日々あんだら
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2013年08月31日(土) |
ポートフォリオの苦悩。 |
こちらはボツ写真。上から「大汝から見下ろした立山連邦」「北アルプスの山々」「剱岳」です。
来週末提出期限の『山人展』の展示準備に追われる週末。
壁に展示する用のメイン作品は比較的簡単にできた。 というか、最初からどの写真をどう見せるか、イメージはできていたのだ。 (できていたから申し込んだ、とも言える) 1回、ハリパネ失敗して新しいのを買いに行くという失態はあったものの、まあイメージ通りの仕上がり。 (余談だが、ハリパネ1枚1770円、プリント1枚約1000円である。涙)
問題は、ポートフォリオの方だ。 一応のテーマ的なものは申し込んですぐくらいにできていたんだけど、ふわふわしたあいまいなもの。 どんな写真をどの順番で並べたらそのテーマに沿った作品になるのか、全くイメージできてない。 とりあえず、HDDの中の過去の山行の写真を片っ端から見て(日ごとにフォルダを分けて管理してるのでそれは簡単) 気に入った写真をとにかくデスクトップにコピーする。 ここまでは簡単だし、そう辛い作業でもない。
その中から、特にいいと思う写真、テーマに合いそうな写真を選別しながら別フォルダへ移す。 今回は150枚くらい残った。
で、それを全部L判にプリントする。 仕事でも写真でもそうなんだけど、モニターではイマイチつかみきれないのだ。 紙に出して読んだり見たりしないと自分の中に響いてこない。 で、その写真をテーブルの上とか床とかに全部広げて、そこから48枚選び出す。 ここからが辛い。 ここまでは「好きな写真を選ぶ」んだけど、ここから先は「好きな写真を切って行く」のだから。
他の人はどうやってるか知らないけど、僕は写真を選ぶとき、全体のまとまりとか流れとかを気にする。 どんなにすごい写真、気に入った写真があっても、他の写真とバランスが取れなかったら落とす。 落とした方が全体としていい作品になるのを、何回も見ている。 逆に、その1枚だけを見たら大したことが無い普通の写真でも、48枚の中に入れた時に周りを引き立てるような写真、 流れを繋ぐような写真だったら使う。 このあたり、野球のチーム編成と似ているような気がする。 四番バッターばかりでは勝てないのだ。
そして全体の流れを見ながら違和感がないような並びにする。 が、違和感が欠片も無かったら、さーーーっと流し見されて誰の印象にも残らなくなってしまうので、 あえてちょっとだけ流れを変えてみたりもする。
ギャラリーの壁にかけたり、WEBで見せたりするのと違って、ブックの形にする時にはもう一つ制約があって、 それは縦横の選択である。 正方形のブックならば気にしなくていいんだけど、基本的には縦長のA4もしくはA3ファイルを使う。 その場合、横位置の写真と縦位置の写真とでは、ブックの向きを変えないといけない。 これが頻繁だと見てくれる人に集中力を失くされる。 特に、見開きの右と左で縦と横を使われた日には、本気でイラっとする。 流れを大きく乱すことはできないんだけど、その範囲内で、横位置なら横位置、縦位置なら縦位置が、 しばらく続くような並びを考えないといけない。
などなど。
頭ではわかっているのである。
わかっているんだけど、どの写真をどこに持って来たらその流れが整うかがわからない。
わからないんですよ。
…ブランク。|Д`)
で、プリントした写真を手に、あーでもない、こーでもないと入れ替えたり並べ替えたり、 見開き分を2枚並べて眺めてみたり、もっと合う写真はないのか?と床(ボツ)の写真を拾ってみたり。 まあ、写真に正解は無いし、写真の選び方・並べ方にも正解はないので、悩んで当然なんだけど。 でも明らかに数年前より衰えとる、おれ。。。
そんなわけで、今日はまったく決められませんでした。 あ゙ーーーーー、もうっ!!!!!
今朝の体重:71.0kg (目標:66.0kg) 今夜の体重:71.6kg
今日、出張先の空港についてすぐにスマホの電源を入れ、カメピSNSのブックマークに飛んでみた。(12:15) したら、「カメラピープルSNSは終了しました」とでかでかと。 は、早いよ佐藤さん、ミヤモトさん! 普通こういうのって「正午で終了」とか言いながら、1〜2時間はそのまま置いてたりするんちゃうの!?(T-T) ちょっとびっくりした。^^;
昨日、Instagramに上げた伝説の2007年フォトフェスの集合写真に、当時からの友達のコメントが殺到した。 その内の何人かは、カメピSNS終了について、自分のところでも書いていた。 きっと、カメピを知らない人たちは白けてるだろうなぁ…と思いながらも、 ええやんか、1日2日、そういう日があったって!と開き直ってみたり。
昨日と今日は振り返る日。 明日からは前を向いて進む日なのだ。(山人展の準備、全然終わってない…^^;;)
今朝の体重:71.0kg (目標:66.0kg) 今夜の体重:71.0kg
今日のタイム(8km):40'11'' (目標:32'59'')
2013年08月29日(木) |
カメピSNS 最後の日 |
正確に言うと、明日の正午で閉じる予定なのだが、明日は出張でその頃飛行機の中なので、実質今日が最後である。
カメラピープルSNS。 モノグラムが運営していた写真好き・カメラ好きのためのSNSである。 プレオープンは2006年11月。正式オープンは2007年1月。 僕は2007年の1月下旬から参加したので、ほぼ最初期からお世話になっていたことになる。
当時、ちょうど僕は大阪から東京に引っ越してきたばかりで、周りにあまりカメラ友達がいない状態だった。 なので、カメピを通じてたくさんの友達ができたことで、とても助けられたという実感がある。 毎週のように誰かの写真展があり、毎週末、パーティーや飲み会や撮影会があった。 そう、カメピはネット上での活動だけではなく、書籍を出版したり、実際にパーティーを開いて人を集めたり、 運営者がオフラインの活動も積極的に行う稀有なSNSだったと思う。
ちなみに僕は、2007年から2009年頃にかけて、かなり積極的にSNSに日記を書いていた。 こちらの日記と重複する部分もあったんだけど、自分の中では「カメラ・写真関係の話に限定」と線引きしていた。 結果、カメラやレンズのレビュー、自分なりの写真論、写真展を観に行った感想や不満など、 カメピ利用者の中でも相当マニアックな部類にいたんじゃないかと思う。 (まあ、カメピにはそんなにカメラマニアはいなかった、という面もあるけど)
で、もうすぐ無くなるってことで、過去の日記を読み返してたんだけど、 まあ、よくぞここまで毎日毎日カメラネタ・写真ネタで引っ張れるなぁ…というくらい書いてある。 写真論に至っては、相当恥ずかしいこともしたり顔で語っている。(笑) てかこいつ、年中写真のことしか考えてなかったやろ?って自分で呆れるくらい。^^; (写真展への出展記録を見ても、2007〜2008年の回数がずば抜けてるので、やっぱりなぁ…と納得)
で、それはもうこっぱずかしいのでどうでもええんやけど、 それにくっついた、友達のコメントとかを見て懐かしいやら嬉しいやら。 会ったことがある人もいれば、会ったことの無い人も毎回コメントをくれていたり。 今でもしょっちゅう会っている人もいれば、今は消息もわからない人もいたり。 僕の独り言に近い独断で書いた写真論に対して、毎回真面目に返してくれる人もいれば、 いつもは黙って見ていて、ここぞというところで大切なひと言をくれた人もいる。
ただ、2009年の後半から日記の本数は徐々に落ち、コメントも減り、2011年以降はほとんど日記が残っていない。 ログインもたまにしかしないような状況だった。 おれだけじゃなくて、他のみんなも似たような感じ。 そりゃー、無くなるよね。 なので、「無くなってしまうのは淋しい」とか、口が裂けても言える立場ではない。
ただ、そんな立場ではないんやけど、日記を黙って消してしまうのはもったいない!と思った。 おれの戯言なんてどうでもええんやけど、みんながくれたコメントは残しておきたい。 ということで、たまたま今日は帰宅が早かったこともあり、日記のバックアップを開始! そうは言っても、クリックひとつで全部バックアップしてくれる便利なソフトなんぞないので、 1本ずつ日記を開いて全コピーしてワードに貼り付ける、という超地道な作業。 でも、夜中までかかって、全849本の日記を全てコピペしました。(めっちゃ肩凝った!) 無理だろうと思ってたんやけど、人間、やればできるもんやねぇ。。。
他にも言う人がいる通り、カメピSNSは写真について掘り下げることができなかったし、 ユーザーのSNSに対する多様化するニーズを捉え続けることもできなかった。 ユーザーも、僕を含め、「写真は楽しい」「カメラって面白い」の次のステップに進めない人が大半だった。 だから、終了してしまうのは仕方がないことなのかもしれない。
でも、カメピが繋いでくれた縁は本物だった。(残念ながら途切れてしまった縁もあるけど) あの頃、(直接的/間接的を問わず)カメピのおかげで知り合えた人たちと、誰も知り合えてなかったとしたら、 間違いなく今の僕の人生はもっとつまらないものになっていた。
