待ってました!むしろダ・ヴィンチ・コードよりも!
ダ・ヴィンチ・コードの映画化が決まったとき、友人と「映画にするならむしろ天使と悪魔だよね」と語っていたことを思い出します。 映像化するならどう考えても天使と悪魔なんですよ! あの爆破シーンなんて、映像化されたらきっととても綺麗だと信じてました。
ダ・ヴィンチ・コードよりも、天使と悪魔の方が時系列的には先なんですけれども。ダ・ヴィンチを先に作ったせいで、天使と悪魔はその後の話になってました。まあそうだよね。
ところどころ原作と違った点があって、そのへんは気になったけれど。 あの原作を読んだ後に実際に事件現場を巡ったことを思い出します。懐かしい。
セルンの話はすっぱりさっぱり切られていましたね。時間的余裕がないんでしょう。 ナヴォーナ広場で殺害されるバッジア枢機卿が生きていましたね。びっくりです。四大河の噴水での、暗殺者とラングドン教授の格闘もなかったことになっていましたね。時間的余裕でしょう。 バッジア枢機卿が生きていたので、教皇選出は滞りなくバッジア枢機卿に決まりました。あれ?
原作では、大選皇枢機卿が教皇に選ばれていた筈なんだけどなあ。
登場人物が結構切られているみたいなので。
実は結構長い作品になっていると思ってた。原作が原作だから。 それが、蓋を開けてみると案外すっきりしてる。それでも二時間半近くあったのかな。あ、それを考えると画面に引き込まれていたわけだからうまく作ってあると言っていいのかな。まあ、私の場合、これはどこまでロケで撮影できたのかとか、どこまでが合成なんだろうとか思いながら観てたから。違うところに気を取られててすぐに時間が経っちゃったっていう可能性もないわけではない。
そう、撮影。 絶対ヴァチカンが許可する筈がないと思っていたので、撮影は一体どうなるんだろうと疑問に思ってた。 大半はセットと合成みたいです。当たり前か。 ただ、サン・ピエトロ広場の風のレリーフとかはこっそり小型カメラを持ち込んで撮影していたらしい。 ポポロ教会やナヴォーナ広場など、外観や広場は撮影できたらしいので。サンタンジェロ城は二日間借りられたらしいので、その二日でライトアップし、撮影に挑んだらしいですよ。よく許可したなあ。
システィナ礼拝堂や大聖堂の内部など、更にはサン・ピエトロ広場も撮影許可が下りるわけがないので、合成やらセットやらで頑張ってるみたいです。ただ、そのために天地創造やらサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会などの細部は濁されています。ヴィットリア教会の内部って装飾でごてごてしててとても豪奢で楽しいのに、火刑の場面がここのせいでそんな細部なんてあってなきが如し。火で全て誤魔化されてる…。この教会素敵なのに。
広場を見下ろしている場面とかも、結構すぐにぼかされるので。
あ、あの焼印は組み合わせるとまたひとつの印ができあがるのに、その説明も何もなし。 思い切った脚本構成だって言ってるけど、思い切りすぎなんじゃとも思わないでもない。切っちゃって映画本編じゃひとっつも出てこないんだから、中途半端にパンフレットにだけ載せないでよ…こっちは知ってるからいいけどー
あ、ヴィットリア教会だったかしらポポロだったかしら。あの天使と悪魔像がいかにもここに安置されていますって風にちらっと映ってるんですが。置いてあるはずがないので勘違いはしない方がいいですよ…や、本気にはしないだろうけどなんとなく。
案外、ラングドン教授に警察がくっついて回ってて、敢えて暗殺者とラングドン教授の格闘を避けたような気がしないでもない。本当なら噴水の場面で教授は死んだと思わせておいて、サンタンジェロ城の隠し通路からヴァチカンに向かっていたような…ああ、原作読み直したくなる。
