雑感
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2003年02月23日(日) 試走

朝から抜けるような青空が見えたので、寒かったが自転車
に乗った。バーテープを巻いていないので、手袋がつるっと
滑って握り心地もよくないが、走りは抜群に軽い。

自転車道でおじさんライダーとすれ違う。ちらっとお互いの
自転車を見て、それから目が合ったのでにこやかに返す。
いい天気だと、自転車の虫干しと自前のエンジン(心肺と
脚ですな)の点検にどうしても走りたくなるらしい。

プラターは散歩の家族連れで大賑わい。縫うようにロードを
走らせる。冷たい空気が顔にはじけて、ぶるっと震えるが、
気持ちのほうはぽかぽかしている。

ようやく自転車に乗れそうな気候になったんだなと何だか
嬉しい。木々が起きだすのももうすぐ。


2003年02月13日(木) ショップへ

1月から改造にかかっていたロードをようやくショップへ
持ち込んだ。
こつこつと解体作業をしていたが、最後のボトムブラケット
(BB)の片方がどうしても外れなかった。これが外れ
ないと駆動系のパーツ交換ができないので、最後は専門
店へ。

ショップで剥き出しのBBを見たお兄ちゃんがようやく
私の意図するところがわかったと言った。リュックから
新品のクランクセットとBB、チェーンを取り出して
並べる。リア・ディレーラーとリアギアのカセットは
仮止め済み。
外せるものを全部外して持って行ったのは、初めての
店なので交換済みの部品がきっちり戻ってくるかちょっと
不安だったから。

メカのお姐さんが、鋭くBBの軸長とチェーンリングの
枚数をチェック。どうやら寸法は合っているよう。
クランクセットを2組購入するという失敗をしているので
サイズが合っているかどうかは気になった。

火曜日に仕上がるという話。ハンドル周りは自分でやる
ことにしているが、ハンドルを換えてブレーキ、変速
レバーの位置がちょっと下になったような感じがある。
ひょっとしたらハンドルを支えるステムも交換になる
かもしれない。

近くに自転車に詳しい友人でもいれば助かるのだけど
と毎度毎度思う。
あと一月もすれば自転車で遠出できるような暖かさが
戻ってくるだろう。


2003年02月11日(火) 路面電車

職場のあるビルが大改装を始めたので、それに伴い
自転車置き場が撤去されたので、寒いこともあって
路面電車で通勤している。

ウィーン市はいまだに路面電車が重要な交通手段である。
先週は帰宅途中、電車が止まりどうしたのかと思ったら
エンジントラブルで降りるように言われた。高速道路
へと続く幹線を立ち塞いで自動車は立ち往生している。
私はといえば、帰り道の半分を歩くはめになった。
今朝も、停留所で降りようとしたら、うっかり停まるのを
忘れて通過してしまった。でも数十人の乗客は運転手に
文句を言うでもなくひとつ前の停留所へ戻っていく。

この国の人は通勤途中でも急がないんだなと改めて認識
した。路面電車が存在すること自体急がない証拠なんだ
ろうか。来ないときは20分待っても来ないし、来る
ときは3台続けて停留所に停まる予測できない乗り物を
利用していると少々時間に遅れても鷹揚になる。

職場でいつも時間きっかりに到着するボスは地下鉄通勤
をしている。この地下鉄もいつ来るかよくわからない
乗り物。それでも時間どおりに出勤してくるのでどう
やってるのかなあと同僚と話したことがあった。

路面電車に乗ると、その昔、母に手を引かれて天王寺の
病院へ通ったことを思いだした。ちんちん電車が来たで!
と嬉しそうに母と乗ったことがなつかしい。
もうあれから何十年も過ぎたのだなあ。


2003年02月10日(月) ラーソンのカレンダー

仕事帰り、ロードバイクの月刊誌が発売になっているのを
思い出して本屋へ立ち寄った。
お目当ての雑誌の横には、ツーリング専門誌。ドイツの
出版社だから、国内、せいぜい隣国のツーリング案内かと
思いきや、エジプト特集やキューバ特集、はては飛行機で
輪行するこつなども書いてある。
世界一旅行好きなドイツ人は自転車でも果てしなく遠く
まで旅行するらしい。

奥のカレンダー売り場をのぞく。先月はまだバーゲン価格
ではなかったけれど、今日は50%と70%割引になって
いたのでほっとした。家にはカレンダーがひとつしかなく、
きれいな絵や写真のカレンダーがほしかった。

キッチンに掛ける小さ目のカレンダーを物色していると
カール・ラーソンのコレクションが目に付いた。
この画家の作品は以前から気になっていたけれど、画集は
一つも持っていない。
ちょうちん袖のワンピースに白いエプロン、年の離れた兄弟たち、
大家族の団欒風景、大きな台所、こういう世界に身を置いて
みたいと思わせるようなモチーフが月を追うごとに飛び出して
くる。

結局、ラーソンのカレンダーともう一つ水彩画のアブストラ
クトを購入した。キッチンの壁に掛けるとカレンダーから
ほのかな温みのようなものが立ち昇ってくるような気がした。


2003年02月08日(土) 赤の鉢植え

テレーザさんが赤の鉢植えとおやつを持って訪ねてきた。
久しぶりに見る顔はちょっぴりふっくらとしている。

坊やはどうしたのときくと、友達と遊びに出かけたとの
こと。彫りの深い、目元の涼しげな顔が見られなくて
残念。
ハーブティとチョコレートケーキで四方山話。
パートタイムでは生活できないので、来週からフルタイム
の仕事を始めるとか。
自作の絵やマラソンの写真を見てもらったあと、彼女は
言った。しっかりした仕事があって、打ち込める趣味が
あって、いい人生ですね。

隣の芝生は青く見えるという典型例。外国の荒波に呑み込
まれそうになりながら、どうにかこうにか生きている
って感じ。一日をせいいっぱい生きるのに忙しく、未来
のことなんか想像する気持ちの余裕がない。

彼女が帰ったあとに残された鉢植えの花びらは幾重にも
折り重なって深紅の光を放っている。真っ白なテーブル
クロスの上で、そこだけ華やいでいる。


2003年02月03日(月) 黄色いフリージア

月曜日。いつも通る花屋のショーウインドウ越しはフリージア
が咲き乱れていた。山吹色やレモンイエローにほんのちょっぴり
ホワイトの絵の具を混ぜた、ほっそりした姿のフリージアに
少し見とれていた。いつもはダッシュで自転車で通りすぎる
のだが、今日は歩きだったので気がついたのだろう。

今朝もけっこうな冷え込みだったので、こんなに春らしい色
を見ると気分もなごむ。

午後、テレーザさんから電話があった。
去年まで、うちで働いてくれていた気持ちのやさしい人。
個人的な問題に触れるときも、遠慮がちな物腰だけど窮状を
訴えれば、とことん人肌脱いでくれる。
この人の声も軽やかで明るい春のような感じがする。とても
いい人で仕事のやり方も有能なのだが、職場に恵まれない
ようで、失業、転職を余儀なくされている。

「一度会いましょうよ。うちに来てください。」と私が言う。
「そうですね。息子も連れていってもいいですか。」
こんな会話をしているうちに、週末来てくれることになった。

黄色のフリージアの鉢植えを部屋に置いて、客人を待つことに
しよう。



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