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2003年03月31日(月) |
hopeless/31日付けの日記について |
少年は、ゲームセンターのすみっこで 誰もやろうとしないゲームを見つけた。
「そのゲーム、つまんないよ。 ぜんぜん勝てないんだもん」
他の少年はそういったけど、 彼はそのゲームの魅力にひかれていった。
たくさんの山や壁を越えて、 廃墟となった城の奥にあるきれいな宝物を 自分の住む村までもってかえるというだけの単純なゲーム。 それなのに、クリアできた人はほとんどいない。 ランキングにはデフォルト以外には名前は記入されていなかった。 でも彼はそのゲームにのめりこむようになり、 彼は何度もそのゲームをするためだけにそこに通うようになった。
ある日少年は気がついた。 微妙だけど壁がだんだん高くなっているし、 敵も最初の時より強くなっていることに。
少年は、店主に尋ねた。
「おじさん、このゲーム、1面の難易度がだんだんあがってるよ」
「ああ、そのゲームはなあ。 自分が認めたやつしかクリアさせないんだよ」
「えっ」
「やつはなあ。自分のことを誰も攻略できないと 信じることで、自分の小さな世界を保っているんだよ。 やつが信じているのはたったそれだけなんだ」
「……」
「クリアできそうになると、レベルをあげて先には進ませないようにする。 それでも先に進もうとすると、罠にかけてひどいエンディングを見せて 二度とやりたくない気分にさせるんだ」
「……」
「このままゲームを続けてもお金の無駄だよ。 今まであれにつぎ込んだコインを返すから、 他のゲームで遊びなさい」
店主はゲーム機のコインを少年に返した。
少年は一度は帰ろうとしたものの、 やっぱりあきらめきれなかった。 これを最後の挑戦にすることに決め、 再びゲーム機にコインを投入した。
すると、最初にやったときよりも難易度が下がっていて、 少年はいともあっさりと宝物のある城までたどりついた。 宝物の箱をあけた少年は、箱の中をみて驚いた。 中はからだった。
他の部屋かもしれないと思ってキーを操作しようとすると、 どこかから「むだだよ」という声がした。
「俺のことがクリアできると思ったのか? 宝物なんて最初からないんだよ。 おまえが何度コインをつぎ込んだところで無駄なんだよ」
少年は、徐々に小さくなっていくゲーム画面から 聞こえてくる邪悪な声を震えながら聞いていた。
「宝物がなきゃゴールにはいきつけない。残念だったな。 おまえはバカみたいだから教えてやるけど、 俺は、おまえにクリアされる気なんてないんだよ」
「……」
「自分なら俺に認めてもらえるとでも思ったのか? お前にそんな価値があるってどこの先生に教わったのかねえ。 さっさと消えろ」
少年は、ふらふらとその場から消え去った。
店主は、ゲーム機に話し掛けた。
「なんてことを。あの子が最後のプレイヤーかもしれないぞ」
「またどこかのバカが夢を見にくるさ。 俺を攻略できるやつなんてどこにもいやしないのに。 あのガキも、さっさと他のゲームに 乗り換えればいいのにトロいやつだ」
少年は、一人だった。 家にも学校にも居場所はなく、 この数年で唯一楽しいと感じたのはあのゲームだけだった。 しかし、少年にはもう楽しいものは何もなくなってしまった。 あるはずの宝物も、どこにもなかった。 夕焼けの空がだんだん暗くなっていくのとほぼ同時に、 彼の心も暗くなっていった。 空と違うのは、彼の心には日の光が差し込むことが もうなかったということだった。
あのゲームがクリアできたら、何かがかわるような気がしてた。 ランキングにのれなくてもいいから、 ゴールが見られるだけでもよかったんだ。 でも、最初からたどりつけないのに ゴールを夢見て、足跡すら残せないものに 僕ははまりこんでいたんだ。
少年は家に帰ることにした。 邪魔にされ、虐待されるだけの家に。
これが僕の現実。 何もかわらない。これからもずっと。
数年たち、少年はあのゲームセンターによった。 そこにはまだあのゲームがおいてあった。 ランキングを確認すると、未だにデータはデフォルトのままで、 新しい名前はなかった。
「かわいそうなやつだな、おまえも」
少年はゲームにはふれようともせず、その場を去っていった。
あの。。。本当にこの日付の日記を 消しちゃったことでメールを何本かいただいたのですが、 私はもうなんとも思ってませんので ご心配なさらないでくださいね。(^^; ここはじめて以来の大量メールでびっくりしました。(笑)
詳細については個別にお返事させていただきますが、 今回、アドバイスや励ましを下さった方々に この場を借りてお礼させていただきます。m(__)m
悪いことを指摘すると、 「おまえのほうはどうなんだよ」と こっちの悪い部分を指摘しはじめたり、 揚げ足をとったりする人がいる。
こちらがその悪い部分をなおさないから 相手は悪い行いをせざるを得ないというのだろうか。 いや。相手はただ自分が反省しないといけない立場に 立たされたことに怒っていて、 話を自分からそらしてその話題を避けたり、 逆にこっちに反省させようとしているだけなのだ。
その人は、自分よりも弱いと思っている相手に 自分の悪いところを指摘されると そういういやな話のそらし方をするように思う。 しかもそういう状態になると話の細部なんて聞いてないから、 またいつか同じことを指摘されても同じ反応をするだろう。
とりあえず、その部分を治すことについて検討する気があるのか。 あえてそうする理由があるなら、どういう意図をもってしているのか。 こちらはそれを聞きたいだけなのに、むこうは話の腰を折って こちらの攻撃をしはじめたり、別の話を切り出してきたりする。 そういうのを見るとみっともないなと思ってしまう。 反省させられる=負けと思い込んでいるようで、 プライドが高い人はなぜかそうなりがちだ。 私もたまに図星をつかれてかっとしてしまうことがあるが、 この人のように毎回じゃない。
自分のことを省みることができる人は、 一瞬弱くなったりすることもあるけど、 反省を自分の栄養にかえることもできるから、 反省したりさせられることをうけいれることができる。 だから、他人から反省させられることを負けと思って 忌み嫌うような人は、いつまでたっても 弱いままなのではないだろうか。
悪い部分を指摘した人は、相手にやりこめられつつ、 やっぱりこうなってしまったかとだんだん黙り込んでいく。 相手はその様子をみて、勝利が得られたことでごきげんだ。 でも、そんなかっこ悪い勝ち方は、 かえって弱さを周りに認めさせるだけだ。
壁を築きたければ築けばいいし、 勝利しか認めないなら勝ちつづければいい。 でもそれより、また一人味方を失おうとしてることに 気づいたほうが利巧じゃないか?
