Desert Beyond
ひさ



 雪の降る頃に君とね

また逢えるでしょうと言って消えた。
か。

最近、哀愁エレクトロニカというジャンルの音楽が好き。
これをジャンルって言っていいかわからないけど
好きなのが位置付け的に哀愁を醸し出す
エレクトロニカだっていうだけ。
うわべだけのは聴いてて嫌になるけど
良いものは良くて心にじんわ〜とくる。
和でも洋でも関係なくくる。

なんか最近寂しいしさ、哀愁がいいね。
落ちるわけじゃなくて。
この前調子が悪くなったんだけど
あれって百日咳だったって噂が…。
ネットで色々調べたら症状が酷似してて
ほぼ治ったからいいものの
無知とは罪だなあと思った。

なんかね、今までの人生色々あったでしょ。
自分で選んで自分で進んできたから
仕方ないんだけどね
引っ込み思案だし臆病になったよ。
歳?
それとも大人はこれを分別って言うのかな。


ベガ。
織姫。
キセルってアーティストの曲。
なんかいいよ。優しい。
今日出会って10回くらい聴いた。
冬に聴いたら切なくなるだろうなぁ。


大学の自分の机は北側窓際。
遠く眺める。北は低い山々。
向こう斜面はみかん山。
最近鳩の群れが山の方で
曇天の下、大きな円を何度も描く。
たまにちらばる。
視点を近くにやると
ちょうど四階の高さには
沢山の秋津が飛んでいる。

ここは僕の場所。

もう寝なきゃ。
午前二時半になっちゃう。
七時には起きなきゃ。




2007年07月23日(月)



 静寂(しじま)01:47

近頃と言えばこの日記をさぼってばかりいるのだ。
もうすぐ夏の夕暮れの匂いがしだす季節。

随分と咳の出る風邪を患って
暫くの間、本調子が出ずに陰鬱に過ごした。
次第に治ってきたので気持ちも上向きなのだ。

透明な硝子窓越しの景色を遠く見ながら坂本龍一のピアノインストを聴くのが好きだ。景色は全くの無音で、ひたすらピアノの調だけが聴覚を支配する。音と視覚から得た映像が常温で融けてひとつになる。今の木々の僅かな揺れは不自然なふうに入れたその半音のせいだよ。この音楽は時間とも調和する。昼下がりの眩しさにも映えるし、未明の静寂にも映えるのだ。さながら視覚と時間とこの音楽がひとつの和音をつくって、無意識な人の心を打ち響かせているかのようだ。


宮本輝は好きな作家だ。確か随分前にも一度日記に書いた。昨日アルバイトの家庭教師先に日にちを間違えて訪問してしまったのだが、そこは自転車で三十分かかる場所なのだ。ただで帰るのも何かしら癪な気がして近くの古本屋に入った。そこで宮本輝編のわかれの船という短編集を購入した。全部で十四編ある内、未だ三編しか読んでいないけど買って良かったと思った。

くるりのばらの花は歌詞も曲も大好きだ。
切ない。
ジンジャエールは昨日飲んだ。
生姜の辛さが喉にくる
大好きなジンジャエールはウィルキンソン。
左からギターが刻むイントロ。

安心な僕らは旅に出ようぜ。

2007年07月17日(火)



 梅雨のトンネル

あなたのことを
深く愛せるかしら

冷たい頬が突然浮かんできた。
雨がぱら、ぱら、と降り出した。
もう午後八時。
夕も暮れた。
僕は暗い部屋の中
ベッドの上に横たわっている。
ドライをかけているエアコンの音と
ぱらぱらという雨の音
時折通りを過ぎる車やバイクの音しかしない。

先程も一度ぱらぱら降り出した雨だが
その時はすぐに止んでしまった。
今回は一定の降り方で落ち着いて雨だ。

僕は風邪をひいている。
夕方は西の明るい空が曇り硝子を通して見えた。
夕方の街の音が聴こえる。
ひとり風邪で寝込んでいると
そんな音や光が無性に寂しさを煽る。
西の空が見たくなってドアの外に出てみた。
隣りのビルの屋上には猫が2匹いたよ。



2007年07月12日(木)



 七夕も過ぎて

たまにビルの谷間見上げたくても
この街にそんな場所も少くて
結局は諦めてしまうのだ。
ただのないものねだり。

将来日本の首都圏には住みたくない。
朝晩の通勤ラッシュはごめんなんだ。
今こういうのんびりとした
四国の小都市に住んでいて思うのは
東京という都市そのものが
沢山の機能と魅力を持った
巨大なストレスなんだということ。
ある人はそれもわからず暮していて
ある人はそれがわかっても暮していて
ある人は東京を目指し
またある人は東京から去っていく。

生きるってこと。
人生の価値観。
人としてどういうふうに暮したいか。

大切な生活
一度だけなんだもんな。

雨はまた未明に降るつもりなのか
薄く汚れた鼠色の雲の中
今は黙って地上に落ちる機会を伺っているよう。

研究には終わりというものがない。
僕は最近になってようやく
研究というものがわかってきた。
世界の最先端を走るために
世界の人々の仕事を知る。
気付けるか。
生み出す力。
それで漸く研究が表に出る。
しかし終わりはない。
自分で決着をつけるまでは。

沢山の人達の人生と交差して
気持ちを得て、失った。
全ては夢のためなのか。
人生観とイコールではない矛盾。
でももう引けないし引かない。
全てのために引かない。


七夕、研究室の仲間を中心に
10人くらいで集まって
持ち寄りパーティーをした。
竹をどこから切ってきたのか
僕らは飲み食べして
それぞれの願いを短冊に書いてそれを飾った。
なんだか飲みたい気分になれず
体調が崩れてきた。
でも笹の葉サラサラと
一緒に七夕できる仲間達を大切に思った。
七夕したのは久し振りで
ちょっと嬉しい幸せな気分だった。

2007年07月09日(月)
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