妄想誘発剤

2006年04月30日(日) プライドを捨てたわけじゃない




プライドを捨てたわけじゃない


種類を変えただけ



2006年04月29日(土) 本当の価値に気付いただけのこと





たったそれだけなんだけど

とても貴重ね



2006年04月28日(金) 煩わしいことにばかり気持ちを持っていかれる






煩わしいことにばかり
気持ちを持っていかれる


想いをそそぎたいものが
他にたくさんあるのに



2006年04月27日(木) ここ数年の配分を間違えていたかもしれない





ウエイトの置き方に失敗したかもしれない



2006年04月26日(水) なだらかな夕焼けまでの時間




刻々とグラデーションを変化させていくこの時間に

いくつもの言葉が浮かんでは消えていく



2006年04月25日(火) 風ばかり強くて目をつぶる



風ばかり強い

風ばかり強くて

たまに倒れそうになる

たまに目をつぶったままでいいかと思ってしまう



2006年04月24日(月) みんな忘れてしまっていいの




さよなら

みんな忘れてしまっていいの

もういいわ

さよなら

忘れたことも忘れてしまえるならば



2006年04月23日(日) いつか届くと信じていた




何か強く願っているこの気持ちの勢いが
いつか届くような錯覚をもたらした

ぎゅっと目をつぶったり
つめがくいこむほどこぶしを握って



2006年04月22日(土) 思い出さなくてもいいことだってあるわ



思い出さなくてもいいことだってあるわ

次々に連想ゲームみたいに

ひきあげないで



2006年04月21日(金) 肩先で春をつかまえて




はねたひざし

ひらひらと舞うちょうちょ

風におどるスカート

陽だまりを肩先でつかまえる



2006年04月20日(木) ささやかなことにばかり後悔する






ささやかなことにばかり後悔する
あまりにもささやかすぎて
また似たようなことがあるだろうとタカをくくった

そんなことあるわけないのに



2006年04月19日(水) もっと見つめておけばよかった





目をそらさずに
どれだけの距離があったとしても
もっと見つめておけばよかった

あなたと彼女のことを



2006年04月18日(火) もう絶対に届かない




もう絶対に届かない

それくらいでいい

それくらいの絶望でちょうどいい



2006年04月17日(月) 数少ない笑顔の記憶







きみがとなりで微笑んだ回数を
今だってはっきり言えるよ

もっと笑っていてほしかった
ちっぽけなことでたくさん



2006年04月16日(日) 何をしたってひとつたりとも戻らない



あの一連の恋は

完全に過ぎ去って
完了してしまったことだもの



2006年04月15日(土) 風にとばされて散り散りに






海は風が強いね
がけっぷちはなおさら
地鳴りのような波

かき消されることを承知で
叫べばよかった
散り散りになることなんていとわずに

今になって思えば
そんなことどうでもいいことだったのに



2006年04月14日(金) 見てみぬフリのやさしさ





あなたが見てみぬフリをして
そっとしておいてくれたことに
気付いたけれど
気付かぬフリをした

あなたのやさしさを壊してしまいそうだったから



2006年04月13日(木) あの日のことばかり追わないで



私の背中のずっとむこうがわの

あの日のことにばかり目をむけないで

目の前の私を

もう少しまっすぐ見て



2006年04月12日(水) 焦点をあえてぼかして現実逃避



見ないようにすればいいんだ

見ないようにさえすればいい

そうしたら

そのまま通り過ぎることができる

忘れたフリもできる

ピンボケのままでずるがしこくすすもう



2006年04月11日(火) 私でさえこんなにもショックなのに




言葉はこんなにも無力

あなたは
ほんのりといっしゅんだけ笑った
わずかにくちびるだけで

何がそうさせたの



2006年04月10日(月) 眠れぬ夜をまたひとつ越えて





明日になれば
明日になれば何があるのか
知りもしないくせに

何かと明日に願って

眠らなくても日付は変わり
夜は終わり
朝がやってきて
願いをかけた一日を
怒涛のごとく過ごせば

また越えなければならない夜



2006年04月09日(日) ままならない恋 不確かな足取り





いつも
何一つ確かなことなどなく
頼りにしようとすることは
おぼつかなく

だからってそれらを言い訳にするわけにもいかず



2006年04月08日(土) クリームみたいにとろけてしまう






彼女との甘い時間



2006年04月07日(金) 氷のようなつめたい言葉で






愛している
という言葉のうわっつらを
横滑りしていく

中身を持たない恋を
冷凍庫に入れて氷らせて
永久保存

わたしたちが大切にしようとしていたのは何?



2006年04月06日(木) 何を思っていても決して顔には出さないで




そうすれば


安心して
あなたが出て行けるようにしてあげられるから



2006年04月05日(水) あなたの秘密を100個くらいここにならべられる





にっこり笑顔で
脅迫

でもたぶん
あなたの知っているわたしの秘密は
取るに足らないことばかり



2006年04月04日(火) 知っているからずっとずっと笑顔でいられるってこと






そんな強さを
あなたに理解できて?



2006年04月03日(月) 春風に舞う雪 距離を偽って



もっと近ければ
と言ってみたり

近寄りすぎた
と言い訳したり

こんな日に雪が降ることを
奇跡みたいに思わないと
やっていられないわ



2006年04月02日(日) 行方知れずのままでいい





この恋の行方をどうか追わないで



2006年04月01日(土) 無理やりにでも笑っておこう


今この場さえやりすごせば

あとしばらくは

またなんとかなるから


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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