2003年03月29日(土) |
話し合わないし解決しない |
友達同士で「何か不満があったら納得いくまで 話し合って解決する」という協定を結ぶことはめずらしくない。 でも、私とある友人の場合、 「何か不満があったら一度話してみて 解決したことにする」ということはできても、 「話し合って」本当の意味で「解決する」ということはできないようだ。
以前は、誰かに不満があっても言わないようにしていたし、 表情が暗くなってしまっても適当にごまかしていた。 でも相手には、雰囲気で自分が不満であることは伝わってしまっていて 結局言っても言わなくても同じ結果をまねいていた。
ある時期から、自分は裏工作が苦手なんだから仕方ないや、と思って 本当に我慢できない不満があったら 「なんでそうなの?」と本人に言うようにした。 (もちろん、いいところは小さなことでも素直にほめてるけど。) 相手も「不満があったら言ってほしい」と言っていたのだから これでいいのだろうと思っていた。
しかし、その問題について自分も悪かったなと思ったり、 相手がおかしな方向に改善しようとしているのを見て 再度その話をもちだそうとすると、 その話題自体避けられてしまうことに気づいた。 それどころか、相手側は私に対する不満を隠そうとしたりする。 あとでよーく聞いてみると実は不満だった、ということが 何度もあって、だんだんその人のことがわからなくなってきた。
おかしいよ。私は自分の気持ちを ちゃんと言ってるのになんでそうなの? 私はあなたが本当にそう思っているなら 改善をうけいれるし、否定もしない。 押し付けてこないんであれば反対意見でもかまわないのに。
何度か考えた結果、ある結論にたどりついた。
……めんどくさいのか?(^^;
私にとっては「話し合い」のつもりでも、 相手にとってはただ不満をへいへい聞いてるだけに すぎなかったのではないだろうか。 こっちが真剣にむきあっているつもりでも、 むこうにとってはただうるさかっただけなのかもしれない。 そう思ったら、なんか自分ばかり正直で バカみたいじゃんと思った。
正直でいたいけど、正直になったら その話は二度はできなくなる。 そうなったら改善はのぞめない。 それなら、気づいてもらえるまで 我慢しているほうがいいや。
そう思って不満があってもできるだけ言わないようにしていたら、 ある時むこうが「不満があるんなら正直にいってよ」と言ってきた。
なんじゃそれ。 自分が不満がある時はぜんぜん言わないのに、 私が不満がある時は正直に言わないといけないの???
本当のところ、その時は不満があったのではなく、 疲れてて考えるのがめんどくさかったから その人に対する応対を適当にしていただけだった。 でも、むこうにしてみれば私が相手に対する不満を 隠し切れないように見えたらしい。 本当になんでもない、と何度言っても なかなか信じてもらえなかった。 私はそんなに不満だらけの人間に見えるのか?(^^;
仕方ないので、何かあったら できるだけ自分の気持ちを言うようにしてるけど、 むこうが言ってこないのはあいかわらずだ。 だから、相手がたとえ「どっちでもいい」といったとしても、 過去の経験から相手が好むであろうシチュエーションや 判断材料をたくさん思い出し、相手が好むであろう答えを いかにも私の考えであるかのように提案する、という 非常に遠まわしなことをしないといけなくなってしまった。(^^;
そうすれば、最初から意見が一致しているのだから むこうが無理やり合わせることもないし、 むこうの意見を私が「聞いてあげた」ことによって 「これじゃ不満なんじゃないか」と むこうに思わせることもないわけだ。とほほ。
でもこれって実はすごい疲れるのだ。(--; 他にもこの人と似たタイプの人がいるのだけど、 面倒なので「私の意見にあわせたきゃ好きにしてよ。 でも、あとで不満言わないでね」と 態度がかなり投げやりになってます。(苦笑) それでもその人があきらかに自分にあわせてると 思えることが何度かあったのだけど、 もう放置プレイ状態です。(^^;
その人なりに私を大事にしてくれてるつもりなのかもしれないけど、 「私と違う意見であっても好きなことは 好きって言ってくれたほうがずっといい」って 何度いってもこうなんですから、仕方ありません。 この人とはいずれダメになるでしょうが、 しったこっちゃありません。 自分だけ悪者になるのはもうイヤ。(^^;
「何か不満があったら納得いくまで 話し合って解決する」という協定は 一見美しい友情のように見えるけど、 最近なんだかうさんくさい取り決めに思えてきた。
だって私たちは「納得いくまで」話し合ってなんていないし、 結果的に「解決した」っていうより こちらの不満を押し付けただけになってるのだ。 私が相手に誠実でいたいから 本当の気持ちを裏表なくできるだけ伝えた結果 こうなっているんだとしても、 他の人から見たらむこうばかり不満を言われてるんだから 同情されるのはむこうでしょ? その倍以上相手をほめてることなんて 見てくれないんでしょ?
言っても不満。 黙ってても不満。
どーしろってのさ。
結構最近のことだけど、 あるトラブルがきっかけで、私は知人に 「もうあなたにかかわるつもりはない」とメールを出した。 お互いの付き合い方が不器用だったことが そのときのトラブルをまねいたということはわかっていたけれど、 私はもうその人を信用することができなくなっていたし、 その記憶がある限りずっと自分たちはギクシャクするだろうと思ったのだ。 理由をちゃんと説明したらわかってくれたようだ。
フェイドアウトのほうが希望を残しつつ相手を遠ざけられるから 自分にとっても相手にとってもいいと去る側は思うけど、 去られる側はそうは思わないものだ。 むこうが連絡をよこすのを待ちつづけて、 待つ心がゆっくりと落胆にかわっていく。 やがて、本当は最初から嫌われていたんじゃないかとか、 友達だと思ってたのは自分だけだったんじゃないかとか、 相手の言外にあったであろうものを探し、自分を責めるようになる。 ひどい場合、新しい出会いにすら臆病になってしまう。
だからへたに希望を残すよりは、理由を言って 自分たちは終わりだとはっきりさせたほうが 相手にとってもいいと思っている。 少なくとも、原因ははっきりさせておいたほうがいいし、 相手の全てを否定したいから別れるわけじゃないのだ。 ひどい人だと思われるかもしれないけど、 こっちから申し出たのだからそう思ってくれてかまわない。
ほとんどの場合私からの申し出は一度でとおる。 たまに相手からもう一度チャンスがほしいといわれて やりなおすこともあるけど、大抵うまくいかない。 相手がもうちょっとねばってくれればなあと思わなくはないけど、 自分がそんなに人から欲しがられる存在ではないことは 自覚してるつもりだから、そんなにショックではない。
でも、なかなか人との関係をきっぱり終れないのも現実だ。 この人嫌いだなーと思っても 最初の段階だからまだ自分が相手を よく理解しきれていないせいかもしれないと思うし、 嫌いな人を寛大な気持ちで受け入れられない自分を 恥ずかしく思うから、最初のうちは我慢する。
やがて、相手の姿を見るたびに少しいらいらしてはくるものの、 基本的に人は誰でもいい人でいたいものだ。 相手がよってくればいい顔をするけど、 いなくなったとたんいやーな顔をするようになる。 そして、どうすれば自分がいい人のままで 相手を遠ざけられるのか考えるようになる。
言えばすぐに改善してくれそうな不満を飲み込んで 相手を不愉快な人のままにしておき、 「こんな人と付き合っている自分」のいい人ぶりを その人の悪口とともに周りに吹聴してみたりする。
相手のほうは、そういう場合 自分が嫌われてるとはなかなかわからない。 いつも笑顔で接してくれる人が 本当は自分のことを嫌いに違いないなんて普通は思わない。 最初の段階でその人も相手を嫌いじゃなかった場合、 最初のときのその人の笑顔ややさしさは本物だから、 相手はますます自分が嫌われているなんて思えない。
