2002年11月03日(日) |
サルベージ計画・高校選手権滋賀準決勝 水口−野洲 守山北−北大津 |
高校選手権滋賀大会 準決勝
水口−野洲 11月3日(日)皇子山 12時 ピッチ良 曇り 強風
−−−外池−−赤澤−−− −−−−−軽墓−−−−− −−−−−浅居−−−−− −山元−−中井−−澤江− 片山−荒堀−−松本−馬野 −−−田中−−木下−−− −−森地−太田−古谷−− 木村−藤原−−土居−前潟 −−−−−小倉−−−−− −−−−−笹山−−−−−
水口の監督はベテラン伴野先生の引退を受けた中村先生。野洲の山本先生は前水口東監督というちょっとした因縁がある。双方とも細かい技術をベースに小さく繋ぐサッカーを志向している。水口はフラット3を高い位置に押し上げ、長身のポストプレーヤー軽墓にペナ付近でキープさせない。両サイドはWBタイプでどんどん高い位置を取り裏は最終ラインがカバー。浅居は自由にプレーする。野洲は4バックの両サイドが前半はほとんどあがらず、田中は浅居をマンマーク、木下も守備的、と慎重。澤江・山元もサイドに張り付き、 ポジションチェンジはまるでなし。中井がトップ下というかシャドーストライカー。
前半立ち上がり、風上の野洲がロングボールを次々にDFの裏に通す。1分敵陣でカットしたボールがDFラインの裏へ走りこんだ軽墓へ。1対1だったが、余計なドリブルをGK小倉がカット。序盤水口最終ラインはイマイチで裏を何度も狙われるが、太田を軸にすぐに立て直す。8分野洲カウンターから左の山元へ。ここで澤江への凄いサイドチェンジを決め、澤江がサイド突破からクロス正面で軽墓フリーのヘッド。これも外す。水口は左の片山・荒堀・森地の連携が悪く、ややスピード不足の森地がスピードに乗った澤江に対処せざるを得ないシーンが目に付くようになる。しかしカバーに秀でた太田が巧みに防ぐ。最終ラインの前のプレーも積極的なチェックで潰す。水口もセットプレーなどからリズムをつかむ。水口はFWと浅居のシュートが正確で何度もゴールを脅かすようになる。浅居をマークする田中は守備が苦手で再三前を向かせてはドリブルからの好パスを許す。しかしボールを奪えば田中は浅居のルーズなマークを外し得意のスルーパスを再三狙う。27分 ペナ内で軽墓が受け、落としたボールを澤江シュート、GK正面。直後今度は片山のクロス、野洲・土居が辛うじてクリアしたところを浅居シュート、わずかに外れる。このあたりから浅居は左サイドにポジショニング、田中・澤江をひきつけようとする。が、田中はついていかず、一段と野洲のカウンターも鋭くなる。
後半、野洲はMFが中へ絞り、SBも高目に入る攻撃的なスタイル。風下ということもありショートパスを繋ぐスタイルでげーむを支配する。右サイドに攻撃を集中させ、中井・澤江が交互に飛び出し突破を図る。水口も前半は同じサイドを攻撃することで対処したが もはや支えきれず、守勢に回る。7分馬野の突破・クロスから赤澤がダイレクトボレー、 惜しくも外れる。この後は完全に野洲ペース、軽墓のポスト・体を活かした突破や中井のトリッキーなプレーなど野洲の攻撃面の良さが前面に出る。25分、山元に変えてトリッキーな外村投入し、サイドからの突破を図る。29分外村が左を突破しクロス、クリアを拾った木下が25mミドルを突き刺しついに先制。水口は森地をトップ、荒堀をDFに3トップ でパワープレーに入るが野洲の高さを崩せず、逆に32分、軽墓のポストから抜け出た澤江をペナ内で倒しPK。これを中井が落ち着いて決め2−0。水口もあきらめず攻めるが 野洲はいいカウンターを浴びせ続ける。そのままタイムアップ。
