加藤のメモ的日記
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真の主権在民を実現するために
日本国憲法の前文には、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その権利は国民がこれを享受する。
という一節があり、これを教科書では「主権在民」と教えている、ところが、日本の現状は主権「在民」ではなく「在官」である。つまり官僚が圧倒的な権力を握っているのだ。従って、官尊民卑の風潮が非常に強い。
そのいい例が、郵政省とヤマト運輸との間で起こったクレジットカード配達論争である。これはヤマト運輸がクレジット配達サービスをしようとしたところ、郵政省が「クレジットカードは信書だから民間人が配達するのはまかりならない」とケチをつけたことに端を発する。理由は「民間人には信書の秘密が守れない」から。役人の仕事は尊い民間の仕事は卑しいから信用できない。だから大事な仕事は役人がやるというものである。なんとも傲慢な話だ。
住専問題における大蔵官僚、薬害エイズにおける厚生官僚、そして郵政官僚…。彼らは皆、我こそが日本を支えてきたと思いこみ、一方で絶大な権力に裏付けられた既得権益にドップリとつかって甘い汁を吸っている。そのため、いくら批判されても反省も改革もできない。
日本の財政は今や危機的な状況にある。この危機を乗り切るためには抜本的な行政改革が必要だ。そのためにはどうしたらいいか……。私は3つの改革が必要だと考えている。まず一つ目は、首相公選制を導入することによって国会議員だけが握っている総理大臣の選挙権を一般の有権者に引き渡すことだ。
二つ目の政策は、東京一極集中によって首都圏のみに集中する既得権益をぶち壊し、全国的に近郊のある発展を図る。つまり首都機能の移転だ。これは現在、国会でも議論がされているが、今がチャンスだしぜひとも実現させなければならない。
三つめは郵便、郵政貯金、簡易保険のいわゆる郵政三大事業意を民営化することによって官僚の既得権益を民間人に渡すこと。と、私が主張すると、わけ知り顔の人は「小泉さんは郵政族と対立する大蔵族だからあんなことを言うんだろう」という。これはとんでもない見当違いだ。
郵政三大事業を民営化するということは、郵便貯金、簡易保険(他に年金資金などもあるが)によってかき集められた資金を原資とすりう財政投融資の見直しにもつながる。この財政資金というのは、92の特殊法人に貸し付けられる大きな資金額である。従って、これを見直せば既存の官僚機構に抜本的にメスを入れられることはもちろんだが、それだけでなく官僚の頂点に位置する大蔵省の権力構造をも改革することが可能なのだ。
いま、「大蔵省解体論」や「分割論」が声高に叫ばれているが、こう主張するる人たちが なぜ「郵政3事業の民営化」に言及しないのか、私は不思議でならない。
以上の3つの既得権(総理大臣の選挙権、東京一極集中の既得権、官僚の既得権)をぶち壊さない限り、我々のあとに続く世代は大きなツケを背負わされて21世紀を生きていかなければならなくなる。が、これはかなり痛みを伴う改革でもある。なにしろ、日本の現体制を一旦、解体しなければならないのだ。それだけに国民の支持が何よりも求められる。
本書はここまで述べたことを第二部に、そして第一部では小選挙区比例代表制度の問題点を述べる二部構成とした。さまざまな意見、反論があるだろうが、日本の危機を乗り越えるための指針となれば、私にとってこれ以上の喜びはない。 平成8年5月
『官僚王国解体論』小泉純一郎
| 2023年04月29日(土) |
今、脳死をどう考えるか �� |
【渡辺】臓器提供者の発生数が季節によって左右されるというような面もあるのかな。 【ナンシー】ホリディシーズンの直後、それと初夏は毎年ドナーが非常に多いですね。 【渡辺】ねるほど。ところで仕事の手順を少し具体的に教えていただきたいのですが、あなたが出向いていく病院の病院の現場には脳死患者がすぐそばにいて、その家族たちは ベッドのそばに付き添っている。そう想像すればいいのかな。 【ナンシー】いつもそうです 【渡辺】家族にしてみれば突然、見知らぬ人間が現れて、身内の臓器をよこせと言われるわけでしょう。「ふざけるな」と怒る人はいませんか? 【ナンシー】アメリカでは、患者さんが脳死状態に近づいたら移植コーディネーターが必ず姿を現すということは一般にも広く知られています。ですから、私に向かって怒鳴ったり、暴力をふるったりする人はまずいません。 【渡辺】イヤなら、「臓器提供するつもりはない」と断ってもいいわけだし。 【ナンシー】その通りです。臓器提供は決して強制的なものではなく家族にとって一つの選択です。私たちはそのことをあらかじめ家族に伝えて、相手の「イエス」も「ノー」同じように尊重します。 【渡辺】ただ、あなたが臓器提供の話を持ち出した時、脳死患者の家族が共通して示すような反応はありますか。 【ナンシー】脳死を宣告するのは医師ですが、その事実を受け入れなければならないのは当の家族です。そして、すべての家族は初めにまず、「とても死んだとは思えない」と訴えます。とりわけ子供の脳死患者はまるで眠っているような穏やかな表情をしていますから、両親の嘆きと悲しみは深い……。 【渡辺】その場合、最初は頑強に臓器提供を拒んでいた両親が、少しずつ気持ちが変わって、最後は同意したというようなけーすはありますか。 【ナンシー】私が最初に経験した家族がまさにそうでした。 【渡辺】少し具体的に話していただけますか。 【ナンシー】道路で遊んでいた7歳の男の子がトラックにはねられたのです。 【渡辺】そして収容された先の病院の医師は「この子は助からない」と診断して、あなたが呼ばれた。 【ナンシー】でも、私が現場に到着時点で、その子は生きていて、脳死一歩手前の段階だったのです。 【渡辺】その状態で、臓器提供の話を持ち出されても、おそらく家族は……。 【ナンシー】最初の日、家族は「絶対にイヤだ」と叫び、母親は「私は奇跡を信じる」と呟いて必死に神に祈り続けていました。 【渡辺】脳死を宣告されたのは何時間後でしたか。 【ナンシー】3日後でした。 【渡辺】あなたもずっと家族に付き添っていたわけですか。 【ナンシー】そうです。そしてあの子が最期を迎えたとき、ご両親のほうから臓器提供の申し出があったのです。 【渡辺】その両親が、最愛のわが子の臓器を他人に提供する気持ちになった最大の動機は何でしょうね。 【ナンシー】お母さんはこう言いました。「私の坊やの臓器で、他のお子さんの命を助けてあげられる。それも一つの奇跡だと考えなおしたの」と。 【渡辺】そうやって、臓器の提供を承諾した家族が、医療スタッフに何か注文をつけるということはありませんか。 【ナンシー】臓器を取り出す手術で、なきがらに外見上の傷が生じるのではないかと心配する家族は多いですね。
【渡辺】家族との話し合いが一番長引いたケースは? 【ナンシー】3日間です。というのは、脳死を宣告されて三日以上が経過すると脳の機能との関係で、臓器そのものが移植に使えなくなりますから。 【渡辺】この3年の間、あなたは一度もトラブルに巻き込まれたことはないのですか。 【ナンシー】一度だけ。ある子供が脳死になって、両親の意見が分かれたのです。 【渡辺】わが子の臓器を提供するかどうかですね。でもそういうケースがあっても当然のような気がします。 【ナンシー】父親はイエスと言い、母親は「ノー」の気持ちを自分の気持ちを自分の胸にしまっていました。そして父親が承諾書にサインして臓器提出の手術のあとで、母親は「私は実は反対だった」と損害賠償を要求してきたのです。あれは苦い経験でした。それ以来、家族全体の100%の同意が確認できない場合は摘出を見合わせます。むしろ私のほうから「臓器提出はよしましょう」という形にしています。 【渡辺】あなた自身、脳死患者の行先はすべてご存じなのですか。 【ナンシー】もちろん知っています。そして手術の成果、移植を受けた人の居住都市名、性別、年齢は必ず臓器提供のの遺族に手紙で書き送っています。 【渡辺】僕は、アメリカで臓器提供した日本人の例を一つだけ知っています。その人は今から4年前に留学先のアラバマ州で事故に遭って3日目に脳死の宣告をされた。その時、急を聞いて駆け付けたお父さんは臓器移植を申し出て、息子さんの心臓、肝臓、腎臓などがアメリカ人に提供された。 【ナンシー】ええ。 【渡辺】もしかするとこのケースは、日本人の脳死患者が複数の臓器を提供した第一例目かもしれませんが、日本へ帰国した父親の元にアリゾナのドナー・コーディネーターの方から大変丁重な手紙が届いたそうです。 【ナンシー】臓器をもらった側の患者さんはご遺族の住所を知らされませんので、私たちを通じて感謝の気持ちを伝えて欲しいと強く要望されます。そしてその手紙は、ドナーの遺族にとっても貴重な宝物のように思えるのです。 【渡辺】失礼な質問ですが、あなたは今の仕事で十分な報酬を得ていますか。 【ナンシー】それに関してだけはノーコメントです(笑)
UCLAメディカルセンターの場合、看護婦の平均年収は4万5000ドル(約600万円)コーディネーターはその1.5倍というから、ナンシーさんの年収は推定で7万ドル(約940万円)。
