子の年齢:妊娠30週 読んでいる本:『失われる子育ての時間-少子化社会脱出への道』池本美香著 剄草書房
今度は好物のいちぢくで口角がかぶれた。とってもとっても肌が弱くなっているようだ。
このところちーちゃんはちゃんと頭位(逆子でない状態)のようだ。右脇腹をつま先の裏で掻くかのような胎動をしきりと感じる。 裏返しのかぶとむしがもがいているような感じかな? 元がデブだからなのか、ストレッチマーク(R)が効いているのか、今のところ妊娠線は出ていない、みたい。
来年の保育園の申し込み期間が始まった。明日、実家の最寄の保育園に申し込みに行かなくては。 まだ生まれてもいない子どもの入園申し込みをしなくてはならない、というのは驚きだったが、働くママの間では常識らしい。育児休業が明ける1月になってから、慌てて受け入れ先を探してもムリなのだ。 運悪く死産だった場合に入園案内が届いたりしたら、悲しみ倍増だと思うけど、どうなんだろう?
実家の最寄の保育園は最近移転新築したところで、夜7時までなら延長保育(別料金)も可能。駐車場も広く、閑静な立地だ。 冬から預け始めの場合は、あらゆる病気をもらって、春まで休みつづけることが多いらしいが、だからと言って春まで会社を休む訳にもいかない。
母親の働く権利を護るために保育施設が増やされている、らしい。 でも、本当に働く権利が欲しい母親ってそんなに沢山いるんだろうか? わたし自身、仕事=自己実現だなんて思っていない。経済的に豊かになるし、独りで家に居るよりは人間関係が広がって面白いから働いているだけで、育児が想像以上に面白かったら仕事なんて辞めるかもしれない。 保育施設は、実は、所得税収入を増やしたい政府によって(無収入の主婦が働けば税金が入るからねぇ)充実され、専業主婦を減らすべく世論が誘導されているだけなのかもしれない。
男女共同参画社会とか体のいいこと言っちゃって、実は税金とGDPのためなんだ。
もう11月になるというのに、オフィスが暑くて暑くてたまらない。 3時頃に抜け出して、横を流れる川の土手下を散歩して涼むのがこのところ日課になっている。 厚く茂った「みぞそば」のひなあられのような花が、対岸で傾きかけた日に照らされている。ここでは時間がハチミツのようにねっとりと流れていく。
子の年齢:妊娠30週 読んでいる本:『失われる子育ての時間-少子化社会脱出への道』池本美香著 剄草書房
里芋の皮をむいたらもうれつに手が痒くなった。 かぶれるものだと聞いてはいたが、こんなひどいことになったのは初めてだ。里芋の皮をむいたことがないんでしょう、というツッコミが聞こえそうだが、そんなことはないぞぅ。<0( ̄^ ̄)0> 見る見るうちに手が真っ赤に腫れて、手首から下をちぎって投げつけたい程になった。 こんなときに限って痒み止めもない。 仕方ないので、虫刺されの薬を塗ってみたが、イナバの白ウサギみたいな感じだ。
きぃ。
暴れながら洗面所で手を洗っていると、入浴中の夫が慰めるように、 「今日、『トリビアの泉』面白いらしいよ、見んが?(見ないの?の意)」と言う。 あまりにも痒くてTVなんてどうでもいいが、とりあえずTVをつけてみる。まだ8時なので他の番組が放送されている。
次第に痒みが収まったので、手袋をして残りの里芋の皮をむいていたら、夫が風呂から上がってきて、これからビデオを見るという。 「えっ、『トリビアの泉』は?」 「風呂入られ。」 なんという身勝手な。でも手が痒いので風呂に入ることにする。
風呂に入ってしばらくすると、ピアスが片方なくなっていることに気づいた。新婚旅行で買ったサファイアのピアスなのに・・・ 落ち込んでいると、部屋を暗くしてビデオを見ていた夫が 「どうしたん?」と訊く。 「ピアスなくした。」 「えっ、あの高かったヤツ?」 「うん。」 話しているうちにテーブルの上を見ると、胡桃を食べていたらしい。どうりでトンカントンカンうるさかった。 明日健康診断だから朝食抜きなのに、ビデオ見ながら胡桃を食べるなんて!
「あんたね、明日健康診断なのに、9時過ぎてからそんなもん食べて!(健康診断で)何か出たら、姥捨て山に捨てるよ!」 「うるさい、もう寝れ!」 なんという身勝手な。絶対にいつか独房に入れてやる!
