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■ あんなこと言わなきゃよかった
あんなこと言わなきゃよかった
雨あがりの濡れたアスファルトを じんわりと踏みしめて 私の背中は街灯と車のライトに照らし出される カサの軸が定期的なリズムを打って 月があとからついてくる
あんなこと言わなきゃよかった
後悔の家路は 水分の多い空気の中で ゆっくりとすすむ
あんなことを言う自分がいやで どうしようもなくなって このまま「ただいま」を言わずに 消えてしまえたらいいのにと 思いながら それでも歩みを止めない
ありふれた日常の帰り道が とてつもなく優しいことを知っている
ありふれた優しさを どうして私は持てないのだろうと 自己嫌悪は少しずつ胸に蓄積されていくばかり
あんなこと言わなきゃよかった
そればかりで 玄関にたどりつく
2003年10月31日(金)
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