【渡辺】ナンシーさんはつい最近、臓器提供を受ける側のコーディネーターい変わられたそうですが、新しいお仕事のほうも大変でしょう。 【ナンシー】私は昨夜、患者からの電話で2時間しか眠っていません。 【渡辺】臓器移植は多額の費用がかかるけど、患者サイドにそうした経済的な悩みはないのですか。 【ナンシー】ほかの病院から紹介されてUCLAにやってくる人は多いのですが、ここで移植手術の待機リストに載るのは保険で手術費が支払える人だけなんです。 【渡辺】アメリカの場合、老人医療と低所得者医療は社会保険制度でカバーさえているはずなんだけど。その保険面で問題に直面するのは社会的にどういう層の人たちですか。 【ナンシー】大部分は中流階級の人たちで、全財産をなげうって手術を受けるか、それとも自分の命は捨てて、残された家族のために財産を温存するかという、深刻な選択を迫られるのです。 【渡辺】家族のために移植を断念した人は、その後どうなるのかな。 【ナンシー】残念だけど、死ぬだけです。
『いま 脳死をどう考えるか』渡辺淳一
| 2023年04月28日(金) |
今、脳死をどう考えるか �� |
私の名は、移植コーディネーター 「日本は今、さかんに脳死論争をやっているみたいだが、アメリカでもこの問題は一朝一夕で解決したわけじゃない。やっぱり死体から臓器を取り出し、別の人間へ移植するというのは、目からコンタクトレンズを外すような単純作業とはわけが違うからね」
マンハッタンから北へ約40�辧▲縫紂璽茵璽�のヘイスティング研究所を訪ねた我々に向かって、倫理生命学者のウィラード・ゲイリン博士はユーモアを交えながら熱心に語りかけてきた。「日本人のように死に関して、旧式のセンスにこだわっている限り、脳死患者からの臓器移植などできっこないよ。旧式のセンスというのは心臓死に至り、肉体が硬直し、身体が何も機能しなくなる目で確認するものだ。でも、その状態になると臓器はもう使いものにならない」
そう言うと、博士は現代医学の流れに話題を転じた。「脳死の発見は、現代医学の進歩の産物であり、それに続いた人工呼吸器の発明が脳死状態の維持を可能にした。その結果今の移植医療が登場してきたのです」博士の意見は明快である。
「脳死は、人間のパーツを取り出すことを可能にした。そこでネオモード、つまり”生死体”という新しい死の定義が生まれたのです。ただそうした死の定義が臓器移植の進歩と同時進行したため、不幸な誤解が生じて移植専門の医者たちは一般からあらぬ誤解を受けることになりました。『ちょっと待て、何のために脳死の宣告をやるのだ?お前たちが別の患者に使うためのぞうきがほしいからではないのか』と」
私はロナルド・ブステル教授の率いるUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の肝移植チームを取材した際、一人の移植コーディネーターと会った。ナンシー・ジョンソンさん。26歳。やや小柄ながら、金髪のアメリカ美人である。「アイ ラブ マイ ジョブ(私はこの仕事が好きよ)」とほほ笑む彼女は同チームの有力な一員として、主に臓器を提供する脳死患者の家族と接するドナー・コーディネーターの仕事に携わってきた。
もっとも移植コーディネーターといっても、日本ではまだ一般に馴染みのない職業名かもしれないが、臓器医療の現場で文字通り潤滑油ともいうべき役割を果たし、アメリカ全土で現在1400人を数えているのである。たとえばこの南カリフォルニア地域の場合、臓器提供者にとなる脳死患者の平均年齢は28歳と非常に若い。
これはつまり、ある朝、元気に家を出たはずの息子が車にはねられか、銃で撃たれるかして、脳死を宣告されてしまうといったケースがかなり多いということである。そうした脳死患者の家族たちを相手に臓器の提供を持ちかけるのはかなり骨の折れることであるはずだが、彼女はそのドナー・コーディネーターの仕事を約3年間続けてきたのである。
【渡辺】 脳死患者の家族に向かって、臓器提供をお願いするというのは、十分な経験に加えて、誠実さや忍耐力が問われる仕事だと聞いていますが、ナンシーさんはこれまで何例ぐらいの脳死患者と関わってきたのですか。
【ナンシー】正確な数字は覚えていないけど、全部で数百例。確か最初の1年半で200〜300例だったから、とにかく一日に3度もドナー(臓器提供者)の情報が飛び込んできて、3家族全部と話した経験もあります。
【渡辺】あなたが臓器の提供を持ちかけて、家族側の「イエス」と「ノー」の比率はどのくらいですか」
【ナンシー】私の経験では、全体の7割は「イエス」。「イエス」の確立が最も高いのは中流の白人家族で、アジア系の人は「ノー」が多いですね」(笑)
南カリフォルニア地域臓器調達機関(ROPA)の最新データ(1990年1月〜12月)によると、この地域での臓器提供者の男女比は65対35で男性が多い。人種別では圧倒的に白人が多く、全体の66%を占めている。次いで25%がヒスパニック、7%がアフリカ系アメリカ人(黒人)2割がアジア人など黄色人種。また、臓器提供者全体の3割強人から多臓器(心臓、肝臓、肺、腎臓などすべの重要臓器)が提供されている。
『いま 脳死をどう考えるか』渡辺淳一
| 2023年04月26日(水) |
無念を叫ぶA級戦犯の遺書 |
A級戦犯で処刑された7士のうち、広田弘毅をを除いた6士の遺書が公刊されている。この遺書を掲載した本は、A5判795ページもある。どっしりとした重い製本である。缶入りの本は東山魁夷の筆になる作で、戦没者の氏名と書簡を掲載している。編集は「「巣鴨遺書編纂会」と称し、その題名は『世紀の遺書』という。この本にある遺書の中から、主な部分を抜粋してみる。
【東条英機】64歳〔遺書〕 『開戦当時の責任者として、敗戦のあとを見ると、実に断腸の思いがする。今回の処刑は個人的には慰められておるが、国内的の自らの責任は、死をもって償えるものではない。しかし国際的な犯罪としては無罪を主張した。今も同感である。ただ力の前に屈服した。
自分としては、国民に対する責任を負って、満足して刑場に行く。ただ、これにつき、同僚に責任を及ぼしたこと、また下級者にまでも、刑が及んだことは実に残念である。天皇陛下に対し、また国民に対しても申し訳ないことで深く謝罪する。
元来、日本の軍隊は、陛下の仁慈の御志により行動すべきであったが、一部過ちを犯し、世界の誤解を受けたのは遺憾であった。このたびの戦争に従事して 亡くなった人、及び、これらの人々の遺書に対しては、実に相済まぬと思っている。心から深謝する。
今回の裁判の是非に関しては、もとより歴史の批判に待つ。もしこれが永久平和のためということであったら、もう少し大きな態度で臨まなければならないのではないか。この裁判は、結局のところ政治裁判に終わった。勝者の裁判たる性質を脱却せぬ
天皇陛下の御地位、動かさらるべからざるものである。天皇存在の形式については敢えて言わぬ。存在そのものが絶対に必要なのである。それは私だけでなく、多くのものは同感と思う。空気や地面の如き大きな恩は忘れるものである…(中略)…今次戦争の指導者たる米英側の指導者は、大きな失敗を犯した。
それは日本という赤化の防壁を破壊し去ったことである。第二は、満州を赤化の根拠地たらしめた。第三は朝鮮半島を二分にして東亜粉砕の要因とたらしめた。米英の指導者は、これを救済する責任を負っている。トルーマン大統領に再選されたことは、この点に関しありがたいと思う。
日本は、米国の指導に基づき、武力を全面的に放棄した。これは賢明であったと思う。しかし、世界各国が全面的に武装を排除するならばよい。しからば盗人が徘徊する形となる。私は戦争を根絶するためには、欲心を人間から取り去らねばならぬと思う。現に世界各国は、いずれも自国の存在や、自衛権の確保を主としている…(中略)…
今回の処刑を機として、敵、味方、中立国の国民被災者の一大追悼慰霊祭を行われたし。世界平和の精神的な礎石としたいのである。勿論、日本軍人の一部の間に、間違いを犯した者はおろう。これらについては衷心(ちゅうしん)深謝する…」
(辞世) �ヽ笋豈�くも、またこの土地に帰り来ん、国に酬ゆることの足らねば �△気蕕个覆蝓�苔の下にてわれ待たん。大和島根に華薫る時
『天皇と東条英機の苦悩』A級戦犯の遺書と終戦秘話 塩田道夫
| 2023年04月25日(火) |
土壇場プーチンの衝撃シナリオ |
劣勢を覆す最後の手段に走る皇帝 ウクライナに核落とし
核ミサイルで原発を狙う
ウクライナの反転攻勢が勢いづいている。ロシアが一方的に併合を宣言した4州で、ウクライナ軍は要衝や集落を相次いで奪還。冬の到来を前にさらなる進軍を急ぐ。
「小型の核兵器を使うべきだ」 ロシア軍の攻勢を受けて、プーチン大統領の盟友、ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、戦況を打開するには核ミサイルの使用も辞さないと発言した。防衛研究所・防衛政策研究所・高橋氏がこう警告する。
「前提としてロシアは核保有国であり、ソ連時代も含め核兵器を使用することに関して、何十年も研究している国であることを忘れてはいけません。ロシアと戦争をしている以上核兵器が使われる可能性は常にあると考えなければいけない。そのうえで、ロシアはどのような状況で、核兵器を使用するか、一つは核兵器を使えばこの戦争に勝利すると考えられるとき、もう一つは、逆に核兵器を使わなければ敗北してしまう時です。現在、ロシアは後者の状況にあります。
但し劣勢であっても、通常兵器で戦況を好転させられるのであれば、核兵器を使う必要はない。現在進めている予備役の部分動員による戦線の再構築がうまくいかなかった場合に、核兵器の使用が具体的な選択肢として浮上するでしょう」プーチンは9月下旬に国民の部分的な動員に踏み切ったが、国外脱出する国民が続出し高齢者や実戦経験のない若者までもが動員されている。