カメピSNSと、それに関わった全ての人に感謝したい。 そして、皆さん、これからも仲良くしてくださいね。^^
今朝の体重:70.6kg (目標:66.0kg) 今夜の体重:71.0kg
2013年08月28日(水) |
ダイエット始めました。 |
あの、奇跡のダイエットから丸4年。 その間、何度となく「ダイエットしなきゃ」「ダイエット中」と言ってきました。 でもまあ、あれらは全てプチダイエット。
このたび不肖hide、本気でダイエットを始めました。 気持ち的には、あの4年前と同じくらいの本気度。
目標は2ヶ月で-7kg!今、ベスト体重+7kgやから、それを元に戻す!! そのために不退転の決意で臨みます。
ということで、この日記で、毎朝(起床すぐ)と毎晩(風呂入る直前)の体重をさらすことにしました。 さらしてたら手を抜かれへんやろ。 「今日くらい、ガッツリ行ってもいいか♪」とか思われへんやろ! 日記に書くことがなくても、体重だけは書きます。(笑)
今日の晩ごはんは、こないだオトンから届いた幸水。以上。 で、ジョギングしてきました。 初日から気合入れすぎるとすぐ失速するんやけど、まあ、最初は大事よね。^^;
ちなみに飲み物は、水とお茶とコーヒーと低脂肪乳とダイエットカルピスの低脂肪乳割と香川のみかんジュースと ヘルシアスパークリングウォーターとコカコーラゼロとペプシNEXしか飲みません。 飲みすぎ。(笑)
今朝の体重:73.0kg (目標:66.0kg) 今夜の体重:70.6kg
今日のタイム(8km):38'40'' (目標:32'59'')
寝てたら天使。 …って、去年の今頃の日記にも書いてました。(笑) まあ、ずっと寝られてたらそれはそれで淋しいんやけどさ。 起きたり寝たり、の繰り返しがいいです。最近体力ついてなかなか寝えへん。 親は大変やなぁ。^^;
ちなみにこの後、乾杯の頃に目が覚めて、おれとアオちゃんがいるのに気付いて、 なんか変なテンションになってた。(笑)
*
さて、実は昨日から国内某所に出張だったわけですが。 昨夜の最終便で飛んで、そこからバスと新幹線を乗り継いでホテルに入って、 今朝8時半から某顧客の会社に行く予定だったわけですが。
…起きたら9時16分やった。。。。
一瞬、事態が認識できなかった。
20秒くらい、携帯の時刻表示を凝視したけど、9:17に進んだだけやった。
携帯壊れた? と思って確認してみたけど、ベッドサイドの時計も、外していた腕時計も、全部同じ時刻やった。
やっちまったぜ。|Д`)
こんな状況でのひどい寝坊は、おれの社会人生活13年半の中で4回目です。 3〜4年に1回のペースか…って考えたら結構頻繁やけど、最後の大寝坊が4年目の6月やったので、 およそ9年ぶりくらい。
やっちまったぜ。|Д`)
まあ、不幸中の幸いは、用事が商談でも打ち合わせでもなく、誰か個人とアポイントを取っていたわけでもないこと。 急いで顔洗って着替えて、ご飯食べずに支社に直行しましたよ。 いろいろ手続きしてくれてた支社の人にまず謝り、(笑われた) その後帰社した支社の課長に謝り、(「それはまずいんじゃないの?」と言われて「まずいです」としか返せなかった) 出張してきた上司に事情を説明して謝り、(「首だ、首」と言われて何も返せなかった) 明日出社して、出張の承認を得た上司に謝ります。
謝りまくり人生。|Д`)
しかし、この寝坊の状況と原因をいくら考えてみても、自分以外の何物にも責任を転嫁できない。 いや、別に責任転嫁するつもりも言い訳するつもりもないんやけど。 起きてすぐの時には「携帯鳴らんかったんちゃう?」って思ったけど、そう言えば鳴ったのを止めた記憶がうっすらある。 昨夜の飛行機が遅れはしたんやけど、ホテルには23時には入ってたし。 若干微熱あったけど、ここんとこずっとそうやったし。 薬も飲んでないし。 敢えて言うなら、移動中に読みかけやった本が面白すぎて止められなかった…うん、自分のせい。(笑)
こんな完膚なきまでに自分しか悪くない寝坊もホンマひさしぶりです。 あー、明日出社するのが怖い。^^;
てか、明日は起きられるんやろうか。 寝るのが怖いです。(笑)
こないだ入手した銅ポット。 意外と持ちやすくて注ぎやすかったんですが、欠点が2つ。 水を入れにくいのと、持ち手がすぐ熱くなる。^^;
ということで、部屋にあった麻紐を二重に巻きつけてみました。 不器用ゆえにガタガタやけれども、ほら、自分でカスタマイズすると愛着湧くやん? 個人的には満足しております。これでもう熱くない。^^
*
ちなみに、こないだの味比べで「ハンドドリップが一番不味い!」と嘆いていたその翌日から、 急に美味しくなりました。少なくともコーヒーメーカーは確実に超えた。^^
今までにも何度か経験があるんやけど、不味い不味い言いながらも毎日淹れ続けてたら、 何をどう変えたか自分でもわからへんねんけど、いきなり美味しくなる1杯というのがあるのです。 ホンマに、なにがどうなって美味しくなったのかわからへん。(笑) でも、その1杯から後はそこそこ安定してそのレベルの味が出せるようになるんよね。 勉強やスポーツだけじゃなくて、コーヒーも毎日の積み重ねが必要なんやなぁ、と思う次第。 そして、一度超えた壁が壁でなくなるのも勉強やスポーツと同じ。
まあ、それも飲み続けてる内にだんだん粗が見えて来て、また「不味い不味い」言い出すんですけど。(笑) で、しばらくするとその壁も一気に越えられる、と。 なので、今日も僕はコーヒーを淹れて飲むのです。^^ (今はまだ美味しいと感じてるから苦ではない)
いつかハンドドリップを極めてやるっ!!(笑)
*
とか思いながらコーヒーを淹れてたら、高校の同級生から数年ぶりのメール。 タイトルは「ご報告」。
おおおっ!!!と思いながらメールを開くと、予想通り、結婚のご報告でした。 そうかーーー!!!
彼女とは、高1からの同級生で、一緒に浪人して、大学は別やけど関西だったのでしょっちゅう集まってて、 社会人になってからもおれが大阪にいた頃には時々飲んでいた。 別の友人と3人がなかなか結婚できず、恋人もできず、周りが片付いて行くのを見ていつもやさぐれてたので、 通称「やさぐれーズ」。(笑) 3人でクリスマスパーティを企画したり、それを前日にドタキャンされたり、 正月明けにその日のことでやさぐれてるのを飲みながらなだめたり、そんな仲。(笑)
本当に嬉しくて祝福したい気持ち95%、抜け駆けされてやさぐれる気持ち5%の絶妙ブレンドです。 さて、結婚式会場で2人でやさぐれてくるかーーー!(笑)
2013年08月24日(土) |
世界は理不尽に満ちている |
今日は、nanaさん一家とアオちゃんと一緒に牛久のシャトーカミヤへ。 去年の秋(あれは夏じゃなくてもう秋やった)にも同じメンバーでビールを飲みにいったのだ。 前回はレストランの方やったんやけど、今回はビアガーデンでBBQ。 (ちなみに去年工事中だったメインの施設(シャトー?)は今年も工事中で見られず。残念)
ガンガンビールを飲み、ちょびちょび爽健美茶やコーラを飲み、牛肉とラム肉と野菜をガンガン食べて、 こよたんは走り回り、大人たちも一緒に走り回り、気づいたらこよたんにお友達ができていて、 と楽しい一時を過ごしました。
*
それはいいさ。それは良かったさ。
で、時間も来たし、明日もあるし、そろそろ帰ろうか…と歩き始めたところで、 nanaさん夫妻が、「泊まってく?」と言いだしたのです。
「いや、おれ明日免許の更新行って、BBQ行って、その後出張やし!」 「ウチからでも行けるよ」 「荷物、家!」 「始発に乗れば間に合うよ。起こしてくれるから」 噂に聞く、こよたんの起きてー!攻撃か。。。(笑)
いや、無理、まだ準備も全部終わってない。 「じゃあ、成田から帰れば?」
意味わからん!牛久からウチまでは50分弱。 それが牛久から成田回りで帰ったら3時間はかかる。
「いや、帰る」 「ええー、帰っちゃうの?」 「帰るよ!」 「こよたん、ひでちゃん帰っちゃうって…」 「やだー」
うわー、こよたんのやだーキタ!!!|Д`)
「…じゃあ、成田から帰るわ。。。」 「やったーーー!!」
ということで、ドライブ1時間半、電車で1時間半、3時間かけて帰ってきました。 しかも途中でこよたん力尽きて寝るし!!(その後パピコで起きたけど。笑) 理不尽やわー、ホンマ理不尽やわー。
そんなわけで、山人展の準備は全く進んでいません。(人のせい)
優しくなりたい。
と、微熱で休んでいた午前中、ぼんやりと思った。
いや、ちょっと違うな。 穏やかになりたい。 うん。
そんなことを考えつつ、やらなあかんことが溜まってたので午後から出勤したら、 午前中に、某客先から無茶振りな依頼メールが届いていた。
おい。
しかも、社内の人間は頼りになる人がほとんど出払っていて、どうしようもない。 ギャーギャー吠えながら仕事。
…穏やかになりたい。。。
理想と現実のギャップに苦しんだ1日。(いや、今日に限らんか…) やろうと思ってたことは手も付けられず、客先の無茶振りには応えられず、 帰って来たら熱が上がっていて、心落ち着けようと淹れたコーヒーは引っ繰り返してしまいましたとさ。^^;
GWに帰省した時のこと。 友人(のお父さん)のギャラリー、MeiPAMに立ち寄った時、そこで水差しに使われていた銅ポットに一目惚れした。 個性的。なのにシンプル。そして美しい。 こ、これでコーヒー淹れたい…!!
