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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年04月14日(土)
ナゴヤドームに行った。


 この日、ナゴヤドームに行くつもりなどなかったが、何故か気付いたらチケット売り場で3時間半待ちするはめに。

 わが阪神タイガースにとって、ナゴヤドームは鬼門である。去年のナゴヤドームでの対中日戦は、確か2勝12敗。ひでえや(苦笑)。また、外野の自由席が2階と5階に分かれていて、応援団はみな2階に行ってしまうので、5階は全く盛り上がりを見せない。試合に勝っていたらともかく、負けたら消化不良は更に倍。かなりのストレスをお土産に最終に近い新幹線に乗って帰宅する羽目になるのがオチだ。

 阪神・福原、中日・野口で始まった試合の内容は、書く気が失せるほどせつなかった。四球で出たランナーに盗塁され、タイムリーを浴びる…。絵に描いたような負けパターン。期待していたクルーズもまるでダメ。これまでの2試合好調だった福原も今イチだった。沖原は前日に発覚した故障で前半戦絶望。希望の芽を次々摘み取られていく。子供じゃないが、集中力がキレ、携帯電話で遊んだり、“燃えよドラゴンズ”を熱唱したりして、時間をやり過ごしていた。

 私が座ったのは5階席の最上段。壁にもたれることができ、その上、そこはクッションになっていた柔らかい。疲れた体にはとても心地いい。クッションが私に「おもろない試合やったら、寝てもいいよ」と私の眠りの国へと誘う。

 “球場ガイド”というのがある。そこには「収容人数」という項目があるが、ここに来て初めて、「ああ、うち、収容されてるんやと実感した。シートは狭いのはもちろん、深さもなく、座り心地が悪い。おまけに階段は急だし、滑る。お年寄りや子供にとってはかなり危険だと思う。絶対1度や2度、事故があったはずやなどとと疑ってしまう。一方、少し高い金を払って入る2階席は階段も緩やかで、シートにも余裕を感じた。要するに「金を出せ」ということか。あっぱれ、資本主義。

 ただし、ここのお弁当は種類が豊富で、ボリュームもあるし、ビールもメーカーを選べるので、何もイヤなことばかりではないのだけれど。



2001年04月11日(水)
メガフォンをぶっ壊せ!


 少し遅い夕食を摂っていると、相方から電話が入った。受話器の向こうからは激しいメガフォンの音と坪井の応援歌を歌う低い声。相方は頼みのもしないのに、実況中継を始めた。きっと一人観戦が淋しいのだろう。しゃあない、つき合ってあげよう。結局、阪神は負けた。彼は「腹立ぅ〜」とぼやきながら、メガフォンをどこかにたたきつけていた。「そんなに叩いたら壊れるで」と言ったら、「ええねん、メガフォンなんて壊れてなんぼや」という投げやりな返答。

 私は大学時代、「親虎会」という素敵なネーミングのサークルに入っていた。名前の通り、阪神タイガースを応援するサークルである。学校より甲子園に行く回数の方が多い連中の集まり。夏には遠征と称して、東京ドームや広島市民球場に出向いた。

 ここの人たちは、とにかくメガフォンをよく叩く叩く…。暗黙の了解で、メガフォンを壊した数と速さが応援熱心度をはかるバロメーターのなっていた。ある人は、3回表で矢泊も1つ目を壊し、2つ目も7回には壊れ、最後は空になったペットボトルにペンで「虎」と書き、それを叩いていた。私は女というハンデ故に先輩を超えることは出来なかったが、新品のメガフォンを1.5試合で壊したのが最高記録。(貴重なゴールドバージョンだったので、後で鬼ほど後悔する…。教訓:壊すメガフォンは選ぶべし)しかし、闇雲に叩けばいいっていうもんでもない。やはりある程度のたたきくなるような興奮を煽るプレーが欲しい。その場の雰囲気から浮いたメガフォンの音ほど恥ずかしくて虚しいものはない。

 そういや、最近のメガフォンはなかなか壊れない。観戦回数がぐっと減ったのもあるが、メガフォン自体が丈夫なのだ。85年の日本一を知る人が言っていた。

 「昔は生産が追いつかなくて、質が落ちてたからすぐ壊れたもんや。それに比べていまは、丈夫でなかなか壊れへん。全く、ええんか悪いんかわからんわ」



2001年04月06日(金)
“ファンのために”を疑う。


 『3年B組金八先生』を見た。ドラマの最後の方で、武田鉄矢扮する金八先生がこう言った。「金八先生を忘れるな」。生徒は声をそろえて「ハイッ!」と叫んだのだが、ずっとこのシリーズを楽しみにしていた私は一気に興ざめしてしまった。今まで受けてきた感動が音とたてて崩れていくのを感じた。制作者の意図もわからなくはないが、なんか恩着せがましさを体にべったりとなすりつけられたような気分。

 ん?この恩着せがましさ、見覚えがあるそ?
 そうそう、あの野球選手から放たれる“ファンのために”。あの言葉は私はどうも苦手。え、私、“ありがとうって言わなきゃいけない”??と思ってしまう。選手からその言葉を聞くたびに、「あ、この人、保険かけてる」と思う。ファンだって、そんな言葉聞いたら、その選手のこと、悪く言えないし、“ファン思いのいい人”というイメージは人の批判の口をふさいでしまう。

 私はそんな言葉はいらないから、すばらしいプレーや好ゲームが見たい。たとえ、それが自分のためでも、家族のためでも恋人のためでもお金のためでもいいから。

 今日、メッツの新庄選手がメジャー初打点を記録した。彼はいい意味で、この言葉から一番遠い位置にいる。


 



2001年04月04日(水)
東邦高校・川畑投手のこと


 あまり見れなかったセンバツ大会だが、それでも印象の残った選手はいる。開幕戦で投げたていた東邦・川畑投手、私の中では一番印象に残った選手だった。

 本来自分が踏むはずだった先発マウンドを下級生に譲る形となり、自分はリードされた場面でのリリーフ登板。にもかかわらず、マウンドでは「野球って楽しいな。な!投げるっていいな」と書いてあるような満面に笑み。打席に入るときは、ブラウン管のこちら側にまで聞こえてきそうなほど大声を張り上げて、気合いを入れていた。

 先発した長嶺投手が整った今どきの顔つきであるのに対して、彼の顔は、少し前まで近所いたやんちゃな子供。私は、甲子園に出てくる高校球児にある種の“教育臭さ”を感じてしまうのだが、彼にはそれを感じなかった。彼は、“教育の一環としての高校野球”とは別に次元にいるような気がした。

 点は取られたものの、なかなかの好投だった。また夏に戻ってきて欲しい。