一方、ウクライナに新たに6億2500万ドル(約900億円)規模の武器供与を行うと発表し、高機動ロケット砲システム『HIMARS』など、西側の最新兵器がより充実していく。ウクライナ軍による奪還地域はさらに拡大する見通しだが、追い詰められたプーチンが取れる手段は限られている。
「まずは、ウクライナとの国境付近のロシア領で、核実験を行う可能性はあると思います。これならあくまでも実験と言い訳ができますし、同時にウクライナに対して核ミサイル発射の恐怖を植え付け、前線の戦意を削ぐことが期待できるかもしれません」(軍事ジャーナリストの菊池氏)
だが、是連スキー大統領は、ロシアによる4週の併合は無効だとする法令に署名しプーチンとの交渉は不可能だと断言している。核実験で奪還作戦にブレーキがかかるとも考えらえない。土壇場に追いこまれたプーチンが頼る最期の手段は、ウクライナに核を落とすすことしかない。
筑波大学名誉教授の中村氏が言う。「プーチンはすでに核兵器の使用を決断している可能性もあります。そしてそのシナリオは二段構えになるはずです。まずは戦術核でサポリージャ原発を狙う。国際法上はあり得ない話ですが、プーチンの論理でいえば、原発のあるサポリージャはロシアの領土になっています。つまり、ロシアの領土内にウクライナが侵攻している。ロシアの核戦略ドクトリン(基本原則)によれば、ロシアの国家的存続が脅かされたならば、核での反撃が認められています。ウクライナが国家的存続を脅かしたから、サポリージャ原発に核を落としたと正当化するはずです。
その結果、ウクライナが放射能で汚染されようと、プーチンは意に介しません。併合した4州に対する攻撃の仕方を見ても制圧した後に統治することなど考えていないことは明らかでしょう。国土を焦土にすることでウクライナ人の心を折り、屈服させるのが目的です」
ロシアが戦術核を使用したら、NATOはどう反撃するのか、元米陸軍欧州司令官のベン・ホッジス現役中尉は、英紙の取材に対し「ロシアが戦術核を使用したら、NATOは『通常兵器で』黒海艦隊をせん滅する」と答えている。
「プーチンは、NATO諸国が報復に核兵器を使わないと見越し、次の手として世界最大の原子力潜水艦『ベルゴロド』を動かしているようです。この潜水艦は、核弾頭を搭載できる新型原子力魚雷『ポセイドン』を積んでおり 大西洋で爆発すると、放射能物質を含んだ巨大な津波を」生じさせるといわれています。(前出・中村氏)
ロシアがウクライナに戦術核を使用し、NATOが反撃を加え、それに対してロシアがより破壊的な戦術核を使えば、世界は核ミサイルの応酬に巻き込まれる。全面核戦争も辞さないプーチンの狂気にNATOが恐れをなしたら、西側諸国はウクライナを見捨てるほかない。それこそがプーチンの思う壺だ。
900万人を超える死傷者
一方、NATOが核兵器で応酬したら、世界はアルマゲドン(世界最終戦争)に突入する。その場合「数時間以内に900万人を超える死傷者が出る」という衝撃のシュミレーションを行ったのが、米プリンストン大学公共国際問題大学院准教授のアレックス氏だ。1979年にグレーザー氏がユーチューブで公開した「プランA」と題した趣味レーション動画は、バルト海沿岸のカリーニングラードのロシア軍基地から核爆弾が発射され、ドイツとポーランドの国境付近に落ちるところから始まる。
ロシアのウクライナ侵攻開始後に改めて注目を集め、413万回以上再生されている。 グレーザー氏が語る。「冷戦の終結以来、今が最も核戦争の危険が高まっています。もしプーチンが核ミサイルを使い、NATOが核使用で応じたら、世界は破滅的なことになる。ロシアとNATOの間では対話ルートが機能していおらず、誤解によって状況が悪化し、核戦争が無制限な状態にまですぐに進展する可能性があります」
そしてグレーザー氏は最大の懸念が、プーチンの決断にあるという。「プーチンが今何を考えているのか、本当にわかる人はいない思います。プーチンの意思決定には、クレムリンの側近さえも関わることができない。プーチンも核ミサイルを一発撃ったところで、現在の局面が打開できるとはおそらく考えていないでしょう。しかし、プーチンが生き残るために核ミサイル以外にどんな方法を考えているのかがわからないことが最大の問題なのです」
現実味を帯びてきたプーチンの核落とし。最悪の事態を回避するには、プーチンの失脚以外に方法はないのだろうか。
『週刊現代』10.15
| 2023年04月23日(日) |
1年以上飲んではいけない危ない薬リスト |
冒頭で見た降圧剤以外にも、飲み続けることで予想外の悪影響を及ぼす薬が存在する。例えば、ジメリン(アセトヘキサミゾ)、、オイグルコン、グリミクロンなど。これらは、「SU剤」という種類の糖尿病治療薬だ。「この薬は(膵臓 )すいぞうにあるベータ細胞に鞭を打って、血糖値を下げるインスリンを無理やり出させる薬です。ところが長期的に飲み続けるとベータ細胞が疲弊してインスリンが出にくくなり、薬の量が増えていく。
SU剤は血糖値が正常になっても、薬を飲む限り際限なく効いてしまう薬です。そのため、飲み続けることで低血糖を起こす恐れがあります」(前出・江部氏)低血糖と聞くと手が震える、冷や汗をかくといった軽い症状を想像するかもしれない。だが、侮ってはいけない。重篤な場合には意識障害を起こして昏睡状態になり、死に至る恐れもある。
「こうして危険が認識されるようになり、SU剤の使用料は最盛期の半分から3分の1に減っています。その代わりに『DPP-4阻害薬』といった低血糖を起こしにくい、安全な糖尿病治療薬が使われるようになってきました。ところが薬の効果が強いこともあり、いまだにSU剤を処方し続ける医者もいる。私は『あまりに危険すぎるSU剤はこの世にいらない』と断言したい。
もし処方を受けている患者さんがいたら、すぐにやめてほしいと言うべきです」(江部氏)糖尿病は長く付き合っていく病気だけに、薬選びが重要になってくる。同じように長期にわたって飲み続ける人が多いのが「痛み止め」だ。なかでもロキソニンやボルタレンに注意が必要だと、たかせクリニック理事長の高瀬氏は言う。
「これらの薬は『非ステロイド性抗炎症薬』(通称NSAIDS)という種類の鎮痛薬なのですが、腎臓の血流を減らして腎機能を低下させる副作用があります。長く使い続けると、人工透析前まで行った人もいますし、心筋梗塞や脳卒中のリスクも上昇します」明白な危険がある薬にもかかわらず、現場では患者の「痛みを取りたい」という要望に合わせて安易に使われている。
「この薬を使うにはは本来、腎機能を評価する血液検査が必要ですが、高齢者は『クレアチニン』という血中の物質を基準にした従来の検査では、正確な計測ができません。一方、『シスタチンC』を検査なら高齢者も腎機能を正確に把握できますが、これを導入している医療機関はまだ少ないのが現状です」(高瀬氏)
NSAIDSを毎日飲み続ければ、3か月ほどで腎不全などの重篤な状態になることもあるという。取り返しのつかない事態になる前に、鎮痛薬をやめるか、種類を変えたほうがいい。
危険なのにやめられない
「整形外科でリリカ(ブレガバリン)、タリージエ(ミロガバリン)といった神経障害性疼痛治療剤を長期使用しているのも問題です。実は腰痛や坐骨神経痛への効果は実証されていないのですが、気休めで使い続けてしまう。長く使う中でめまい、ふらつきを起こす危険があります」(東京脳神経センター整形外科の川口氏)
睡眠薬・抗不安薬も多くの医者や薬剤師が長期処方の危険を指摘している。具体的にはデバス、マイスリー、ハルシオンなどだ。特にデバスは「鎮静作用が強く、頭痛や肩こりにも効くため、昔は万能薬としてバンバン処方されていた」(薬剤師・青島修一氏)という。
『週刊現代』P55
| 2023年04月21日(金) |
アーベイン千代2丁目団地と、千代町住宅の 引っ越し |
千代田住宅の入居は、2005年、12月12日から2019年(令和1年)4月まで。
アーベイン団地の入居は、2019年(令和1年)5月日から
アーベイン千代2丁目団地の家賃は、H29年6000円アップされて43.400円となり、これ以上上がらないとのこと。URより。
セブン銀行への無料の電話番号 0088-21-1189
| 2023年04月20日(木) |
レントゲン検査 MRI検査 |
藤原脳神経外科 2022年5月24 レントゲン撮影した(放射線)
木村病院 2023年4月3日 MRI画像を撮った(電磁波)
| 2023年04月18日(火) |
将棋界を襲う「マスク着用ルール」大紛糾 |
盤面を前に沈思黙考して向き合う、そんな将棋界で、対局中の「マスク着用ルール」が騒動となっている。前代未聞のマスク付着用による”反則負け”が発生。名人経験者が不服申し立てする事態に発展した。藤井聡太5冠(20)というスターの誕生で人気が沸騰する将棋界で、何が起きているのか。
東京世田谷の「将棋・チェスフロンティア」では、11月6日に名人経験者の佐藤天彦9段(34)を講師に招いた自戦解説&指導対局会の予定が組まれていたが、直前に(諸般の事情のため中止)が告知された。主催者に問い合わせると「理由は諸般の事情としか言えないのですが…」としながらも、こう話した。