ピアスは結局見つからない。むかむかしながら眠りについたら夢を見た。 夫に女装した甥が3人もいる。粗暴な小学生なのに髪の毛が腰まであって、ヘンテコなちょんまげにしている。 「あの、もう小学生なんだから、髪の毛切ったらどうですか?」 と言ってみるが、義母が 「でもねぇ・・・。」 と、訳のわからない言い訳をするのだ。
目が覚めたらますます腹が立ってきた。寝ている夫の上に片足を載せてみる。 「うっっ、重たいです。止めてください。止めてください。」 「あんたに女装した甥が3人もいる夢を見たよ。」 ヤクザのインネンである。
子の年齢:妊娠30週 読んでいる本:『失われる子育ての時間-少子化社会脱出への道』池本美香著 剄草書房
新婚旅行でダイビングに行ったときに、ボートに乗り合わせたスイス人カップルから手紙が来た。 フランス語を話すスイス人だったので、英語でのコミニュケーションはかなり怪しかったが、女性の方は妊娠5ヶ月らしかった(妊婦はダイビングできないので、シュノーケリング)。 その時の赤ちゃんが9月に生まれた(女の子)というお手紙だった。 例によって手紙の後半部分は何が書いてあるのかよくわからなかったが、どうやら、3月にプーケットに行った後、6月にエジプトに行ったらしい。 なんという大胆。そして、もしかしてお金持ち? 3ヶ月に1回海外旅行なんて妊婦でなくても考えられない。
とにかく折角お手紙を貰ったので、出産祝いカードを書かなくては。と、夫と二人で雑貨屋に行き、女の子にぴったりの出産祝いカードを見つけた。
あとは中身を書くだけである、英語で。
「何て書く?」 「日本語でいい?」 「英語に決まっとるやろ。」 「えーん、俺いつも仕事で英語のメール書いとるから、やー。」 「ウソつけーヽ(`⌒´)ノ」
ああ、またわたしが書くのだろうか・・・。 写真を送るから住所を教えて、と言ったのはキミだろう?
子の年齢:妊娠30週 読んでいる本:『失われる子育ての時間-少子化社会脱出への道』池本美香著 剄草書房
本日も妊婦健診だった。 尿糖が出やすいので朝食を抜いていったのだが、結果は+-。朝食を抜いても+-って、どうすればいいの? 次回相談しよう。
今まで医師の性別診断を信じていなかったのだが、今日モニタに映ったものは、こんな感じだった↓男児31週 棒は見えなかったけど、クチビル型というよりはハート型。
陰嚢。 陰嚢だっ。
えーん、お下げの分け目をぎざぎざにしてギンガムチェックのリボンつけようと思ってたのにぃ。 物干し竿いっぱいぶかぶかのトランクスと臭い体操服を干すんだー。
子の年齢:妊娠30週 読んでいる本:『アフリカの日々』アイザック・ディーネセン著 横山貞子訳 晶文社
キング牧師ではないが、わたしにはちっぽけな野望がある。 そしてその野望のために日々コツコツと活動を続けている。
その活動とは、ベルマーク集め。
小学校の頃ベルマーク収集委員だったわたしは、クラスメートが「近所のおばあちゃんに貰った」と言って、ポリ袋いっぱいのベルマークを持って登校したのがとてもとても羨ましかった。 くそぅ、一体どうしたらそんなにベルマークが集まるんだ。
だいたいベルマークなんてものはちっちゃくてぺらぺらだ。どんなに一所懸命集めたって、掌のくぼみ程度集めるのが関の山である。
でもでも、大学生の頃から集めれば、わたしの子どもが小学校に入る頃には、ポリ袋いっぱいぐらいにはなるんではないだろうか。 と、子どもはおろか結婚するアテさえない頃からコツコツと貯め続けているんである。バニラアイスの蓋についているベルマークも洗って切り取るぐらい、真剣に集めているのだー。
以来10余年、ようやくジャムの小瓶がいっぱいになった。 道は長くけわしい。
そしてこれは、ちーちゃんがしっかり記憶に留めてくれるよう、小学校高学年になるまで隠しておくつもりだ。
子の年齢:妊娠29週 読んでいる本:なし このところ毎晩、深夜2時〜3時の間に目が覚める。今迄は夫のイビキとか蚊のせいにしていたが、実はそんなもので目を覚ます程度に眠りが浅かっただけらしい。 一説によれば、妊娠後期に不眠になるのは、産後に3時間おきに授乳できるよう体を慣らしておくためなんだそうだ。
おかげですっかり寝不足になり、昨日はとうとうものすごい風邪引きになった。 朝9時からコーヒーショップに行ったのだが、途中くしゃみが止まらない。10分間隔ぐらいで、目玉が飛び出そうな勢いのくしゃみが出る。目も熱くなって、鼻水が滝のように流れ出る。熱はまったくない。 着替え一つ満足にできないので、手当たり次第にモノを蹴りたくなる。 花粉症もこんな感じなんだろうか?年に1週間もこんな状態になったら家庭崩壊しかねない。 とりあえず、以前産婦人科で処方された風邪薬を飲んで寝ることにした。
