妄想誘発剤

2006年06月29日(木) やめておけばよかった




やめておけばよかった

後悔しても遅いけれど


やってみればよかったと思ったかもしれないのだから
仕方ないよね



2006年06月28日(水) くだらないことばかり大事にして




くだらないことばかり大事にして
そういうのが得意だから
必死でかきあつめて
手のひらいっぱいになって
いつしか持ちきれなくなって
どこかで休めばいいものを
躓いて転ぶまでわからない

そんなことをくりかえしてばかりいる



2006年06月26日(月) みんなが正しいと言うけれど






いくつも言葉をならべて
たくさんの理由を述べて
もっともらしい顔で
これが正しいと言うけれど



多数決じゃなくて
それを決めるのは自分でしょう



2006年06月25日(日) 懐かしい本のページをしみじみとひらく





いい言葉だね
この感触
このならび
じんわりとしみてくる

甦る思い
しおりみたいにはさまって
どのページにもいとおしい思い出が
紐解かれるのを待っていた



2006年06月24日(土) あの時の気持ちはもう二度と手に入らない




あの時の気持ちはあの時だけのものだから
もう今からどうにかがんばったって
手に入れることなんかできない

どうすれば取り戻せるのか必死にがんばったけれど
それはとうていむりな話で
もうすべて過ぎ去っていった気持ちだった

だからあの時には考えもしなかった気持ちが
今ここにあるのです



2006年06月23日(金) なくてもいいようなものだけど





たぶんそれは
なくてもいいようなものだけど

あればあったで嬉しいと思うんだ

なくても困らないし
特に支障なく暮らせるし

でもあっても困らないでしょう
だからしばらくそばに置いてみてもいいと思うんだ

その恋を



2006年06月22日(木) どれひとつとってもセーブできない







キケン極まりない綱渡り

守りたいものを
遠くから指をさして数えるだけ


手のひらに載せることすら
怖い



2006年06月21日(水) 眼球のかわきが限界に近い









うるうるしたいのかしら

なかば強制的にでも?



2006年06月20日(火) きみの機嫌がよくなるところへ行こうよ

きみの機嫌がよくなるところへ行こうよ


それだけがいまのあたしののぞみだから



2006年06月16日(金) 意外とあたしは守られている







なんだかんだ言っても
予想したよりも最悪の状況になったことはないし
死にそうになったこともなければ
死んだこともない

いつもどうにかなってきた
偶然ではないと思うことで
感謝の気持ちも生まれてくる



2006年06月15日(木) どうしてこんなに投げ出したくなるの








まるなげにして
罪悪感にかられながらする昼寝



2006年06月14日(水) かわいくにこにこしていられるならそれに越したことない






いつもいつでも
かわいくにこにこしてられるなら
もちろんその方がいいし
できればそうしたいとも思っている

本当は思っているのよ
誰も信じちゃくれないかもしれないけど



2006年06月13日(火) 毎日持ち歩いたあのハードカヴァー







その文字の配列が心地よくて
学校までの長い道のり
毎日持ち歩いたあの古びた本
図書館のひっそりとしたかたすみで
ずっと開かれるのを待っていた

あの時出会った物語が
今日の日の伏線だったなんて

なんてなんて



2006年06月12日(月) どんどん沈む 気持ちに浮力がかからない




底までたどりついたら
あとは浮き上がるだけ
と言うけれど



底はどこ
ここはどこ



2006年06月11日(日) もっとひとつひとつに誠実でいたいと思うのに




それを実行できないことを
時間や仕事や体調や
いろいろなことのせいにしてみても


結局つまり
自分自身の問題



2006年06月10日(土) どれに一生懸命になればいいのかわからないなんて




結局どれも真剣ではないのかもしれない
大切にしたいと想っているのに
想うのに



2006年06月09日(金) 携帯を握り締める約束のない休日



ベッドに体をなげだして

天気のよさをうらめしく想う

本を読もうか

何かを綴ろうか

それともこのままうたたねか

考えながらも右手には携帯電話



2006年06月08日(木) こんなにもしっとりとした別れ






このおだやかさは
とてもやわらかくて
いとおしくて
手ばなしたくない
別れの余韻

もっとずっと酔いしれて
そのまましばらく目覚めなくてもいいくらい



2006年06月07日(水) 早くとどけよ携帯メール




もたもたしてたら
日が暮れる
どころか夜が明ける



2006年06月06日(火) もっともだと思った時点で負けていた






たぶんそれは
勝ち負けの問題ではないだろうけれど

負けてもそれを認める素直さを
あなたがくれた



2006年06月05日(月) もう深くは考えないことにしたんだ

もう深くは考えないことにしたんだ

考えたってはじまらないや

もうちょっと浅く楽しんでもいいや

何も考えてないわけじゃないし

つきつめすぎてのめりこむわけじゃないし

ちょっとだけ身軽にしてみるよ



2006年06月04日(日) みずたまりがはなびらで埋め尽くされて花たまり




春はこんなところにしきつめられていて
足取りを軽やかにしてくれる



2006年06月03日(土) 夜への迷路を無限に泳ぐ






目を開けているだけでいい
夜は果てしなくて
闇はとてもやさしい
どこまでも泳いでいけるような気がする

目を閉じてしまえばあっというまに朝だけれど



2006年06月02日(金) さみしさのチケットを一枚






どこまでもひとりきりで
決して振り返らず進める

だってここにはさみしさがあるから



2006年06月01日(木) きれいで透明で壊れない歌声




強さは

おそらく美しさの中にある


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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