皇帝の日記
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ついにこの旅行も最終。 飛行機のチケットを、穴の空くほどチェックして、ベルゲンの空港へ。
やや余裕を持って飛行場へ行き、タックスフリーの手続きを済ませようとしたのだ。 ノルウエーでは付加価値税というのがあり、10000円程度のお買い物をすると、20%程度の金額が、出国時に免税扱いされ、お金が現金で返ってくるという、面倒なシステム。 だったら店で値引いて。
このシステムは付加価値のある物にしか適応されないので、お店に免税のマークがあるかどうかを確認してください。 ヨーロッパではこのシステム適応の国がけっこう有るので、かしこく使いたい。 ちなみにEU加盟国は、EUから最終的に出て行く時点で手続きとなる。
しかもこのシステム、大きな落とし穴がある。 免税を受けるためには、お店で作ってもらう免税書類とレシート、そして未開封の商品を、係の人に見せる必要があるのだ。 チェックイン後の、出国審査をした後の空港内で手続きが行われるため、ゾーリンゲンの刃物など、手荷物にできないものは、未開封の商品を持ち込めないのだ!
ひどすぎる。 もっと手続きを簡単にして・・・。 大きくて高額な家具などはどうしたらいいのやら。
とはまあ思いつつ、ベルゲンで手続きしようとしたら、なんと皇帝達が国際線搭乗扱いになるのは、アムステルダムでの乗り換え時、ということで、ここではタックスフリーなし。
で、いよいよアムステルダムにたどり着くと、乗り換えまでの時間が、かなりカツカツなことに気がつく。 ダッシュで免税手続きをして、むぎゅっと飛行機に乗り込む。 ふう。
帰りの機体は新しかったので、映画が見放題。 一睡もしないまま日本に到着。
色々と問題の多い旅行でしたが、どれも大事に至らなかったので、良しとする。 比較的神経質な皇帝が、ジャバさんから学ぶことはあれですよ。 大抵の失敗は大した問題じゃないって事ですよ。
朝から咳き込む咳き込む。 しかし、今までずっと曇り空だったベルゲンが、本日はじめて晴天。 なんとハイキング日和。
バスに乗って港まで行き、すぐそこまで迫っているフロイエン山の麓のケーブルカー乗り場まで行く。 ベルゲン券で乗り込み、終点まで一気に上ってゆく。 ヨーレリヒ〜。
晴れているので、街と海と遠くの山と家々が全て見渡せる。 素敵ー。
このポイントで、ブランチを取る。 絶景ポイントにはホテルが有って、その一階のカフェで食事を出してくれるのだ。 海老バーガーを食べていたら、海老がパンに詰まりすぎていて、ボロボロ飛び落ちて行き、コーヒーの中にどんどん入っていった。 海老コーヒー。 ちょっと油っぽい。
ハラが一杯になったら、くだりの道を徒歩で降りることにした。 ハイホーハイホー。 夏なので、苔が綺麗な緑色で、びっしり生えている。 映画のセットのような大自然。 天気が良くなって本当に良かった。
麓まで、写真を撮ったり寄り道したり、ざっと一時間ちょっと。 十字架教会が開いていたので、中を見学して、ブリッゲンへ。
ブリッゲンは大昔の街が、極力そのまま残してある区画で、木造の家の中に、今は観光客むけの店が並んでいる。 木造なので、何度か消失しているが、その度に同じ建築方法で建て直されているとの事。 細かい路地を、くまなく見まくり、港の魚市場へ。
ここで、キャビアの缶を家用に幾つか買い、長靴を買い、学友のためにタラコのペースト(アルミチューブに入っているので、歯磨き粉っぽい)と、鯖の缶詰を買い、懸案のイチゴを買う。
青い海と赤いイチゴのコントラストを楽しみつつ、食べる。 昨日見た前衛芸術のまねをして、「この赤さは若者の残酷を、この青は孤独を表現している」とか適当なこと言いながら、カップ一杯分食べた。 甘くておいしかったけど、手が真っ赤に染まりました。
ついでに、いつ見てもおいしそうだった、揚げた魚も食べてみる。 皇帝の顔の2倍分くらいの揚げ魚。 半分以上はカモメに食べられました。
バスに乗って帰る。
沢山歩いて疲れたので、バスの中でうとうとしていると、ジャバさんが「降りるよ」と起こしてくれた。 飛び起きて降りると、なんか違う。 良く似てるけど、なんか違う。
・・・・違う駅じゃん・・・・。
次のバス、30分後だし。
てくてく歩く。 30分くらい歩いた。 またハイキング。
学友の家に到着すると、ノルウエーの家庭料理を作って待っていてくれた。 彼女はこのアパートが、最も狭いアパートだと言っているのだが、48M×48Mだそうな。 広いなあ。 その上、湖の真上に乗り出した広いベランダが付いている。 湖とアパートの間の敷地には、木がわんさか生えていて、ハリネズミや野鳥がうろうろしている。
