女房様とお呼びっ!
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2008年03月18日(火) |
「あぁ、そりゃ変態になるわ」 |
先だって、知人と馬鹿話を散らかしてた折のこと。 彼女は、9歳の男の子のお母さんである。
「……でね、うちの子、お風呂にひとりで入れるようになったのはいんだけど、 お尻ちゃんと洗えてないみたいなのよう」 「ははは、石鹸泡立ってればいいって思ってんじゃない?」 「そうそう、それでバスタオル使うから、汚れがついちゃって、 それ知らずにわたし、そのタオルで髪拭いちゃったわよ、もう〜っ!」 「あははは、それでわかったの?」 「うん、ナニコレと思ったら、アレなのよ……もうヤだ〜〜 だからね、それ以来、お風呂の後はお尻チェックしてんの、ふふふ」 「はぁぁ…?」
曰く、体を拭いて下着つける前に、裸んぼうのまま四つん這いにさせて、 尻穴がきちんと洗えてるか見てやるんだそうで……。
「ちょっとぉ、んなことしてたら、息子ヘンタイになっちゃうわよ?(笑」 「ん、だいじょぶっ、もうヘンタイだから〜(笑」
冗談めかして言ったものだから、彼女もそう返してきたのだが、 しかし、ちっとも冗談じゃないんだね、これが。 私としては、本気で心配してしまう。
◇
たぶんノンケの彼女には知る由もないだろうけど、 ガチの変態諸氏には、こうしたシモにまつわる母子関係が原風景としてあって、 アブの根を辿るとそこに行き着くみたいな例が少なくない。
過剰なトイレトレーニングとか、粗相をすると裸のまま表に出されたとか、 面白半分であれ、なにかとパンツ下ろされたとか、果ては皮を剥かれたとか。 そして、その背後には必ずや圧倒的な母の愛があり、それらの体験と結びついている。
まぁ、彼女んちの「お尻チェック」は、 そうしてお喋りのネタに出来るほど、無邪気な母子の戯れに過ぎず、 息子もまた面白がってるそうだし、他人がそこまで懸念するのは失礼なこととは思う。
でもねぇ、母が楽しいのはともかく、子の心理って、大人の想像以上に複雑で、 表面は楽しげに笑ってても、無意識下にどう作用してるかは計り知れないわけで。 下手に色々関わってきたせいで、色んなこと考えちゃうのよ。
◇
と、ゆうべ、そんな話をふと思い出して、夫にしてみたところが、
「あぁ、そりゃ変態になるわ」
一刀両断、即答である。 ガチの変態本人が言うと、説得力あるなぁ(笑
「それにほら、あのひと、どエスだし〜」
他人事なので言いたい放題、しかも妙に嬉しそうなのはなんぞ? ま、確かに彼女は、誰もが認めるどエスだけどさ(笑
てことは、遅かれ早かれそうなる行く末、心配しても無駄ってことかw ま、心配したところでどうにもならないんだけどね。 ただ、あまりにも出来すぎてて、ちょっと不憫だ。
先日テレビを見ていたら、懐かしいひとが画面に映った。 昔馴染みとはいえ、見知った顔にそうして会うのは、なんだか面映い。
テロップには立派な肩書きが記されて、偉くなったんだなぁと思う。 確かに名前に続く括弧とじの数字を見れば、重責を担ってしかるべき年齢だ。 正直、えっそんな歳になったのかと思ったけど、 私だって同じように年喰ってるわけで、我ながら間抜けな反応である(笑
◇
最後にご一緒したのはいつだったか。 もう長いこと音沙汰なく、既に携帯の番号は失った。 それでも何かよすがはないかと、名刺フォルダを繰ってみる。 平成10年4月某日、これが初対面だったらしい。
そのときの記憶はもう殆ど薄れているが、その後、 仕事帰りに待ち合わせては渋谷で飲んで、ラブホに泊まったこともあったっけ(笑 ま、そんな不埒な脱線もありながら、会う度、とても楽しかった。 来し方たくさんの人と関わってきたけれど、 そんな感じにすぐ思い出せるほど、印象に残っているひとだ。
思い出すごとなお懐かしく、駄目もとでメールしようと思い立ち、 新規画面を開いたものの、何も書かずに閉じてしまった。 メールの不着を懸念したのではなくてね。 今や立場のある彼に、もうこちらから連絡してはいけない気がしたから。
一旦取り出した彼の名刺をフォルダに戻し、パタンと閉じる。 もうこれ以上迷わずに済むように、大きく肩で息をした。
◇
彼がもし、かつての級友とか仕事仲間だったら、 いや、たとえテレクラ絡みのセフレであっても、こんなふうに迷いはしない。 そういう部分で、私はかなり厚顔だ。 駄目で元々なんだもの、メールくらいはしてみるだろう。
けれども、それすら踏み止まってしまうのは、 彼と私の出会いがエスエムを介したものだからだ。、 つまり私は、彼の、世に秘するマゾの部分を知っている。
十年経ったからといって、まさかMの性がなくなったとは思わない。 しかし、ご自分なりに決着をつけた可能性はたぶんにある。 何より、私のことなど忘れ去ったかもしれず、あるいは思い出したくないとか。
ま、そんな推察はさておいても、 一方的に消息を知られて、自分の性癖バレてる輩から連絡寄越されたら、 誰だって戸惑うし、困るのは必至だ。 いくらかつての盟友であれ、やっぱご迷惑には違いないものね。
そんなわけで彼のことは、 まずはお元気そうで何よりと、嬉しく思うくらいで留めることにした。 ちょっと寂しいけれど、そんなもんだ、うん。
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