みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2011年04月30日(土) 「全力疾走は掃除と同じ」

 明星高校(東京)の飯島崇史先生の名言です。
 飯島先生は明星中学・高校の監督を務めたあと、この春から教頭に。いつもいつも、勉強になるお話をしてくださいます。

 先日、町田工の田北和暁監督、鶴見大付属の青木康尚監督、岸根の野原慎太郎監督と食事をしたときに、「全力疾走を徹底できる指導者はすごい」という話になりました。

 飯島先生曰く、
「全力疾走が大事なのは誰もがわかっている。でも、それを徹底させることが難しい。学級経営でいえば掃除と同じ。掃除はもちろん大事だけど、生徒が一番、手を抜きやすいところ。そこをどれだけやらせきれるかが、先生の力。全力疾走にも同じことが言える」
 なるほどな、と。

 全力疾走、カバーリング、バックアップ。
 どれも大事なこと。でも、いざやってみると、長続きしない。
「花巻東みたいに…!」と頭では思っていても…。
 
 全力疾走をしているチームを見ると、それを実践している選手もすごいけど、やらせきる指導者も素晴らしいと思います。

 こちらもいつもお世話になっている、塩山中(山梨)の平井成二先生がこんなことを言っていました。
「世の中に正しいことはたくさんある。それを指導者自身が信じて、子どもにやらせきることができるか。そのひとつが、指導者によっては全力疾走やバックアップになる。指導者が信じていなければ、子どもには浸透しない」
 
 一方で、「何もそこまで全力疾走をしなくても…」と思っている指導者もいます。何が正しいのか、何を信じるかは指導者によって違って当然。だからこそ、いろんなカラーのチームが出てくるわけで。そのカラーを見るのが、楽しかったりします。






2011年04月29日(金) 春の高校野球(3) 千葉経済大付 触塁を指差し確認

 千葉経済大付の試合は、勉強になることが多い。いつも、何を意識しているのか見えてくるからだ。
 市立柏との試合では、ランナーの触塁を指差し確認する場面が何度もあった。たとえば、外野への二塁打。打者走者が一塁を回るとき、ファーストは目で触塁を確認するだけでなく、指差しで確認する。二塁ランナーが三塁を回るときもそう。サードがしっかりと指を差していた。ここまで徹底しているチームは初めて見た。
 
 ベースを踏み忘れることなんて、1年に数回あるかないかのプレーだ。それでも、しっかりと確認する。確認させる。松本吉啓監督のこだわりが垣間見えた。

 もうひとつ、習志野の話。
 シートノックでは、いかにも習志野らしい流し方。いい意味でも悪い意味でも、プレーを流す。だから、試合中にイージーなミスも出るが、ビックプレーも出る(と、勝手に推測)。
 勉強になったのは、最後の数10秒をつかって、一塁線、三塁線のゴロの転がり方を確認していたこと。キャッチャーが一塁側にコロコロ、三塁側にもコロコロと転がし、ファーストとサードがその行方をチェック。これって、甲子園でもやっていたのだろうか。





2011年04月27日(水) 春の高校野球(2) 市立柏の走塁術

 多分…、いや、間違いなくそうだろうと思う。
 千葉県大会で市立柏を2試合見たが、「わざとかな?」と思う怪しい走塁が2回あった。

 松戸国際との試合。相手ピッチャーは左腕。いま手元にスコアがないので、詳しいイニングは覚えていないが、終盤に一塁に出塁すると、ピッチャーがホームに投げたのにもかかわらず、ヘッドスライディングで帰塁。しかも、2度続けた。
「あのランナー、引っかかっている」という声がスタンドから聞こえてきた。自分もそう思って見ていたが、次の球で、ランナーは二塁へ盗塁。楽々、セーフだった。
 ここで、「ん?」と思った。
 さっきの帰塁は、わざと引っかかったフリをした?