でも、なかなか自分の拒絶の意思が伝わらないその人は だんだん大胆になってきて、 あからさまに相手を避けるようになる。 相手の行動範囲内にあらわれなくなったり、 連絡をとらなくなったり、 会ってもいらだちを隠さなくなったり。
そのくらいになって相手はなんとなく自分が嫌われているように 思えてくるけど、まだ信じられない。 自分が見込んで好意をよせているその人が そんな人だとはなかなか信じられないのだ。 気のせいなのだろうと何度も不安を否定してはみるけど、 いずれその事実に気づかざるを得なくなる。 やがて相手は、嫌われているのかどうなのか よくわからないままその人の前に姿にあらわさなくなる。 会えば挨拶はするけれど、もう前のようには話せない。
むこうは相手と縁がきれてすっきりするかもしれないけど、 時間をかけてゆっくりとなされる「拒絶」は とてもたちが悪くて、相手に深い傷を残す。 大抵傷つけられるのは、不器用なくらいまっすぐで ずるいことができない人のほうだ。
ずっと仲良くできる人とだけ出逢えればいいのに、 どうしてうまくいかないのだろう。 純粋な人が傷つくのは、あまり見たくない。
数年前、友達のTくんが落ち込んでるっぽかったので 「そんな顔、Tくんらしくないよ〜」とか言ったら 「「らしい」って何だよ。俺のことなんか 何もわかってないくせに!」とキレられてしまいました。
自分らしさを他人に見せるのがうまくいってないからと言って 他人にやつあたりするのはどうか、と思ったものの、 そんなに親しくもない相手に素の自分をさらすことのほうがまれだ。 だから、親しくない相手が自分のことをわかってないのは 当たり前といえましょう。 そんな人に「らしくないよ」なんて言われたら カチンとくるのもわかる気が。。。
つまり、私ってわかってほしいと思えるほど そんなに大した存在じゃなかったってことなのか。(^^;
彼とはそれ以来口をきくのをやめてしまった。 それ以前は顔をあわせるたびしゃべっていたのだけど、 人の絆っていうのはもろいもんだ。 私から折れれば仲直りできたかもしれないけど、 そういう場合、自分から折れる気をおこさないという 私の性格をむこうが見抜いていないのが 悪い。(悪魔)と、そのときは思った。 私だって「わかってない」って言われて頭にきてたのだ。
それから数年たち、私が旅先でした馬鹿なことを 同級生だったAさんに話したら 「○○(本名)さんらしいよね」と言われた。 私はここぞとばかりに 「「らしい」ってどんなん」と相手に追及してみた。
Aさんは言葉につまってしまった。
そのままではかわいそうなので、(^_^; その数年前の出来事を話し、 「らしさ」っていうのはどのへんで判断するものなのか 疑問に思っていたことを話した。
すると彼女は、今までに話したこととか 自分なりにその人のことを観察して頭にたまった情報によって 「らしさ」っていう漠然としたイメージができるのでは ないかというような答えを返してきた。
相手が自分を観察して得た情報を自分の感覚で分類して 頭の中にイメージを作ってしまうので、 こちらが何も訂正情報を送らなければ 見たまま聞いたままの相手のイメージが頭の中で構築されて しまうということなのだろうか。
感じ方やとらえ方は人それぞれだから、 自分が素の自分を見せていても 相手の見せたい自分のイメージを うまくキャッチしきれないこともあるし、 訂正情報を送ってもそれまでの相手に対する イメージのほうが強ければ うまく頭の中で訂正しきれないことだってある。
Tくんは自分のことをあまり話そうとする人ではなかったけれど、 普段話しているイメージからいつも人の真ん中にいる おもしろい人という「らしさ」が 頭の中にできていたことは確かだ。 でもそれは他人向けの顔で、Tくんにしてみれば それはもっとも自分らしくなかったのかもしれない。 彼がその頃人付き合いでいろいろと悩んでいて カウンセリングに通っていたことは 彼と話さなくなってだいぶたってから耳にした。
つまり、相手の「らしさ」がうまく伝わらないのは 発信側と受信側の共同責任ってことなんだろうか? おそらく私はあの時、Tくんに「わかってあげなくてごめん。 もっとあなたのこと教えて」と言うべきだったのだろう。
でも、彼はその言葉を言ったときに どの程度私のことをわかっていたというのだろうか。 むこうが自分のことをわかってくれているなあと感じれば、 おのずと自分も相手をわかろうとするから 頭の中に相手の情報がどんどんはいってくるわけで。。。
なんかうまくまとまらないや。(^^; 他の人はどう考えているのかなあ。 そもそも、自分の思っているとおりのイメージで 周りに見られている人ってどのくらいいるのよ。
たくさんの人の中にいる時のほうが孤独を感じる人間のことは、 同じ思いを持つ人にしかわからないと思う。
でも、同じ思いを持つ人を探すこともなかなかできない。 たとえ同じ群集にいても お互いに自分はたった一人だと思っているから、 まさかその中に自分と同じ存在がいるなんて思いもしない。
仮に出逢えたとしても、そんな「普通」じゃない感情を 隠し持っているから、お互いがそれだと 気づくことはなかなかできない。
相手も自分と同じではないかとなんとなく感じても、 相手に本当に誰もいないはずがないと思ってしまうから、 感情移入して傷つく前に離れることに決めてしまう。 相手のほうは相手のほうで、むこうが別の人を他に見つけたから 去ってしまったのだと感じ、追うこともしない。
だからたとえ出会っていても、 お互いが自分と同じものではないかと感じていても、 たった一人で再び群集の中に戻っていくしかない。 勇気を出せば手が届くことがわかっていても、 相手にとって自分は重要な存在になりえないのではないかと 思い始めると、やはり手をひっこめてしまう。 「友達の一人」は「群集の一人」でいることとさほどかわりはない。
同じ存在かもしれないと思う人を 時々見つけては勇気を出してみるのだけど、 何らかの形でその人は去っていってしまう。 そんなのはもういやだ。
これからは、下を向いて歩くほうが 一番傷つかなくていいのかもしれない。 たとえ隣にそれを感じたとしても、 顔をあげないほうがいいのかもしれない。
もうそろそろ、誰もなくしたくない。
前の彼と別れる半年前。
隣で安らかな息を立てて眠る彼の寝顔を見て、 この人を殺して自分も死ねば 幸せになれるのかもしれないと言う考えが頭をよぎった。
台所への入り口はあいているから、 扉のあけしめで起きられることはない。 今なら。
でも、できなかった。 死が怖かったのではなく、死なないかもしれないことが怖かった。 今以上に不幸を積み重ねてどうするのかと思えた。
目覚めて一人になり、 彼を殺さなければ得られない幸せとは なんなのだろうと考えた。 黙って何も言わずに我慢していれば何もかも手にはいるはずなのに。 何時間か考えて、やっと一つだけ手に入らないものに気づいた。
現状からの解放。
私はそれほどまでに、この人から逃れたかったのだ。
なぜいつもこうなってしまうのだろう。 私は相手に自分を認めてほしいから 相手の悪い部分も反対意見も含めてすべてを認めるのに、 その見返りはいつも相手からの拘束。 相手の意見を全て受け入れるのは、 従順なしもべになったのではなく、 同じくらい自分を認めてほしいからだ。
その結果、私はだんだん相手からの解放を夢見るようになる。 そして、耐え切れずにもがきはじめた私は 相手を傷つけては不思議そうな顔をされ、 悪いことをしないようにもっときつくしばられてしまうのだ。
でも、解放されたところで幸せなのは一瞬だけ。 くさりが一個はずれただけで、今度は 別な鎖があったことを思い出して落胆する。 事実、その彼と別れてから「幸せ」だと 思えたのはほんの数日だけだった。
現状をかえようがないのなら、小さな幸せだけをみて暮らそうと 思うようになったのはそれからだいぶたってからだ。 陽射しやぬくもり、甘い物やキレイなもの。そのときだけのやさしさ。 その日に賞味期限が切れる、その日だけの幸せ。
自分が望んだ幸せのむこうには幸せはない。 では、鎖を全て外せば本当に幸せになれるのだろうか?