野洲ってこんな試合巧者だった?と思ったほど磐石なゲーム運び。PK戦になりかねない内容だったがバランスを崩さず攻め続けた。軽墓・山元が本調子ならもっと早く点を取れただろう。準々決勝の草津東戦も好ゲームだったそうだがよく草津東も無失点で耐えたもの。自慢の中盤は澤江がキレていた以外はイマイチだったが木下はバランスをとりつつ、 うまく流れをつくっていたし、中井は後半相手の嫌なところをつき、決定機を量産した。 水口は太田の存在が大きい。特に課題がある、というより全体的に少しずつ足りなかった。
高校選手権 滋賀大会 準決勝第2試合 守山北−北大津 11月3日 皇子山 14時 ピッチ良 曇り 強風
−−−村瀬−−北口−−− −−−上田−−高内−−− 中村−三谷−−植西−増田 後藤−西村−−北村−廣瀬 太田−吉田−−富田−午坂 今井−酒井−−小松−浦島 −−−−−奥村−−−−− −−−−−伊藤−−−−−
ともにゾーンで守る4バック。中盤もフラット。守山北の守備はディレイ&フォローを強く意識し、最終ラインは深め。各選手がしっかりポジションを守り、バランスを崩さない。 ボールを奪えば強力2トップへのロングパスもあれば植西を軸に繋ぐこともあり、攻撃面でもバランスがとれている。北大津は各選手が自分のゾーンに相手が来れば積極的にアタック、かわされても他の選手次々にアタックしボールを奪いにいく。最終ラインは高い位置をキープ。奪った選手は前にスペースがあればCBであろうとどんどん前に上がる。攻撃は左の後藤が軸。またこちらの2トップも強力。
立ち上がり、全開でプレスにいく北大津がリズムをつかむ。風下の守山北はロングパスが届かず、パスも繋げず守勢に回る。しかしパワーで優り激しいチャージでよく凌ぐ。植西は西村と何度もぶつかるが全てに勝つ。西村もなかなか強いが。北大津はインサイドキックの精度・パススピードが抜群であいまいなパスがなくグラウンダーでのショートパスがよく繋がり、悪い形では奪われない。選手の呼吸もあっている。フリーになれば植西の右足からFWやサイドに好パスが出る。またチーム1の技術を誇る後藤はボールを確実にキープし、左足からの正確なパス、突破。強く正確なクロス、FKと圧倒的な存在感をみせる。FWは空中戦得意の上田とうまくスペースを突く高内がいいコンビで左からの攻撃で何度かチャンスを作るが守山北CBはバランスを崩さず、高内のスペースを潰す。27分 孤立気味の北口、トリッキーなドリブルで前線でのキープ狙うが今井にカットされ後藤が右に凄いサイドチェンジ、高内が右から切れ込み左足シュートは惜しくも右に外れる。この時間帯は北村がチャージで三谷を何度も潰したり酒井がボールを奪ったまま前線に一気に駆け上がったり、高内がトリッキーなドリブルを見せたりと完全に北大津ペース。守山北は引いて耐えるが自慢の2トップは消えている。31分、ロングスローからファーに流れ飛び込んだ増田がフリーでシュート、決まらず。残り時間はやや膠着。北大津は風上の前半に運動量を上げて完全にペースを掴んだ。一方守山北も自陣に引いてよく耐えたが体力温存どころか北大津と同等に疲れている。風上になる後半の立ち上がりがポイント。
後半キックオフ、北大津は直線的に攻め込み裏にラストパスを通すもオフサイド。パーフェクトの入り。守山北はロングボール主体の攻め。しかし村瀬のスピードを活かすパスは出ず、村瀬がサイドで受けても一旦足を止められ、そうなるとあまり技術のない村瀬は突破もキープも出来ず奪われることが多い。北大津・酒井のカバーは見事。10分ハーフ付近から守山北FK、村瀬の頭に点で合うがGKキャッチ。15分カウンターから植西右から中に切れ込み左足シュート、右に外れる。北口がDFをうまく右サイドに引きつけ植西にスペースを作った。これは決まった、と思った。17分後藤キープからうまく西村へ出し、これをクロス、ファーの高内ダイレクトボレー、これも惜しくも外れる。この時間帯、多分北口の判断で北口が左サイド、村瀬が中央に位置する。サイドにもスペースがない以上、村瀬のスピードはゴールに直線的に活かすべきだし、中央で孤立していた北口もサイドならボールはもらえ、北口ならキープも突破もできる。