「”あの対局”の翌日に天彦九段ご本人から連絡があって、『大変申し訳ないですが、こちらの都合でキャンセルさせてほしい』ということでした。その時に『対局以外のすべてのイベントはキャンセルしています』ともおっしゃっていました。”あの対局”とはもちろん佐藤9段が「マスク付着用」で反則負け宣告された10月28日のa級順位戦での永瀬拓哉王座(30)との対局を指す。
「何度かやり取りをしましたが、天彦9段はいつも通りの冷静な受け答えをされていました。ただこれまでは天彦9段がタイトルを失った後でもイベントに出席いただいてきた。今回のように辞退されたのは初めてのこと。天彦9だんにとって、あの対局で特別なことが起きたんでしょうね」
10月26日の対局は深夜に及んだが終盤で佐藤9段は計1時間にわたってマスクを外す場面があった。それを対局相手の永瀬王座が関係者に「反則ではないか」と指摘。対局会場の将棋会館に駆けつけた将棋連盟の常務理事・鈴木大介9段が、連盟会長の佐藤康光9段(53)と連絡を取って協議し、「ノーマスクによる反則負け」の判定が下されただ。
「もともと将棋連盟はコロナ渦でマスク着用を推奨しいていましたが、長い時間つけない棋士が現れるなど不公平感が増していた。そこで(対局中は、一時的な場合を除き、マスクを着用しなければならない)とする臨時対局規定が今年1月26日に制定された。違反した場合は立会人の判定によって反則負けになると定められ、今回が初めての適用となった」(観戦記者)
棋士は1尺2寸(36.4センチ)の将棋盤を挟んで向き合うが、対局中の会話はほぼゼロだ。「とはいえ、コロナに敏感でノーマスクを気にする棋士は意外と多い。ただし長時間の着用は苦しいし、思考力の低下につながる。そうしたなかで、ルールで一時的な場合を除き、とある点を巡り、不着用の合計時間や注意する回数、タイミングなどを定める細則がなかったこともあって騒動が大きくなっている(同前)
対局4日後の11月1日、佐藤9段は将棋連盟に不服申し立てを提出。(着用を促されるともなく、直ちに反則負けとした本件判定は、失うものの大きさと違反行為の内容との間のバランスを著しく欠く)として(反則負け判定の取り消し)(対局のやり直し)などを求める事態となったのだ。
「天彦9段の指摘内容を支持する多いとみられており、事態が紛糾していくことが懸念されています」(同前)
”貴族”と”軍曹”の仲 注目されるのは、佐藤9段が注意を受けることなく、”一発アウト”となった点だ。対局相手の永瀬王座が一言、着用を促せばよかったのではないかとも思えるが連盟委理事を務めた経験もある田丸昇9段はこう話す。「天彦君としては、一度注意してほしかったのでしょうが、永瀬君が指摘するのもなかなか難しかったのではないか。天彦君のほうが先輩ですから、「佐藤さん、マスクを外すのは規則に反していますよ”と対局中に言いにくいのは分かる。永瀬君もしばらく我慢したうえで、このままでは集中できないと対局場を離れて関係者に話したのだと思う。ネットでは永瀬君を批判する声があるが、悪いことをしたわけではありませんよ」
永瀬王座は藤井聡太五段の練習パートナーでもあり、ストイックに勝負にこだわる姿勢から”軍曹”の異名を取る。「天彦九段と特別親しいわけではありませんが、仲が悪いという印象もありません。公式対局がない日には、研究会で練習将棋を指す間柄だったと聞いたことがあります」(将棋連盟関係者)そんな二人が対峙したA級順位戦はトップ棋士10人が総当たりで対戦し、名人位挑戦を競う最高峰の舞台だ。
成績下位2人は翌年度からB級1組に陥落となるが、「A級で活躍すればタイトル戦の賞金を別にして1500万〜2000万円の年収になるが、B級1組になると約3割減で1000万円を切ってくる」(前出・観戦記者)といった大きな違いがある。
田丸9段が言う。「天彦君が不服申し立て書を提出したとはいえ、判定は覆らないでしょう。ただ、A級順位戦での反則負け1敗はショックが大きいと思う。終了時点の将棋内容は天彦君がやや優勢だったしね…」今回の対局は1勝2敗同士で、敗れた側には手痛い黒星となる。佐藤9段は15年度にA級昇格1期目にして挑戦権を獲得し、当時の羽生善治名人を破って28歳で名人に就いている。独特のファッションセンスと優雅な言動から、”貴族”ニックネームを持つ。
「責任感のある棋士で、いつもは買っても負けてもツイッターで自戦解説をしている。ところが今回は対局直後に何も投稿しなかった。それだけ怒りや悲しみが充満していたのではないか」
そう話すのは佐藤9段との交遊のある別の観戦記者だ。対局から4日後、佐藤9段は自身のツィッターで連盟に提出した不服申し立てを公開している。「実は、マスク着用ルールが施行される数週間前にも佐藤9段と永瀬王座の対局があって、その時は終盤に永瀬王座が30分以上もマスクを外していた。もちろんルール施行前だから反則ではないが、同じような状況で自分は一発アウトになり、納得できない思いもあったのではないか。(同前)
不服申し立書では、終盤に集中するあまり着用を失念したことを謝罪しつつも、注意されることもなく規定が適用されたことが相当性・公平性を欠くと主張している。「天彦9段も自分のやったことが正しかったとは思っていないのだろう。将棋界のためにも、規定に様々な欠陥があると主張しておきたかったのではないか」(同前)
弁護士の助言か? 一方の将棋連盟は10月31日に、順位戦における規定について)と題した文書を公開。(一時的な場合)の適用範囲を含めた運用説明や既定の周知に努めてきたと説明した。ただ、本来なら裁定者となる立会人が当日は設定されていなかったことを省みて、今後は長時間の対局では立会人を常駐させるとしている、
将棋連盟の理事・森下卓九段に改めて見解を問うと、「理事会の決定事項として連盟HPで発表している文書の通り」とするのみだったが、同文書だけでは佐藤9段が不服申し立て書で求める(臨時対局規定の適用基準の明確化)など既定の欠陥改善はカバーされない。
興味深いのは申立書の記述が専門的な法律論に及んでおり、「将棋界に精通した優秀な弁護士がサポートしているに違いない」(前出・連盟関係者)とみられていることだ。棋士が代理人辯護士の助力を受けて連盟と対峙するとなれば、16年の「AIカンニング疑惑」以来のことだ。当時、連盟は疑惑が浮上した棋士に出場停止処分を下すも、第三者委員会の調査の結果、「不正の証拠はなかった」と発表され、”冤罪”の責任を取るかたちで谷川浩司会長が辞任した。
「タイトルを争う立場のトップ棋士が連盟の運営中枢を担う体制が冤罪を生む一因となったが、今回も佐藤会長が当事者2人と同じくA級順位戦を戦う”利害関係者”である問題が指摘されており、組織運営のにもつながる。カンニング騒動後に藤井聡太5冠が登場して将棋人気は復活したが、連盟の組織構造がそのままでいいのか、議論は深められないままできた面もある」(同前)
連盟は不服申し立て所を受理したと発表。。佐藤会長、鈴木理事を除く常務会が対応を検討するという。訴えの行方はどうなるか。注視しなくてはならない。
『週刊ポスト』11.18 P48
| 2023年04月17日(月) |
近藤誠 がん放置治療を主張した異端の医師の最期 |
医学界に独自の主張で一石を投じた医師・近藤誠氏が8月13日に虚血性心不全で亡くなった。(享年73)1996年に抗がん剤の弊害などを主張した著書『患者よよ、がんと闘うな』(文芸春秋社刊)がベストセラーに。がん専門医から科学的根拠を問う反論が続出し、医学界に論争を巻き起こした。
「抗がん剤は効かない」「手術をしてはいけない」といった持論は後に『がん放置療法』に発展し、大きな波紋を広げた。近年は新型コロナウィルスのワクチン接種の効果や副反応リスクに警笛を鳴らすなど、最後まで”医療の常識”を巡って注目を集める人物だった。
近藤誠氏を古くから知る医療ジャーナリストの油井佳代子氏が語る。「亡くなった際に、知人の編集者から連絡をもらって知りました。その後、失礼かとは思ったのですがご自宅に連絡し『原因は不明だが、私たち家族も突然のことで驚いている』と伺いました」
油井氏が近藤氏と出会ったのは、1990年代初頭のこと。今よりも医学界や大学病院の”権威主義”が顕著だった時代にあって、異端視される存在だった。「その頃は医師が絶対の存在で、患者が医療に対してあまりモノを言えない雰囲気がありました。
ですが、近藤先生は患者の目線に立つことを徹底した人でした。(同前)近藤氏と言えば抗がん剤や手術全般に対する否定的な見解が有名だが、油井氏は別の部分に功績があったとみている。「彼はいろんな批判もありましたが、私は医学界に大きな功績があったと思っています。一つは乳がんの『乳房温存療法』を広めたことです。今では標準的な療法ですが当時、近藤先生が提起したとき、外科医などから猛反発を受けていました。それでも医学的に正しいと主張し続け、現代では”当たり前”の療法になりました。
同じように、患者さんにしっかりと治療を説明する『インフォームドコンセント』という考え方を広めることにも貢献したと考えます。ご冥福をお祈りします」(油井氏)賛否が割れる主張を続けた近藤氏。まさに異端の医師人生であった。
『週刊ポスト』9.2 P140
| 2023年04月16日(日) |
その「ふらつき」放っておくと死に至る |
多くの高齢者が悩まされる「ふらつき」いつも現れる症状だからこそ、つい、慣れてしまって、放っておいてしまいがちだ。しかし実は、ふらつきこそが、体が内側から発する大病のサインなのだ。