 その数日後、今度は千葉経済大付属との試合。
 またもやランナー一塁の場面。経済のピッチャーは右投げ。ホームに投げているのに、ヘッドスライディングで帰塁。同じことをやっていた。左ピッチャーなら分かるが、右ピッチャーだ。
 次の球で絶対に何か仕掛けてくると思ったら、案の定やってきた。しかも、ディレードスチール。二遊間がベースに入るのが遅れて、ここでもセーフ。

 やりますね、市立柏。

 バッテリー&守備の心理として、ピッチャーが投げているにもかかわらず、一塁へ帰塁していたら、盗塁のケアは薄れるもの。その隙を突いての盗塁。しかも、経済との試合は、ディレードだったのでさらに驚かされた。

 左ピッチャーでわざと帰塁するのは、じつは中学軟式野球でよく見られるワザ。何度も引っかかったフリをしていると、ピッチャーはけん制を放らなくなる。その隙を突く。
 市立柏の福島紀和監督は、元中学軟式指導者。だからこそ、計算づくの走塁だったように思えてならない。




2011年04月25日(月) ツイッター始めました @mino8989


 ようやく…。
 時代の流れに乗り遅れて、ツイッターを始めました。日記の更新が滞っているのはそのためです(笑)。「ツイッター始めると、ブログの更新が減る」と聞いていたけど、本当にそのとおり。ツイッターのほうが手軽なので、ついついそちらに。

 @mino8989 です。よろしければ、見てください。

 にしても、いろんな方がツイッターやっているんですね。
 ぼくはいまだにやり方がよくわかっていません。分かろうとしていないのもあるんですが。元来、面倒くさがりやなので。 



2011年04月19日(火) 『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』発売!

 フリーになって7年(たぶんそのぐらい…)。
 ようやく、自分の名前で本を出すことができました。

 というわけで、宣伝です…!

 タイトルは、『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法 〜カリスマ指導者8人のコーチング術〜』(大空ポケット新書)。何だか、偉そうなタイトルでスイマセン。

 最初の取材から考えると、出来上がるまでに2年以上もかかりました。出版社の方々、取材に協力してくださった先生方、スイマセン。気長に待っていただき、ありがとうございました。途中、停滞していた時期がありましたが、何とか完成。今週から、書店に並んでいます。
 といっても! 初版が少ないので、大きな書店でなければ見つからない可能性大。そんなときは、ネットでよろしくお願いします!

http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

 普段、仕事の半分以上が中学軟式野球部に関することです。
 シニアやボーイズのチーム数が年々増えていますが、取材を通じて、「部活の必要性」「先生が教えることの意味」を感じていました。
 それをお世話になっている編集者に話したところ、「本にしましょうよ!」と。野球部で1冊とも考えていましたが、「もっと広く!」という編集者の要望もあり、さまざまな部活の指導者を取材することになりました。
 ソフトテニス、演劇、コーラス、吹奏楽、卓球…、勉強になることばかりでした。

 教育本のようなタイトルですが、部活を教えている先生にぜひ読んでほしいと思っています。これから、教師を目指す学生にも! 見本誌をお送りした先生からは、「指導者が勇気をもらえる本」と言っていただきました。

 以下、大空出版のHPから抜粋です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中学の部活には「人を育てるノウハウ」「組織作りの秘訣」が詰まっている。
 指導するうえでもっとも難しい年代とされる中学生と接しながら、部活で数々の実績を挙げてきた先生たち。野球部、ソフトテニス部、卓球部、吹奏楽部、コーラス部、演劇部のカリスマ指導者から「人を育てる」極意を探った。そこには子育てにも、社会の組織論にも通じる、「人作り」「組織作り」の優れたノウハウがあった。

★序文にかえて 宮城県利府町立しらかし台中学校 猿橋善宏先生
「ぼくら大人がリードして、子どもたちとともに復興へ進もう」
*東日本大震災で被災された猿橋先生から、復興にかける想いを寄稿いただきました