街からバスで15分で。 仕事9時17時で。 森の中で小鳥と住めるのだ。 税金は高いけど、医療費学費無料。 幸せってなんだっけ、と思う、自殺率No.1国家から来た皇帝は思うのであった。
巨大な揚げ魚を食べたばかりなので、ジャバさんとおなかを減らすために、湖一周ウォーキングをすることにした。 今日は歩いてばかり。 湖の周りは森で、学友によると白夜じゃないときは狼が出るとかなんとか。 皇帝が出会えたのは、よくわからない野鳥と、卵を温めてる鴨、それから大量の蚊柱。
一周すると、やっぱり30分くらいか。 地元の人たちの散歩コースらしく、人通りはけっこう有った。 皆友達とおしゃべりしながら歩いているのだが、蚊柱が口に入ったりしないのだろうか。
ようやくおなかに空きができたので、夕飯をいただいて、寝る。
昨日、けっこうのろのろしていたので、今日はもうがんがん見て周るぞ! と、朝から宣言したら、ジャバさんが「のんびりしたいよー」といい始める。 却下。
鼻水ぶーぶーかみながら、張り切ってバスに乗り、西ノルウエー工芸博物館に行くが、「11:00まで待って下さい」と言われる。 働け・・・。
少しそこから歩くが、ベルゲン博物館(自然史)へ行く。 3階建てくらいの建物の窓に、すっごいでっかいクジラの骨が見えている。 延々と、建物端から始まって、終わりまで、飛び飛びにある窓から骨が見えるのだ。 うわーでかい!クジラってこんなにでかいんだー! 見よう見よう!とジャバさんも興奮気味で博物館に入る。 すると、そこは死んだ動物達の世界・・・。 昆虫甲殻類魚類鳥類ハ虫類哺乳類類人猿ピテカントロプス・・・・・。 あらゆる化石、剥製、ホルマリン漬け、どうやって保存しているのかわからない、ツヤツヤの内蔵標本・・・・・・・・。 そして、かび臭い・・・。
一階には地震の仕組みなどが、子供にもわかりやすく説明してあり、津波を模型で作ることができたりする。 ノルウエーには地震がないのだ。 でもって、地震とはどういうものかを教える機械が置いてあるのだが、レゴが吹っ飛ぶ揺れる板とか、人間が乗れる揺れる床とか。 子供達大喜び。 地震をなめるなよ。
ところで、話題のクジラの骨。 上の階にあったのだが、確かにでかい。 でも窓から見た大きさではなくて、窓から見えていたのは、4〜5組あるクジラの骨が、それぞれ一匹が左端の窓から頭を覗かせ、もう一匹の腹部が真ん中の窓から覗き、左の窓から更に別の一匹の尻尾が覗いていたのだ。 なんだ・・・。
頭部の骨が一番でかく、この頭なら、体もっとでかくていいんじゃない、ってくらいだった。 クジラの肺は、皇帝の体育座りが二個分くらいの大きさ。 短足なのね。
近所は大学の敷地で、緑豊か。 ノルウエーに大学は4つしかない。 そのうちの1個。 小さい小さい言っているが、ベルゲンはノルウエーで2番目にでっかい都市。 ゆうならば大阪。
自然史博物館の裏にあるのが、ベルゲン博物館(文化史)。 ほこりとカビの匂いに翻弄されながら、イプセンの戯曲に関する展示が色々。
博物館を出てしばらく歩くと、ヨハネス教会というのがある。 教会も良いが、ちょっとこの辺は港より一段高くなっており、町並みが綺麗に見下ろせるのだ。 写真を撮って、昨日学友に勧められたカフェに入って、サンドイッチを食べることにする。 パンに、自分の好きなものを言って、はさんでもらうのだが、ここで欲望のままにはさんでもらったら、見事にまずいものが出来上がった。 マスタードと緑のソース(アボカドだと思ったら、違ったらしい)が喧嘩をして、味に踏ん切りがつかない様子だった・・・。
それから、冒頭の西ノルウエー工芸博物館に入る。 今ノルウエーでは、皇帝の苦手な認知何とかとか哲学どうとかとか観念ほにゃららな、現代モダンアートが流行っているらしい。 巨大な編みぐるみの熊が、ひとつのフロアー全体を支配している。 次の部屋には、何故かカラスの剥製(時々目が光る)。 白い布に白くプリントされた顔。
土地・・・勿体無いよね・・・。
そこから、ベルゲン誇る、北ヨーロッパ最大級のベルゲン美術館が、3つの建物に渡って、公園を囲むように建っている。 よし見るぞ。 でもずっとモダンアート。 ああ。 牛乳を入れた陶器のボールを、頭と壁の間に挟み、ずっと立ち続ける。 延々とその映像が展示されているのだが、時々疲れた人が、ボールを落とす。 ボールが派手に割れて、牛乳が飛び散る。 だからなにさ・・・。 笑い話なら、笑ってやるけど、皆まじめな顔をして見ているのだ。 ・・・・笑えばいいのに。 ジャバさんなんか、抱腹絶倒なのに。
