(仮)日記
何かしらの感想と更新履歴。



2008年08月31日(日) ハンコック





エンドロールが始まってもすぐに席を立たない方が良いですよ。エンドロールが流れて少し経つと、その後のオマケ映像みたいなのが流れるので。それを見終わってから出て行けばよいかと。

音楽がラップで、ああウィル=スミス!って思いますまず。刑務所に入ったときのあの曲とか好きだったなあ。歌っているのはやっぱりウィルなのかなあと。サントラ見ればわかるんだろうけど。

やり過ぎなスーパーヒーローの傍若無人さは目に余るものがありましたね(笑)そりゃあ周囲からクズだの迷惑だの色々言われるわけです。アルコール中毒みたいな感じだったし。
アジア系の犯罪者に向けてこんにちはと言ったのは、日本へのサービスですかあれは。それに対して、俺たちは日本人じゃねえと言い返す犯人たちもなかなかです。

大半はコメディに近いものでしたね。何事にも度を越すヒーローが世間からの波風を立てないよう、本当の意味でのヒーローになるために努力するという話でしたが。その原因が結構寂しいなあと。

それにしても、命を助けてもらったからと食事に招いて、更にはハンコックの評判を良くしようと親身になって世話をするレイのなんといい人か。助けてもらったらちゃんとお礼をしなければいけないという親の躾が良かったんだろうねえと考えてしまういい人。
だから、最後にハンコックとレイが連絡を取り合っていたことにほっとしましたね。あれで音信不通になって別れてしまっていたらハンコックがとても可哀相かと。

ハンコックの能力は結局神からのギフトというか、元々そういうものに属するモノだったというか。
力の秘密を知っていくほど本当は結構悲しい話なんだなあと思います。愛する人を助けるためには離れるしかないって、つらいものがあると思うんですけど。しかも、その人には別に夫があって、暖かい家庭を築いているとなるとねえ。

唯一の救いは、ハンコックが記憶喪失であるということだろうか。

全て思い出していたら、生涯の伴侶に新しい夫がいて、しかも世の中のためにハンコックは生きて人々を救って、とか言われたらね。結局独りであることにはかわりはないし。
それでも理解者を得たことが彼の救いなんだろうか。

堅い話はおいといて、相変わらずウィルはいい躰してるし、カーアクションは派手だし、ハリウッドだなあとしみじみする。犯罪者たちの幾つかの顔が、別の映画のどこかで観たことあるような気がするなあとは思ったけど(笑)

最後の最後の、あの「ウルヴァリンもどきが!」っていう台詞には笑えたなあ。
これ、X-MENを観た人じゃないとわかんないんじゃ…って思うけど。確かにスーツのデザインがそうだよ!って。雨雲を呼んで竜巻を起こすところなんてまさにね。アメコミの世界です。

それにしても、あの二人が離れたままだと力は保持するままで、年を取らなけりゃ死にもしないってことなわけだから、レイやアーロンが死んだ後はどうするつもりなんだろうか。これも考えちゃいけないんだろうけど。



結論。
髭を剃れる便利な爪だけど、通常の生活では不便だよなあ。







2008年08月13日(水) 崖の上のポニョ





大変子供向けの作品でした。

評価がパッキリ分かれているそうですね。まあ理由は判りますが。
宮崎作品ということで、求めるものが想像と違ったってところだとは思うんですが、元々宮崎氏は子供が楽しめる話を作りたかったわけでしょ?だったらあれで良いんじゃないかと私は思います。それを言ったら、千と千尋の神隠しが何故あんなに人気があったのか、そっちの方が私にはよくわかりません。あれこそ、何が何だか何をしたかったんだかわからない内容じゃないですか。もののけ姫とかナウシカとかのメッセージ性の強いものを見すぎなんですよきっと。

なので、酷評していたらしいおすぎの意見は私には納得いきませんけれどね。毎度あの方の評価と私の感想は正反対だなあと勝手に思ってます。

で、ポニョですか。

人魚姫がモチーフだとは前もって聞いていたので、そのつもりで観に行きました。丁度水曜日が休みで、レディースディのおかげで1000円で、暇でなければテレビ放送を待っていたと思うくらいですが。

お盆休みということで子供連れの親子で客席は埋まっていました。放映中も、子供たちの声がそこかしこから聞こえてきて、「ポニョー、ポニョー」と楽しそうだったので、宮崎氏の狙いは良かったんじゃないかと思いますが。
子供向けで子供が楽しめれば万々歳でしょ。

でも矢張りスタジオジブリですよねー。アナログ手法であの完成度。CG一切未使用というのですから凄い。
CMで散々観たんですが、あのポニョが波の上を走っている姿。劇場で見ると迫力も増しますよね、迫り来る波と、その上を走るポニョの足の動き!一体どれだけ絵コンテ描いたんですかと訊いてみたくなるくらい。
あれが観たかったから映画館に足を運んだようなものです私。