1時間ほど経って目が覚めたら、嘘のように治っていた。ただの寝不足かもしれない、これからは夜中に目が覚めても動き回らないようにしなければ。
子の年齢:妊娠29週 読んでいる本:『アフリカの日々』アイザック・ディーネセン著 横山貞子訳 晶文社
ぷーん。 蚊の羽音で目覚めた。 結婚指輪をしている左手の薬指が痒い。 まるで愛人の幽霊みたいに左手の薬指を蚊に刺された。 うーん、指輪が抜けない。 温風ヒーターが必要な程冬だから、蚊はお終いだと信じていたのにー。
『こはるのふく』(伊藤まさこ著)の胡春ちゃんがかわいい。 胡春ちゃんは著者伊藤まさこ(スタイリストらしい)さんの実の娘で写真の頃は4歳。 手作りしたおしゃれな「お洋服」の写真と作り方(型紙付き)が載っている。何かの雑誌に連載していたものを1冊にまとめたらしい。 子ども服だから許される大胆デザイン(→横着カッティング)で、洋裁本としてはちょっと物足りない。 でも写真はとてもきれいでかわいい。 「あー、胡春ちゃんみたいな娘が欲しい。」と母と二人で夢を見るのだった。
ちーちゃんは医師の診断によれば男の子。 夫は男子3兄弟の末弟。娘が欲しかった義母に女装させられた過去を持つ(夫本人は否定、赤いタータンチェックのオーバーオールが男の子の服だと信じている)。
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『アフリカの日々』アイザック・ディーネセン著 横山貞子訳 晶文社
ちーちゃんは子宮の中をぐるぐる回っている。 最低でも2回逆子と診断され、また元に戻っている。 胎児が動きすぎてへその緒が首に巻きつく、なんて話をよく聞くので、不安になって聞いてみた。 首に巻きついていたら胎動が弱くなる筈なので今のところ大丈夫らしい。 しかし、へその緒はちーちゃんのおへそと胎盤にしっかりくっついているんである。胎盤はわたしの子宮にしっかりとりついているんである。 ちーちゃんの体に巻きついていなくても、ねじねじによじれているんではないだろうか?
ストローの紙袋の一方の端を固定して、もう一方の端をくるくる回してみる。 紙袋はこよりのようにねじねじに細くなって、だんだん固く短くなっていく。 危険だ、ちーちゃん(妄想に突入)!
今日、藤原紀香が地元の百貨店に来るらしい。朝のNHKニュース(地方版)で言っていた。紀香がアフガニスタンで撮影した写真のパネル展が今日からなので、来場するんだって。 すげー。 自分のペースでやりたいことやってて、それが時代を捉えてるってのがカッコイイ。 お仕着せでなく本気でやりたいことなら全精力傾けられるもんね。
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『アフリカの日々』アイザック・ディーネセン著 横山貞子訳 晶文社
胎動で目が覚める。 左右の脇腹が同時に蹴られた感触。 逆子が治ったのではないだろうか♪♪ 昨日はさんざん膀胱を蹴られた。「蹴られた」?「殴られた」?実は「踏まれた」なのかも知れない。とにかく逆子だと診断されるとだいたい膀胱あたりがもぞもぞする。
有栖川宮詐欺疑惑の報道が面白い。 皇族などという「ブランド」に騙されて金を払う人間には同情しないが、披露宴で新婦役をした女性のインタビューが訳がわからない。 「殿下に生涯お仕えしなければ」と思ったんだそうである。でも皇族を名乗ったことはないんだそうだ。いったいこれをしゃべっている間、この女性の頭の中にどんな思いが去来しているのか?脳波測定器でもつけて見せてもらいたいもんである。 しかも、結婚披露宴をして祝儀を集めたにもかかわらず、結婚生活の実態が無く、入籍もしていない。しかし、これ即ち詐欺の証拠とできないのは、昨今事実婚が増えているからなんだろう。 ウチも結婚式したけど未入籍(わたしの希望)で、(夫の)仕事の都合で半ば一人暮らしだ。
夫が出張中、わたしにクリスマスケーキでいじめられる夢を見たらしい。 夢の中でわたしがにっこり微笑んで、薄くスライスしたフランスパンにクリームチーズを塗って、ドレンドチェリーをのせ、杉の葉を散らしたものを差し出したんだって。 まだ10月だというのにクリスマスケーキまで心配するとは、恐妻みたいじゃないかー!
