加藤のメモ的日記
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2023年01月22日(日) 55歳以上をご存じですか

バスや新幹線だけじゃない
これまで、日本のスーパーや百貨店は、毎日「25日」に合わせて
新商品の展開や特売セールを繰り広げてきた。もちろんこれは、サラリーマンンの給料をにらんでのことである。だが、ここ最近はやや状況が変わり、小売業界は「15日」に照準を定めている。その理由は明確で、偶数月の15日にやってくる年金支給日を意識しているからだ。

「年金支給日に、その月の生活費をまとめて銀行から降ろす人も少なくないはずです。小売業界やサービス業界は、そのお金を落としてもらおうと、さまざまな割引制度を15日付近に設けています。もちろん、消費者の側からすればこれを利用しない手はありません。また、最近はいわゆる『シニア割』の年齢の枠組みもどんどん広がっています。かっては60歳、または65歳を超えると適用されるイメージでしたが、最近では55歳くらいまで割引対象年齢が下げられていることも多い。お金を使うことが好きな、バブル世代を取り込もうとする意識もあるのだと思います」(ファイナンシャルプランナーの深野氏)

バスや新幹線といった交通機関の割引制度は何となくイメージできるかも知れない。「大人の休日俱楽部」など、JR各社が提供する旅行の優待プランも聞き覚えがあるだろう。だがそれ以外にも、55歳から、なかには50歳から利用できる割引制度は想像以上にたくさんある。一つずつ見ていこう。年金支給日のようにまとまった生活費が入ってくる日は、ひとまず食材や日用品を買う、という人が多い。実際、偶数日の15日になると、スーパーでレジを待つ列がいつもよりひときわ長いのに気づくことだろう。

どれだけ「特売」が行われるかは、もちろん小売店によってそれぞれだろうが、大手では毎月一律で割引を行っているケースが大半だ。その一例が、イオングループが毎月15日に実施している「G.G感謝デー」だ。「イオンの電子マネー『WAON』は、55歳以上になると『GO WAON』にアップグレードすることができます。このカードがクレジット機能付きのイオンカードで15日に買い物をするだけで、支払金額から5%引きになるので便利ですよね」(消費生活評論家の岩田氏)米や洗剤などをまとめ買いすると、軽く1万円を超える。その時に面倒な手続きなく500円相当が返ってくると考えれば、かなりお得なキャンペーンといえる。

面倒くさくない

イオンのように、大手スーパーでは15日を中心に、割引を実施しているところが多い。例えばスーパー「ライフ」では60歳以上なら、毎月1日、そして15日が5%引きになる。当日は発行される優待パスを提示する。また、四国を中心に展開するスーパー『フジ』でも、15〜17日は会計が5%オフになる。(こちらは65歳以上が対象)イトーヨーカドーなどで使える「nanaco」も、60歳以上はランクアップし、毎月15・20日は5%引きになる。「この他にも、イトーヨーカ堂には毎月3回、5%オフの『ハッピーデー』があり、月計5回の割引を受けることができます。『WAON』もそうですが、ポイントを貯めつつ割引も適用されるのがおいしい。イトーヨーカドーやイオンなら生活に必要なほとんどのものが手に入りますから割引額だけで年間3万〜4万円も得した人の話もよく聞きます。(岩田氏)

一方で、電子マネーやスマホアプリなどの登録は面倒だという人はこれだ「『東京靴流通センター』などを展開するチヨダがお得です。55歳以上なら、毎月14〜17日の4日間、1点1000円以上の商品が10%引きになります」(前出・深野氏)チヨダは郊外のロードサイドを中心に全国1000店舗を展開、近所で見かける見かける機会も多いだろう。

より親しみ深い例で言うと、スギ薬局やツルハドラッグ、ウエルシアといった全国チエーンのドラッグストアは、軒並み15日から数日間の割引を実施している。特に北九州を中心に展開する新星堂薬局では、偶数日の15〜17日は10%オフになる。(これらはいずれも60歳以上が対象)。日用品を買いだめするには絶好のタイミングだ。