初期の胃がんが見つかった 「先月、ゴルフ野ラウンドに行った時のことです。16番ホールから次のホールへ移動するときに、クラクラと立ちくらみのようなめまいがして、ふらついたのです」北野さん(仮名72歳)は、こう振り返る。「私は70歳を過ぎた今でも仕事を続けていて、何よりも健康に気をつけている。急に立ち上がってめまいがしたならまだしも、普通に歩いていただけなのにふらふらしたのは今までないことだったので、気にかかったのです。
最終ホールまで回った時には冷や汗が出たので、『ちょっとした症状とはいえ、念のために』と病院を訪れました。血液検査を受けると、医師からヘモグロビンの値が、通常の半分ほどにまで下がっていると告げられ、翌日、胃カメラで診てもらったところ、ステージ1の胃がんが見つかりました。腫瘍からじわじわとと出血し、貧血になってふらつきが起きていたのです」
65歳以上の人の約3人に1人が、めまいやふらつきを訴えているというほど、高齢者にとってふらつきななじみのある症状だ。しかし、だからといって、甘く見てはいけない。60歳を過ぎて。こうした身体の異変を「たいしたことない」と考えていると、死に至る病を見逃してしまう。
「ふらつきやめまいは、耳や目、脳など様々に器官が原因となって起こります。中でも緊急性が高いのが、消化管出血です。胃、食道、大腸、直腸などで出血が起きると、血圧が下がって脳に血液側まらなくなり、ふらつきが起こります。すぐに止血して、輸血を行わないと命を落としかねません」(奈良県総合病院植山氏)放置して脳にがんが転移 前出の北原さんは、ふらつきを感じてすぐに病院にかかったため、大病を早期発見し、切除して根治できたが、こうした幸運に恵まれるのはむしろ稀だという。
「私のもとにも、『1年前から慢性的にふらつきがおこっていて、いくつもの病院にかかったが一向に治らない』と訴える患者さんが訪れました。腹部を触診してみると、こぶし大のしこりがあり、かなり進行した胃がんが見つかりました。精密検査の結果、胃がんのステージは�靴如△垢任縫螢鵐兩瓩砲眦尚椶靴討い泙靴拭�
消化管から発生するがんはゆっくと出血し、慢性的な貧血状態を引き起こします。そのため、急激にふらつきが出るのではなく、月単位、年単位でふらつきが増えてきます。症状は徐々に悪化してしていくので、患者さんもふらつき慣れて病院を受診しないこともあり、正しい診断が遅れてしまうのです」
ふらつきは、最初は我慢できる程度のものとして現れ、徐々に日常生活に支障をきたすほどに悪化していく。だが、悪化してから病院で検査を受けるのでは遅すぎる。ちょっとしたふらつきこそが、がんの始まりだと考えて、早い段階で手を打つことが大切だ。
「一般的に、胃がんといえば、、『胃が痛む』、『食欲が落ちる』、大腸がんといえば『便に血が混じる』といった予兆があると考えられていますが、必ずしもこうした異変が現れるわけではありません。がんは、腫瘍の内側で出血、壊死を起こしやすい。それゆえ、血便や下血はないのに貧血になって、ふらつきが起こるのです」(大大場氏)目に見える症状が現れないからこそ、身体が発するサインに耳を傾けたい。
ちょっとしたふらつきから、肺がんが見つかることもある。「ふらつきを訴える患者さんから、肺小細胞がんという、肺がん全体の15%を占め、増殖・進行速度の速い肺がんが見つかったこともあります。この患者さんは、せき込んだり、息苦しかったりといった、肺がんでよく起こる症状には襲われていませんでした。ただ、『ふらつきがあるから』と病院を訪れたところ、『おそらく耳からくるめまいでしょう』と言われて、めまいを止める薬を処方されていました」(大場氏)
症状が治らず別の病院で検査したところ、がんが見つかり、しかも脳に転移していたという。「ふらつきの原因は、がんが放出するホルモンや炎症性の物質によって全身に障害が出る『傍腫瘍性神経症候群』だった可能性があります。肺小細胞ががんの場合、、特に併発しやすい。がんが放出した物質によって、血圧や血糖値が下がってふらつきが出ていたと考えられます。残念ながら、この患者さんは、ふらつきを感じ始めてから半年ほどたったころに亡くなりました」(大場氏)
2年前、ふらつきから見つかったがんで夫と死別した黒田洋子さん(仮名、58歳)が回顧する。『夫は62歳の時に、『歩いているときにふらつく』と言うようになりました。近所のクリニックに相談したところ、メニエール病だと診断されて、めまいを止める薬の点滴を受けていました。 2年ほど治療を続けましたが、それもなかなかよくならない。そこで、別の病院にかかってみたところ、脳を検査したほうがいいといわれたのです。精密検査を受けた結果、3年前に手術で摘出した大腸がんが、脳に転移していると告げられました。平衡感覚を司る小腸が侵されて、ふらつきが出ていたそうなんです。余命は長くないと告げられ、緩和治療を始めた半年後に、息を引き取りました」
黒田さんの夫の場合のように、ふらつきが出始めたときに病院にかかっても、誤診されてしまうことがる。「ふらつきやめまいは、耳鼻科、脳外科、婦人科、心療内科、整形外科などいくつもの診療科にまたがる症状です。ですが専門医は自分の専門外のことは診たがらない。それゆえ、ふらつきを覚えて病院にかかっても、病院をたらいまわしにされているうちに、その奥に潜んでいる肝心のがんが悪化してしまうケースはごまんとある。
ちょっとしたふらつきが、死の一里塚となる。いつものことだと考えないことが。あなたの命を救う第一歩だ。
『週刊現代』11.16
ロシア大統領が配備を表明
ロシアのプーチン大統領は3月25日、国営テレビで自国の戦術核兵器を隣国ベラルーシに配備する方針を表明した。ロシアは昨年(2022年)2月24日のウクライナ侵略開始後、核使用の威嚇を繰り返し、同国の原発の占領や砲撃をしてきた。今回の表明でロシアの核脅迫は新たな危険な段階を迎えた。
1991年末にソ連から独立した時点で、ベラルーシにはソ連のSS25大陸間弾道ミサイル(ICBM)81基や戦術核兵器が配備されていた。ベラルーシは1993年に非核兵器国として核不拡散条約(NPT)に加盟。1994年採択の憲法は18条で「自国領を非核地帯とし中立国を目指す」と宣言し、核兵器は1996年までロシアに移送された。
しかしベラルーシはウクライナ侵略開始3日後の昨年2月27日の「国民投票」で「核兵器とロシア軍を恒久的に受け入れる」ことを承認した。憲法の非核条項は削除された。プーチン氏は25日、ロシアが戦術核兵器の運搬が可能な軍用機10機をベラルーシに駐留させており、イスカンデル短距離砲弾ミサイルもすでに移送していると述べた。戦術核兵器の配備時期は明言していない。
ベラルーシは、ポーランド、リトアニア、ラトビアの北大西洋条約機構(NATO)加盟3国と国境を接しており、そこへの核配備は欧州の軍事緊張をさらに増大させることになる。ロシアは飛び地であるカリーニングラード州に核兵器搭載可能ミサイルを配備しているとの見方もある。
ベラルーシの反体制指導者スペトラーナ・チハノフスカヤ氏は26日、「ロシアは占領軍のように行動し、核配備によりベラルーシを報復攻撃の潜在的標的にしている」と批判した。ロシアと同国に追従するルカシェンコ政権への制裁を強化し、配備中止を求めるよう国際社会に要請した。
『赤旗』4.2
| 2023年04月13日(木) |
韓国「犬食やめよう」論争 |
美人過ぎる大統領夫人火をつけた韓国「犬食やめよう」論争 (食用目的で飼育される犬は計52万1121匹)8月9日、韓国の全国紙・中央日報は、(犬食の悲劇)と題してこんな記事を掲載した。
韓国の「犬食問題の議論のための委員会」が調査したところ、国内で食用犬を飼育する農場は計1156か所、犬肉を売る飲食店は計1665か所、犬肉を売る飲食店は計1666か所、屠畜の上で消費される犬は年間約38万8000匹に上がったという。
昨今、韓国では犬食に関する議論が過熱していると在韓ジャーナリストは語る。「きっかけとなったのは、ユンソンニュル大統領の夫人のキンゴンヒ氏(49)の発言です。6月にメディアで『経済規模がある国のうち、犬を食べるのは韓国と中国だけ』と話し、犬食文化の廃止を提言しました。金氏は”美人過ぎる大統領夫人”として、国内でファンクラブが会員が10万人近い人気者。彼女の発言を受けて、犬食を法規制する声が噴出したのです」
大統領夫婦は愛犬家として知られ、現在4匹の犬を飼っており、ファンクラブには大統領執務室で犬と戯れる金氏の写真も掲載された。実際に犬食反対派は日増しに増えており、京義氏が道民1000人を対象に調査したところ、「今後犬肉を食べるつもりはない」と回答した人は84%にも上がった。
一方、議論の盛り上がりで反対派の矛盾も浮かび上がっているという。前出の在韓ジャーナリストが語る。「3月の大統領選で、大統領と大接戦を展開した『共に民主党』の季在明候補は選挙期間中、犬食の法規制を公約として掲げました。このとき、伊氏と大接戦を展開した『共に民主党』の季在明候補は選挙期間中、犬食の法規制を公約として掲げました。
このとき、伊氏の支持者の多くは『個人の食の好みや権利に国家が介入するな』と猛反発したんです。金夫人が犬食禁止を提言すると途端に乗っかるのであれば、信念のない主張だといわれても仕方ない」それだけ美人過ぎる大統領夫人の影響力は大きいということか。
『週刊ポスト』9.2
| 2023年04月12日(水) |
北海道の最強ヒグマ「OSO18」を撃て |
牛を襲い、内臓を食い散らす-北海道の最強ヒグマ「OSO18」を撃て!