その場にいた友人の妹に聞いてみたら、お父さんの持ち物だという。 十何年前にふらっと買ってきはって、それからずっとお家で水差し代わりに使われてきたらしい。 そうかー、そんなに使ってきはったものなら譲って、とか無理やろうなぁ。 と、一度は諦めて帰りかけたんだけど、やっぱり諦め切れなくてUターン。 「ダメ元でええからお父さんに譲ってもらえるか聞いてー!」と友人妹に頼み込んだのでした。
時は流れて3か月後。 お盆帰省を目前に控えても彼女からの連絡はなかった。 どうなんやろー?やっぱダメなんかな?代わりの銅ポットを手配するにはそろそろギリギリのタイミングなんやけど。 と、メールしてみるも梨の礫。
仕方ない…
…直接押しかけるか。(ニヤリ)
で、帰省した翌日、お土産を持ってMeiPAMに行ったのでした。 ショップの方でなく、直接事務室の方から入ってくと(我が物顔)、ちょうど友人妹がPC叩いてお仕事中。
「うーっす!」 「…あ!!」
挨拶すると凍りつく友人妹。
「聞くん忘れとった!」
ホンマしばいたろかと思ったけど、妊婦相手にそんなことはできん。
「ごめんごめん、すぐ聞くわ!」
と仕事放り出して電話をかけ始めたので、許してあげることにする。(笑) お母さん、お父さん、友人、友人嫁とたらい回しになりながら、全員から「まあ、ええんちゃう?」との許可をいただき、 苦節3か月、めでたくポットはおれのものになったのでした。 (MeiPAM cafeで使うためのVornadeのサーキュレーターと物々交換です。高かった。^^;)
*
ちなみにこの銅ポット、写真を見せた一湊珈琲のご主人からも、写メを送った師匠(ピャン)からも、 「使いにくそう」とのコメントをいただきました。(笑) 確かに、最初は今まで使ってたポットと重量バランスが違いすぎて、お湯を落とす位置も量も思い通りにならんかった。 でも、何度か淹れてる内に、徐々に狙い通りに落とせるようになってきたよ。 そんなに使いづらくは無い。
使いづらいのは、水を入れる時。 入れ口の真上に持ち手があるので、普通にはきちんと淹れられません。 漏斗を差し込んで入れる。(笑)
でもいいんです。それくらいの不便は受け入れるのです。 道具は使いやすさが第一。でも、使ってるとテンションが上がる、というのも道具の大切な要素。 これで淹れるの楽しいもーん!
いつかこれで美味しいコーヒーを淹れられるようになります。^^
*
で、コーヒー淹れるのが楽しくなったところで(※味は特に改善されてない)、前から気になってた実験をすることに。 ズバリ、コーヒーの淹れ方によってどれくらい味が違うのか!!
左から、豆の良し悪しがストレートに出るフレンチプレス、超手軽に淹れられる割に結構美味しいエアロプレス、 いつかは極めたいハンドドリップ、17年間愛用のコーヒーメーカー。 これに同じ豆、同じお湯(水)を使って味を比べます。 (直火式エスプレッソメーカーと水出しコーヒーは条件が違いすぎるので今回は除外)
豆はやなか珈琲のウエウエテナンゴパーチメント(グァテマラ)のフルシティロースト。 日曜日に焙煎してもらったばっかりやからまだ新鮮。 これを、フレンチプレス用は中粗挽き、他の3つ用は中細挽きにしました。 お湯(水)はブリタの浄水器を通した水道水。
完成。実飲。
まあ、予想してた通り、ハンドドリップが一番不味い。(笑) 昔に比べれば相当マシやけど、旨味が少なくて、エグ味が出ている。
それに比べると、フレンチプレスは旨い!! 明らかにハンドドリップとは味の層が2つ3つ違う。色んな味が重なって、複雑で重層的な味が出とる。 このあたりは、コーヒー豆の油分が紙フィルターに吸収されてしまうハンドドリップと、 直接お湯の中で抽出されるフレンチプレスの違いも大きいんやけど、 10人飲んだら10人、フレンチプレスの方が旨いって言うと思う。
一方、エアロプレス。 こちらも付属の紙フィルターではなく、別売りのメタルフィルターを使っているために、 コーヒーの表面に油分が浮いているのが見える。 味は、フレンチプレスに比べるとすっきりしたちょっと軽い感じ。 でも旨味もきちんと感じられる。これはこれで美味しい。
最後にコーヒーメーカー。 これはエグ味は出てないけど、旨味も少ない。 コーヒーの味と香りはするけれど、薄っぺらい感じ。 でも、エグ味が出てない分、ハンドドリップよりはだいぶマシだ。^^;
結論から言うと、(今のおれの腕前では)一番美味しいのはフレンチプレスかエアロプレス。 重厚好みならフレンチプレスで、すっきり飲みたいならエアロプレス。 この辺は個人の好みやその時の気分によて違うと思う。甲乙つけがたい。
コーヒーメーカーも急いでる時とか、大量に淹れたい時には十分使えるレベル。
ハンドドリップは…修業が足りん!! でもいつか、「ハンドドリップが一番旨い」と言いたい。言ってみせる!!!
…そんな感じで、いつもの凝り性・実験好き・ランキング好きな性格がモロに出たひと時なのでした。(笑) あ〜楽しかった!(笑)
ハンドドリップ用にもメタルフィルターってあるよなぁ。あれ使ったらどうなんやろ? そして、サイフォンが俄然気になりだした!^^ (まだ買うんか!!)
おひさしぶりです。hideですこんばんは。
お盆休み、実家に帰ってました。 ホントはもう一度屋久島に行きたいくらいやったんやけど。 母親の還暦祝いをする、ということで、仕方なく(?)帰省。(笑)
ちょうど、瀬戸内国際芸術祭の夏会期中だったので、2つほど島を回ってきました。
15日には犬島へ。会期中だけ、小豆島からの直通便があるのです。^^
犬島には8年前にウーロン部(懐かしい!!)で行ったことがあって、その時には本当に何もない島でした。 キャンプ場に泊まってBBQをするのに島で1軒しかなかった(?)雑貨屋さんに着火剤を買いに行ったんやけどなくて、 お店の人にお願いして古新聞をもらって帰って、それで必死になって火を起こした記憶があります。 それくらい、なにもない島やった。(笑) でも、昔鉄の精錬所があったそうで、その廃墟がものすごくいい感じで、海は綺麗で、とてものんびりしたいい島でした。 (その時の写真はコチラ。←今見たら下手くそやけど、今見ても楽しい。^^)
しかしその後、例によってベネッセが上陸したらしく、精錬所の跡に美術館を建てた、と聞いてちょっと心配してたんやけど… その心配が的中。 すごく残念な美術館でした。 通路の工夫は面白かったけど、展示スペースがほとんどなくて、しかもその展示が全然たいしたことなかった。 というか、政治的思想的なものをアートと言わんで欲しい。 あれって常設なんかなぁ… どちらにしても、あの美術館目当てで再訪するリピーターなんていてるんか??? あんなアートもどきのために、あんなにいい空間が壊されてしまったのが残念で仕方がない。
その他の(セトゲイの)展示もイマイチ・イマニのが多くて、途中から展示コースから外れて、 路地とか空とか海とかばっかり眺めて撮ってました。 そっちの方がずっとアートやったしフォトジェニックやった。
だいたい、「アートはわかりにくくてもいい」とか「わかりにくいのがアートだ」と勘違いしている似非アーティストが多いと思う。 観る人に何も伝わらなくてなにがアートなんだろう?