話的には、展開は速いですね。すっごい速い。結局、宗介くんがポニョと出会って、ポニョの母からポニョを託されるまで一日二日くらいなわけでしょう。あれで運命の女性を決められてしまったかの少年は、その後ポニョ以外に心を奪われる女性に出会ってしまったら一体どうなることか(笑)そんなことまで考えてはいけないことは百も承知ですけど、ちょっと考えたくなってしまう。
人魚姫はもうちょっと成長してますからねー

久しぶりに山口智子の声が聴けたのも嬉しかったなーあの女優さん好きですよ。結婚してから家庭に入ってめっきり出てきませんからね。
声といえば、所ジョージとあのフジモトと思うと、ああ納得というか。本人真面目で一所懸命なのに、風体の怪しさから信用されない辺りが憐れ(笑)パパはママに首っ丈で、娘のポニョも大事だというのに。

ポニョが食べた即席ラーメンの上にのっていたハム、あれ、最初は上にのっているハムを食べていたそうだけど、それを下の方のハムに変更してより熱さを強調したらしいですよね。細かいところまで気を配ってます。

ああワグナーと思ったところは本当にワグナーの曲だったのか、ワグナーを念頭においてそれっぽく作曲した久石の曲なのかどうか。判断できるほどしっかり聴いてなかったんだよなあ。



結論。
でも、ポニョってあんまり可愛くないよね。特に半漁人バージョン。







2008年08月09日(土) 道元の冒険





蜷川幸雄演出、主演は阿部寛。

演者10人で50人近い登場人物をそれぞれ演じ分け、歌あり笑いありの舞台でした。
ミュージカルが苦手なので歌われるのはちょっと、と思っていたけど、まあなんとか。阿部さんの低い歌声に酔い痴れて気にならなかったってことにしておいてください。
他にメインキャストの有名どころは横山めぐみに栗山千明。オールメールのシェイクスピアDVDを観て以来俄然注目の高橋洋と、天保十二年でのハマリ役に今回も素敵な大僧正て感じで木場勝己氏。

10人で50人を演じるわけだから、舞台袖の早着替えも重要。舞台上で黒衣さんが袈裟を着せてくれたり衣装替えの手伝い、あの木場さんの「ちょっと待て」は演出なのかアドリブなのか気になるところ。どっちでもいいし、どっちでも面白い。間に合わないメイクと足りない舞台上の人物に、右往左往している主役道元以外の動きがとても楽しい。

寺だから勿論袈裟、禅寺なので座禅、殆ど横顔ばかり見ていた文殊菩薩。
阿部さんは舞台左袖から余り動きません。

道元と、警察に捕まった不審者がお互いの夢を見て惑わされ、夢と現の狭間で苦しんでいるっていう設定でした。
ローチケの雑誌を見たときはこの説明でてっきり悲劇か何かと勘違いしましたが。大半がコメディでしたね。
前半戦はかなり笑わせてもらいました。

後半は若かりし頃の道元役も順番に変わって、ちょっとずつテイストの違う同じ人。
高橋さんのあの熱心な道元は見応えあり。悲劇も喜劇もどちらもこなす、この人の台詞まわしっていうか話し方?発声の仕方というか、その辺が好きです好みです。特に長台詞のときのマシンガンのようなとめどない語り口が。
舌咬まないのかしらと思ったりしないこともない(笑)

演出ですが。
何故鶏がナマモノだったんだろう。ばっさばっさと羽根を広げて演者さんの指を嘴で遠慮なくつっついている様はとても痛そうでしたが、さすが耐えてましたね。
出て来る度に弱っていく鶏が憐れでもあり、その様子が面白くもあり。

道元少年時代役の栗山の肩に手を置いて二人でデュエットな阿部さんの様子は、なんだかお稚児趣味みたいに見えた(笑)なまじ美男美女な上に、二人の身長差がいかんとも(笑)

応援歌を歌い始めたときの三人が非常によくて(笑)これ、元歌がわかる人はもっと面白いんだろうなと思いましたけど。さすがに大学の応援歌なんて知りませんし。

場面ごとにサブタイトルがついてて、それが壁の上の方に出ているのをちらちらと見るのが楽しかったですね。

最後のテレビ画面がわんさと現れてきたとき、舞台上の役者さんたちの後ろで見え隠れする画面のひとつにちょうどその時間に行なわれている高校野球が映っていて、高校野球大好きな仙名はその試合が気になって気になって、舞台どころでなく画面を観ようと必死になってしまいましたが。駒大岩見沢の試合だったんです。相手校は忘れました。

でも、クライマックスのあれはいまいち意味がわからなかった。道元の半生を描いた舞台だなあとは思ったんですけど、それと不審者との繋がりがねえ…。
舞台自体は面白かったんですよ。ただ、言いたいことが最終的によく読み取れなかったというか。それは観る側の私の問題かもしれませんが。



結論。
鷹司兼平サイコー(私的に)






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