とにかく、時間的余裕がないので色々削って削って分配してみましたって感じです。 や、面白いは面白いですよ? 映像化するならこっちだと思ってたくらいだし。
結論。 で、結局パンテオンでは全部撮影できたのか否か。パンフレット読んだけどそこんとこがよくわからなかった。
2009年05月14日(木) |
バーン・アフター・リーディング |
ブラック・ユーモアな映画ですか
勘違いが勘違いを呼び、更なる勘違いを呼ぶパニック系って言っていいんだっけ。 なかなかにブラックです。
CIAから話は始まり、それぞれのキャストに順番に照準が当たって、その、ちょっとずつのすれ違いを客は観るわけだけれど。
ああ、ここでこういう風にずれていくんだなあと。 脚本としては、コーエン兄弟ですからね。笑えるか笑えないかは別として、緻密な筋書きはさすがだと思う。
んー、まあ、浮気とセックスと離婚な話だった。各々がそれぞれ自分自身を信じているからずれていくんだろうけど。
あんまり感想はこれといってないんだよね。ちゃんと作ってあるとは思う。 キャストも豪華。これのために観に行ったといっても過言ではない。なかでも、ジョン=マルコヴィッチ。
マルコヴィッチはさすが!まさに! あんなに情けなくてバカでなんにもできない人を演じているわけなんだけど、本当にそんな感じの人に見える(笑) 最後の、ナタ振り回して男を惨殺するシーンは恐かったなあ。いてもおかしくないと思うんだよね、ああいう人。酒が入ってるから余計にそう思うのかも。 人間、キレたら恐ろしい。何するかわかんないから。
ティルダ=スウィントンもジョージ=クルーニーも、他の映画からは想像できないお馬鹿な人々で。あ、でも、ティルダはコンスタンティンのときのガブリエルがよかったしなあ。
いちばんはブラッド=ピットなんだろうけど。 ブラピが脳天撃ち抜かれて即死してる場面なんて初めて見た(笑) しかも、パンフレット見たら、チャドは童貞で、童貞のまま死ぬんだって。 そうなんだ! 確かに彼女できなさそうなんだよねチャド。そしてお人よしっぽい。
ジョージ=クルーニーとブラピが気にしてた、この映画の脚本はあてがきだってこと。 演じてた彼らじゃないけど、コーエン兄弟がこの脚本を書きはじめるとき、一体キャストをどう見てたのか気になるところではあるなあ。
そういえばハリウッド映画にしては案外サントラが少なく、静かな映画でした。
結論。 これまでの出演作品を念頭において観てしまうとイメージが崩れる可能性がなきにしもあらず。
案外面白かったですよ。
CMを観ている限りでは、安土桃山時代といえども奇抜な服装で、しかもストーリーが、織田信長に謀反した明智光秀と裏で秀吉が繋がっていた証拠を、石川五右衛門が手に入れてしまったっていう。 新解釈の歴史ものと言われてしまうと非常に違和感を感じてしまうのは、学校教育のおかげでしょうけれど。
まあ、確かに秀吉と光秀が繋がっててもいいかもしれないよね。後々、秀吉がほぼ天下を取るわけだから。そのためには信長は邪魔でしょう。
紀里谷監督作品なので、全面的にCGが目立ちます。 アクション部分もかなりの割合でCG合成が使われているので、人間業とは思えない動きを五右衛門がしていたりするんですけれども。 あの跳躍はないよ(笑)そんなに人間跳ばないって(笑)
奇想天外な内容で、CG多用で、五右衛門が主人公というところでどうなることかと思いましたけど、これはこういうものだと思って観られれば、これはこれで面白い。
五右衛門役の江口洋介が非常に男くさく、とくに最初の頃の、水浴びした後の後ろ姿とか、いいなあと思いながら観ていたり。遊女を両脇に侍らせて舞いに興じている様とか羨ましい。戸田エリカには驚いたけれど、佐藤エリコは似合うんじゃないですかこういう女性。 五右衛門が五右衛門らしく泥棒を働いているのは冒頭のシーンだけで、その後はアクションメインになるんですが、初めの泥棒シーンは結構好きでした。屋根の上から盛大に小判をばら撒く姿が、今描くとこうなるっていう映画の一場面らしいシーンだなあと。