島に住む人たちにとっては大切な島起こしやと思うし、これを機に前より人が来るようになってお店が増えて… ってすごく大きなことやと思う。 なので、何年か空けて訪れるだけの余所者の勝手な感想やと十分自覚はしてるんやけど、 やっぱり、昔の、そのままの犬島の方が面白かったし良かったなぁ… はっきり言って、直島の劣化型二番煎じ。
非常に残念です。(T-T)
17日は観音寺の伊吹島へ。 讃岐うどんの出汁に欠かせないいりこの一大産地、という知識はあったけど、初上陸。 ここが、すごく良かった!
まず、多くの展示がきちんと「伊吹島に関連したアート」になっている。 都市の美術館の展示ならともかく、こういうところに(常設・非常設を問わず)設置するアートは、 やっぱりその土地との関わりがあるべき、と思う。 全く関係ないものを持って来られても、僕は違和感しか感じないし、その作品の魅力が伝わらない。 その点で犬島の展示はダメやったんやけど、伊吹島の展示はその点は良かった。
そしてご飯が美味しかった。(笑) 島のおばちゃんたちが公民館みたいなところで売ってた土曜日限定の菜飯と、 EAT & ART TAROさんの出店作品「副産物スープ」をいただいたんやけど、どっちも美味かった! 特に菜飯!なにあれ!!今まで食べた炊き込みご飯の内で一番美味しかったかもしれん!!
しかも、路地がステキ。 極度の路地裏好きなおれ。 決して展示がつまらなかったわけではなく、あまりにも路地がステキすぎて、またもや展示コースから大外れ。 気の向くままに路地裏をうろついて、一人でテンション上げて写真撮りまくってました。 そのせいか、水分3Lくらい撮ったのに、途中で熱中症になりかけた。焦った。^^;
伊吹島、セトゲイが終わってから、路地裏目当てでまた訪れたい島です。^^
秋にまた帰省する予定なので、その時には女木・男木でも行こうかなぁ。
*
もちろん、アート巡りだけじゃなくて、いろんな人にも会いましたよー。
帰省途中に大阪に寄って、お久しぶりのさっちゃんとご飯&お茶。 すっかり大人っぽくなっててびっくりしたんやけど、そう言えば会うのは彼女が学生だった5年前以来。 そら大人になるわ。(笑)
お互い山好きで、山の思い出とかを語り合ったり、来月同じ展示に出すので、そのついでに山に登ろうって計画したり。 楽しいひと時でした。^^
帰省して、恒例の親友一家とのお食事会。 子供たちが大きくなってパワーアップし、元気いっぱいで大変でした。(笑) 実は今、お腹の中にもう一人赤ちゃんを隠している親友。 もう一人増えたら大変やぞー。がんばれ!!^^
そして、17年ぶりに地元の同窓会に呼ばれました。(笑)
…べ、別に嫌われてるわけじゃないからな!!!
島の中学生の大半は島の高校に進学するのです。 そしたら、同窓会も高校単位でやるやん? そしたら、おれみたいに島の外の高校に進学した人間には声がかからないのです。。。
今回も直接声はかかってなかったんやけど、会った同級生から情報を得て押しかけたのでした。(笑)
遅れて行ってドアを開けた瞬間に、「あ、生1つ!」って言われたけどね。。。 店員ちゃうわ!!!
ひさしぶりに会ったみんなは、髪が薄くなったり、ぶくぶく太ったり、小じわが増えてたり、 みんなおっさん・おばはんになったなぁ…(お前もな!!)
でも、下手したら中学卒業以来20年以上ぶりに会ったやつもいたのに、会った瞬間に中学時代のノリに戻るよね。 毒舌はきまくって来ましたさ♪(←中学時代にめちゃくちゃ敵が多かったやつ。笑)
あと、GWにばーちゃんの米寿祝いをした時に、一族で撮った記念写真を額装してプレゼントした。 すごく喜んでくれて、おれも嬉しかった。
昔、ひいじいちゃん・ひいばあちゃんが健在の頃は、毎年正月に親戚一同が集まってて、 冗談抜きに100人単位で記念写真を撮っていたのです。(子だくさんだったので) さすがにもうそんなに親戚いないし、従兄弟レベルでもみんな集まることがめったにないので、 この写真はばあちゃんだけでなく、みんなにとっていい記念になったのでした。
そんな、めっちゃ充実したお盆休み。 例によって体はフラフラ、頭は休みボケ、心は瀬戸内に置いたまま今日の仕事に突入してしまいましたとさ。 …リハビリに相当時間がかかるなぁ。。。
浅田次郎『終わらざる夏』上中下巻、夢中になって5日間で読み終えた。
第二次世界大戦の最後の、そして終わった後の数週間の物語。
大本営参謀の、45歳で召集された英訳雑誌編集者の、その帰りを待つ妻や同僚の、勲章を授かった再召集軍曹の、徴兵逃れに手を貸していた元町医者の軍医の、徴兵名簿を作成する老兵の、赤紙を配達する町役場の役人の、無傷のまま敵が攻めてこない北辺の島に取り残された最精鋭師団の、最古参の准尉の、戦車乗りに憧れる少年兵の、その島にある使命を秘めてやってきた方面軍参謀の、島の缶詰工場に送られた女子挺身隊の少女たちの、缶詰工場の社員の、疎開児童の、その引率の教師の、懲役から徴兵されて向かう途中に終戦を迎えたやくざ者の、帰りを待つ母親の、空襲で家族を無くした人たちの、ソ連軍の小隊長の、その部下の砲兵の、、、それぞれの戦争と終戦。 列挙してても信じられないんだけど、これだけの人たちの思いや立場が「たった」3冊に描かれている。 あまり書くとネタバレになるからやめとくけど、ここに描かれている人たちは誰も戦争を望んでなかったし、どうしたらそれ以上余計な犠牲を出さずに戦争を終わらせられるか、元の生活に戻れるかを全身全霊で考えていたのに、どうしてあんな戦争が続き、あんな戦闘が起こってしまったのか、すごく考えてしまった。
戦争は町を、家を、家族を灰にしてしまうだけでなく、思い出までを灰にしてしまう。 戦争は言葉本来の意味を奪って歪めてしまう。
もちろん、これはある程度史実に基づいた上での作者の創作なんだけど、 戦争を知らないどころか普段考えもしない僕にとっては衝撃だった。 この季節に手に取って読むことができて良かったと思う。
もうすぐ68回目の8月15日が来る。
屋久島の空は毎日劇的だった。
去年と一昨年の夏、自宅では基本的にエアコンを使わずに過ごした。 使ったのは人が遊びに来た時と、台風などで窓が開けられなかった時のみ。 あとは夜風と扇風機でしのいだ。
環境のことを考えて。もちろんそれもある。 電力需給を考えて節電。まあ、それもある。
が、一番の理由はあれだ。
「おれ、地球に優しい男」
このフレーズが言いたかっただけ。(笑) はっきり言って、ただの自己満足。アホの所業である。(笑)
が、今年はごめんなさい。エアコン、毎日使ってます。 屋久島行って帰ってきてから暑くて眠れん夜が続いて、とうとうエアコンのスイッチを入れてしまった。 まあ、上のフレーズを言いたいがためだけに体調崩したら本当にただのアホなので、仕方ないよな。 …と自分に言い聞かせて。
今年のおれは「自分に優しい男」。(笑)
そういえば、年明けから体重が右肩上がり。 そんなに急激にではないんやけど、ゆっくりゆっくり確実に太って来ている。一度も落ちてない。 この7ヶ月半で3kgは増えた。ベスト体重からは+6kgだ。(昨年末の時点で+3kgやたんかい。笑) なのに今日も、帰りにパンが安売りしてたので、1個買って食べてしまった。 晩ごはんは、もちろん社食で食べて来ているのである。
やばいなー。やばいなー。 自分に対しては厳しい男になりたい。。。
2013年08月11日(日) |
『風立ちぬ』(※ネタバレ・批判あり) |
『風立ちぬ』を観て来た。 観終わって一番の感想は、「うーーーん・・・」。
これはあれか?ラブストーリーなのか?最初からラブストーリーを期待して観てたら良かったのか? でも、ラブストーリーとして観ると余計なものが多すぎる。 じゃあ、ラブストーリーではないものとして観たら、内容が浅すぎる。 なんなん、これ? やっぱり駿は「の」が入ってないと空振りなのか!?