★第1章 「生きる力」を伸ばす
猿橋善宏先生/利府町立しらかし台中(宮城) 野球部

★第2章 「存在」が「責任」を生む
竹上孝子先生/姫路市立広嶺中(兵庫) コーラス部

★第3章 豊かな「感性」を育てる
大野敬一先生・戸澤文生先生/船橋市立御滝中(千葉) 演劇部
長谷川信之先生/船橋市立葛飾中(千葉) 演劇部

★第4章 「我慢」から学ぶこと
岡本浩志先生/元・神戸市立有馬中(兵庫) 吹奏楽部

★第5章 「目標」の大切さを教える
大河原昭広先生/江戸川区立上一色中(東京) 男女ソフトテニス部

★第6章 「本気」が子どもを導く
岡本博先生/元・八王子市立第六中(東京) 卓球部

★巻末コラム わが子が伸びる「いい集団」とは?
      「Q−U」で組織の状態が分かる



2011年04月17日(日) 春の高校野球(1) 戸塚、東海大相模を破る大金星!

 本日は横浜−桐光学園を見るために保土ヶ谷へ。

 途中、携帯で他球場の経過をチェックしていたら、戸塚が東海大相模をリードしていた。そして、そのまま逃げ切り、3対2で勝利。相模原球場に行けばよかったかも…。でも、横浜−桐光も見ておきたかったし…。仕方ない。

 戸塚の試合は1週間前に観戦。関東学院との2回戦、5回コールドで圧勝した。
 保土ヶ谷で横浜隼人−桐光学園を見たあと、戸塚のエース水上卓也が見たくて、市立川崎グラウンドに移動した。
水上は、4回を無失点。印象は、「投げ方が変わった」ということ。昨夏はテイクバックがやや大きかったイメージがあるが、右太ももの外側で隠すような小さなテイクバックに。また、セットポジションではやや屈むように、逆「く」の字でセット。菅沼努監督に聞くと、冬場にフォームを変えたとのこと。

 目的は水上のピッチングだったが、戸塚打線の振りの鋭さに驚かされた。上位下位どこからも長打が飛び出す。菅沼監督は「練習試合から、これぐらい打っているよ」と、涼しげな顔。冬場は1日1000スイングを目標に、振りまくっていたそう。

 ネット裏には、東海大相模の偵察隊の姿が。選手4人、そしてコーチがあとから合流。思わず、コーチに「次の相手、戸塚でしたっけ?」と聞いてしまった。戸塚は、次の次の相手だったわけですが。
「相模がなめてくれればと思ったけど、偵察したらダメでしょう」と苦笑いの菅沼監督。
 でも、相模が偵察に来ることを見越して、水上は投げる球種を制限していた。この日はストレートとカーブのみだった。やりますな。

 で、本日、水上が東海大相模を5安打2失点に抑え、完投勝利。打線も相模投手陣から10安打を放ち、3対2。見事に、センバツ優勝チームに競り勝った。
 水上は前日の市ヶ尾戦でも投げているが、ここでもストレートとカーブだけ。相模戦から、球種をひとつ増やし、これがカウント球として生きたようだ。

 水上は、横浜市立橘中の軟式出身。中学時代から評判のピッチャーで、私学からも声がかかっていた。東海大相模・門馬敬治監督もその存在を知っていたはず。
 戸塚を選んだのは、菅沼監督の存在があったため(監督になったのは昨秋から)。菅沼監督は横浜市立菅田中、東鴨居中などを率い、横浜市の専門委員長も務めた先生。菅田中時代は、山口哲也(巨人)を擁して、全日本少年に出場している。菅沼監督が国士舘大のOBということもあり、横浜隼人などにも好選手を送っていた。

 ちなみに、水上の女房役の赤松崇哉は、横浜市立泉が丘中で全日本少年に出場。このときのエースが、南高校をベスト8に導いた八巻大輔である。

「新入生もいいよ」と菅沼監督。20名以上の1年生が入学してきたそう。全日本少年に出場した横浜市立浜中のエースも、戸塚に進んだ。中学指導者時代のつながりもあり、市内の野球部から好選手が進んでいる。


 東海大相模の敗戦をライバル校の監督はどう受け止めているのか。
 横浜―桐光戦が終わったあと、横浜のベンチ裏からは「相模負けたって」「え? 何対何?」という会話が聞こえてきた。