黒タイツの男が、学生の円陣の中で、走ったり転んだり、金魚鉢に頭を突っ込んだりしている。 なんで笑わないで済むか。 ゲージツは難しいのう。
ようやく、最後の建物で、ちょっと昔の人が一生懸命描いた絵画を見ることができた。 ほっとしますね。 対象を、真摯に表現しようとするその姿勢。 つか、もう頭が疲れたので、何が描いてあるかわかるだけで喜ばしい気分だ。 サヨナラ、デュシャン。
オスロで二人ともファンになった、J.Cダールも健在。 200年前のベルゲンの風景を、沢山描いて残していてくれている。 描かれた年を見ていると、ダールさんも20代の絵は、あまり上手ではない。 30代後半から、技術力がすごい域に達している。 おじいちゃんになってからは、もうどこにもけちを付けることができないくらい、パーフェクトな絵になってくる。 北欧の重い色の雲が好きらしく、雲の絵が多く、虹も風景の中によく入れている。 オスロに着いてすぐ、二重に重なって出る虹に、ジャバさんはいたく感動したそうで、同じく虹を絵に描いたダールを、とても気に入ってしまったのだった。 でもマイナーなせいか、画集とか見つけられなかった。 しょぼん。 ダールの他にも、良い絵を残している人が沢山居たが、北欧の画家っていまいちマイナー。 ムンクくらいしか、世界的人気画家っていない。 ちなみにダールさん↓明るい絵も描いてる。 http://de.wikipedia.org/wiki/Johan_Christian_Clausen_Dahl
特筆に価するのは、100年前も200年前も、全くベルゲン変わっていないこと。 建物同じだし。 どの絵にも、ホーコン王のおうちと、塔と、聖マリー教会、港、船、ブリッゲンが描かれているのだ。 更にびっくりしたのは、100年前のハンザ同盟博物館の絵があり、やっぱりそこが博物館をしていて、見学している人が居るということ。 今と違うのは、見学してる人の服装だけ。
教会絵画の特別展みたいのが出ていたが、実はノルウエーの人の間で、今宗教が流行っていないので、閑散としている。 キリストの痛そうな像が沢山置いてある。 展示とは関係ないが、ミュージアムショップでキッテルセンさんの絵本を買ってもらう。
さて、今日は水族館に行きたかったのだ。 港の魚市場まで行き、焼きたてのクジラバーガーとトナカイバーガーをむさぼり食べて、フェリーに乗り込む。 おいしそうなイチゴが売っていたが、最近道で売っていたラズベリーを食べて、寄生虫にあたって死ぬという映画を見たばかりなので、やめておく。 港の先っちょにある水族館まで行く。 水族館は19:00までオープンしているのだ。
ペンギンは屋外の水槽で子育て中。 3〜4匹くらいの親が、雛をおなかに沈めて立っている。 小さいが、アシカとか泳ぐ姿も見れる。 それにしても、魚も何もかも、小さな水槽に詰め過ぎ。 ひらめとか、もう全員砂にもぐれないほどぎゅうぎゅうに重なっている。 大丈夫かな。
あと、最も気になる展示が、ノルウエー近郊に沈んだ、ドイツの潜水艦。 今も沈んでいるのだが、水銀のような有毒物質を、80トン以上積んだままとのこと。 きゃー! 英語のパネルをジャバさんに読んでもらっているのだが 「えー!それで、どうするんだって!!?」 「どうするとか書いてない」 「えー!!じゃあこの展示は何のため!!?寄付金よろしくとか、書いてない??」 「ない。お知らせだけ」 えー!!!! 皆病気になったらどうするのさー!! 日本では公害の毒物で、苦しんでいる人が大勢居るってのに! と、今も気になっている皇帝。 どうするのかなー。 どきどきどきどきどきどきどき。
19:00になったので、ペンギンのぬいぐるみを買って、外に出る。 明るいわー。 だらだら歩いていると、新教会がある。 特に中には入れないので、じろじろ外から眺めて、広場で買い物。 とは言え、物価が鬼高いので、あまり何も買えず・・・。 じろじろ。
あ、長靴だ、と靴屋で思った。 日本は梅雨だから、長靴のかわいいのがあったら、履いてみようかな、と思った。 靴屋のお姉さんが、ヴァイキングというメーカーの長靴を薦めている。 ヴァイキングの扱うゴムは、それはそれは性能がいいとの事。 でも高い・・・。 もう一回考えてきます・・・と店を後にし、うろうろしていたら、やっぱり欲しくなってきたので、お店に引き返したら、丁度閉店時間。 にゃー!! うう、明日また来ます・・・。
今日でベルゲンの入れるところには、全て入った。 明日はハイキングして、長靴買うのだ!!