ガンガンCMや特集組まれてるので知ってる人も多いだろうけど、 この物語の時代は大正〜昭和初期。関東大震災〜第二次世界大戦頃。 主人公は堀越二郎。零戦の設計主任として知られる、実在の人物である。
なので、そこはホラ、零戦の設計者としての葛藤とか苦悩とかがあるのかな、とか期待して観るわけですよ。 敵国人を殺し、日本の若者を殺す兵器を開発した人間としてのね。 それが全くない。 全くないどころか、戦争が始まる直前(もしくは始まった直後?)のシーンの次が終戦だった。 なにそれ、端折りすぎやろ!!
そのほかにも、全編に渡って、堀越二郎の感情や意志がほとんど見えてこない。 見えてくるのは、「飛行機を作りたい!」「菜穂子(奥さん)を愛している!」という二点のみ。 それ以外には感情が無い人のように描かれている。 関東大震災で、大火事が起こってたくさんの人が死んだり焼け出さりしていても、全く心が揺らいでいない。 そんな最中にも飛行機の夢を見て、本を救おうとしている。
宮崎駿があえてそういう風な人間(飛行機バカ・嫁バカ)として描こうとしたのか。 それとも、そういう行動の裏にある感情を描くつもりが、声優が素人なので表現できなかっただけか。 よくわからんが、どっちにしても物足りない。
それ以上にシーンの切り替えが唐突すぎる。 夢と現実の切り替え。 今の時代から次の時代への切り替え。 それが唐突過ぎて違和感しか覚えない。 特に時代と時代の切り替え。 あれって子供は絶対ついて来れないだろうし、日本の歴史に詳しくない人(外国人とか)が観たら 全くわけがわからないのではないか。
そして、ラストがショボい。 なにあの尻切れトンボな終わり方。 ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。終わる感じも続いて行く感じもしない。 その後の堀越二郎の人生を想像させるような余韻が全くない。
え?まさかこれで終わり? え?ホンマに?うわ、ユーミンの歌が流れだした! …この主題歌、ええ曲やなぁ。。。
って感じでした。(笑)
全体通して、宮崎駿が何を表現したかったのか、伝えたかったのか、それが全く見えませんでした。 そしてストーリーとしても良くできていない。 なんか、ものすごく消化不良で帰ってきました。明日絶対胃もたれするわコレ。(笑) 唯一感動したのは、二郎と菜穂子の結婚のシーンだけやったなぁ…やっぱりこれはラブストーリーか。^^;
そんなわけで、ちょっとがっかりやったんやけど、でも十数年ぶりに入った映画館という空間は、とてもおもしろかった! ちょっとまた映画館に行きたくなった! それが本日の収穫でした。(笑)
えー、本日37歳になりました。 37やって!このHP始めた時が26やったから、あれからおよそ11年ですよ。 時間が経つのは早いなぁ。(笑)
誕生日の日記を読み返してたら、何年か前の日記に「今が一番楽しい」って書いてあった。 今、同じセリフが言えるかなぁ…ちょっと自信が無い。 もちろん、今は今で楽しいんやけど、「あの頃は楽しかったなー」って振り返ることが増えたような気がする。
それってどうなんだろう? 当たり前といえば当たり前なんかもしれへんし、振り返ること自体は悪いことでもないとは思うんやけど、 やっぱり、「今が一番楽しい!」と言える方がいい人生な気がする。
ということで、そう言えるように毎日全力で突っ走りたいと思います。(笑)
*
ちなみに今日は御岳山に行って来た。
高校の先輩と、その友達と友達と。 何週間か前から、この日の予定はあえて空けておいてたんやけど、(万一の奇跡を信じて。笑) 結局空きっぱなしになってて、一人淋しく山でも登るかーって思ってた。 が、先輩から山に連れてけメールが来て、「8/10なら」ってことでこの日に決行。 誕生日アピールはしなかったので、普通に山歩きしてご飯食べてお風呂入って飲んで帰って来たんやけど、 それでもとても楽しかった。 これはこれでいい誕生日。
夏なので、生もの持ち歩くのは怖いし、調理したてで熱々のものを出しても食欲わかへんやろうなぁ… ということで、用意した山ご飯は前日に家で作ったラタトゥイユ。 それと、屋久島のさば節で作ったの3種類。これはパンに乗っけて食べる。 さば節という食材は初めて扱ったので、ドキドキしながら出したんやけど、ラタトゥイユも含めて好評でホッとした。 「お店で食べるより美味しい!」というお褒めの言葉は、嘘やお世辞ではないやろうけど、 空腹と山の空気のおかげだと思う。(笑)
しかし、さば節料理の内、某ガイドブックのレシピを参考に作ったさば節ディップ。 これ、美味いぞ!美味すぎるぞ!!作りながら味見して、味見を止めるのにかなりの自制心を要した。(笑) もっとさば節買って来てたらよかったなぁ…これから屋久島へ行く方、僕へのお土産はさば節でお願いします。^^ (今、実家用に買って来たさば節を着服してしまおうか、天使のおれと悪魔のおれが戦っている。笑)
初めての人を山に連れてく時はいつも緊張している。 安全の確保は当然として、山に来て良かったと思ってもらえるかどうか。 最初に楽しんで感動してもらえたら、次が少々つまらなくってもまた行こう、って思ってもらえると思う。 でも、最初がつまらなかったり辛かったりしたら、次行こうって絶対思わないやろうし。 なので、どこに行って、何食べて、帰りにどこの温泉に行こうか、毎回悩むわけです。(笑)
御岳山は都心から2時間かからずに行けるし、バスとロープ―ウェーでアクセスいいし、 アップダウンも距離も手ごろで、そのくせ自然がとても美しい。 初心者向けにはめっちゃいいと思うんよね。個人的には高尾山よりずっと好き。
今回も帰りに「またどこか登ってもいいなぁ」って言ってもらえたので成功です。 (最大の理由は「風呂上りのビールが沁みた」ってことらしいけど。笑)
先週、ウチの会社は夏休みだったわけで。 それでおれも屋久島に行ってたんやけど、当然他の人たちもいろんなところへ行ってたわけです。 なので、この月曜日はいろんなところのお土産が集まる集まる。 デスクの上にお土産エリアみたいなのができます。
そんな中、同期がマレーシアで買って来たお土産がコチラ。
黒ゴマパソケーキ。(爆)
二度見した。何度も確認した。同期と一緒に確認した。でも、どう見ても「ソ」なのである。「ン」じゃなくて「ソ」。(笑) さらに、その横に書かれてある説明書きがまたすごい。
純粋な天然の黒 い胡麻は炸裂する。 有機の野菜は美味 しくて健康だ。 とてもすばらしい 口は威韻は味は 100パーセントだ。
全く意味がわからん。今時、エキサイトでもこんなひどい訳はせえへんぞ。(笑) 胡麻が炸裂するってなんぞ? 威韻ってなんぞ? 謎だ。(笑)
そして開けてびっくり。
どこがパンケーキやねん!パンでもケーキでもないわ!! 誰がどこからどう見てもクラッカーやんけ!
よくよく見てみたら、パッケージに「Black Sesame Vegitable Thin Cracker」と書かれていた。 やっぱりクラッカーやんけ!!