先住民族・アイヌが「カムイ(神)」と崇めたヒグマが、北の大地で暴威を振るっている。この3年間で襲われた放牛は60頭以上。人をあざ笑うかのゆおに立ち回る黒いモンスターと、令和のマタギの最終決戦が始まった。
北海道の東部、ラムサール条約の登録地に指定され、タンチョウが生息する釧路湿原。この4割を町域に収める人口8000人弱の標茶町(しべちゃ)に巨大なヒグマが出没するようになったのは、3年前の夏からだ。
2019年7月16日、標茶町オソツベツの牧場で牛1頭が殺されているのが見つかった。状況からヒグマに襲われたものと判断されたが、集まった人々は現場に残された足跡を見て驚愕した。幅約18�僉�その足跡は、獣類を見お慣れている現地の住民も息を吞む、巨大なヒグマが現れたことを示していた。自事件現場の地名と足跡から、「OSO18」のコードネームが付されたこのヒグマは、その後も牛を襲い続けた。
2019年からこれまで、OSO18によるものと見られる放牛の被害は60件以上。今年も6頭の牛が襲われ、牧畜業者に多大な被害を与えている。だが、これだけ派手に襲われてにもかかわらず、未だOSO18の目撃情報はわずかだ。監視カメラがその姿を捉えたのもわずか2回。映像から身の丈3m、体重300キログラムを超えるオスと見られているが、警戒心が極めて強く、人前に姿を現さないことから地元では「忍者グマ」とも呼ばれている。
標茶町役場農林課の担当者が明かす。「OSO18」と見られる個体は今年7月だけで5回出没が確認されています。この町にクマが出没することは珍しいことではありません。ただ、OSO18は特別に賢く、放牛への被害が出ているため、町をあげて警戒中です。ハンター歴60年を誇る北海道猟友会標茶支部長の後藤氏がOSO18の異質さを指摘する。
「普通の熊は獲物に執着する、ものです。一番のご馳走である内臓を食べて姿を消しても。いずれ残った肉を食べに戻ってくる。クマを駆除するハンターはその瞬間を狙うのが定石ですが、OSO18は張り込んでいても戻って来ません。牛を襲っても内臓を少し食べる程度。まったく食べないこともあり、遊び半分で殺しているとしか思えない。こんな熊は見たことがありません」
箱縄を仕掛けても、周囲を悠然と歩くだ毛で決して中に入らない。人の動きも熟知している。「OSO18は夜間しか動きません。まるで(狩猟法による規制で)猟銃の使用が日の出から日没に限られていることを知っているかのようです」(後藤氏)
返り討ちに遭う危険 OSO18は、行動範囲が広いことも大きな特徴だ。東京23区の1.6倍ほどの面積を持つ標茶町のほか、隣接する厚毛町でもOSO18による被害が相次いでいる。猟友会厚岸支部の昆布谷事務局長は、「オスのヒグマは一晩で40�劼曚桧榮阿垢襪海箸眥舛靴�ない」としたうえで、こう話す。「その中でも、OSO18は特別。とにかく人目につかないところを選んで移動している。藪の中だったり、車道の近くでもうまくドライバーから目が届かないところを選んで歩く。過去に痛い目に遭った経験があるからこその行動ではないか」
OSO18は神出鬼没だ。行動はやかんにかぎられ、どこに現れるか予想しにくい。「遭遇すれば、銃を持ったハンターでも大きな危険が伴う」と前出・後藤氏がいう。「ライフルの射程は4キロメートルあるが、クマを仕留めるとなったら100メートル以内に近寄らねば撃てない。手負いのまま逃がしてしまうと狂暴なクマを野に放つことになるからです」
頭を狙って仕留められるとは限らない。「眉間に当たればいいが、少しでも外れると硬い頭蓋骨に阻まれる。だから、狙うのは心臓。ところが命中しても息絶えるまで100メートルぐらい走ることがある。急いで次の弾を撃たねばならず、ハンターも命がけです」(後藤氏)昆布谷氏もこういう。「特に秋口だとクマは体にたっぷり脂肪を蓄えているから、胸や腹に撃ち込んでもダメージにならない。その下の胸骨もかなり頑丈。仕留めたクマの胸にたくさんの銃弾が食い込んでいたこともあります」
ハンターが返り討ちに遭う危険性も高い。「昔からクマが出たら鉄砲を持っている人が真っ先に襲われるといわれる。おそらく火薬のにおいがわかるからではないか。クマの臭覚は想像以上。立ち止まってキョロキョロしているおは匂いを嗅いでいる時で、4km先に鹿の死骸があることまでわかる」(昆布谷氏)クマの駆除に参加すれば自治体から支払われるが、金額はごく僅かだ。現場に駆け付ける車のガソリン代や弾薬、銃器の維持費などを考えれば「命がけだけど完全にボランティア」と昆布谷氏は笑う。
市街地にも現れる
現代も続くヒグマの駆除だが、北海道開拓の歴史はヒグマとの戦いだった。1915年(大正4)12月、北海道苫前村(現苫前村)で死者7人を出す史上最悪の熊害事件が起きた。開拓集落に体の大きさ2.7メートル、体重340キログラムのヒグマが現れ、数度にわたって民家を襲撃。7人がクマに殺された事件だ。
最初の犠牲者の通夜にクマが乱入して遺体を荒らしたほか、民家で妊婦を襲い胎児を引きずり出すなど、クマの行状は凄惨を極めた。一方、日高山脈のカムイエクウチカウシ山で発生した「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」(1970年7月)では、登山中の大学生5人のパーティーがメスのヒグマに襲われ、うち3人が死亡、人間の食料の味をを覚えたクマが、登山者のリュックサックを狙ったことで起きた悲劇とされる。
道内では、統計の残る1962年以降、ヒグマによる人身事故が毎年発生し昨年までの死者数は163人を数える。現在でも、春先に山菜取りに山に入った人がヒグマに襲われるケースが後を絶たないが、最近は市街地でも油断できない。1921年6月早朝、札幌市東区の住宅街に体長1.6メートルほどのオスの熊が出没。町を徘徊し住民に大けがを負わせる事件が起きた。その後、クマは陸所自衛隊丘玉駐屯地の正面から内部に乱入。40代の男性隊員がわき腹を噛まれるなどした。
現在まで、OSO18によると見られる人への加害は確認されていないが、最悪のケースも想定しなければならない。「道東でも牧場が次々と開拓され、クマが住む森へ人が進出した。そこで繁殖し放牧されている牛を、クマが狙うようになったというわけです。『そのうち人間のほうが檻に入るようになる』と冗談を言う人もいるほどです」(後藤氏)
「クマを殺すな」の抗議 かって道内のヒグマは減少を続け、1990年には5200頭を数えるほどだった。ところが同年に春ぐま駆除が廃止されてから増殖し、2020年度は11、700頭ほどになっている。
今後、OSO18のような賢い個体が子孫を残せば、罠にかからない方法を学習し、食料を得るために人里に現れるヒグマが増える可能性も十分にある。クマが人を恐れなくなれば、偶発的な事件も起こり得るだろう。惨事を防ぐためにも猟友会は大きな役割を担っているが、ハンター側には様々な制約がある。
「まず弾が入手困難。主に銅製の銃弾を使うが、多くはアメリカらの輸入である。工場がコロナの影響で作業が止まったほか、銃規制がかかるのを見越して買占めが起きているらしく、日本への供給が滞っている。値段も従来の2倍です。銃弾が入手できなければ自治体から要請を受けてもヒグマやエゾシカの駆除ができなくなってしまう」(根布谷氏)
前述のとおり、夜間は発砲できないほか、ヒグマを撃てるハンターに厳しい目が向けられることもある。道内で害獣駆除にあたる自治体関係者が複雑な表情で打ち明ける。「道外からも『クマを殺すのはかわいそう』という声が寄せられる。ニュースで駆除が報じられると業務に差し障るほどの抗議が殺到し、精神的につらい。
命の重さはもちろんわかっているが、人や牛を襲った区は駆除するしかない。狂暴化したヒグマの恐ろしさを軽視すれば、取り返しのつかないことになる」クマとの戦いはこれからも続く。
『週刊ポスト』9.2
| 2023年04月10日(月) |
腰と膝はちょっとの動作がカギ 関節を守るための6つの知恵 |
脊柱管狭窄症が厄介すぎる 歳を取るほど多くの人が悩ませられる節々の痛み。神経が圧迫されることで発症する脊柱管狭窄症などは根治が難しく、一生の付き合いになってしまうこともある。どうやりリハビリ整形外科院長の銅明治医師が語る。「脊柱管狭窄症は、背骨の中にある神経の通り道が変形して狭くなる病気で、足の痛みと腫れをはじめとして様々な症状を引き起こす厄介な病気です。
薬や注射は痛みを抑える効果がありますが、あくまで一時的な対症療法です。完治が難しく、様々な治療方法を求めて”狭窄症迷子”になっている人が多い。そのため予防する日常の動作を理解し、実践してほしい」
基本的には、腰に負担がかかるような動作をせず、正しい姿勢を保つことが求められるという、「例えば、荷物を持ち上げる時に、膝を延ばしたまま腰だけ曲げて行うのは確実に腰椎に負担がかかります。正しい持ち上げ方は、膝を曲げずに荷物を持つことです。持ち上げる時は足の力を使います」
腰や靴下をはくときの動作も注意したい。「靴下をはくときは立ったまま足をあげること等はさけ、座ってはきましょう。安定するだけでなく腰椎への負担が減ります。靴を履くときも同様で、立ったまま腰だけ曲げて履く動作はさけてほしい。できれば膝を曲げてしゃがんだ状態で履くことを心がけるといいと思います」
また、毎日の洗顔でも目に見えない負担が腰にかかるという。「洗面所はぎっくり腰になることが多いといわれます。前かがみになる動作では基本的に支えがあるほうが腰にいいので洗面台に両肘をついて洗顔するといいでしょう」
排尿障害は危険信号
同様に、くしゃみもぎっくり腰の”引き金”なることが多い。「急激に腰椎を曲げる力が加わるため、不用意にくしゃみをすると負担がかかりぎっくり腰になるのです。前触れを感じたら、近くにある壁や机に手をついてくしゃみをすることで、腰を守ることができる。くしゃみでぎっくり腰になるリスクを減らせます」
膝の痛みはどうすれば防げるか。「長く歩き続けたり、階段の上り下りをする際に気を付けていただく必要があります。もし不安を感じる場合は、手すりをつかんだり、杖を使ったりして膝への負担を減らすように心がけましょう」痛みが悪化した場合は手術という方法もある。「まず、脊柱管狭窄症は、MRIによる画像診断が必要です。神経の圧迫を取り除く処置が可能になります。
特に排尿障害がある場合は手術が必要です。、神経の圧迫により膀胱が麻痺していると尿が出なくなる恐れがあります。また足の麻痺で力が入らないケースも手術が必要です」ただ、手術をすれば劇的に症状が改善するわけではないという。
