本日、神奈川大学リーグの全日程が終了。 関東学院大が9勝4敗の勝ち点4で優勝。MVPには、日大藤沢出身の右腕・鹿毛東次郎が選ばれました。鹿毛といえば…、高校3年夏の2回戦(初戦だったかな)が横浜高校。初回から四球、死球でピンチを作り、失点を重ねていた姿が思い出されます。 でも、このときの鹿毛の気迫はすごかった! あとで、日藤・山本秀明監督に聞いた話ですが、「あの試合、鹿毛のスピードが140を超えていたみたいですよ。それまでのマックスを4キロぐらい更新していました」。初回、「横浜」という思いが強すぎたのか、力みまくってしまったのが残念。 神奈川リーグの3位に入ったのが鶴見大。創部初の3位です。成績は8勝6敗の勝ち点3。神大、商大、神奈川工大から勝ち点を獲得。勝ち点を失った関東学院大、桐蔭横浜大も、1勝2敗という紙一重の戦いでした。
2年前に、現在の竹内康治監督、香田誉士史コーチの体制になってから、確実にチームが変わっています。茶髪、タバコ、遅刻が目立っていた野球部に、「規律」を作ることからスタート。この方針に、上級生から反対の声があがり、部を去った選手もいたようですが。
3位の原動力がエースの大場達也。ベストナインも受賞しました。 川崎ボーイズ〜市立川崎〜鶴見大という地元っこ。市立川崎では、2年秋にすでに140キロを超えていた隠れた逸材でした。鶴見大の練習会でも、いきなり、143キロを記録。でも、茶髪でピアスで…という風貌でした。 鶴見大に入ってからは、「遅刻魔」。タバコも吸っていました。そんな姿勢に、「ガツン!」と強烈な喝を入れたのが香田さん。「お前は上でやれる力を持っている。でも、いまのままじゃ無理だぞ」と、何度も何度もケツを叩き、大場をその気にさせていきました。
本気で取り組み始めたのが、3年秋がおわってから。週3〜4日入っていた居酒屋のアルバイトの回数を減らして、野球に専念。すると、4年春には60イニング以上投げ、ベストプレイヤー賞を獲得。リーグ戦後に行われた社会人選抜との試合では、149キロをマークし、社会人の関係者を驚かせました。
武器は、180センチを超える身長から投げ下ろされる、角度あるストレートとフォーク。強く、そして柔らかな腕の振りは、「岸(西武)を彷彿させる」と語ったスカウトもいました。
プロ志望届けを出せば、指名が濃厚だったと思います。でも、大場が選んだのは社会人。1年間、本気で野球に取り組む中で、自分がどう変わっていくか。それを社会人で経験してみたいというのが、理由でした。
「伸びシロ」という部分では、とんでもない潜在能力を秘めていると思います。来年、2年後という直近ではなく、5年後、10年後、15年後…、そんな長い期間で見てみたいピッチャーです。
大場とともにピッチャー陣を支えたのが、福原大輔。関東学院戦では、第1戦で勝利を挙げました。こちらは、横浜市立生麦中〜横浜商。生麦中時代に試合を見たことがある選手だけに、うれしい活躍です。
2010年10月17日(日) |
『聖地への疾走』(日刊スポーツ出版社)が発売になりました |
お知らせです。 10月15日に、日刊スポーツ出版社から『聖地への疾走』が発売になりました。 http://ai.nikkansports.com/archives/2010/10/post_4.html 『松坂世代』『終わらない夏』『甲子園のキセキ』などを手がけた、矢崎良一さんの監修です。 コンテンツは、 ★序 章 いいチームの定義 志学館高校が応援される理由
★第1章 怪物とすれ違った男たち ダルビッシュ有と東北高校の、あの夏、ともに見た夢
★第2章 夢の向こうにあったもの 松本哲也が甲子園を目指していた時代
★第3章 なにわの公立魂 大阪府立春日丘高校、神前俊彦監督の野望
★第4章 心の併走者 “鈴木ツインズ”双子という名の永遠のライバル
★第5章 勝利への渇望 中学野球カリスマ監督、甲子園への挑戦
★第6章 延長18回の遺伝子 星稜高校・加藤直樹一塁手の“それから”
★終 章 情熱のグラウンド・夏 日大三高、痛みの先に見えたもの
いつも、複数のライターがノンフィクションを取材・執筆しています。今回、初めて、参加させていただくことになりました。 担当したのは、第5章「勝利への渇望」、明徳義塾中〜明石商で監督を務める狭間善徳先生のノンフィクションです。 明徳義塾中時代の苦労から、勝利にかける執念、甲子園への想い、長男・雄飛(明石商2年)のお父さんを見る目などを、描いています。
思ったことを素直に口に出す狭間先生なので、正直、敵も多いです。誤解されることも多い。ですが、ずっと一緒にいる選手からは、悪い言葉が一切聞かれません。「自分たちのために、こんなにやってくれる先生はいない」と。 今年の夏前には、生まれて初めて、過労で倒れたそうです。「いつか、倒れるかなと思っとった」と言うぐらい、休みなく、動き回っていました。
記事では、狭間先生の指導の肝ともいえる「時間を感じる」にも触れています。よく、たとえに出すのがバントの指導法です。 「バントをするときに、必要な妖怪は何か? 次の3つから答えなさい」。 選手に、こんな質問を投げかけています。 1−首の長い妖怪 2−腕の長い妖怪 3−足の長い妖怪 正解は…。 情熱ももちろん素晴らしいですが、技術指導もわかりやすく、選手が理解できるような表現で伝えています。
この秋は準々決勝で神港学園にコールド負け。夏は2年生が多かっただけに、この秋は狙っていました。それだけにショックも大きかったようで、電話口の狭間先生はやや元気がなく…。 それでも、狭間先生なら近いうちに結果を出す。そんな気がしてなりません。
2010年10月15日(金) |
ボチボチ生きています |
え〜、またもや、スイマセン。 更新が空いてしまいました。
書きたいことは山ほどあるのですが、「ブログ書くなら、原稿書きなさい!」と言われるのが怖く、せっせと仕事をする日々でした。
更新をさぼっている間に…、 八重山商工、布佐、慶応、日大三、三本木中(青森)など、さまざまなところに行かせていただきました。編集部のみなさん、どうもありがとうございます!
春に取材をしていた、明石商・狭間善徳先生のノンフィクションが掲載されている『聖地への疾走』(日刊スポーツ出版社/矢崎良一監修)も、近々発売されるようです(もう発売されたのかな?)。狭間先生の野球にかける尋常ではない熱さを、感じていただけたらと思います。
いまは、いつもお馴染み、BBAの梅原さんとグラブの本作っています。相当マニアックな本です!
秋の高校野球は満足に見に行けていませんが、茨城・鹿島中時代から注目されていた佐藤拓也が、浦和学院の1番・ピッチャーとして活躍中と聞き、とても嬉しい気持ち。 佐藤は中2・中3と、2年連続関東大会出場。県選抜でも、オール茨城のエースで、秋のKボールベスト4。
関東大会のとき、浦和学院・森監督が見に来ていて、「もしや」と思いましたが、いろいろと迷った挙句、ウラガクへ。 うる覚えですが、鹿島中のキャッチャーのお父さんが、森監督の大学時代のチームメイト(先輩か後輩か…)で、そんな縁からつながっていったそうです。
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