 そして、渡辺元智監督のコメントが興味深かった。
「夏を見据えていますよ。ある意味、計算していたところもあるんじゃないですか。門馬監督は、いい監督になりましたね」
「勝ち続けてくれたほうがよかった。ここで負けた方が夏は怖い」

 夏の神奈川が面白くなりそう。

 それから、たぶん…、神奈川の指導者のほうが、東海大相模のバッターに対する攻め方を知っているような気が…。

 やっぱり、面白くなりそうな、神奈川の夏です。





2011年04月13日(水) ジャパンライムから高校野球指導者のDVD発売!


 中学指導者にはお馴染みのジャパンライム。中学野球界の名将たちの指導理論、練習法を収録したDVDを発売している会社です。

 前々からその構想は聞いていましたが、ついに高校野球の指導者が登場するDVDが発売となりました。高野連から無事に許可も下りたようです。いろいろと大変だったようですが。

 3月下旬、3タイトルが同時発売となりました。
http://www.japanlaim.co.jp/hsbb/

★動きのコツがわかる! アイディア野球トレーニング
山崎慶一監督(岡山学芸館)

★野球指導者のための「監督塾」
 大藤敏行氏(中京大中京元監督)

★知将・鈴木博識のピッチングスキル
 鈴木博識氏(元日大監督)

 鈴木さんは現在、母校・小山高校でコーチをされています。

 今後も、いくつかの企画が進んでいるとのことです!



2011年04月11日(月) 練習試合の相手を募集しています 〜宮城・秀光中等

 朝、宮城・秀光中等教育学校の須江航先生から電話。

 学校は4月下旬から始まる予定。部活は新入部員を入れて、計10名で活動中とのこと。県外から来ている選手は、地元に戻っているようです。親は心配ですよね…。

「いま、一番欲しいものは何ですか?」と尋ねると、「練習試合の相手です」と予期せぬ答えが。さすが、須江先生です!
 今週末には秋田に、そして来週末には石川・星稜中に遠征に行くそうです。

 この震災で、春の大会が中止になり、県外との練習試合もほとんどがキャンセル。そんなわけで、5月、6月の日程が丸々空いているそうです。
「どこか、宮城まで来てくれる学校ありませんかねぇ…。子どもたちも野球をやりたがっています!」
 
 余震も続き、原発問題もあり、学校の理解、保護者の理解を得るのがとても大変だと思いますが…、「うち、行きます!」という学校(指導者)がありましたら、ぜひ、ご連絡を!



2011年04月06日(水) センバツの話(3) 長田竜斗と生麦中

 決勝で5回を無失点に抑えるなど、予想以上(!)の活躍を見せた、東海大相模の長田竜斗。

 彼は横浜市立生麦中の軟式野球部出身。
 当時から、「生麦中の左腕がいい!」と評判だった。ただ、長田以上に高校関係者の評価が高かったのが、横浜市立市場中の関悠平。
 夏の2回戦(3回戦だったかな)で、生麦中vs市場中のビックカードがあったので観戦にいった。たしかにどちらもよかった。長田は、今のように小さいテイクバックではなく、もっと自然に投げていたような記憶があるが。

 関は県内の私学からも誘われたが、結局、日大三へ。
 長田は県内の公立という話もあったが、夏が終わってから、相模が熱心に誘い、東海大相模に進んだ。バッテリー2人で、入学している。
 このときの生麦中は能力が高い選手が多く、長田と二枚看板だった右のエースが横浜商大へ。そして、当時、3番手の立場だった右サイドが県川崎工へ。それが、この春も注目ピッチャーのひとりに挙げられている青柳である。サイドから140キロを超えるストレートを投げる。どこで、どう伸びるか分かりませんね…。

 東海大相模で、地道に、地道に練習をしていた長田。
 一時、サイドスローで投げていた時期もある。何か、突破口を開こうと、必死だった。

 決勝後に話を聞くと、「秋が終わってから、近藤が手術をしたのが大きかった」と、話してくれた。話してみると、「本当に決勝で投げた子?」と思うぐらい、淡々とした選手である。
「近藤がいないので、自分がピッチャー練習を引っ張らないといけない。投げられるチャンスもあると思って、取り組んでいました」
 