怪しさ大爆発。
そんなわけで、今回のお土産大賞は同期に決定したのでした。 おめでとう。(笑)
2013年08月05日(月) |
屋久島旅行記(くすくす編) |
7月30日。 二度目の縦走チャレンジが二度目の敗退に終わったあと、おれは傷心を癒すため、湯泊温泉へ向かった。 海際にある露天風呂で、夕暮れて行く空を見上げながら、己の実力の無さを嘆いていた。
で、お風呂から上がった後、スペイン人とイタリア人のカップルに出会った。 スペイン人の彼の方は(後からわかったんだけど)日本人とのハーフで、日本語はペラペラだった。 話を聞いているとおれと同じく、キャンプ場でテント泊まりをしてるらしい。
「どこのキャンプ場?」 「くすくす」
おお、昨日近くを通ってちょっと気になってたところやん。楠川の怪しいドラえもんの近所。(笑)
「どう?」 「いいよー」 「どこが」 「人が良い」
おお、そうか、人が良いのか。それは一番やなぁ。 実はそれまで泊まっていたキャンプ場、広いし人少ないし静かだし海際だし設備は整ってるし、 結構気に入ってたんだけど、なんせ栗生、西部林道のすぐ近く、ということは屋久島の端っこである。 お風呂入るのも、外食するのも、買い物するのも、車で片道30分。さすがに不便だ。 花山歩道に一番近いキャンプ場やから泊まってたけど、もう花山歩道には行かんし。
「おれもそこに移ろうっかなー」 「おー、おいでよ」
そんなご縁で、翌日ちょっと下見して、さらにその翌日、モッチョム岳に登って下りて来たその足で くすくすに向かったのだった。
前日にも応対してもらった管理人さんにあいさつし、「先にテント立てて」と言われたのでテントを立て、 (山用のテントはおれみたいに不慣れな人間でも15分あれば完成する) 炊事場兼食事場兼憩いの場みたいなところに案内される。他の宿泊者の人たちが3人くらいいた。 で「宿帳書いて」と宿帳を渡される。 名前、年齢、職業、住所、電話番号、ニックネーム…ニックネーム? なにゆえニックネーム?(笑)と思いながら「ヒデ」と書いて渡すと「ふんふん、ヒデさんね」と呟いて、 「はーい、ヒデさんです!」と周りの人たちに紹介された。 なるほど。(笑)
「イズミです」「ハルです」「ユキです」と周りの人たちからも自己紹介される。どうもー、よろしくー。 その後も外から帰って来た人たちがまずはそこにやってきて「ただいまー」「おかえり!」と声を掛けあい、 「はじめましてユッコです」「あ、はじめまして、ヒデです」みたいに自己紹介し合う。
なにこれちょっとおもろいやん♪
実はそれまでのキャンプ場は宿泊者同士のコミュニケーションがほとんどなくて、 まあ朝早く起きて山に向かう場合にはその方が都合よかったのかもしれないけど、 やっぱりちょっと淋しかったのだ。^^; それがアナタ、ここだとテント設営完了5分後には友達できましたよ。(笑) ユキさんが朝市で買って来たキュウリに、ハルさんの味噌をつけて勧めてくれる。やばい、止まらん。 お礼にオリーブハーブ塩を勧めてみる。好評で嬉しい。^^
ご飯も、みんなそこで作ってそこで食べる。 管理人(まっちゃん)にお願いしたら1食500円で晩ご飯を作ってくれるんだけど、 頼んだ人も自炊の人もみんなで一緒に食べる。そして飲む。 ユッコさんの娘のひーちゃん(6歳)がカブトムシの雌を見つけて大号泣する。 かと思ったら、蛾は平気で虫取り網を持って追いかけまわしている。 例のカップル(トモさんとマルゲリータ)が帰って来たので「来たよー!」「おー!」と手を振りあう。 まっちゃんが横を流れている川でエビを取ってきて素揚げにしてくれる。 それに、オリーブハーブ塩をかけて食べる。たまらん。 星が見たくなったら歩いて5分の砂浜まで星を見に行って、寝っころがって天の川や流れ星を眺める。 戻ったらまっちゃんやトモさんが「大企業は信用できない」「医者は信用できない」って語り合ってて、 それを黙って聞きながら持ってったエスプレッソメーカーでエスプレッソを淹れる。 (一応、おれも大企業の一員なので会話に参加しづらい。^^;) するとトモさんが食いついて来て、「明日の朝、それ貸して」「いいよー」とエスプレッソメーカーを置きっぱなしにしとく。 というか、テーブルの上は誰のかわからないお菓子やお茶が散乱している。(笑) 蚊取り線香は何本もガンガン焚かれているけど、虻には全く聞かなくて、定期的に誰かが「イテっ」と声を上げる。(笑)
混沌としてるけど、とても居心地のいい時間。
翌日は朝早く起きる必要が無かったので朝寝しようと思っていた。思っていたのだ。 が、
「コ、コ、コ、コッケコッコーーー!!」
という大音響で目が覚めた午前5時半。 犯人は、こいつらだった。
くすくすで飼っている、鶏さんたちの大行進。 それがご丁寧におれのテントの横に居座って雄たけびを上げ続けるのだった。 なんだこの洗礼は!?これがくすくすの歓迎なのか!!!?
と寝ぼけた頭でわけのわからんことを思いながら二度寝は諦めて起きることにする。 帰って来た今でも思うんだけど、朝寝ができないことがくすくすの最大の欠点だ。 だけど、その代わり美味しい卵を産み落としてくれるので我慢すべきか… (ちなみに卵集めはひーちゃんの日課になっていた)
諦めて朝ごはんを作って食べてたら、ひーちゃんが起きてやってきた。 ひーちゃん、すごく人懐っこい子なんだけど、最初は人見知りするらしく、挨拶しても目も合わせてくれない。^^; が、なにがどうなったのか知らないけど、ある瞬間、いきなりおれに打ち解けてくれた。
「ひーちゃんの秘密基地教えてあげる!」 「どこどこー?教えて!」
即座に食いつくおれ。そして連れてってくれたところは…
「ここ!」 「すげーーー!!」
おれのテントの前だった。 どうやらおれは、ひーちゃんの秘密基地にテントを張ってしまったらしい。(笑)
「ひーちゃんね、レポーターなの!」 「マジかー!」 「じゃあ、おじちゃんゲスト!」
え?おれゲスト!?(笑) てか、おじちゃんちゃう!おにいちゃんと呼びなさい!!!(母親より年上なくせに厚かましい…笑)
ということで、レポーターひーちゃんのモーニングレポートで、 川とか魚を捕まえるための罠とか鶏がいつも卵を産む場所とか、 ひーちゃんちのテントとか、誰がどのテントで寝てるかとか、 いろいろ細かく教えてもらった。^^
この日は、イズミちゃんと屋久杉ランドへ。 ここ、里から入口までがすごく遠くて、山道をグネグネ何十分か走り続けなくてはならない。 でもその分、歩き始めてすぐ深い森の雰囲気を味わうことができる。 5年前、初めて屋久島に来た時に練習で歩いたことはあるんだけど、それ以来の訪問だった。
が、ここ、記憶してたよりずっと良かった。 ちょっとタイプは違うんやけど、ある意味、白谷雲水峡よりもいいところかもしれん。 なにより、人が少ない!だからゆっくり森を味わうことができる。
そして、同行者のイズミちゃんがまたおもしろかった。 自然に対する感受性がものすごく高い。体全体で自然を味わおうとする。 そして、本当に大きな木や、美しい流れを見つけたら手を合わせて拝む。 自然に対するそういう接し方っていいなぁ…と思う。 おれもつられて、自分ひとりで歩いている時よりも確実に自然を深く感じられた。
ある箇所で、橋の下の河原に下りられる場所があって、思わず2人で下りた。 流れで顔を洗ったり、水を飲んだり、流木の上に寝転がったりしてたんだけど、 大きな岩の上でイズミちゃんがヨガを始めた。 ヨガインストラクターの彼女が大自然の中でヨガをする姿は、素人のおれから見てもとても綺麗で気持ちよさそうで、 ひさしぶりにカメラマン魂に火がついてしまいましたよ。^^; 彼女に断って、ヨガをしてるところをライカとNEXと彼女のi-Phoneの3台でガシガシ撮る。 フィルム丸々1本、彼女のヨガだけで撮りつくしてしまった。(笑)
大川の滝と西部林道を回ってくすくすに帰還。 山に登っていたツトムさんとジョシュのコンビが還って来ていて、はじめましてのご挨拶。 ツトムさん、2〜3年かけて世界一周してきた人らしくって、相当おもしろい人でした。 YouTubeでもののけ姫の主題歌を再生しながら一緒に歌ったりとか。(笑) この後、携帯に入っている写真の見せ合いっこ(というか、対決)したんやけど、 オーロラとかウユニ塩湖とか、おれが死ぬまでに一度は行きたいと思っているような場所の写真が ワラワラ出て来てどうしようかと思った。(笑)
お風呂の後で、ユキさんに切り絵をしてもらう。 彼女は、人と向かい合って、顔を見たり話をしたりしてイメージを掴みながら、切り絵を作る人。 そうやって北海道から屋久島まで旅をしてきたらしい。
どんなのができるんだろう?とワクワクしながら見てたら、青いメタリック系の折り紙を選んで、 折りたたんでハサミを入れて、時々紙の上で何かを確かめるみたいに手を動かして… 「あれ?柔らかいのかと思ってたら、意外と強いね」と言われた。 見てみたら、雪の結晶みたいな、冷たくて鋭い感じの模様ができ始めていた。
この日記を読んでくれてる人はみんな知ってると思うけど、ええ、ワタクシ結構強いです。 というか、相当強いです。 でも、初対面に近い人たちにはそういうところはさすがに出さない。^^; 出さないのに気付かれた!!!
ユキさんの手が信じられないくらい細かく動いて、どんどん複雑な形が浮かび上がってくる。 すげーー!!きれーーーー!!!って内心思いながら見ていたら、途中で「うーん…」と悩んで、 しばらくずーっと悩んで、「重いな、切っちゃおう」と中心部をすっぱり切られてしまった。 そうかー、そういうことかー。 多分、おれの芯の部分はいろんなものが絡まり合って複雑になっちゃってるんだけど、 「シンプルにした方がいい。もしくはシンプルにしようと思い始めている」んだそうだ。 確かに、心当たりはある。
中心部をすっぱり切り落とした切り絵を眺めて満足げなユキさん。 クリアファイルに入れてメッセージを添えて渡してくれた。 ありがとう、大切にするわー!!