……わからない。
足かせを外そうとすれば外せることはわかっているけれど、 外しているところをみられたらもっと頑丈なものをつけられて 今度こそ本当に逃げられないことを思うと、 逃げられるかもしれないと夢をみられる今のほうがましだ。
ひょっとしたら、鎖の重さになれた体は 鎖なしではもう生きられないのかもしれない。 バランスを崩して、歩くことすらままならないのではないだろうか。 鎖を全て外したことがないから、全て予想でしかない。
一つだけわかっているのは、 これが自分の本当の人生なのだということを そろそろ受け入れないといけないということだけだ。 白馬の王子様に迎えにきてもらうには、 抱えているものが多すぎて重量オーバーだし、 自由を求めて走り回るドラマの主人公になるには、 そろそろ年を取りすぎた。
でもときどき、ほんの少しの間だけ夢をみたくなることがある。 この人生から本当は逃げられるかもしれないという夢を。 だけどそろそろ目覚める時間がきたようだ。 白馬の王子様とももうお別れしなくては。
永遠に。
2003年03月24日(月) |
言葉にはできない思い |
心の一番奥の部分の扉を明けておくよ。 光がほんの少しだけもれているから、近づけばわかるはず。
あなたがもし通り過ぎていってしまったら、 扉の開け方が足りなかったせいだと思っておくよ。
だから、離れていくつもりなら、 何も言い訳しなくていいんだよ。
無償の愛っていうのは 賞賛されることもあるらしいけど あなたが差し出しているのは無益な愛。 誰のためにもなりえない。
何の見返りもいらないなんて嘘。 いつかは自分のほうをむいてくれる、って 思っているのでしょう? でも、あなたには何も残らないし、何も得られない。 大事なものを吸い取られて心を潰されるだけ。 取り残されたあなたにできるのは、 一瞬だけでもあの子を求めたことを後悔することだけ。
今なら、まだ逃げられる。 目をつぶっていてあげるから、早く逃げなさい。 もしあの子があなたを探しにきたら、 あなたのことなんて見たこともない、って答えておくよ。
きっとあなたが思っている以上に あなたを欲しがっている人はたくさんいるはず。 だから、振り返ろうとしたり、 戻ってこようなんて考えないで。
浮気って、どのくらい二人の間が 冷えたらしていいことになるの?
ぬぐえない不安は、 かみ合わない会話は、 満たされない気持ちは、
……理由になりますか?
熱は下がったけれど、まだ心はぼんやりとしたままだ。 風邪はいつかなおると思うけど、 心の力はこのまま戻りそうにない。
知人から反戦を訴える署名に参加するよう頼まれたけど、 とりあえず現在風邪気味であることを伝えて他の人に回した。 イラク戦を心配しないといけないような空気が周りで流れてるけど、 私は他人のことを心配できるほど治ってはいない。 心が病んでくると自分のことしか 考えられなくなるっていうのはほんとなんだな。
元気になったら署名させてもらうつもりだけど、 その頃には軍事行動が終わってるかもしれない。 しのごの言わずただ名前を書けばいいんだろうけど、 説明文がろくに読めない状態で署名するのもどうかと思うし。 やっぱり運動している人たちの主張に 納得してからするもんでしょ。そういうのって。 国連でも止められなかった英米を どういう主張で止めるつもりでいるのか、 ちゃんと読んでからじゃないと署名なんてできねえ。
……こうやって屁理屈こねるからかわいくないって言われるのか。 まあいいや。もうちょっと寝よ。
P.S.心配メールくださった方、ありがとうございました。m(__)m 治ったら個別にお返事させてもらいます。(^^; 今はこんな感じなんで。。。ごめんなさい。
最近どうも弱くなっているなと思ったら、 風邪をひいてしまっていた。 大抵の場合呼吸器レベルでおさえてるのだけど、 今回は忙しかったこともあって熱を出してしまった。 実はいま、かな〜りもーろーとしてます。(笑) 最近テレビを見てなかったので知らないのだけど、 イラクっていつから攻撃されてたの?(^^;
実は、最近起こったいやーなことや 自分の周りに対する不満とかいろいろ書いたのだけど、 解決できないことを書いても仕方ないのでやめた。(苦笑) とりあえず今は自分にやさしくしないといけないので、 エネルギーはそっちに使おうと思う。
他の人はどうかわからないけど、 私の場合は風邪引いたところで 誰かがやさしくしてくれるわけでも 看病してくれるわけでもない。(^^; 普通は親とか彼氏とかがやさしくしてくれるらしいけど、 そういうのってドラマか何かの話じゃないの? 私は家族と住んでるけど、ごはんも薬も自分で調達したし、 もちろん彼氏から心配なんてしてもらえないわよ。(苦笑)
とりあえず今晩は両親の帰りが遅いから 今のうちに寝てしまおうと思う。 こんな日にいろいろ言われたら 電車にでも飛び込みかねないくらい 心が弱ってるのが自分でもわかる。 体が弱ってると心にまで影響がくるのだなあ。
主婦の人だと、風邪ひいて体調が悪かろうが なんだろうがごはんはつくらないといけないらしい。 それに比べたらまだましなほうかな。 一人で治す時間があるだけ幸せだと思わないとね。
早く立ち直らないとなぁ。 自分を守ったりいたわれるのは自分だけだ。 助けを100回くらい呼べば 誰かきてくれるかもしれないけど、 この次弱ったときもその助けがないと 立ち直れなくなってしまうかもしれない。 だから、今度も自分の足で立ち上がらなきゃ。 なおったら自分へのごほうびでも買いにいこ。
爆撃されてるイラクの人に比べたらましー!<比べるな。(^^;
2003年03月19日(水) |
カウントダウンをはじめよう |
自分だけでも自分を信じていればいい 周りから何を言われても気にすることはないんだ そう何度も言い聞かせては立ち直ってきた
でも、限界ってものがある
何度立ち上がれば平常心で生きていけるようになるの? 何度立ち直れば何も言われなくなるの?
コンクリートだって、何度もたたけば ひびがはいるものでしょう?
充填するものもなく、 直すこともできないのなら、
あとは、壊れていくしかないんじゃない?
カウントダウンをはじめよう
正気でいられるのはあと何秒?
本当に狂ってしまえば、 指をさされても気にならなくなるかしら?
「きみって、たくさんの人に囲まれてていいね」
どこに目をつけてんの?