評判のパティスリーで一番高いクリスマスケーキを予約してやる(勿論夫の財布で)!
と思ったが、ケーキだけ予約してもディナーも作れないので、思い切ってディナーの予約をしよう!ホテルの最上階レストランとか!まだ誰もクリスマスのことなんて考えていないうちに。 (レストランで産気づいたらどうするんだろう・・・、もっと前に生まれてたりして)
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『立花隆先生、かなりヘンですよ−「教養のない東大生」からの挑戦状−』谷田和一郎著 洋泉社
眠れない。 久しぶりに夫のイビキを聞いた。久しぶりなので忘れていたが、そういえばイビキがすごいのだ。 その上、一人で寝るには広すぎて寒々しい寝室が、今や狭くて暑苦しい。体感温度が2℃程上がっている気がする。 むー、これをきっかけにいっきに妊婦不眠に突入か。
不眠のおかげでメールの不具合が直った(これまでは受信しかできなかった)。
『立花隆先生、かなりヘンですよ−「教養のない東大生」からの挑戦状−』は、たいそう面白かった。 別の本を探して図書館の書架を歩いていたら、この本が「俺を読め!」と言わんばかりに目に飛び込んできたので読んでいるのである。 わたしはこの立花隆氏の『脳を鍛える』を以前読んで一念発起し、『ファインマン物理学』を読み始めたというクチなのだが、やっぱりいきなり読んでもサッパリ判らなかった。『ファインマン物理学』は全部で5巻だったと思うが、まだ1巻の1/3も読めていない。わたしの如き凡庸な頭脳では理解できないのだろうと思っていたが、どうやら旗を振っている立花氏自身が理解していないらしい(ということが谷田氏の本に書かれている)。 サブタイトルどおり谷田氏は、執筆開始当時、『脳を鍛える』で散々に馬鹿にされている東大生だったそうだ。たしかにわたしも教養がないが、立花氏も教養が無いではないか(立花氏の無教養がわかる程度には教養があるぞ)、ということが書かれてある。 言われてみれば確かにそうだ。しかも立花氏の場合、その発言が強大な影響力を持っているのでタチが悪いのである。 それにしても、この本のあとがきにもあるとおり、わたしも活字メディアを少しは信じていたので(だから本を読む気になれるのだ)、これ程までに立花氏の著作がひどいことを見せつけられると、ではこの谷田氏はどうなのか、とか、他にもこれまで感銘を受けてきた本はどうなのか、と全てが疑われて暗澹たる気持ちだ。
そしてまた、イビキ。 時差ボケの夫は8時に就寝し、地を這うようなイビキをかいている。
銭湯に行ったら3才ぐらいの男の子が、わたしのお腹を見て「ぽんぽんが、おっきい!」と叫んだ。かわいー。
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『立花隆先生、かなりヘンですよ−「教養のない東大生」からの挑戦状−』谷田和一郎著 洋泉社
金曜に激しい腹痛で産婦人科を受診したため、今日再診になる。 まだ29週なのに、このところ毎週受診している。そして毎週尿糖+++になる。 今日は朝食を抜いて採尿してみた。 結果は尿たんぱく、糖ともマイナス。 「ほら、今日はマイナスですよ」と主治医も嬉しそうだ。
金曜の診察では、子宮が張っているとは思われなかったが、腹痛の原因が判らないので張り止めのウテメリンが処方された。 しかし、母が止めるので結局1錠も飲んでいない(妊娠中は薬を飲ませたくないらしい)。
しかし医者にしてみれば、出した薬は飲んでいるはずだから、腹痛が治まったということは、ウテメリンが効いたということになる。 「じゃあ、やっぱり張ってたのかな。」 と言って更にウテメリンを処方しようとする。困ってしまったので、 「実は飲んでいないんです。」 と打ち明けると、 「それじゃ今日来てもらった意味が無いよ。飲む気がないなら最初からそう言ってくれないと。」 と、叱られた。総合病院なんだが、主治医は叩き上げオヤジ風で、機嫌を悪くするとちょっとコワイ。 「済みません、では帰ったら飲みます。」 「いやそれは飲まなくていいんだけど。」 指示に従ってくれないと責任がもてない、と言う。 とりあえずで処方したくせに。 飲まなくても収まったのに、飲んでいたら薬の効果ということになっていた、というのは問題ではないだろうか。