子供(ひーちゃん)が寝た後で、大人たちで浜辺に繰り出す。 1枚の敷物に6〜7人でぎゅうぎゅうに座って、波の音とユッコさんのウクレレを聞きながら星空を眺める。 なにこれめっちゃ青春!!(笑) 「ここにいる女子4人をキュンキュンさせるようなことを言ってみなさいよ」とイズミちゃんに無茶振りされる。 「大阪の男はロマンチックなことなんか言われへん」と言って逃げるエセ大阪人。 みんな背中合わせに座ってるので、誰かが「流れ星見た!」と言っては背中合わせの人間が悔しがる。 下手くそなドラえもんの物真似(?)で盛り上がる(???)。 眠くなった人から帰って行って、ジョシュとユッコさんとアサちゃんとおれが最後に戻ってきた。 屋久島最後の夜が、最高の夜だった。 明日は早起きして朝日を見るぞー!!と張り切って寝る。
翌朝、まっちゃんとイズミちゃんと3人で水平線から登る太陽を見た。 瀬戸内育ちは水平線を見るだけでテンションが上がる。(笑) 屋久島って、夜から明け方にかけては意外と涼しくてテントでも寝やすかったんだけど、 太陽がちょこっと顔を出した瞬間に暑くなり始めるのがわかる。 やっぱり太陽のエネルギーってすごいなー。
帰りに、砂浜に降りてウミガメの赤ちゃんの足跡を探した。 一直線に海へ向かう足跡もあれば、人間の足跡に落ちかけ、慌てて引き返し、石を乗り越えられずに方向転換して、 別の足跡をよけて…と紆余曲折している足跡もあった。 その様子を想像してキュンキュンする。(笑)
みんながいる間は一緒に居ようと思って、テーブルのところでダラダラする。 ハルさんがジャンベ(太鼓みたいなアフリカの打楽器)を叩く。
独学らしいけど、屋久島の空気とぴったりマッチしていてとても心地よい。 そのリズムにたまらなくなったユキさんが躍り出す。 切り絵をしている時は真剣でめちゃくちゃかっこよかったユキさんは、踊ってる時に一番いい顔をする。 すごく楽しそうで、思わずひーちゃんも近くで眺めたり抱きついたりしてた。(笑)
この日、ユッコさんとひーちゃんとハルさんとユキさんは永田の農家で稲刈りのお手伝い、ということで、 出発するみんなを見送る。 今日立ち去る人間がみんなを見送るという変な図式。(笑) みんなと握手してハグしてまたねー!ってバイバイ。 実質、1日半しか一緒にいなかったのに、家族か親戚みたいになってしまった。^^
みんなが出発してからテントと畳んで、テーブルのいたるところに散らばっていた自分の物を片付け、 カオス状態な車の荷台を整理して荷物をまとめる。 2時間近くかけて片付け、屋久島滞在残り5〜6時間、どうしようかなー…というところから、 スタッフのアサちゃんとなぜか絵しりとりで盛り上がる。 約1時間半。(笑) どちらも絵心がなくて、他人に見せるには恥ずかしすぎる絵しりとりができてしまった。^^;
午後1時半、まっちゃんやアサちゃんとそれぞれツーショットで記念写真を撮影して、くすくすを出発。 安房でご飯を食べ、お土産物を買い、荷物を半分発送して、一湊珈琲でコーヒー豆を買い、ガソリンを満タンにして… 空港に向かう途中にくすくすの前を通るので、思わずまた寄ってしまった。(笑)
まっちゃんとアサちゃんに最後のご挨拶をして、今度こそ本当に出発。 最後、アサちゃんが駐車場まで出て来て見送ってくれた。 一人で旅立つのではなく、誰かに見送られて旅立つことができて本当に良かったなぁ。
*
正直、ここでのラスト2日間がなかったら、今回の屋久島旅行は苦いものになっていたと思う。 一番やりたかった、屋久島縦走がまったくできなかったから。自分の実力の無さを思い知らされたから。 でも、縦走できなかったからこそ湯泊温泉でトモさんたちに出会え、くすくすに移って、友達がたくさんできた。 本当に楽しい2日間を過ごせた。 今では、縦走できなくてかえって良かった!と思える。 どこにどんないいことが転がってるかわからないのが旅だと知ってたけど、今回ほどそれを実感した旅は無かったなぁ。 管理人のまっちゃんを始め、変な人しか集まらないくすくす。 次回行く時には最初からここに泊まろうと思います。^^
2013年08月03日(土) |
屋久島旅行記(山編) |
ということで、屋久島から帰ってきました。こんばんは。 そういえば前回(7/29)の日記で、「8/1か8/2の日記で報告します」って言うといて、すっかり忘れてました。^^; 遭難してるんちゃうか?と心配した人がもしいたらごめんなさい。 無事です。
今回、3回目の屋久島で7泊8日滞在したわけですが、事前の最大目標は屋久島の縦走でした。 西から東まで、海抜0mから最高峰の宮之浦岳(1936m)を経由して、海抜0mまで降りて行く計画。 2泊3日か、3泊4日か。 が、結論から言うと自分の実力以上の無茶な計画でした。2回挑んで2回とも初日で引き返した。^^; ということで、当初の目的から言うと大失敗な旅になってしまったのでした。
7/28(日)
屋久島到着の翌日。1回目のチャレンジの日。 栗生の海際のキャンプ場を出発し、県道〜大川林道〜花山歩道と経由して、永田岳手前の鹿ノ沢小屋に泊まる予定。 20kg超(多分)の荷物を背負って、朝6時に出発。 …しようとしたら、傘が壊れるんじゃないかと思うようなスコールが2連発で襲来してきて、足止め。 結局、6時半に出発。
県道を約40分かけて歩いて、大川林道に足を踏み入れる。 ここからは傾斜の緩い林道が2〜2.5時間ほど続いて、そこから花山歩道に入ることになる。 最初の水場は花山歩道入口のすぐ近く。 (ちなみに屋久島では登山道のことを「歩道」というらしい。なぜか)
だったんだけど、林道に足を踏み入れた瞬間にぐったりしている自分に気づく。 まだ40分ほどしか歩いてないのに。傾斜なんて無いに等しいのに。20kg超の荷物なんて背負い慣れてるのに。 なのに、20mほど歩いたらもう休憩しないと足が前に出ない。 あと、こないだの日記にも書いたけど、とにかく虻がたかってくる。 このルート、登山で通行する人はほとんどいないらしくって(工事や林業の人は少し見かけた)滅多に人が通らないので、 虻たちが「ひさしぶりの獲物♪」とばかりに寄りついてくる。 歩きながら腕に痛みを感じて、ふっと見ると3匹並んで食いついてるのを見た時にはちょっとぞっとした。^^;
あと、思ってた以上に水の消費が激しい。 花山歩道入口脇の水場まで、そんなに水は飲まないだろうと思って、荷物を軽くするために800mlしか持ってでなかったんやけど、 林道の中がびっくりするほど蒸し暑くって、汗がハンパない。よって、水分摂取量もハンパない。
実は、先週の平日から風邪気味で、出発前夜も微熱があった。 どうやらそれが完治してなかったらしい。 林道を2/3ほど進んだ時点で水が残り5口分くらいしかなく、雨も降ってきたので、 県道まで戻るだけの体力と水が辛うじて残っている内に撤退することに。
帰りも、下りなのに林道がものすごくしんどかった。 同じだけの時間をかけて県道に戻ってきた時には、荷物を投げ出してへたり込んでしまった。 歩いて帰る気力も体力もなくて、逆方向に5〜10分くらい歩き、大川の滝のバス停からバスに乗って帰った。 待ってる間、バス停前の大川の湧水で水をたらふく飲んで頭からかぶった。 高校の野球部時代、監督の目を盗んでトイレの洗面台で飲んだ水の次くらいに美味かった。(例えが悪い。笑) 帰りはバスで15分。 帰って、ご飯作って洗濯してテント立てて休養。 テント暮らし、全体的にはなかなか快適やったけど、真夏の昼間はあかん。(暑くて眠れず)
7/30(火) 2回目のチャレンジの日。体調は、里にいる限り、特にしんどいとか異常は感じないところまでは回復。 前回の反省を活かし、花山歩道入口までタクシーで行こうかと考える。 なんせあの林道の疲れっぷりは、いくら体が完調でなかったとしても異常だった。 そこを全部すっ飛ばせるならそうした方が絶対いい。
と思ったんやけど、屋久島中のタクシー会社に電話しても「林道は荒れすぎててタクシーは入れない」 「林道の入り口までなら行ける」と判で押したような答え。
…それ、意味ないです。僕がカットしたいのはそこから先なんです。。。
しかも、粟生の近辺にはタクシー会社がなく、他の地区から呼ぶので回送料も発生する。 結果、県道15分程度走るだけで8〜9千円かかる。却下。
ということで、今回もキャンプ場から歩いて行くことに。
今回はスコールに邪魔されることもなく、6時に出発。 前回より5分くらい早いペースで林道入り口に到着。 装備を固めて林道に入ったわけなんだけど…やっぱり足を踏み入れた瞬間に疲れを感じる。