私の周りには誰もいないよ。
今までも、
これから先も、
ずっと。
やっぱ、無神経なやつとか、 うまく立ち回れるやつのほうがお得。 相手の都合なんて考えてたらいいように使われるだけ。
人の気持ちなんて考えちゃだめ。 相手の都合なんて考えちゃだめ。 味方を踏み潰すことだってためらっちゃだめなんだ。 遅かれ早かれ、いずれ敵になるのなら 今そうしたところで大差はない。
もっとずるくなれ、自分。 負けっぱなしはもういやだ。
時々、自分の感覚や判断力に自信がなくなることがある。 自分が今「正しい」と言い切ったことは、 実はまったくの間違いなのではないかと不安になる。
学生の時、油絵で抽象画を書いたときのこと。 その絵の中に手を書き入れたのだけど、 先生がこの手の部分はモデルを使って書いたほうが いいと言ってきた。
私は、この絵の世界はまったくの空想の世界だから 本物の手をここに描いたら絵の世界が崩れてしまうと反対した。 しかし、先生はどうしてもモデルを使うべきだといい、 結局いやいやながらその部分はモデルを使って書き直した。
だけど、その絵を見るたびに 手の部分だけ浮いているような気がしてならず、 展示した後は破棄してしまった。 先生や同級生はいい絵だったのに、と残念がっていたけれど、 私にとってはその絵は気持ち悪くてしかたがなかったのだ。
モデルを使ったからこそいい絵だったと 言ってもらえたのかもしれないし、 今見れば私も他の人と同じように あの絵がいい絵に見えるかもしれない。
でも、あの絵はもうないし、 同じものは二度と描けない。 完璧なものや正しいものを いつもぶちこわしているのは 自分なのかもしれない。
私が両親に対して持っている感情や、 周りの人に持っている不信感。 自分が正しいと思っているものや 正しくないと思っているもの。 自分が何かを好きになる理由や、 嫌いになる理由。
それらすべてが、間違っているとしたら?
正解は、どこにいけば手にいれられるのだろうか。
お仕事で、無意識とはいえ 明らかにやっちゃまずいことをしてしまいました。(^^; 顔合わせづらいのに今日もその人と会わないと いけないのがつらいぃぃぃ。
昨日妙にいいことがあったんで なんかありそうだなーと思ってたのだけど、こうくるとは。 やっぱりいいことのあとには悪いことが おこるものなのだなあ。(^^;
あーん、もう。嫌い。<誰を(笑)
2003年03月14日(金) |
欲しい言葉、いらないアドバイス |
そろそろトッド先生を聞きまくるのは控えようと思う。 耳元で毎日「きみは僕のものだ」とか 「きみの壁をゆっくりと取り払ってやる」だとか 何十回も言われると本気になりそう。(笑) アーティストのストーカーっていうのは こうやって作られるのだな、と変な納得をしてヘッドホンを外した。
相手が生身の人間ではないとはいえ、 自分の欲しい言葉を手にいれるチャンスが あるというのは幸運なことなのだと思う。
欲しい言葉を手にいれられない人は、 自分を癒したり問題を解決したりできないだけでなく、 自分の問題が悩むべき問題なのかさえ判断できなくて 誰にも話せないでいることもある。
勇気を出して誰かに悩みをうちあけてみても その相談相手がとんでもない馬鹿(失礼)だったりすると、 悩むことすら罪悪感を感じてしまう結果になったりする。 先日も某コーヒーショップで隣の席の男の子たちが 相談らしき会話をしてたけど、相談してる子のほうが 気の毒なくらい恐縮してたなあ。 「そんなこと気にするなよ!」なんて言うけど、 それですむんならその子悩んでないでしょーが。 私が見たってそんなことわかるのに何言ってるんだか。 あきらかに心配してるっていうより 相談される立場を楽しんでる感じ。
幼稚園の頃、両親が喧嘩したことで つらくて泣いていると、他の子がやってきた。 何で泣いてるのかというので事情を話すと
「うちなんて、離婚してるんだから! 親がいるんだからいいじゃないの! なんで泣くの。弱すぎるよ!」
と、言われた。(^^; 私はその子に「ごめんなさい」と言いながら さらに大きい声で泣き始めたのを覚えている。 両親がいるのにつらいなんて 二度と言っちゃいけないんだと思い、 先生にも泣いている理由を話すことができなかった。
そんなことはないのだ、とわかるのにかなりの年月を要した。 両親が二人揃っている時のほうがつらいという気持ちを、 そうじゃない立場の人がわかるはずがなかった。 私が離婚家庭のつらさを知りようがないように。 相手の問題が自分のそれより小さく見えたからといって、 その人の中でも小さいとは限らないのだ。
とはいうものの、私も少々おせっかいなほうだったので 今考えると反省すべき点はかなーりある。(^^; 人の話を聞くだけなら誰にでもできるけど、 その人に必要な言葉を探し出すのってとても難しい。 何もでてこないなら、何も言わないほうがましなときすらある。 こればっかりはシチュエーションが一緒でも 人によって違うからねえ。 でもできるなら、その人に光を与えられるようなことが 言えるようになれればいいと思う。
どうしたら、そうなれるのだろう。
……あれ、またヘッドホンはめてた。(^^; 中毒だな、こりゃ。
信じないほうはそれでいいかもしれないけど、 信じてもらえないほうはたまったもんじゃない。 だけど、自分も他の人に同じことをしてるんだから 文句すら言えないのが悲しいところ。
「どうして私のこと信じてくれないの?」
「てめーが誰も信じてないからじゃん」
自業自得ってこと? じゃあ、自分だけ傷つけられっぱなしで 我慢していれば解決するのかな。 でも、解決なんてしないでしょ?そんなことじゃ。 人を信じられない人はどこまでいっても人を信じられない。 自分ならこの人をかえられるかも、なんて とんでもない勘違いをして一生懸命になればなるほど 手ひどい裏切りをうけることになる。
信じて欲しい人に信じてもらえない満たされない思いは、 何か別のもので満たしたくなるものでしょ? たとえば、その思いと同じくらいの悲しみとか。怒りとか。 それがそのうち、人間不信の種になっていくんじゃないのかな。
信じてほしい人に信じてもらえなくて人間不信になり、 その人にかかわった人がまた人間不信になる。 こうして、人間不信な人は新しい人間不信な人を 生み出してゆくのでした。
めでたしめでたし。(違)
私が欲しいのは、 気の利いた言葉でもなく、 皮肉にみちた笑顔でもない。 あなたの内側から出てくる、 本当の気持ちを表わした言葉。
利巧ぶる必要なんてどこにもないし、 ここにいない人を傷つけても 私の心なんて動かないのに、 なぜそんなことをするのだろう。
私が思っている以上には、 あなたは私の本当の気持ちを欲しがっていないのだろうか。
私が思っている以上には、 私はあなたの本当の気持ちを欲しがっているように見えないのだろうか。
あなたが無理やり気の利いた言葉をひねり出しては、 私が表情を曇らせる。
いつになったらこの関係はかわるのだろうか。 それとも一生このままなの?
途切れがちな会話。
消えそうな愛情。
望んでいないプレゼント。
ふとした一瞬の表情の変化で これはあなたが望んでいないものだと 私にわかるように、
あなたにもきっと、 同じような私の表情の変化が 見えているだろう。
私たちは今、 二人でいるときが一番孤独だと思う。
でも、二人が離れたら、 孤独が倍になるだけ。
それは、別れなくていい理由になるんだよね?