「痛みや痺れ(しびれ)を改善させることを目的に手術しますが、100%治るわけではありません。手術後にも根治に向けた体操を続けるなど、地道な取り組みが欠かせません」まずは日ごろの動作に気をつけることだ。
『週刊ポスト』9.2 P120
| 2023年04月09日(日) |
戦争の”空気”に乗ってはいけない |
危機あおる米国 日本に犠牲を負わせる対中戦略
統一地方選で問われる岸田内閣の大軍拡・大増税路線。京都精華大学の白井准教授が、その問題点と対抗の方向について語った。
岸田内閣の大軍拡路線の背景にはアメリカと中国の対立、緊張関係がある。この「対立」が軍事的衝突になれば日本や東アジアに計り知れない損害をもたらすことになります。今米空軍高官が「台湾有事は2025」年だと「内部メモで準備指示したとか。
バーンズCIA長官が「中国は2027年まで台湾を武力攻撃する」(2月2日 ロイター電)と公言したとか。危機をあおるような発言が相次いでいる。アメリカの安全保障に関わる有力者が、戦争を作りだそうとしている”空気”がある。
仮に台湾有事があるとすれば、主戦場はどこかというと、アメリア本土ではない。アメリカ本土ではない。台湾と日本です。アメリカにとっては「戦争の中で日本をどう使うか」という話なのです。
即座に経済崩壊 こんな戦争に日本が参加するなどということはあり得ない選択である。例えば、日本の食料はカロリーベースで6割以上を輸入に頼っている。農林水産物の輸入相手国の1位はアメリア、2位は中国である。野菜や鶏肉、大豆など年に1兆2000億円を輸入している。(2020年)
もし日本が台湾問題で軍事的に関わると、中国は輸出を止めるだろう。あっという間に食糧危機になる。食料以外のすべてを含む貿易全体でいえば、中国区は日本にとって最大の貿易相手国である。中国相手の戦争に関われば、日本経済は即座に崩壊する。
ところが、二本の親米保守政権はこの戦争に一歩一歩近づいている。アメリカは米中対立の中で、日本を犠牲にして中国を抑え込んでいく戦略である。日本はその構造の中に飛び込んでいこうとしている。もちろん中国の覇権主義も問題だということははっきりしている。
武力による台湾統一など受け入れらえないという日本人の気持ちは当然である。台湾問題の武力による解決は絶対に止めなければならない。しかしウクライナで起きていることの原因は、国連憲章、国際法に反するロシアの侵略にある。
要求で軍備強化 他方、アメリカは直接部隊を送り込まず、武器・弾薬を供給し続け、敵対的な国を弱体化させるというやり方をとっている。「駅基地攻撃能力」という、先制攻撃能力の保有に日本が踏み切ったのは、同じようなアメリカの強い要求があったからである。
「ウクライナで起きたことは台湾でも起こる」という人がいる。それが起こるとすれば「米中戦争」といより、「日中戦争」として現れるかもしれない。台湾に米軍基地はなく、出撃は日本、沖縄の米一軍基地になる。焦土化するのは日本と沖縄である。
日米安保条約の締結の担当だった ジョン・フォスター・ダレス米国務省顧問は「我々は日本に我々が望むだけの軍隊を望む場所に臨む期間だけ駐留させる権利を獲得できるであろうか?これが根本的な問題である」(1951年1月26日)と言っていた)日米安保でアメリカはその「権利」を獲得し、この構造は70年以上たっても基本的に変わっていない。
軍事的な「獲得物」である日本が、もし「台湾有事」が起こったらどうなるのか。核攻撃の標的にもなりかねない。さらに日本海側には攻撃目標となる原発がずらりと並んでいる。攻撃されれば通常兵器でも核被害を招くことになる。
『週刊慎重』3.1
米軍基地周辺で化学物質による汚染が広がっている。有害性が指摘される有機フッ素化合物である。沖縄では水道水の水源で高濃度の汚染が発覚された。住民の血中からも全国平均より高い値が検出された。本土の米軍基地周辺でも汚染が見つかっている。
「私の地区では代々、泉の水で命をつないできました」沖縄県宜野湾市で長男(12)と長女(8)を育てる与那千恵美さんが住む嘉友各地区にはチュンナーガーと呼ばれる泉がある。家庭の多くには泉の水を引く簡易水道水の蛇口が備えられている。
7年前の2016年1月、米軍嘉手納基地に近く、県民の約3割がその水を利用する北谷浄水場からの高濃度PSOF(ビーフォス)を検出したと県が発表した。これを皮切りに、県内各地水道水源地や米軍嘉手納基地・普天間基地周辺の泉などで汚染が見つかった。県は「汚染源は米軍基地内である蓋然性が高い」とみている。与那城さんは、2017年に長女が通っていた保育園に米国ヘリの部品が落下。2022年に長女が学ぶ小学校土壌でもPFA汚染が判明した。「空も土も水も..。生きていくすべてが壊されている」と怒る。
PFASは、発がん性や低体重児の出産などの指摘される化学物質である。このうち広範に使われているPFOSとPPOA(ピーフォア)は、米軍の泡消火器に含まれている。米軍は泡消火器を訓練で使い、基地外への流出事故も起こしてきた。汚染源の特定のため県は、2016年6月以降、国や米軍に基地立ち入りを8回以上求めている。しかし実施していない。
日本負担で除去
県は水道水からPPASを除去する取り組みを進めている。高機能の粒上活性炭を用いた浄化装置でPPASの濃度を下げるもの。その費用は14億5800万円は防衛省と沖縄県で負担。米軍が流した汚染物質を日本国民の税金んで除去している。
米軍、防衛相、県の意見交換会で、県は汚染発生源対策を講じるためにも基地立ち入りが必要だと主張する。米軍は「発生源対策が活性炭による対策より経済的とは考えていない」と言い放った。自身の責任は棚に上げ”日本国民の血税で活性炭処理wp続けよ”という態度だ。
昨年10月には、住民の血中からも高濃度のPPASが検出されたことが明らかになった。市民団体は「有機フッ素化合物(PFAF)汚染から市民の生命を守る連絡会」の調査によるものだ。協力した京都大学の原田教授が、基地周辺の6市町村387人の血液を分析した。北谷浄水場から供給を受けている宜野湾市喜友名、来谷町では、水道水をそのまま飲用している人のPPOSとPFOAの血中濃度1ミリリットルの合計値が、全国平均の3倍を超えていた。
日本にはPPASの血中濃度の評価基準がありません。ドイツでは1ミリリットル当たりPPOSで20ナノグラム、PFOAで10ナノグラムを超えると健康影響が起こり得るという管理目標値路定めている。ドイツの管理目標値に照らすと、全体の387人中27人が超えていた。全米の科学、工学、医学の3アカデミーの目標値を超えた人は少なくとも209人にも及んだ。
PFAS汚染は、本土の米軍基地周辺でも問題になっている。原田教授は今年1月、東京都多摩地区住民87人に行った血中濃度調査の結果を発表。PFOS・PFOAの合計値の平均は、全国平均の約3.3倍。21人がドイツの管理目標値を超えていた。米国アカデミーの目安値を超えた人は少なくとも74人に達した。
『赤旗』3.19
被害者「謝罪が先だ」 「解決は必ず謝罪をしてからだ」。徴用工問題の強制動員被害者で原告の(ヤン・ク・ドク)さん(93)は、日本側が謝罪と賠償の示さない韓国政府の「解決策」に怒りをあらわにした。日本でも批判の声が上がっている。
「謝罪は譲れない。偽物の解決はいらない」。2月10日、東京都内の三菱重工本社前で、俳優の武藤陽子さんは訴えた。武藤さんは被害を描いた演劇で凌さんを演じた。凌さんは「金が稼げて女学校にも入れる」と騙され、三菱重工の軍需工場で働かされた。問題解決を求め同本社前で16年間運動してきた「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」。
社員に向け「強制労働の本質は被害者救済という人権問題だ」と訴えた。被害者が一貫して求めてきたのは、日本政府と加害企業の謝罪です。支援する会の多高橋伸共同代表は言う。「人をだまして連れてきて給料も払わず、78年刊も放っている。そこが謝罪にこだわる一番の根拠です」
徴用工問題に関し韓国政府が2月6日に示した「解決策」は、2018年に大法院(最高裁)が被害の三菱重工と日本製鉄に命じた賠償を韓国政府傘下の財団が肩代わりするもの。10日の韓国の世論調査では「謝罪と賠償がなく反対」が59%、「韓国関係と国益のため賛成が35%だった。
『日本の戦後』
| 2023年04月04日(火) |
韓国 ユン政権”独自核武装”発言の背景 |
韓国大統領が独自核武装論に言及したことが波紋を広げている。その背景について、韓国・韓神大学院平和政策研究所の、イ・ジュンキュ専任研究員に聞いた。
今回の発言は、ウクライナを侵略したロシアによる核使用の威嚇や、使える核兵器をめざす米国の動きなど、核の使用が公然と語られる中で出てきた。朝鮮半島では朝鮮戦争(1950〜53年)で米国が核兵器を使おうとした。在韓米軍が一部撤退した1970年代にパク・チョンヒ大統領が核武装をめざした。
今の北朝鮮問題は同国が核開発を強めた1990年代から本格化した。核問題の状況が悪化するたびに核武装論は浮上していた。その下でユン大統領が独自核武装に言及した。
「核の傘」強化 2019年から北朝鮮との核問題での交渉が行き詰まった。ユン政権は「核には核で対応する」方針を掲げ、韓米同盟による拡大防止(核の傘)の強化を進めている。今回の発言は、実際に核保有を目指すというより、米国を意識した政治的意味と同時に、国民に何らかの「成果」を見せたいという動きだと思う。
米国は1991年にブッシュ政権下で、韓国配備の約100発を含め海外配備の戦術核を全面撤去した。今の現実の危険は空母や戦略爆撃機など「戦略資産」とされる核関連米軍部隊がは煩雑に来てそれを韓国政府が宣伝していることだ。これは北朝鮮だけでなく中国を威嚇する威嚇行動だ。
これまで韓国では保守政権でも「米国との同盟を維持しながらも中国を敵視しない」との立場だった。イ・ミョンバク政権もパク・クネ政権も同様だった。ユン政権はこれを大きく転換させている。
岸田軍拡容認
ユン政権は昨年12月のG20首脳会議を前に「韓国版インド太平洋戦略」を発表し、中国包囲の米戦略に同町する姿勢を示した。さらに韓米日3か国の軍事的連携をつよめようとしている。米国は冷戦時代から3国の軍事同盟化を目指していたが、日韓には歴史問題があり、韓国では日本との軍事同盟を考えられなかった。
ところがヨン政権は3国軍事同盟化の先兵役を果たそうとしているようだ。徴用工問題の政治決着を急ぐのもその一環である。岸田政権の大軍拡についても”北朝鮮が核開発をする中で悪く言えない”と述べた一方で国民は日本の軍拡に危険性を感じ、日米軍事関係が強まる中で日本がどう変化するのかを案じている。
