雑感
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2005年02月24日(木) 時間>お金

成長企業が、異分野、同分野を問わず積極的に企業買収を行うのは
突き詰めれば時間をお金で買っているということはよく耳にする。
中途採用で経験者を厚遇で迎えるのも同じことだと思う。
一から部署を立ち上げたり、新人教育をしていたら競争に取り残される
からだろう。

世の中での優先順位はよく考えてみれば、誰にとっても「時間」の
方がはるかに貴重だと思う。

昨日のニュースで、ある社員が内部告発をしたために昇進の機会を
奪われ30年間も閑職に甘んじた後、裁判に訴えて勝訴したとあった。
裁判所が会社に命じた支払額は1400万円ほど。

内部告発して、30年後に提訴するだけの元気があれば、閑職に
追いやられた段階で辞めて新しい仕事に就くことは考えなかった
のかしら。当時は仕事がなくては生活できない事情があったのかも
しれないけど、30年あれば何か始められたのではないかな?
仕事とつまらない関わりをして、30年後訴えた結果が1400万円
ではわりにあわない。


2005年02月20日(日) 豊かになることを想像してもいい

とあるメルマガで
豊かになることを自分に赦してみてはの一文が気になった。

自分の中では、豊かさとか富は一時の移ろいやすいものだと
思って、なるべく関わりあいにならないようにしようと心の奥底で
頑なにがんばってきたのではと思った。
何年か前に全資産を失ったことがあって、富とは怖いもの、不安の
元と思っていた。

「自分の人生に何を赦していますか?」
この問いに答えるのはむずかしい。
自分が好きなことをするときに、できる自由があればと思う。
お金を気にかけずに、安寧な生活を送るための環境があれば
と願う。

今朝、一面真っ白のウィーンの森をジョギングしたときに
瀟洒なお屋敷の前を通りかかった。樹氷がきらきら窓ガラスに反射して
綺麗。夏は芝生が生い茂って、デッキチェアに寝転んで本を読んだら
気持ちよさげ。未来の豊かさを想像してみたら、疲れた脚にも元気
が戻ってきていい一日の始まりを予感した。


2005年02月19日(土) 自然体の生活

連邦労働院のサイトには、会社が支払う給料を入力すると社会保険
と所得税を引いた手取り給料を瞬時に計算してくれるサービスが
ある。
税金と社会保険で35%近く国が先にピンはねするので手元に
残るのは少ない。
今までは自分の収入が少ないことしか、考えていなかったが、
試しに今日は、いろんな家族構成のパターンで試算してみた。

単身世帯で 3000ユーロ稼いで手元に残るのは1860ユーロ
      2500ユーロで1650
      2000ユーロで1400
      1500ユーロで1140
OLクラスの平均賃金は1800ユーロくらいだろう。でも、
3000ユーロと1500ユーロの給料では、実際には700ユーロ
くらいしか差がない。700ユーロでは日本行きのエコノミーチケット
も買えない。仕立てのいいスーツ1着分くらいの差の中で生活している。
もちろんとてつもないお金持ちもいるのだろうけど、実質賃金の格差が
そんなにないと背伸びして見栄を張って生活してもしかたないなと思う。

自分の収入の範囲で、周りの目も気にせず自然体で生活した方が
楽でいい。



2005年02月17日(木) 気持ちが満たされる時

一日のうちの何分間でも、ほんの数秒であっても、自分の気持ちが
満たされる時間を確保できれば、その日は上出来だと思うように
している。

今日は30センチ近く雪が積もり、通勤の路面電車を長いこと
待った。ふりしきる雪の中、手足がだんだんと冷たくなるのだが
雪と、雪かきをする人たちを見ていたらずっと待っていてもいいや
と思った。空から惜しみなく降ってくる雪のせいかもしれない。

お昼時、給料前の超緊縮財政の中、物乞いの脚をひきずったおじさん
に1ユーロを手渡す。宗教心とか同情心ではなくて、お金が手から
手へ渡れば好景気だなとふとしたことから思ったので。
人や団体に寄付するちょっとした金額は全然惜しくないし、かえって
こちらの気持ちが満たされたようでいい感じ。