このように、年齢に応じた割引がスーパーなどの小売店に多いのは事実だ。さらに最近は年金世代と現役世代、どちらにも身近なレジャーで、料金が安くなるケースが増えている。レジャーの場合、割引が聞くのは毎月15日に限らない。経済評論家の荻原博子氏が例を挙げる。「多くの映画館では、夫婦どちらかが50歳以上なら二人で料金が2400円になる『夫婦50割引』を行なっています。でも『映画は一人で観たい』という場合もありますよね。そんなときは、『イオンシネマ』の『ハッピー55』を利用するのがおすすめです。55歳以上なら、いつ映画館に行っても、会員登録なしで1100円で見ることができます。他に身近なレジャーといえば、カラオケはどうでしょうか。関西を中心に展開する『ジャンカラ』では、55歳以上なら毎月第3・第4火曜日のルーム料金が半額になります」

アウトドアレジャーでも「55歳割引」が適用される施設は年々増えてきている。カネのかかる趣味の代表格であるゴルフは、家族の目もある手前、1円でも安くコースを回りたいところだ。そんなニーズに応えるように、全国のゴルフ場では様々な優待プランが用意されている。

冨士山をのぞみながらプレーできる山梨県の「富士ゴルフコース」は、安倍晋三首相が足繫く通うゴルフ場としても知られている。都内から車で2時間以内でアクセスできる富士ゴルフコースは、『シニア&レディースカルテットプラン』を実施している。「4名1組でコースを回られる場合、男性のメンバーが全員55歳以上なら、今のシーズンですとプレー料金は平日19.000円、日曜祝日は18200円になります。いずれも通常料金の2〜3割程度割引でご利用いただけます」(同ゴルフコーススタッフ)

肉も相撲も安くなる

これから冬のシーズンに突入するにあたり、学生時代を思い出し、スキーに再挑戦しようと密に思案している50代60代もいるのではないか。特に首都圏からアクセスのよいスキー場では、50歳以上に割り安の「マスター料金」が設定されている場合がある。たとえば、長野県の「シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳」。東京から2時間半程度で着き、休日は家族ずれで賑わう。一般の土日祝リフト券は4000円だが、50〜59歳は3000円、60歳以上なら2000円で購入できる。

50代を過ぎれば、夫婦連れでも一人でも、気ままに旅行に出かける余暇の時間が増える。先にも少し触れたが、JR各社はJR東海の「フィフティ・プラス」、JR西日本の「おとなび」といった、50代以上限定の会員サイトを設けている。そこで予約すると、割引切符やお得な旅行プランを利用できるのだ。また、旅行先で使うレンタカーも安くなる。トヨタレンタリースでは、運転手が60歳以上の場合、料金が2〜3割安くなるプランを設けている。割引率や条件は地域によって異なるので、旅行前に確認してみてほしい。

「旅行関連でいえば、国内に130あるホテルチェーンの「スーパーホテル」が、60歳以上を対象に割引制度を設けています。日・月・金・祝日の宿泊なら、最大で料金が20%引きになるんです。今、インバウンド需要で都市部の宿泊料金は高騰しています。田舎の温泉でゆっくりするよりも、繁華街の観光尾を楽しみたい人は、こうした割引を積極的に利用していきましょう」(前出・深野氏)

ちなみに、知っておいて損はない「意外な割引」にはどんなものがあるか。前出・岩田氏は次のように言う。「大相撲の升席が60歳以上なら格安料金で取れるのは、以外なところかもしれません。各場所で、『ファミリーシニア枡という席が設けられていて、普通の升席と比較して4割以上安く観戦することができるんです。一人でも60歳以上がいればいいので、思ったよりも気軽の使えるのではないでしょうか」

これまで見てきた通り、「年齢割」を導入しているのは小売店やレジャー施設がほとんどだが、飲食店ではステーキチエーン「いきなりステーキ」が異彩を放っている。70歳を超えると「肉マイレージカード」がシニアカードになり、毎回アルコール飲料を含むドリンク1杯無料、敬老の日に1000円分のクーポン贈呈、混雑時に優先入店できるなど、大胆な制度で年金世代の胃袋をつかんでいる。

「今後も、さまざまなサービスで『年齢別』の導入が広がっていくことは間違いありません。『お得な制度』というと、インターネットを使いこなせるかどうかが壁になることも多いのですが、これらは身分証さえ持っていれば受けられる制度がほとんどです」(前出・深野氏)年齢以外に資格はいらない。気後れせず、どんどん有効に活用してほしい。


『週刊現代』11.16






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