今日は超音波も見る。 「逆子だね」 言うことを聞かない患者なので、言い方が冷たい。 先週は治ってたのに、えらく暴れていると思ったらまたかよ。なんてせわしい胎児だ。
言うだけ言ったらすっきりしたらしい、妊娠証明書(会社に提出する)をすぐに書いてくれた。
2ヶ月近く海外逃亡(出張)していた夫が今日帰ってくる。 こんな時に限って飛行機事故になるんじゃないかとテレビのニュースが気になる。
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『立花隆先生、かなりヘンですよ−「教養のない東大生」からの挑戦状−』谷田和一郎著 洋泉社
妊娠してからどうも頭がおかしい。何週目からこんなになったのか定かでないが、いつもほろ酔い加減のようで頭がうまく回らない。 ほろ酔い加減のようで、というのは、頭が回らないだけでなく、気分も高揚しているからだ。聴覚も少し鈍っているので、人前で鼻歌を歌ってジロジロ見られてしまったりする。
そういう訳で今日は立体駐車場でパニックを起こした。 この駐車場は、車に乗り込む前に清算を済ませ、ノーチェックで出庫するシステムになっている。 何度も来たことがあるので、清算には何の問題もなかった。ところが、車を発進させたところ、駐車券がないことに気づいた。 カバンの底に沈んでしまったんだろうか?大事なものに限って奥底に沈みこむ。出口に着いてから探すと後ろの人の迷惑になると思い、車をちょっと脇に寄せて探すことにした。 駐車料金のレシートはカバンの上に載せてあったが、駐車券はなかなか見つからない。レシートはぺらぺらで軽いからのっかってしまったんだろう。レシートで許してくれないかしら、と思ったが、機械は受け付けてくれない、と思い直し、カバンを逆さにして、中身を全部助手席のシートにあけてみた。見つからない。 当然である、清算した時に回収されたんだから。 それでもまだ気づかないわたしは、他の車にクラクションを鳴らされてしぶしぶ出口に向かった。係員にレシートを見せて説明するしかない、と思いながら。 出口に着いたら遮断機がない。そうだった、あとは出るだけだった!
これではまるでボケ老人である。
普通なら残りの人生が心配になりそうな具合だが、そこがほろ酔い加減のいいところである。しばらくすると、そんな不面目もコロリと忘れてしまう。恐るべし妊婦。
子の年齢:妊娠8ヶ月 読んでいる本:『もてない男−恋愛論を超えて』小谷野 敦著 ちくま新書
NHKBSで小津安二郎特集をやっていた。映画評論を読んでいると必ず小津の名前が出てくるので、一度は見ておこうと思っていたが、レンタルビデオ屋に行くといつも忘れるので、まだ見たことがない。 いつか読んだ芸能記事に、小津安二郎生誕100周年記念作品に出演する浅野忠信に「一番好きな小津映画は?」と聞いたら「実はまだ見たことがありません。」と済まなさそうに答えたので、監督が呆れ返った、というようなことが書いてあった。 昨夜は『秋刀魚の味』だった。1963年製作だというから、生まれる前どころか両親が結婚もしていない。 母はリアルタイムで知っているのかしら、と思っていたら、部屋に入ってきた(夫が出張中なので実家に里帰りしている)。母にしては珍しく画面にクギ付けになった。聞けば母も放送を楽しみにしていたが、放送日を間違えて記憶していたらしい。 母は小津安二郎なぞ知らない。佐田啓二の映画が見たかっただけらしい。しかし、他のキャストも若かりし頃の憧れをかきたてるらしく、場面が変わる毎に「あ、この人誰だっけ?」と考えていた。 わたしにとってはまるで、昭和初期の資料映像だ。女性の登場人物の衣裳がレトロでとてもかわいい。そして、ものすごい男尊女卑のエピソードが随所にちりばめられている。 小津映画にノスタルジーを感じる人は、同時に男尊女卑にもノスタルジーを感じているのでは、というのは考え過ぎだろうか?
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