帰宅して、シュークリーム作りに挑戦。電子レンジを酷使すれば簡単に
出来上がるはずなのにシューの皮が上手く膨らまない。次回再挑戦。
キッチンから立ち昇るバニラクリームの匂いは赤ちゃんのにおいに
似ている。ほんわかと立ち込める香りにしばしうっとりした。

こういった小さな気持ちを集めていけば、一年後には高利回りの
気持ちの定期預金になりそうだ。


2005年02月15日(火) ワンランク下

4,5年前までは仕事や他のことでがんばったご褒美といい訳
して、ワンランク上のものや、さして必要でないものをぽんぽん
買っていた。

ただ、ご褒美と称してゲットしたものがずっと自分の気持ちを
柔らかくしてくれるものではなさそう。
中村うさぎのエッセイを読んでいてふとそんな風に思った。

最近は経済的なゆとりがなくなったせいか、モノに対する興味が
やや薄れがちになった。
自分にとってはいい傾向なのかどうか判断がつかないけど。
バブル時代にある程度、買って所有してという経験を積んだせいか、
昨今はワンランク下でいいやと思ってしまう。


お金があれば幸せか、モノに囲まれていれば
和むかと自問してみるに、一緒にお腹から笑える相手がいれば
すごく満たされるだろうなという結論に達した。



2005年02月08日(火) シンクロニシティとしての最後の晩餐

東京の友人から送ってもらった「ダヴィンチ・コード」を2日で
読了。暗号解読とダヴィンチをモチーフにしたこの作品は読み始めたら
止まらない。
物語はパリのルーブルから始まり、ルーブルで終わる。その間に
ミラノのサンタマリアデッレグラツィエに飾られている「最後の
晩餐」の秘密に触れ、ロンドン、スコットランドと舞台が飛んでいく。
ネットで知ったが、映画化されるそうで、主演の大学教授にトム・ハンクス、
女性暗号解読官にフランスの女優、仏警察の警部にジャン・レノが
予定されているらしい。女優はソフィーマルソーかしら?

友人は暗号解きやフリーメイソンに興味があるので、お返しに
ウンベルト・エーコーの「フーコーの振り子」を送ってびっくり
させてやろう。

ダヴィンチに思いふけっていた週末が明けて仕事に出ると上司に
「最後の晩餐」の見学にミラノに旅行に行くのでついては、予約を
取って欲しいといわれてびっくりした。
すごい偶然と言うには整いすぎているなあと思った。


ある事に関心を集中すると、そのことに関連したものが集まってくるのは
意識が開いているからなんだろう。


2005年02月07日(月) 友の帰還

朝めずらしく電話が鳴った。
母からだろうと思ってねぼけ眼でハローと出たら、マンフレッドから
だった。
なつかしい声。やわらかくて、遠慮がちな物言いは前のままだ。
ここの電話は前のパートナーから教えてもらったそう。電話をしようと
思っていつのまにか4年も過ぎてしまった無沙汰を何度も詫びていた。

ベルリンからチューリヒに異動になって、ようやく住む家が見つかった
らしい。去年の秋にチューリヒのクンストハウスにモネ展を見に行った
時点で彼はチューリヒにいたというのが偶然だねえと伝えた。

パートナーと関係を切った時点で共通の友人の友好関係もあちらに
帰属するものだと思ってこちらからは連絡しなかっただけに、
電話をもらってまた以前のように家族ぐるみのつきあいができるとは
思っていなかった。
新たに友達が増えたみたいでとても嬉しかった。4月にチューリヒ経由で
ドイツに行く用事があるのでそのときは連絡するわねと電話を切った。

一昨日、スイスの銀行に口座を開いた直後の電話だったので、自分の
周りで意味のある偶然がふわりと天から落ちてきたようで不思議な
感じがする。



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