 もし、近藤が万全であれば、センバツで4人ものピッチャーを使うことはなかったと思う。ある意味で、近藤の手術が、門馬監督の考えを変えたのかもしれない。
 1月に取材に行った際、「今年はエースがいないから。誰が投げるか分からないよ」と話していた。もしかしたら、このときから、ピッチャーのやりくりを考えていたのかも。
 
 面白かったのが、長田が「うちの監督は策士なので、当日になってみないと、誰が投げるかわからない」と言っていたこと。選手にも、「策士」と思われているんですね。



2011年04月05日(火) センバツの話(2)庄司拓哉と相模原市

 東海大相模の初戦、関西戦。まさかの庄司拓哉先発にびっくり。

 直前の練習試合で、富山国際大付を完封するなどの好投が評価されたのか。変化球もストレートも丹念に低めに集め、振りまくる関西打線を手玉に取った。

 庄司は相模原市立大野台中2年のときに、全中ベスト8に進んでいる。左腕の技巧派で、カーブが武器だった。ひとことでいえば、「勝てる左腕」。見ていて、すごみはないが抑えてしまう。体型的な違いはあるが、同じ相模原ということで、「桐光の清原尚志みたい」という評価だった。

 中2の全中。準々決勝で敗れたのが、佐藤大貢のいる東海大翔洋中だった。負けた相手のキャッチャーが、高校では女房役に。不思議な話である。

 中3に入ると、「あまり伸びていない」という声も入ってくるようになった。最後の夏は相模原市大会敗退。それもあって、全中ベスト8の実績がありながら、私学からの誘いはさほどなかった。
 
 選んだ先は、地元中の地元、東海大相模。
 入学して数カ月経ったあと、「庄司は真面目。超がつくほど真面目だよ」と、門馬監督が話していたのを覚えている。別の言い方をすれば、もうちょっと遊び心があってもいいよ、と。
 でも、その真面目さを一番評価していた。
「真面目に頑張り続けられる子。実績を持っているし、どこかでグンと伸びる」

 庄司の恩師は、永原郁夫先生。
 2000年センバツの優勝メンバーで、三塁コーチを務めていた星野直人の恩師でもある。現在は、相模原市立上溝中で監督を務める星野先生。昨夏、全国大会に出場するなど、伝統の強さを引き継いでいる。
 星野先生の上溝中から、東海大相模へ…。という例は、じつはあまりなく、昨年度の3年生も横浜商大や東海大甲府へ。厳しい環境、高いレベルを知っているだけに、なかなか送りづらいのかも!?

 星野先生と同期で、センバツ時は1番サードで活躍していた楢原匠。
 彼もまた中学校の先生となり、海老名市立柏ヶ谷中(異動したかも)を率いる。今センバツでベンチ入りしていた野村昌大は柏ヶ谷中出身で、楢原先生の教え子となる。

 ちなみに…。
 全中に出場した大野台中。庄司の女房役だったのが、現在・平塚学園の正捕手である岡部勇樹。平塚学園の八木崇文監督は、相模原市の出身ということもあり、中学の相模原市大会に出没する率が高い。昨秋のスタメンの3分の1ぐらいが、相模原市の子だったような。
 今年は、内出中のエースの評判がいいがはたして?!



2011年04月04日(月) センバツの話(1)九州国際大付・三好の成長

 東海大相模の11年ぶり2度目の優勝で幕を閉じたセンバツ甲子園。決勝だけ、甲子園に見に行くことができました。
 決勝のマウンドに上がったのは長田竜斗と三好匠。三好は北九州市立大谷中時代から、全国区のピッチャー。『中学野球小僧』でも紹介したことがあります。全中で3位に入ると、福岡選抜のエースとして臨んだ秋のKボールは全国制覇。あの代の右ピッチャーの中では、トップクラスのレベルでした。