そうじゃないなら、 新しい理由を作らなくちゃいけない。
だって、 本当に一人になって過ごす明日なんて、 今はまだ考えられないから。
本当はそれが、 一番いいんだってわかっていても。
今日もいやーな一日だった。(苦笑)
やりきれない気持ちで外に出たけれど、 夕日がきれいだったので なんとなくもういいか、という気持ちになった。
誰かにすがりついて泣くとか、 そういうことをしなくても立ち直れちゃう 手のかからない自分がちょっとつらいな。(苦笑)
「きみはなんでも一人でできちゃうんだね」
そういうことを言う人がいたけど、それは正しくない。 一人でやってしまうけど、最初からできるわけじゃない。 頼れる人がいないから、自分でやるしかなかったのだ。 他の女の子よりも機械に詳しかったり力持ちなのは 私が強かったのが理由じゃない。 誰かの手をわずらわせるのが怖かったんだ。
誰かにすがれる人や泣きつける人がうらやましいよ。 自信がなくちゃできないことだよ。 だって「この人は私の手をふりはらわない」って自信がなくちゃ その人に泣きつくことなんてできないじゃない。 どうしてそんなに簡単に「つらいから会いにきて」なんて言えるの?
それに、私が今どんな気持ちでも、 この人のほうがつらいかもしれないなんて思ったら何もいえない。 人の相談に乗ったり話を聞いてあげてる人のほうが、 誰よりも助けを求めてることだってあるんだから。
……それでもやってみようとしたけど、 やっぱり自分にはむいてないってことがわかったよ。 こういう性格は今さら治しようがないんだから うらやましーなんて思っても仕方ないんだけどね。(^^;
しばらくはトッド様が私のカウンセラーかな。(^^; 他人を振り回せばいいってもんじゃないし、 誰にもよりかからなくてすむんならそのほうがいいんだよね。
「甘えられない人間の気持ちがわかる男がいたら、 絶対に離れちゃだめよ」
「そんなやついないいない(笑) いたとしたら、既に誰かのものなんじゃないかな」
いたとしても、私はその人の前でも 手のかからない子でいるんだろうな。
2003年03月09日(日) |
かけられたのは、孤独の呪い |
僕が間違っていた 壮大な計画だったのに ちょっとしたミスがあったんだ
長い付き合いだと思っている人ほど、 私のことを少しもわかっていないと思うことが多い。
そういうのは両親だけかと思っていたけれど、 彼にしても、時々連絡をくれる同級生もそう。 久しぶりに会った同級生ですら 当時の私をわかっていなかったことを知る。 そして今でも、そのわかっていなかった「私」で 今の私を解釈しようとしているので、話が全くかみあわない。 昔の私はそんなやつだったっけ?と聞いていて笑ってしまう。 まるで他の人の話を聞いているみたいだ。
昔の私は、今よりも自分をわかってもらうことに 熱心だったはずなのに、なぜこうなのだろう? 「久しぶりに会ったけど、かわってないね」っていうのは どの部分がかわっていなかったというのだろう。 あんなに一緒に話したり泣いたりしたのに、 私たちは何をわかりあっていたつもりでいたんだろう。
私もたぶん、あなたのことを誤解しているのかもしれないし、 私もうまく自分を表現していなかったから こうなってしまったのかもしれない。 たぶん、どちらかに非があるってことじゃないんだろうね。 とりあえず、私は今のあなたを理解するつもりでいるから、 あなたも今の私を知ってほしいな。
そう言おうとしたけど、あなたが今話したいのは 自分の家族のことだけなんだね。 それとも、今のあなたは夫と子供でできていて 自分ってものはどこにもないって解釈すればいいのかな。 愚痴や不満を言うなとは言わないけど、 あなたが何時間も費やすほど 私は聞きたがってたわけでもないんだよね。 それとも昔の私はただのあなたのイエスマンだったのだろうか? あなたが聞いてくれたのは、私が今独身だって ことくらいだよね。
お互い笑顔で別れたけれど、 自分の笑顔は何に対する笑顔なのかわからない。 今日は一緒に楽しむつもりで会う約束をしたのかと 思ってたのだけど。。。
あなた、一体何しにきたの?
一つだけ忘れていたことがあったんだよ
誰も僕を愛するやつがいなかったってこと 誰も 誰もいなかったってこと
毎日会う人からも、 久しぶりに会う人からも、何も得られない。 不満な気持ちと引換に、 相手が満足しそうなことを言って毎日が終わる。 それでうまくいくならもうそれでいい。
誰も私の話なんて聞いちゃいないのに 一体何を期待してたのかな。 友達ならわかってくれる、なんて 普通の人が言うセリフなのに。 今日あなたに話すつもりだったことは、 わかってもらったつもりだった時代の記憶と一緒に 燃えないゴミの日にでも捨てておくよ。 次に会うときまでに孫の愚痴でも用意しといて。
笑いながら話すあなたの言葉は、 孤独を強めるための呪文でしかなかった。
2003年03月08日(土) |
the verb "to love" |
「愛する」ってどういうこと?
「愛する」っていう動詞はどういう意味なの?
トッド・ラングレンは大好きだけど、 この歌を聴くたびに胸が痛くなる。
愛を探したところで行動が伴わなければ意味がないし、 何かを犠牲にできなければ本当の意味なんて わかるはずもないと言うのだ。
何を犠牲にすれば手に入るのだろうと思った瞬間、 ほぼ同時に「何を」なんて思っている時点で自分には そんな資格はないのだろうなと思い、苦笑いしてしまった。 自分には捨てたいものはたくさんあるけれど、 誰かのために犠牲にしたいものなんて一つもないのだ。
何かを犠牲にしてもいいと思える人に出会ったら そうできるかもしれないと思ったけれど、 自分から先にそうできなければ そういうものにはめぐりあえないのだろうか。
もしかすると、臆病で欲張りな私には 一生無理な話なのかもしれない。
2003年03月07日(金) |
でも、また次の時も同じことを考えるのだろう。 |
「お互いのスケジュールが同じ日にあいたからって、 今日会わないといけない理由ってないんじゃない?」
会おうという話をするたびに、 この言葉が頭に浮かんでは言えないまま消えていく。 会いたくないのは今日だけなのか、と聞かれたら きっと答えられないから黙っているほうがいいのだ。
とりあえず、時計を気にしてしまうくせは 早目に直したほうがいいかもしれない。 あと何時間で「帰る」といったら自然なのだろうと いつも考えているとわかったら、 本当にもう取り返しがつかない。
誰とでもいつかはこうなるんだから、 波風たてても意味はない。 本当はむこうだって同じ気持ちかもしれないけど、 聞く勇気もない。
このままでいいのか、なんて考えるだけ無駄だ。
2003年03月06日(木) |
招かれざるメールフレンド |
困りました。
何が困ったかっていうと。
私のメールアドレスが、あまり知られたくない人に 知られてしまったのです。(^^;
その人というのは、学生時代からあまり好きじゃなかった同級生Oさん。 どうもむこうは私のことを気に入ってくれてたみたいなのですが、 私はあまり好きじゃなかったんですね。(^^; なんていうか、人の話を聞いてないの。(笑) 「天気いいよねー」って話し掛けると「私は健康だよー」って 返事が返ってくるような感じ。わかっていただけます?(^^;
今でも年に2回は電話をかけてきてたのだけど、 彼女が夫もちになってからはますますニガテで。。。 人の話を聞かない主婦って一番嫌いなのになぁ。