単純に、そのルートがきついきつくない、というのとは別に、そのルートが合う合わないというのも絶対あると思う。 そういう意味で、この大川林道は今まで経験した道の中で一番おれに合わないルートだ。 でも、今回は体調がいいのと、水も1.8L持って来たのとで、なんとか2時間ちょっとで歩道入口に到着。 ここから先はヤマビルが出るのでその対策をして、水も1.8Lフルチャージで9:50頃に出発。 立て看板を見ると、カスミ谷展望台というところに次の水場があるらしい。そこまで1時間程度かな。
で、歩道入口から入って5分で道を見失った。(笑) このルートはあまり人が通らないので踏み跡を見失い易い、獣道に迷い込まないように気を付けて、 と県道で会った地元の人に言われてたんやけど、いきなりである。(笑) 周りを見渡して、一応登って行けそうなルートが2本見える。 正しいルートにはピンクかなにかのテープがあるはずなんだけど、その時は見当たらなかった。 その2本の内、比較的緩そうな1本に見当をつけて登ってみる。
で、登り切ったらこんな感じだった。
明らかに、人が通った跡がない。獣道決定。(笑) さて、である。 間違ったルートに入り込んでしまった時には、わかる限り元の位置まで戻るのが唯一絶対の正解である。 が、実はさっき登ってきたルートを何事もなく降りる自信がなかった。 急で下が滑りやすいのである。そして、滑る下りが死ぬほど苦手なのである。 滑る。絶対滑る。そして落ちる。間違いない。(ドヤ)
ということで、コンパスで方角を確認し、正しいルートが向かう方向に獣道を突っ切ってみる作戦に。 ちょっと行ってみてダメやったら戻って来て降りよう。そうしよう。
で、でっかいバックパックを木々にひっかけひっかけしながら強引に進むこと10分。 5mくらい下の倒木にピンクテープが巻かれているのを見つけた。 もうね、その時の気持ちと言ったらアナタ。 幼稚園児の頃迷子になって、人混みの向こうにオカンの顔を見つけた時以来の安堵感でした。^^; なんとか正規ルート復帰。
が、やっぱり正規ルートも踏み跡が薄くてわかりづらい。 ピンクテープを慎重に探しながら進む。 でも、間隔が広いところがあったり、他の木の陰になって見えづらいところがあったり、 千切れて落ちてしまっていたりして、探すのが大変なところも時々出て来る。 これはマズい。日没までに山小屋に着かないと、ヘッドライトの光だけで見つけ切る自信がない。
そして急な登りで、根っこが絡まっている。根っこ道、苦手である。(滑り易いのは登り下りともに苦手) さらに、びっくりするくらいジメジメしている。 前回の汗がハンパなかったと思っていたんだけど、それを超えるくらいの汗がダラダラ流れる。 とどめに虻とヤマビルの襲来である。 今までヤマビルと遭遇したことは無かったんだけど、ふと気付いたらブーツの上でヤマビルが何匹もうにょうにょとダンスを踊っていた。 キモっ!!!!
そんなわけで進むスピードはものすごく遅かった。 カスミ谷展望台に着いた時点で正午。ここまで2時間半かかったことになる。遅すぎる!! しかも、当てにしていた水場が無い。 雨が降らなくて枯れた、とかではない。 ちょっと尾根っぽいところで、水場の痕跡らしきものもない。 と、下の方からせせらぎの音が微かに聞こえて来たので、バックパックとストックをそこにデポして、 水筒だけ持って降りて行くことにする。 (5分10分離れていても、「水場有」と書かれていることはよくあるので)
人の踏み跡っぽいものはないけど、幸いそんなに難しい斜面でもなく、普通に降りて行けるし戻れそう。 目印にすべき大きな木や岩をいくつか記憶しながら降りて行く。だんだん水音が大きくなってくる。 が、「あの岩の向こう」「あの斜面の下か?」と目星をつけて行くんだけど、なかなか出て来ない。 15分降りたところで、これ以上降りたら戻って来れなさそうと判断して、展望台まで戻ることにした。 (正直、戻る方向をちょっと見失って多少焦った。^^;)
で、展望台まで戻って悩む。 ここまででコースタイムの倍以上の時間がかかっている。 さらに、水場探しで30分ロスした。 日没までに山小屋に着くのはまず不可能である。
次の水場まではコースタイムで約1時間半。ということは、今の自分の足だと3時間。 そこまでなら日没前に辿り着くことができるだろう。 水さえ確保できれば、テントも食料(1日分予備有)も背負っているのでビバークはできる。
しかし、ここに水場がなかったのは痛かった。 残りの水は1Lを切っている。このまま行くと、次の水場までもつ可能性は低い。 水が無くなったらビバークもできない。遭難あるのみである。
良くてビバーク、悪けりゃ遭難…と考えてハッと気づく。 ビバーク前提で動いたらあかんやろ!!!あくまで緊急避難であって、それを目標に動いてどうする。 ということで、ここで引き返すことに決定したのでした。
ちなみに、下りでは4回くらい滑ってこけました。1回は結構な勢いで落ちかけた。^^; やっぱり、滑る下りは苦手。
こうして、花山歩道(大川林道)には2回挑んで2連敗したのでした。 うん、現状のおれには無理なルートやった。^^;
8/1(木) 縦走は諦めた。 でも、1つも山を登り切らずに帰るのは嫌だ。 このまま帰ったら、屋久島に苦手意識を持ってしまう。 どこか1つは登頂して帰らなければ…ということで、白羽の矢を立てたのがモッチョム岳である。
島の南部で数日暮らしていると、毎日のようにこのモッチョム岳の姿を見ることになる。 この、守り神かのようにそびえ立つ山、めっちゃ気になるやんけ!! 標高は944mと1000mに満たない。 が、登山届を提出した警察から、お昼を食べながら雑談した料理店のご主人まで、 みんな口をそろえて「急だから気を付けてね。がんばってね」と言うのである。
…。
………。。。
2連敗ですっかり自信喪失の僕は、それを聞いて相当プレッシャーを受けてしまった。 これで登れなかったらどうしよう。 山自体にトラウマを感じてしまいそうだ。。。
朝7時。 キャンプ場を引き払って、車で歩道入口まで行く。 入口は千尋の滝近くである。 朝7時半、登山開始。
こっちの森は、花山歩道ほど湿っていない。 からっとして、木漏れ日がキラキラと踊っている。気持ちのいい山である。 だが、やはり道は根っこ系(どんな系統や。笑)で、噂通り急である。 短足の僕には足をかけるのに一苦労なポイントもちょこちょこ出て来る。
…このルート、万代杉までは幼稚園児も登る、てホントですか? ヤクシマン、すげぇ。。。^^;
でも、ここのルートは情報通りにきちんと水場(せせらぎ)があったし、とても美しくて登っていても楽しかった。
万代杉
何か所か、ロープを使って上り下りするポイントがあった。(これは頂上直下の、最後のロープ) というか、帰りに確認したら万代杉の手前(入口に近い方)にもロープ場があったぞ。 ホンマに幼稚園児が登るん?ヤクシマン、ホンマすごいな!!
やっと辿り着けた頂上。登頂で、こんなにホッとしたのは初めてかもしれへん。 里に近くて、急な山やから、そんなに高くないのに絶景が望める。 ここ、いい山やなぁ。
でも、コースタイム登り3時間のところを、4時間かかったのでした。 帰りも2〜2.5時間のところを、3時間くらいかかったし。 さらに、右足を捻り、右ひざを軽く痛め、左手に持っていたストックをへし折ってしまったのでした。 散々やな。^^;;;
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今回の3回の山、全体的に残念な結果やったけど、いろいろ気づかされました。
・おれは遅い。 ・重い荷物を背負った時のスピードダウン幅が大きい。 ・湿度が高い時に、水の消費量がハンパない。 ・根っこ道が下手くそすぎる。 ・ルートを見つけるのも遅い。 ・下りで足を痛めやすいので気を付ける。 ・ただし、引き返す判断はきちんとできる。
まあ、今回の山は自分で引き返す判断をきちんと下せて、誰にも迷惑をかけずに無事に戻って来れたので、 点数としては60点くらいです。ギリギリ及第点。
いつか、違うルートでも、屋久島縦走できるように体を鍛えよう、と決心して帰って来たのでした。
ちなみに、花山歩道の湿度が高かったという証明写真。
レンズの中玉が結露する。
ステンレスが錆びる。(他にも、ステンレス製の吊り輪も錆びた)
汗をかきすぎて、革のブーツの表面に汗染みができる。
今まで、他の山では雨が降っててもここまでやられたことはない。 恐るべし、屋久島。^^;
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