 全中の準決勝で戦ったのが東海大翔洋中。初回、佐藤大貢に2点タイムリーを打たれ、敗れています。この佐藤が、東海大相模の4番キャッチャー、キャプテン。甲子園の決勝で当たるなんて、何かの縁ですね。ちなみに2点タイムリーといっても、実質はレフトの落球でしたが…。
 決勝のあと、佐藤に「三好のこと覚えている?」と聞くと、「よく覚えています!」と話していました。忘れるわけないか。
 
『流しのブルペンキャッチャー』でも、三好を取り上げています。ぼくも三好に会いたくて、北九州まで取材に同行させてもらいました。恥ずかしそうにハニカミながら、ぼそぼそと喋る三好の姿が懐かしいです。「取材!」ということで、お母さんがビデオカメラを回していました。

 いくつもの強豪から誘われましたが、三好が選んだのは自宅から徒歩数分の九州国際大付属。若生監督の熱心さと、キャッチャー高城の存在が大きかったようです。高城が先に決まっていたんですね。

 中学時代と比べると、リリースの位置が高くなった印象を受けます。その分、どのボールにも角度がある。成長した姿が嬉しかったです。右方向に大きな当たりが打てるバッティングも相変わらずいい!
 恩師の野中俊宏先生も、ほぼ毎試合、ベンチ上で観戦。教え子の成長に喜んでいました。

 股関節も随分と柔らかくなりましたね。中学時代は硬くて、硬くて…。若生監督自慢の股関節トレーニングが効いたのでしょう。菊池雄星(花巻東〜西武)にも伝授したとか。

 当時の福岡選抜で、右のエースが三好なら、左のエースは大賀健一でした。ストレートの威力は大賀以上。その大賀はいま東福岡で活躍中です。『野球小僧』の名鑑にも、リストアップされていました。夏は、三好に負けていられませんね。



2011年04月01日(金) さまざまな復興支援

 あの大震災から3週間――。
 この日記に書きたいことはたくさんありましたが、なかなか、文章を書く気持ちが起きず…。

 震災直後は取材が中止や延期になったこともあり、家でずっとニュースを見ていました。朝から夜まで、何もせずに、ただボーッとテレビを見るのみ。抱えていた原稿がありましたが、パソコンの前に座っても頭が働かず。周りのフリーのライターに聞いてみると、意外に同じような方がいました。

 生きているだけで十分。でも、生きている自分に何ができるのか。野球を通じて、文章を通じて、何ができるのか。テレビで「家族の絆」を感じるたびに、そんなことを考えさせられました。

 いつもお世話になっている東北地方の先生方とは、無事に連絡が取れました。
 宮城・しらかし台中の猿橋善宏先生からは、間もなく発売になる「新刊」にメッセージを寄せてくださいました。学校は給水所になっています。
多賀城にある秀光中等は、校舎の手前まで津波が襲ってそうです。「野球どころじゃない」と、須江航先生。でも、今月下旬には遠征に出かけます。野球人はやっぱり野球がやりたい。

 各地で、さまざまな形で、復興支援の取り組みが始まっています。

 BBAの梅原伸宏さんが中心となり、グラブを東北に届ける取り組みが行われています。
http://bba.co.jp/shinsai.html
 部室に眠っているグラブ、使わなくなったグラブなどに、グリスを入れて、レースを通して、オイルを塗って…、届けるそうです。
 梅原さんが一人でやるのではなく、各地区で梅原さんと中学生が一緒になって、グラブを作りなおします。4月10日には、名古屋市立桜山中で講習会が行われるそうです。
 詳しくはホームページをご覧ください。
 
 我武者羅日記でお馴染み、兵庫・朝来中の山本泰博先生のブログでも、「我武者羅プロジェクト」が始まりました。余っている用具、道具などありますか?
http://blog.livedoor.jp/ikunopro/archives/2101700.html

 本来なら新年度。
中学野球小僧の原稿を書いているとき、「入学おめでとう!」と書こうとして、手が止まりました。
 文章を通して何を伝えられるか。いままで以上に、考える日々が続きそうです。


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