で、なんで知られてしまったのかというと。 私と彼女との共通の友達・Rさんが 彼女に私のメールアドレスを教えちゃったんです……。(^^;
複数メールアドレス所有者は結構いると思うのですが、 私もメールアドレスをいくつか持ってまして。 その中の一つの、一部の人にしか教えてないのを 知られてしまったんですよ。 よりによってなんで毎日アクセスするメールアドレスを。。。(涙)
Rさんっつーのが人の話をするのが好きな人でねえ。(^^; 本人は悪気はないみたいなんだけど、 こっちがあまり表ざたにしたくないことを 「●●さんって実はこーなんだよ」ってほかの人に話してしまう人で。。。 何回ひやひやしたことか。(^^;
そういう人に一部の人にしか教えてないアドレスを 教えちゃった私も私なんだけど、 こっちが「一部の人にしか教えてないから」っていって 教えたメールアドレスを気軽に他人に教えていいもんなの?(^^; 私だったら相手に教えていいか聞いてからにするか 相手に連絡先渡して連絡するように言うよなーって思ったのだけど、 一部の人用メールアドレスを持ってる私がおかしいのかなあ?(^^;
まあ、もう知られちゃったものはしゃーないんだけど、 Oさんと頻繁にかかわらないといけないと思うと憂鬱で。。。(^^; 早速第一通目がきてるんだけど、返事出すのがなんだかねえ。。。 でも、もしかするとメール交換をきっかけに 彼女と仲良くなれるかも、なんて思って見たりして……。(^^;(無理。)
プライベートなメール交換は 話してて楽しい人とだけしたいよねー、って 思ってしまうのでした。。。はう。
2003年03月05日(水) |
書くことがないのはいいことなのか。 |
今週はずっと仕事だけしてました。
で、おなかがすいたから食事するとか 眠いから寝るというのではなく、 このままだと体力がでないから食事して、 寝ないともたないから寝るということを していたせいか、今週は考え込むということを ほとんどしませんでした。(^^;
そういう生活をしていると「仕事ばかりしてて むなしくないの」とか馬鹿なことを言われるのですが、 (仕事しなきゃお金もらえないじゃん。生活できないじゃん。 むなしいも何もあるかい。あほか。) 何かと暗い方向に考えがちな私には 何も考えないというのはいいことなのかもなあとか思ってます。(^^; 昨日ちょっと忙しさが緩んだらなんか被害妄想おこしてるし。(苦笑) 時給だったらすごいもうかってるんだろーなあ。 間違ってるよ。時給って。(意味不明) 「これから死ぬまでおこづかいを毎月30万円やるから もう働かなくていい」って言ってくれる人いないかなあ。(笑)
でも、そろそろ休みたいなあ。 コーヒーもインスタントじゃないの飲みたいし、 自分の部屋でも見るたび邪魔で位置をかえたくて 仕方がないものとかあるし。 1曲くらい落ち着いて音楽聴きたいし、 朝の占いで「今週は遠出するとついてます♪」って言われて 「余裕でできねーよ」なんてツッコミをいれるのもそろそろ なんだかなーって感じ。
何も考えないのはいいのだけど、 だんだん自分が消耗していくな。(^^; どっちがいいんだろう。 ○○してリフレッシュだー、なんていっても たかがしれてるんだよね。 何しても先週や先月より微妙に自分のMAX値が減ってる感じ。
なんかのコラムで水商売の女の子が「(こういう職種だと) 女の子って消耗品だよねー」とか言ってたけど、 女の子に限らずあらゆる人間は消耗品なのではないかとか 思ってしまったりして。
はあ、なんかまとまらない。 でも今日はこれで終わり。(^^;
落ち着いたらまたいつもどおり暗いの書きますね。(^^; っていうかこれも暗いか。(^^;
小さな町からやってきた彼は 都会の男になるためにあらゆることをやってのけた しかし、彼の心の中から声がした
「きみは、自分が今もっているものが きみにとって必要なものだと本当に信じているのかい?」
どう考えてもいいことが有り得ない日というのは 朝からすごく憂鬱だ。 でも、取り立ててひどいことはなかったので 少しほっとする。
締め切りがきてデータを提出したあと、 ものすごい眠気がやってきて、 机もちゃんと片付けないまま 誰とも実のある会話もなく一日を終える。 先週からずっと緊張続きだったんだから 許されるだろう。
食事もとる気になれず、そのまま布団に入って寝る。 親がいたら何か言われそうだけど、 まだこの時間には帰っていない。 なんせまだ夜の8時にもなっていないのだから。 携帯が鳴ったようだけど、起きようと思った瞬間に 眠りに落ちてしまった。
目が覚めたら朝の4時だった。 寝すぎ。 とりあえずもそもそおきだしてメールチェックをすると、 さっき出したもののダメ出しの連絡が何個かきていた。 まあ、予想よりは少ないから感謝しなくちゃ。 次の締め切りが提示されたものの、 ぜんぜん急ぐ気になれない。 緊張状態は好きだけど、あまり連続すると疲れてしまって なかなかエンジンがはいらない。
ほかのアカウントもチェックしたら、 日曜に気まぐれで出した大量のメールの 返事が何通かきていた。 ごめんなさい。またしばらく返事かきません。 こんなにすぐに返信してくれる人がいるのに、 なんで放置しとくんだ、と誰かにいわれそうだ。
こんな一日。
これが、自分の選択によって 今の道を歩いてきた結果。 望んだか望まないかはともかく、 選んでしまったのだ。 たぶんこれがしばらく続いて、 ちょっとずつ小さくなって終わるのだろう。
「十年前の自分が見たらどう思うだろう?」と思うこともあるけれど、 十年前の自分が見にくることなんかありえないし、 どんなに情けなく見えても 今の自分はそれなりに嫌いじゃないから 文句を言われる筋合いもない。 でも、後悔が時々頭をよぎるのは、本当はそう思っていない 証拠なのかもしれない。
あの時、ああしてたら、なんて。 思っても仕方がないのに。 走る電車の窓のむこうで、隣り合った電車の中に 幸せそうな自分が乗っていそうな気がしてしまう。 一つでも、自分が心から望む選択をしていれば こうならなかったのだろうか。
……ははは。また後悔してる。(^^; よくないな。
2003年03月03日(月) |
光が強いと影が濃くなる |
ある友人とたまに話をするのだけれど、 最近、自分の言いたいことが彼女に通じていないと 思えることが増えた。
最悪でも最後の部分だけちゃんと聞いてくれればいいのに、 話の一部にばかり注目されて、 結果さえわかればどうでもいいようなことに 目をむけられてしまう。 自分の言い方が悪いのか、実は私は日本語をしゃべっていないのか。 犬が「ごはんくださいよう」と言ったつもりでも ご主人様には「わん」としか聞こえていないような変な気分になる。
途中部分を聞いてほしいわけじゃなくても 説明しなければ話が進まないので そっちの話をしないといけない。 でも説明をするうち、本当に聞いて欲しい結果については 疲れてしまって説明する気力すらなくなっていく。
もともと普段から誰かに 話をきいてほしくて仕方がないと 思っているわけではないので、 そういうことになると理解を求める気がなくなる。 わかりたいと思ってくれているみたいだから 本当は感謝しないといけないんだろうね。
だけど、人同志が理解しあうには こんなにエネルギーを使わないといけないものなのか? みんなが私に何かを話すときは、 いつもこんなに大変なんだろうか?
