甲子園=全員で旅館合宿というイメージがあるが、考えてみれば新幹線で余裕の日帰り圏内。そんなチームは他にもあるのだろう。
岐阜の多治見市で40.9度の異常な暑さ。新聞によると同市に本社のあるのスーパーValorの店頭ではビール昨対30%増、ペットボトル70%増。スギ薬局では制汗剤が34%増、日焼け止め45%増、栄養ドリンク25%増、熱さまシート15%、首を冷やすベルト28%増だという。冷蔵庫は暑さで故障しやすくなり1割増。エアコンは2割り増だが、修理依頼は5割増しだという。みんな、大変だ。本当に。
ちっとも鮎が釣れないので頭に来て、ヤスで鮎を刺して捕ることにした。かつての鮎は群れておらず、一匹づつ石についていたとき。このときは、友釣りでガンガン釣れた。しかし、鮎は群れたら釣れない。そこで川に潜って追い回す。群れ鮎たちが、美しいナイフのような輝きを放ちながら私の目の前を通り過ぎていく。そこに目一杯ゴムを握ったヤスを放つ。30年ぶりの気持ちよさ。すごく癒された。
子供の野球部の合宿に参加する。合宿と言っても川で遊びキャンプファイヤーを楽しむ親睦会だが、キャンプファイヤーは「自然の家」に一緒に宿泊した他のスポーツ少年団と合同で行った。司会は施設のお兄さん二人。どうやってやるのかな?と思ったら、じゃんけんや拍手、校歌斉唱など極めて簡単な遊びで二校をすっかりまとめてしまった。こんなところにも生きたノウハウがあるのを見て感心した。
昨日の外食産業の社長は、選んだ人材を、3ヶ月で自分の意思を継げるいっぱしの店長に育つプログラムを持っていた。その人材を選ぶ基準は「靴」。社長宅に挨拶に来たときに靴が揃えてあれば○、揃えてなければ×、ただそれだけ。靴が揃えられないのは親の教育が行き届いていない証拠。そんな人物には自分の教育も行き届かないからだ。判断基準をたったひとつに絞るところに、社長の凄みがある。
福岡市内の焼肉店など数店舗を経営する外食産業の社長の話を聴く。社長は直営とのれん分けで経営している。その理由のひとつが、飲食店よりも水商売をしたいということ。水商売は自分が投資をし、自分が現場に立って行うもの。だから、悪いときでも諦めず、潰れない。しかし、FC化して作る飲食店はすぐ諦めるからすぐ潰れる。水商売と飲食店の言葉の分け方に、社長の生き様が出ていた。
福岡市内のパチンコ屋の看板を見て驚いた。その店にはパチンコのコンセルジュがいるという。初心者のためにパチンコの楽しみ方を一から教えてくれる案内人だ。コンセルジュが付けているベストは金色で一目でそれと分かる。パチンコ市場も新規客の取り合いが激しく、まずはパチンコを優しく身近にしようとする戦略なのだろう。団塊や主婦層に支持されるこれからのパチンコは、接客業である。
豪腕商社社長のセールスを同行取材した。彼のセールスの真髄は、第一声にある。「今日は××さんに○○を持ってきました」。この○○に「客単価を上げるためのソリューション」や「口コミで評判を作るためのソリューション」などの言葉が入る。マスコミの人にも、「貴社だけの独占スクープを…」といった調子だ。私も駆け出しの頃「お役立ちの想いをもってセールスしろ」と習ったが、今はそれを告げてから商談する時代なのだ。
ある証券取引所の部長の話を聴く。「新興市場に上場し、株価が半減したぐらいでどうこうと考えて悩む社長は、元から上場する資格がない」と手厳しい。新興市場は、集めた金と知名度をヒト・モノだけでなく買収等のために投資し、さらに大きなビジネスにし、より大きな市場に上場するための通過点。株価半減しても、長期的には必ず+になると信じる。その志なくして上場するなと言っているのだ。
コールセンタでできないオペレータの営業成果を上げる秘訣を聞いた。まず、何にどのくらい時間を遣ったのか自分の時間を記録する。次に、できる人とできていない人の時間の遣い方を比較してムダを探し、改善する。さらに、毎日のコール数の動きを見て、ムラがあるようなら平準化する。そして、少しでも進歩したら誉めて、「私には無理」という諦めの気持ちをなくす。どこの世界でもムリ・ムラ・ムダなくせというが、その手法を具体的に聞いたのははじめてである。
福岡市内を早朝ウォーキング。朝帰りの客を狙った店だろうか、朝6時に経営している屋台ラーメンがあり、客も5人居た。キャナルシティ横のソープ街では、その時間からポンピキが立って、客の呼び込みをしていた。また、キャナルシティ横同じラブホテル前には「特選カレーフェアの幟が一杯」。なぜラブホでカレーフェア?と考えたがわからない。それぞれ街にそれぞれの感覚があるのだ。
安倍総理の演説をTVで観る。申し訳ないが、とても聴く気になれない。聞いたところで、信じられないのだ。彼が改革を進める責務を果ため辞めないのはわかる。が、選挙で負けた人の言うことは、その中身がどうであれ、こんなにも絵空事に聞こえてしまうものかとビックリした。経営者もコンサルタントも政治家も、裏付けあって信用を獲得できる。私も信用を失わぬよう、精進を重ねねばならない。
手元の週刊誌に、岡山選挙区で片山氏を破った姫井氏の写真が載っていた。そこには「お見事!!姫の虎退治!!」と書いてあった。こういうのを「悪ノリ」というのだろう。こんなの掲げたら、相手を怒らせるだけである。6年後、もし彼女が返り討ちに合えば、その原因は姫井陣営にあって彼女のことをろくに考えずこんな横断幕を掲げた身内にある。政治家には勝って兜の緒を締める統率力も期待したい。
2年前にの研修で「1年後、私はこうなっている」と将来を予測し未来日記を書いてもらったマネージャと面談。彼は「先生、あの日記の通り生産性280%増の目標達成できました」と嬉しそうに語る。日記を書いた当時、作戦なんて見えてなかったから自分が必死で考えた。折角一生懸命作ったのだから困ったときに読み返す。すると原点に返ることができ、足りなかった勉強課題が分かる。その積み重ねから目標達成できたという。
今日面談した某社部長はA4サイズのダイアリーを使っていた。情報があまりにキレイに整理されているので感心して尋ねると、若い頃上司に教わったという。月間スケジュール欄には商品の納期を書き、納品したら色を塗る。日々の行動欄には誰から主なメールをもらった、送ったが書いてある。社長の指示は赤マーカー、所長の指示は緑。会議議事録は黄の色分けも見事。部長のダイアリーを真似している部下が3人いるというが、それも納得の管理術だった。
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