いい判断。21分 増田→長身の小池。 植西、チャージで北村からボールを奪い北口へ、北口、相手をよく見ながらトリッキーなドリブルで次々かわすがラストパスは村瀬に届かず。23分右CK 二アで小池がそらし、北口が中央で決める。1−0。パターン通りで選手交代が当たった。26分 植西からDF裏へのパスはGK伊藤が飛び出しカット、しかしイージーなパスミスを北口に繋がれループ、慌てて戻った伊藤キャッチ。27分 北大津・上田ポストから反転シュート、GK奥村ナイスセーブ、クリアを拾い高内正面からシュート、わずかに外れる。この時間帯後藤は疲れて突破がなくなるが、相変わらずキープとクロスは冴えている。北大津は中盤インサイドは超攻撃的、DFも高い位置を保つが北口を押さえられない。30分北口左から中へドリブル突破、後方から走りこんだ植西強烈なシュートはバーを叩く。下に落ちるが入っていない。北大津はパワープレーに入らず自分達のサッカーで攻め続ける。36分まさかの後藤交代。多分北大津のサッカーにはクロス屋はいらない、ということなのだろう。よく頑張ったが終盤はバテた。このまま終了。守山北が決勝に進んだ。
北口はエースにふさわしい活躍。本来強力なCFのトップ脇、というのがベストでしょうがチーム事情でCFやMFなどもまかされてきました。トップで踏ん張ったり、サイドに流れたりと状況をよく読んだプレー。中学時代から県内では有名な選手だったが、着実に成長したと思います。フィジカル的にもバランスが取れている。ややスピードが足りず、上では苦しいが大学でなら即戦力でしょう。村瀬は反省点の多いゲームとなった。二年間北口から何を学んだのか、と言いたくもなる。長所であるスピードを活かせず弱点ばかり目に付いた。もっと考えてプレーすべき。教えられたことをこなすだけでなく、もっと自分で考えないと上では厳しい。昨年の瀬田北中のエース中村はよく戦った。また北口が左サイドで好プレーをみせたのも中村の正確な技術あってのこと。北大津・後藤はフィジカル以外は素晴らしい選手でした。本来このタイプは古典的ゲームメーカーになりかねないが、組織重視の北大津でしっかりしたプレーを見につけている。大学?でもサブとしては即戦力でしょう。さらに上を目指すならフィジカルを鍛えないといけない。
両校とも「北高」なので応援団がどっちを応援しているのか分からない(笑)。ゲーム前北大津応援団が「う〜ちの××は凄い。(凄い)ど〜んなエースも削る(削る)♪」などととんでもない応援ソングを歌っていたが、北大津は監督の田中先生が県内トップレフェリー ということもあって、激しくもフェアなチームです。守山北も。クリーンで激しい好ゲームでした。守山北は決勝で野洲に敗れ、松田先生の退任を選手権出場で飾れず。でもこれだけのチームであれば恥ずかしくはない。野洲の中井の話もこのゲームで聞きました。
中井は滋賀のプログラムでは154cm、いかにもセゾン出身らしく技術がしっかりしていて 相手の動きをよく見ながらのパス・ドリブルがよい選手です。DFはパスカットできそうでできない。ドリブルも相手を誘っておいてかわすのもうまいし、常に先手先手をとる。トリッキーなプレーも得意、とここまでは先輩倉貫みたいですが、この選手はクレバー。個人を相手にすることにこだわらず、相手(チーム)の弱点をつくのがうまく、全体の攻撃面でのバランスを考えたプレーやポジショニングが出来、ボールを持たなくても怖い選手です。シャドー・パッサー・サイドでの基点などの顔を持つ。スピードはないが、自分を速く見せる術を持っています。倉貫以上の選手だと思います。課題はなんといっても守備。 柏には加藤望という良い見本もいるし楽しみです。
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