(仮)日記
何かしらの感想と更新履歴。



2010年06月20日(日) アウトレイジ







冒頭の映画タイトルが表示された時の、止まった映像がとても印象に残ってます。
真上からの走る黒塗り、停止した映像に浮かび上がるアウトレイジの文字。
いいなあこの編集。

小指を詰めるときのぐりぐりごりごりいってる音と映像だけは気持ち悪かったです。
それ以外は基本、銃なのでそれほどえぐくはないんですけどね。
あ、でも、歯医者が使うあのキュイーンていってる道具で口の中をぐちゃぐちゃにするのはなあ…ものに馴染みがあるだけに想像しやすくて嫌でした。

賛否両論のあるらしいこの作品。
私は極道のどんぱちものは大好きなので、普通に面白かったですよ。
何より、キャストが豪華じゃないですか!(ここ重要)
ビートたけしは勿論のこと、小日向さん、椎名桔平、三浦友和、北村総一朗、國村隼、杉本哲太、石橋蓮司、中野英雄、塚本高史、加瀬亮。
柄本時生が出て来た時はちょっと笑ったけど。この子、ほんとに滑舌悪いんですけどねー。顔のインパクトだけはあるよなあ。

石橋さんが出てくると何故か笑えてしまうのはもう、この人の特性だと思うので仕方ありません(笑)
酷い目に遭わされてるんだけどね、なんか笑える。シリアスな演技でも一種独特な空気を持つ俳優さんだと思う。や、好きですよ結構。

加瀬に関しては、ずーっと、こいつどこかで見たことあるけど誰だろう?と考えてました。
キャストロール見るまで気付かないなんて、田中圭と同じ部類です私の中で。

椎名さんは素晴らしかったなあ。
久しぶりにこの人の演技を見たけど、やっぱりちょっと違うと思うんだよね私は。
何よりも、警察署の前で煙草を吸って、吸い殻を投げ捨てた時のどこか諦観が混じった笑み。これは必見だと思う。
凄んでる時の迫力はあともうちょっとな気がしないでもないけど、それももう数年こういう映画に出てたらさらに深みが出るんじゃないかと期待します。
この手の役柄は絶対似合うと思うんです。身長あるからスーツは似合うし、煙草吸いつつの立ち姿がかっこいい。

順番に殺されていくんだけども、最後に生き残るのは誰なんだろうなあと予想はしたくなる。
まあ、あまりどんでん返しというものはないけど。
案外順当なのかも。

小日向さんはねー、凄んでも迫力ないから、そういう場面はなくてもよかったかも。
小判鮫のように権力者にくっついて、最終的においしいところに収まる感じでいいと思うんです。まさにそういう役でしたけど。

無くても良かったといえば、こういう映画ではお決まりのお色気シーン。
椎名さんでしたけど、別にあれはなくても展開の想像は出来たからなあ。

殺され方はえげつなかったですけどねー水野。
あれは一瞬だからむしろ苦しまなくて良かったのかもしれない。

水野を殺した後の二人が道路を歩いていく様とか、冒頭の食事シーンの國村さんにカメラあててるところとか、最後のバーベキューで和気藹藹と楽しんでる下っ端さんたちとかのシーンが好みでした。
あの、なんでもない場面の挿入の感じがなんとなく好きかな。抗争シーンよりも、普段の生活シーンの方がね。




結論。
全編通して、「バカヤローコノヤロー」が多かった。







2010年06月17日(木) 告白







CMがとても気になる映画ですよね。

単に暗い話だろうと最初は特に気に留めていなかったけど、あのCMでの松たか子のドッカーンという台詞と、踊る生徒たちが気になってしまって。

何かの番組で松たか子が、冒頭から三十分くらい松がずっと話をしていると言っていたけれど、本当にずーっと松たか子が喋ってる。
教師が喋っていても気にせず好き勝手なことをしてる生徒たちの無関心さが怖い場面だと思った。

全体的に、女の執念と、母親のある種の愛情と、集団心理の恐ろしさが占めている感じ。
無知と無邪気で悪意を誤魔化しているような子供たちも結構怖いものがある。

実際、こんな感じだよね子供って。
教師の告白から、愛娘を殺した少年たちへ、或いは殺人者に対しては何を行ってもいいという免罪符を得たようなね。

教師自身も、娘の復讐のためにえげつないことを計画したものだと思う。
自分が当事者になった場合、同じようなことをする可能性がないわけじゃないと思うけど。

話は淡々と進みます。
教師自身が声の調子を抑えて話すので余計にそう感じるかも。
感情の起伏の無さが余計に薄ら寒い。

音楽も良くて、この映画では音楽はかなり重要な位置づけがされているよなあと感じました。
違和感がなかったのかな。どこで何が流れてきても、非常にすんなり耳に入ってきたというか。
どの曲もぴったりの選曲だと思う。違和感を感じないっていうところがもう、何ていうか凄い。大抵、ん?って思うことはあるのに。それか、曲の方に気を取られてしまうことが。
今回はそれがなかったなあ。

松たか子と木村佳乃は素晴らしかった。
松のあの泣き方と、その直後の世界も自分も何もかも突き放したかのような一言の呟き方が何とも言えない。
木村の鮮血を顔に浴びるシーンは、どこかで見たなあこういう場面(ジャンゴでね)と思ったりもしたけど(笑)
木村佳乃の叫び方っていいなあ。あの恐怖感は結構くる。


最後のスタッフロールを見たとき、新井浩文と高橋努はいったいどこに出てきていたんだろうと思いました。
多分高橋努は戸倉先生だと思うんだけど。
あまりに一瞬だったせいで確認ができませんでした。



結論。
年齢制限されてる理由がよくわかる。






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