実際のところ、わかりたいように見えるけど 本当はたまたまその場にいたから仕方なく そういうポーズをきめているのではないかとも思える。 それなら私だってもうやめたいのだけど、 いまいち見極めがつかない。
だって、この話は前にした話を 少し角度を替えて話してみただけなのだ。 そのときに納得しているように見えたのは わかったふりをしていただけだったのだろうか。 前に聞いてくれたことをふまえて聞いてくれれば そんなに難しくないはずなのだけど、 こういうことがあるのは今日に限ったことじゃない。 それとも、前回会ったときの話なんて 重要かどうかにかかわらず覚えていないのが普通なの?
私との話がどうでもいい話だと思ってるのなら 本当にどうでもいい話に切り換えてもいい。 それならそれで、そっちのほうが気が楽なのだから。 というか、大事な友達じゃないなら 今すぐにでもそう言ってくれたほうが、 勘違いしなくてすむぶん気が楽なんですけど。 イヤミとかではなく、本当にそうしてくれたほうが楽。 相手の自分への気持ちと、自分の相手への気持ちの 温度差が違うままで付き合うのって、不幸じゃない?
曇りのない、クリアーな瞳。 何でもわかってあげたい、と言っているような 光を放っていて、私もわかってもらいたいように思ってしまう。 事実、何度もわかってもらった「つもり」でいた。 でも最近、その光が強ければ強いほど、 私の心の影が濃くなってきているように思えて仕方が無い。
そもそも、自分の気持ちを理解してくれた人や 理解したいと思っている人なんているのだろうか? そのつもりがなければないでかまわないから、 わかろうとするふりやわかったふりはやめてほしい。
かなりの壊れモードで仕事中。 以下の文章は少々破壊気味ですので、 読むとあなたもダメになるかもしれません。(^^;
この木曜からうまくいかないことが多すぎて、 三月のカレンダーに書いてある にこやかなお雛様の絵にもイラつく始末。 笑ってんじゃねえぞ!そこの二人!
今やってる作業で わからないところをいろいろ聞いてみるけど、 相手が金曜日から休みで月曜まで連絡がとれない。 締め切りは月曜なんですが。。。(涙) 私も休んじゃうぞ(はぁと)
雨嵐の中、会いたくない人と話したりメール出したり。 土曜は遊ぶもんじゃないんですか?と、いいつつも 実は会いたい人なんてこの世にはいないのだった。けっ。 海行きたいなー。波にさらわれて溺死したいなあ。(危険)
CDをかけてみるけど、どれも今の自分の気持ちにあわない。 いつもは好きなはずのフランクス先生の声も神経にさわる。 自分のストレスがかなりのピークに達していることを自覚。 これだーと思ったののケースの中には CDが入っていなかった。しくしく。 というわけで無音でいくことに決定。 人の声なんかいらない! 人間なんて嫌い! もう二度と笑わないわ!
とか思っていたら宅配の人がきて急遽笑顔モードに変更。 たまにしかこないけど、 このおじさん腰がひくくていいなあ。 近所に代理店があったらここ指定にしたいよ。
ちょっとぺこぺこされただけで機嫌をなおしたものの、 鏡を見たら眉間のしわがよったままなことを発見。こわ。 最近笑ってないからなー。(^^;
とりあえず今の仕事が終わったら 買物でもするか。それまで我慢我慢。
チョコレートを食べて機嫌を少しなおしてはみたものの、 ふと棚をあけたらラベンダーの香りのする芳香剤を発見。 妙にムカついた私は 「私をいやそうったってそうはいかん!」 と棚をしめなおしてしばらくあけないことに決定。 ふふん。まいったか。
……なんとかしてくれー。(涙)
※先ほど、pikoさんちの富士さんの写真でヒーリングしました。 柴犬ってやはりかわいい。(^^)
(昨日の続き。)
予想に反してAさんは私を嫌ったわけではないようで、 むしろ前より話し掛けてくるようになった。 あのことを黙っていたから信じてもらえたのかな。
卒業が近くなり、彼女たちは委員の活動を離れることになった。 その後しばらく二人できていたけれど、 就職活動のためAさんとKさんはばらばらに行動するようになり、 二人とも来ないか一人だけ会議室へくるようになった。 AさんはKさんとこんな状態で大丈夫なのだろうかと思ったけれど、 私と二人でいてもAさんがあの日のような顔をすることはなかった。
ある日、私とAさんは二人で第二会議室にいた。 その日の作業が終わり、一緒に帰ることにした。
「……お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
あの時と同じ表情だ。
変に茶化したらまたつらい思いをさせてしまいそうだ。
「なんでも聞きますよ」
私が答えると、しばらく間をおいて やっとAさんは口をひらいた。
「……胸、貸してくれない?」
……
聞き違いかと思ったけど、聞き返したり、 理由を聞いてはいけないような雰囲気だった。 頭の中が真っ白だったけど、すぐに返事をしないと 傷つけてしまいそうだった。
「いいですよ」
私は、そのときどんな顔をしていたのだろう。 Aさんがもっと困ったような顔をしたのが、 私のそのときの表情のせいでなければいいのだけど。
Aさんはゆっくり近づいてくると、 私の肩に頭をのせて腕を背中に回してきた。
グリーンノートの香りがするなと思っているうちに、 少しずつ体温が伝わってきた。 しばらくして、Aさんが頭をのせているほうの 肩のあたりがぬれてくるのを感じた。
……人の体温って、こんなにはかなくて 頼りなさげなものなんだなあ。
あとになって、私の体は冷たくなかっただろうかとか Aさんの首が痛くならなかっただろうかとか思ったのだけど、 その時はあまりいろいろ考えられなかった。
何があったんだろう。
理由を聞けば、私たちは友達になれるのだろうか。
でも、それを聞いて欲しいのは、きっと私じゃないんだ。
私には、彼女の髪や背中を軽くなでることしかできなかった。
やがて彼女は体をそっと離し、 「ごめん」と言って顔を伏せたまま一人で先に帰ってしまった。 だから彼女があの時どんな気持ちだったのか 私にはわからないままだ。 もしかすると、私ではだめだったのかも。 「いいですよ」なんて 軽々しく言うべきじゃなかったのかもしれない。
その後しばらく私はそこにいた。 見回りの先生がきたときには さっきのことを見られたような恥ずかしい気分になった。
彼女の腕の力と体温は、何分たっても まだ残っているように思えた。 何日かしたらなくなったけれど、 その感触を思い出すたびもらってはいけないものを もらったような気持ちになった。
その後、Kさんを見かけることはよくあったけど、 Aさんを学校で見かけることはなかった。 就職活動が忙しくなったのかもしれない。 卒業式の時に久しぶりに一緒の二人を見たけれど、 Aさんとは話をすることがないまま別れてしまった。
あの時、何があったのか聞きたい気もするけれど、 私でさえ最近まで忘れていたのだから、 彼女も忘れているだろう。 でも、彼女の温かさはまだはっきりと思い出せる。 そのときの居心地の悪さとほぼ同時なのがちょっと考え物だけど。
たぶん、思い出せるくらい体温を感じるなんて経験は、 もう二度とないんじゃないかと感じている。 今の私には、人に分けられるほどの温かさはない。
もうあきらめたつもりなのに、 温かさを誰かに求めている自分に最近何度も気づかされる。 ココアでも、お風呂でも、太陽の暖かさでさえも かわりにすることはできなかった。 何ならかわりになるのだろう。
もう子供じゃないのだから、 だっこはおしまいにしなきゃ。
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