paranoia kiss
    

彼は本当に異性に好かれる
外見と内面を持ち合わせていた。

ひょんなことから2人だけで飲みにいくことに。
カラオケに行ったり、居酒屋で恋愛話に花を咲かせる。

ゴスペラーズが似合う季節になった。
ふと耳に入ってくると、
なんとはなしに、彼を思い出す。

彼女に贈ったペアリングの話を
嬉しそうにする。
その向かいに座ったあたしは、
うんうん。と話をする。

ホントニ オイシソウニ オサケヲ ノムヒト。

あたしにも、同じ経験があるんだよー。とかって、
茶化しながら。

もう二人で飲みに行くのも最後だね。
年下の彼と彼女の邪魔するほど、ヤボじゃないよ。

今頃、どうしてるんだろう。
変わらずに元気でいてくれるとそれでいい。


2006年10月31日(火)



ある年の七夕に、大勢で宴会をした。
その中に彼女と彼はいた。

その頃のあたしは、汚いものが一杯ついてて、
打算的で、物分りのいい女を演じていた。

彼女は純粋で、あたしがずっと昔に
もう捨ててきたものをたくさん持っていた。
色々相談に乗った。
ただ、彼女が羨ましかった。
もう、あたしが持つことのできないカードのようなものを
これからたくさん切ることができるのだ。

物分りのいい女を演じるか、
自分の気持ちに素直になるのか。
51%対49%で、心の中で戦っていた。

彼女の泪を見て、思わず、抱きしめてしまった。
やっと会えたのに。
心から応援しなくちゃいけないのに。

アタシノブンマデ シアワセニナッテネ。

もう、その日は飲むことに決めた。
宴会場所があたしの大好きな焼き鳥屋だったのは、
泣くに泣けない事実であり。

最近になって一度だけ、彼女を見かけた。
颯爽と歩く彼女はかなり格好良くて。
声をかけるのも躊躇った。

2006年10月30日(月)



スポーツカーのバケットシートに体をうずめ、
高速を飛ばして、小一時間。
海の見える防波堤まで行くのが好きだった。

高速は大概空いていて、
あたしより背の小さい彼のハンドル操作に
命を預ける。

防波堤では缶コーヒーとタバコ。
別に何をするわけでもなく、
寝転がったり、うだうだと話すのが常。

オンナガ スウ タバコジャナイ。

ただフィルターの部分がお気に入りだっただけ。

ジッポのレディースライターを貰った。
イニシャルが入ってた。
なのに、あたしの手にはあまりにも小さすぎて。

モウイッカイ サガシテクル。

後日、普通サイズに交換してもらった。
今はもうどこにあるのかもわからない。

周りの人が振り返るほど身長差があった。
待ち合わせのたびに、探すのが大変だった。
いつも見つけてもらってた。
そんなことも、もうない。

2006年10月28日(土)



これから、ここに書き付けられるであろう文字は、
過去のあれこれで、多数の人物が混在する。

でも、全てあたしに起こった現実で。
そんな過去を整理したくて、
もそもそと書くことを復活させたわけで。
恋人や友達や、過去のお客さんをまぜこぜするので、
えらい人数になるかもしれない。

でも、忘れられない心の欠片たち。

あの人がサーフィンをするというので、
着いて行った。
行き先は聞き覚えのある地名。
何度か行ったことがあったっけ。

見覚えのある道を通り、海へ着いた。
夜だったからはっきりと自信はなかったけど、
工場地帯の夜景は間違いなく、その場所。

手際よくBBQの準備が進んでいる横で、
なぜだか泪が出てきた。
煙が痛いわ。とよくあるセリフを口にして。

あたしが初めてその海にいたのは、
季節外れのお昼間だった。
心地よい季節で、誰かのボールが転がっていた。
ボールを海に向かって投げると、
ギコチナイ ナゲカタ。

ヤッパリ オンナノコ。

確か、そんなことを言われた気がする。

人前でボールなんて放ったことがなかったから、
そんなことでオンナだと認識されるんだ。と
妙なことを考えてた。

もう、今ではその海は車で入ることもできなくなって、
2度と行かない場所となってしまった。

2本並んだ歯ブラシが初々しかった部屋。
今は誰が住んでいるんだろう。
あたしは他の国の言語が羅列された文章を、
彼はあたしのよくわからないことを研究していた。
多分、彼からしたら、あたしのほうが
訳のわからないことをやってる奴だ。と思ったかもしれない。

あたしのものであるはずのアロハシャツが
妙に似合って悔しかった。

物分りのいい女を演じてたあの頃。

2006年10月27日(金)



今更どうしようもないんだ。
もう、あたしは別の場所にいるんだし。

引き止めてくれてたら。。。。
いや、何も変わってないだろう。
あの頃のあたしとは変わってるんだし。
時間が変えてくれた。
もう、何も残っていないんだし。

目の前を何人かの男が通り過ぎて。
腐るほど同じ言葉を吐いて。
鵜呑みにしたこともあった。
何を信じてたんだろう。

ダレトモ ケッコンシナイデ マッテル。

本当にまだ待ってる?

電話越しに聞かせてくれたライターの音が
まだ耳に残ってる。

アイツハ オレガ イナイト。

そうかそうか、あたしは一人でも大丈夫だもんね。

いつだって、心は一人。


2006年10月26日(木)



今更ながら舞い戻ってきましたよ。

ブログもよかったのですが、
なんだかんだありまして、
いろんなものを断ち切ろうと。
ここには過去のあたしがどっさりですが、
なんだかさくっと消去できずに、
未練たらたらで残してあったわけです。

本当に時間がないので、
不定期更新で。
相変わらず、内容のないものですが。

なんだか胸のざわつく感じかする。
焦ってもどうにもならないことだけど。

しんどいけど、幸せ。ってよく聞く言葉。
あたしにしたら、しんどいと幸せは、
ベクトルが全く反対の方向を向いてて、
幸せよりもしんどいことの方が明らかに多い。
せめて相殺したいものです。

むじゅかちいことを考えずに、
さらっと生きたいものです。
しがらみはできるだけ避けたい。
自分から足をつっこまなくても、
まわりから聞こえてくる、見えてくるあれやこれや。

できれば、誰にも知られずにこっそりと、
ここにそこはかとなく書き続けていければ。

ここは、掃き溜めでもあり、
あたしがあたしでいられる場所。
ネットをはじめた頃からのあたしがいる場所。


2006年10月25日(水)



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