現実のストレスと先行き不確かな将来への不安に苛まれる男――な話でした。
弁護士だし、影で色々片付ける掃除屋だって聞いてたから、もっと裏社会な話か、それとも社会派な内容なのかと思ってたんだけど、全然違ってましたね。
まあでも、アカデミー主演男優賞にノミネートされていたくらいだから、さすがジョージ=クルーニーは素敵でしたよ。オーシャンズの印象がどうしても強かったりするんだけど、ERから渋い役者さんだったもんねえ。 でもなんでだろう、物凄くクルーニーだなあという感じがした映画だった。とても負け犬やってるのに、クルーニーだっていう存在感が強くて。
理想と現実のギャップに打ちのめされ、莫大な借金を抱えて、生きるよすがはひとり息子、みたいな。 弁護士として、時分の境遇に諦めていても、ほんの僅かな希望を未だ抱えて懊悩してる、……不運な男というところですか。
借金を返済できるだけの金と、殺された友人の形見を天秤に掛けて金を選んでしまった辺りが、身近な感じ。 そうそう理想だけを胸に生きていられないよってね。
ティルダ=スウィントンもいいですよねー。この人、コンスタンティンの時のガブリエル役がとてもとても似合ってて素敵で、あの中性的で、冷静で、むしろ冷酷そうで、ナルニアの時の白い魔女も(観てはいないけど)容赦なさそうなところがもう、ハマりすぎだなあと思ってたんですよ。
フィクサーのこの人は、それらに比べたら人間臭いなあ。まあ、ちゃんと人間な役だからそうりゃそうなんだろうけど。 自分の仕事に誇りを持ってて、ドンに選ばれたことを口には出さないけど当然と考えてて、失敗は許さないプライドの高い女性ってところ。クルーニー扮する負け犬マイケル=クレイトンとは対照的な人物ですね。
比較するにはちょうどいい? っていうか、そのための設定なんだろうけど。
映画冒頭と、クライマックスのあの馬の意味だけがよくわからない。 車を飛ばしているのはまだわかるんだけど。ちょっと仕事が嫌になって、スピードだしたくなったのねって思う。ただ、気が済んで車を止めたまではいいんだけど、その後、何故あの場所に馬がいるのか。しかも三頭も!(笑)
わけわかんねえ(笑)
でも、その馬のところまで行ったからこそ車の爆発に巻き込まれずに済み、マイケルは助かるわけなんだよね……なーんで馬がいたんだろ。 映画の冒頭にしたら神秘的でいいと思うよ。だけどねえ…
決着の付き方も結構あっさりしてたなあとも思う。残り10分で衝撃の!とかっていう煽り文句がある割りにそこまで衝撃はない。 ずーっと、淡々と進んで終わる。
結論。 カメラワークは好みだった。
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