「台湾有事」には韓国は関わりたくありませんが、有事になれば在韓米軍や北朝鮮がどう動くかが懸念されている。
北朝鮮の懸念
北朝鮮に関して「外交解決は不可能だ」との見方もあるが、同国が米韓日との対話に応じ、核・ミサイル開発などを自制した時期があったのも事実である。北朝鮮が強硬路線に転じたのは、2019年のハノイでの米朝事務協議の決裂以降である。その後「正面突破」「自力更生」「長期戦」を掲げ、昨年9月には核先制使用を含む新核法令を採択した。昨年は弾道ミサイルを30回以上も発射した。
北朝鮮は今「経済制裁緩和と韓米同時軍事演習の中止がなければ米国との対話に応じない」という姿勢だ。特に20年ごろから、在韓米軍や在日米軍を担う戦術核兵器への言及が増えているのは懸念される。
休戦70年で市民が連帯 今年(2023)7月は朝鮮戦争休戦協定70年目で、市民団体の行動が計画されている。また韓国人被害者の提唱で「米国の原爆投下を裁く民衆法廷」を2026年に米国で開くための第一回国際会議が6月に韓国で開かれる。これらを通じて日韓の市民が連携し、北アジアの平和のために団結してほしいものだ。
『週刊赤日』2023 2.19
| 2023年04月02日(日) |
薬をやめて「認知症」からの復活 �� |
「副作用の掛け算」ほど怖いものはない 薬は5種類まで。それ以上は命の保証ができません 副作用が連鎖する
「歳をとれば病気になるのが普通ですが、症状に合わせて薬を飲むと、薬は増える一方です。しかし、薬の種類が増えれば、それだけ薬の副作用も苦しむことになる。これでは本末転倒でしょう」こう語るのは前出の山口氏だ。山口氏は番組の元になった研究「高齢者が気を付けたい、多すぎる薬と副作用」の分析研究者の一人でもある。
東京大学の秋下教授が主導したこの研究では、高齢者は処方される薬が6種類以上になると副作用が起きる人が増えると明らかになった。そもそも、ひとつひとつの薬にはそれぞれ副作用がある。よいっても、必ず副作用が現れるわけではなく、適切な時間で身体の外に薬が出ていけば、副作用は起こらない。
何種類もの薬を一度に飲めば、薬が体内に長く留まり、それぞれの薬の副作用が出やすくなることは知られている。高齢社会の今、この多剤併用、ポリファーマシーは社会問題化している。今回、その境目が6種類だと判明したのだ。高齢者は副作用が重篤化しやすい。排尿障害、腎機能障害など重い副作用がいくつも出れば、単なる副作用の足し算ではなく、掛け算的に、悲惨な状況に追い込まれる。
処方された薬が5種類を超えて、6種類になると何が起こるのか。その答えは大きく4つある。
�”�作用が増強される 都内在住の遠藤さん(79歳・仮名)が語る。 「以前から不眠症で。デバスとハルシオンという睡眠薬を気分で使い分けていました。ほかに飲んでいたのは、気管支炎の薬でクラリスというものです」昨年8月、遠藤さんは深夜にトイレに行こうとした際、転倒して階段から落ちた。泊まりに来ていた長男が物音に気付き、救急車を呼んで一命をとりとめたという。遠藤さんは続ける。
「鎮痛剤の副作用で、めまいが起こることがあるとは聞いていましたが、これまではそんなこともなかったのです」なぜ突然、めまいが起きたのか。その原因こそ、「副作用の掛け算」だ。「薬は。体内にある代謝酵素によって、身体の外に出ていきます。しかし、遠藤さんの飲んでいたクラリスにはこの代謝酵素の働きを妨げる効果がある。そのため睡眠薬が体内に残り、副作用が強まったと考えることができます」(薬剤師・歌川佳子氏)
さらに遠藤さんは実は、これ以外に8種類の薬を飲んでいた。これも薬が体内に残り、強い副作用を引き起こす原因となった。「歳をとると、肝臓で薬を分解したり、腎臓で薬を排泄する機能も衰える。たくさん薬を飲めば、身体の中に薬が溜まる時間が長くなり、副作用が強く出る可能性が高くなります」(歌川氏)高山孝則さん(71歳・仮名)が語る。
「父は血が固まって詰まらないよう、一日1回ワーファリンという薬を飲んでいたようです。今年の3月、がんの手術をして。術後の痛みを和らげるため鎮痛剤(リリカ)も処方されていました。
出血が止まらない
事故が起きたのは、がんの手術から4日後のことだった。深夜3時、病院のベッドからトイレに向かう際、ふらついて転倒し、頭部を強く打った。「脳の表面で出血が起きる硬膜下血腫となり、後遺症で言語障害が残りました」(隆夫さん)高山さんのケースでも「副作用の掛け算」が起きていた。
まず、転倒の原因となっためまいは、リリカの副作用だった可能性が高い。それだけならここまで重症にはならなかった。高山さんが飲んでいたワーファリンには血液をサラサラにする効果がある。その副作用が連鎖的に働き、出血がすぐに止まらず、命の危機に瀕したのだった。
�L瑤�効きすぎる
薬を処方した医者の判断を、何も考えずにうのみにしてはいけない。過剰に強い薬を出されると薬が効きすぎて危険な目に合う。認知症の母親(82歳)の介護をしてきた光村さん(55歳仮名)が語る。「母は2年前から食べる量も減り、外出もあまりしなくなりました。3か月前に医者に連れて行くと認知症と診断され、薬も出してもらいました」
光村さんの母親が処方されたのはメマリーという認知症の薬だったが、薬は効かず少しづつ量が増えていった。「だんだん怒りやすくなり。夜中に大声で叫ぶこともありました。お医者さんからはレミニールという薬も処方してもらい、合計6種類の薬を飲んでいました」(光村さん)しかし状況は改善しない。光村さんの母親は、次第に起きてこなくなり、食事もとらず、とうとう光村さんは救急車を呼んだという。
一体が起きたのか。実は、体の中に大量の薬が残った結果、レミニールが効きすぎて、気分を落ち着けるはずが意識障害に陥ったのだ。そもそも、「起こりやすくなる」という症状は、それまで飲んでいたメマリーの副作用だった。それに気づかずに、医者は追加の薬を出してしまっていた。誤った判断で薬が増やされ、命を縮めたのである。
�ぬ瑤�体内にたまる
6種類以上どころか、膨大な薬をありがたがって飲んでしまう人には、悲惨な結果が待ち受けるかもしれない。今年77歳になる奥田健司さん(仮名)は、合計20種類の薬を飲んでいた。「関節炎のために疼痛治療薬のリリカと鎮痛剤おロキソニン、さらに高血圧の薬のノルバスクやレニベースという薬を処方されていました。他にも奥田さんは、糖尿病の薬や、利尿剤などを出されていた。おくすり手帳も持っていたが、病院ごとに分けてしまっていた。
奥田さんは続ける「半年前のことです。朝食時に薬を飲んですぐ、だるさや吐き気を感じました、次第に意識がぐらついて、気づいたら病院にいたのです」医者の診断は、急性腎不全だった。多くの薬は腎臓から尿中に排泄されるが、くすりがふえれば腎臓にたまっていく。特に降圧剤や非ステロイド系の抗炎症薬、抗がん剤は腎臓の働きを悪くしてしまう。その結果、体内からなかなか出ていかない薬が。腎臓の機能を悪くしてしまうのだ。
今、病院でもらっている薬が5種類を超える場合、どうすればいいか。「まずは、なんとなく追加で出されていた薬を見直すことです。軽い降圧剤や高コレステロール剤、胃薬など、安心のために出ている薬は、医師に止めたいと相談してみましょう。(医療ガバナンス研究理事長・上比呂氏)病院の薬はうまく使えば、劇的に効く。逆に使い方を間違えれば、体の機能を大きく狂わせることになる。毎日飲んでいると忘れがちだが、薬を飲まないのが本来の姿であることを忘れてはいけない。
『週刊現代』11.16
| 2023年04月01日(土) |
薬をやめて「認知症」からの復活 �� |
原因は胃腸薬だった
平田氏は男性の脳の検査を行ったが、認知症の特徴である脳の萎縮が見られなかった。一方、男性は普段から16種類もの薬を飲んでいることがわかった。もしかすると、薬の副作用によって胃一時的に脳の認知能力が低下し、間違って認知症と診断されたのではないか。そう思った平田氏は、男性患者の家族に薬を減らすよう助言。すると、みるみるうちに症状が改善し、物忘れや徘徊などの症状が出なくなり、元気を取り戻したという。
この男性は、鎮痛薬や睡眠薬などを常用していたが、睡眠薬の一部(レンドルミンやサイレースなど)には幻覚などの副作用がある。また、抗うつ薬、花粉症の薬や風邪薬の中にも、同様の副作用を起こす抗コリン作用を持つものがある。こうした薬を常用していると意識がぼうっとしたり、物忘れが激しくなったり、あるいは突然意味不明な言葉を発したりすることがある。あくまで副作用による一時的な症状だが、医師によってはこれらの症状を薬が原因とは疑わず「認知法だ」と診断してしまうケースがあるのだ。
前出の医師、狭間氏は、ごく一般的な胃腸薬を常用していても、認知症のような症状出ることがあるという。「H2ブロッカーという胃の薬は、遺産の分泌を抑えて胸やけや胃もたれを改善する効果がありますが、この薬は脳にも届いて神経伝達を鈍くさせ、服用すると幻覚などを見たり、怒りっぽくなったり、あるいはぼうっとしてしまうという副作用があります。高齢者が若い人と同じくらいの量を常用していると症状が出て、家族が『認知症じゃないか』と思ってしまうことが少なくないのです。
私が訪問診察を行っている方の中にも、最初は『認知症かな?』と思っても、薬剤師や看護師と相談する中で、認知症ではなく、この薬の副作用が原因だったということが何度もありました。総合的に判断して、薬の副作用による症状ではないかと思った場合は、ご家族にも説明の上、薬を減量したり中止したりすることがあります。量を減らし結果、以前の状態に戻ったケースも珍しくありません。また狭間氏によると、利尿剤を常用している場合にも認知症の症状と似たような副作用が出ることがあるという。
「在宅で療養していた高齢の男性患者が、ある日を境に便を壁にこすり付けるようになりました。これは『弄便』(ろうべん)といって、認知症の症状の一つ。最初は認知症になったのだろうかと疑いました。しかし、その患者さんは足にむくみがあったため、定期的に利尿剤を飲んでいることがわかりました。実は、利尿剤によって脱水症状が起こると、認知症に近い症状がでるのです。弄便現象もそのひとつ。足のむくみもほとんどなくなっていたので、薬剤師からの提案で、その患者への利尿剤の処方をやめたところ、弄便もなくなりました」
最近、急速に親の様子がおかしくなった。そう感じたら、認知症かと疑う前にまずは常用している薬を並べてみて、その副作用を疑ってみたほうがいい。
『週刊現代』11.16
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