あ、馬は緑色のはりぼてを作って跨って撮影したって笑っていいとものクイズコーナーで言ってました。確かに、本当に馬に乗るとこういうアングルでの撮り方は難しいかもなあと思わせられる。 グリーンバック撮影が大半みたいなんですが、一応セットも作ったそうですよ。セットを作った上で、更にCGで装飾されているっぽいですよね。
個人的には、又八役の玉山鉄二をもうちょっと観たかったんですけど、あ、これ玉鉄だと気付いたときには出番の半分が終わってしまっていました。彼、話の流れ的には重要な役どころを担っているんだけど、ちょい役だよなと思ってしまえばちょい役です。
ゴリが佐助ということで、どんな忍の技を見せてくれるのかと思えば、佐助にアクションはないんですよねー。名前だけかよ(笑) 逆に、霧隠才蔵と五右衛門の戦闘シーンはかなりの見せ場だったんじゃないですかね。あの人たち、もう四十なんだよね。よく動く動く。殺陣もそれなりに凝ったやつを作ってると思うんですけどどうですか。
周囲の若草色の草原のCGCGした感じが微妙ですけどね。
全体的に、メインの役者の衣装は気になります。特に秀吉と茶々。顔の両脇に立ち上がってるその装飾は何だ。 偉い人ほど衣装が奇抜なので、ある意味わかりやすい。
信長役の中村橋之助さんが謳いながら舞っている姿は、さすがと思わざるを得ません。 大河ドラマのときの石田三成を思い起こすと、今回の信長の方が似合ってるんじゃないかと思います。 赤い甲冑姿なのは、信長が赤い着物姿で登場する一連のドラマを思わせられるなあ。紅い甲冑は目立つ。
五右衛門が信長に見出された忍だったっていうのもまた、好きに遊んだ感のある設定ですが。 才蔵とともに服部半蔵に育てられたって(笑)
若い頃の才蔵役が、佐藤健でした。
正直言って、茶々との淡い恋物語には興味がないので、才蔵との友情の話だけでよかったんじゃないかと思わないこともないんですけど。秀吉を語るとなると茶々は外せないからですかねえ。 この時期に江口五右衛門と広末茶々を見ると、ドラマのトライアングルしか出てきませんが。
そういえば、あれだけ人並み外れた跳躍を見せてくれていた五右衛門なのに、何故才蔵が刑に処せられる時に地道に群集を掻き分けて前に進もうとしていたのか。この時こそ、あの跳躍で才蔵を助けに行けば良かったんじゃないのかとずっと思っているんですけど、そこは突っ込んじゃいけないところですかそうですか。
ここまできて、漸く触れてないことに気付いた要潤の石田三成なんですが。 素敵に悪役でしたね。秀吉は、なんていうかとても想像通りの秀吉な奥田瑛二だったんですが、悪役だけれどもどこか茶目っ気が残るというかなんというか。 比べて要三成は非の打ち所のない三流悪役だったので(苦笑)こうあるべきだっていう悪役でした。そしてあの顔とメイクが異様に似合ってた。
あの秀吉を演るには奥田さんはまさに適役だと思いました。一切違和感なかったですもん。むしろ、ゴリがね。気になって気になって。
信長が大きなバラ窓の前に立ってるんですけど、そのバラ窓がまたよかったです。なんだかゲームで出てきそう。ゲームといえば、戦闘シーンの馬とか人とかは確実にゲームで見るあれと変わらないと思う。
あ、殺されて終わる台詞のない明智光秀は、監督がやってるそうですよ。直前まで光秀役の人が決まらなくて、急遽監督が自身でやることになって台詞を削ったそうです。テレビの番宣で言ってましたね。
そして、実は最後に泣ける。
結論。 どこまでがCGなのか。
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