と心に決めて、適当なイタリア料理の店に入ったら、学友が居た。 なんて狭い街だ。
学友は今度転職するので、同僚とお別れパーティーをするのだそう。 同僚達が、皇帝のペンギンぬいぐるみを引っ張りだこにし、名前を付けろというので、オスロでお城を作った王様から取って、クリスチャンさんということにした。 クリスチャンは「太郎」みたいなポピュラーな名前らしく、大変喜んでもらった。 でもペンギン。
食後、スーパーに行って、今朝学友の家で飲みきった牛乳と、使い切ったボディソープを買って帰る。
ベルゲンの朝は遅い。 何故なら昨夜、ジャバさんは学友と深夜まで飲んでいたから。 7年ぶりの再会なので、大変盛り上がったらしい。 そして皇帝は鼻水大洪水。
どのみち、お店も博物館も10:00まで開かないし、ゆっくり出発。 ジャバさんの学友は、もっと早くお仕事に出かけていったので、棚にあったコーンフレークをもりもり食べて朝食とする。
アパートの前から、港のほうへバスが出ている。 というか、全てのバスは港か空港に向かうようにできているようだ。 他に行くべきところがないから・・・。
バスが街の中心に到着したとき、すでに12:00近く。 そこで、旅行者のインフォメーションセンターへ行き、ベルゲン券を購入することにした。 オスロ券に引き続き、ベルゲン券。 ところが、この受付の混むこと混むこと。 どうやらパソコンがフリーズしたり、新しい会社が参入したばかりで、支持がうまくできなかったり、業務が滞っているのだ。 あー・・・と、一時間弱待たされる。 あー・・・。 おなかがすきました・・・。
ベルゲン券は48時間有効のものにして、さて出発。 港前の交差点にある、エゴンというチェーンレストランで、簡単に腹ごしらえ。 オスロにもこのお店は有った。 日本語や韓国語のメニューもあるし、そこそこおいしい。
港沿いにテクテク歩いていくと、ローセンクランツの塔と、ホーコン王のおうちが残っている。 ローセンクランツの塔は、30分に一回くらい、フランス語や英語、ノルウエー語のツアー(定員10名)が出ていて、それ以外には進入禁止。 聞くと、この日は英語のツアーが14:00に出るので、それに行くことにして、とりあえず隣のホーコン王の館に入る。
えーと、色々何もない。 オスロのお城には、ゴブラン織りのタペストリーとか、綺麗な彫刻の入った木製家具とか、王様の死骸(棺桶入り)とかがあったのに。 ここは入れ物だけ。
ここでトイレタイム。 皇帝のトイレメモによると、犬がトイレに向かって吼えている、とのこと。
ローセンクランツの塔、英語ツアーに参加。 この城の歴史は複雑で、中世はじめに元になる長方形の只の塔の横に数百年後、ちょっと縦長の塔が寄り添って立ち、更に後にオリジナルの塔の高さを揃えるために増築し、二つの建物の横幅をあわせる様に増築し、屋根をそれぞれ増やし、見張り台になる建物を付け・・・・。 と、増築を繰り返した結果、色んな建築様式がひとつの建物の中で混ざり合い、壁に窓が付いていたり、部屋の入り口がルネッサンス様式なのに、出口がロマネスクだったり、ぐちゃぐちゃに迷路になっている。 うん、これはガイドが付いていないと、迷子になってしまうかもしれない。
この変な建物は、はじめ王様とか領主とかが住んだり、別荘にしたり、会議に使ったりしていたのだが、そのうちベルゲンでペストが流行ったときに、偉い人はベルゲンを捨ててしまった。 その後ずっと使われていなかったので、人々はこの建物が何だったか、すっかり忘れてしまった。 やがてベルゲンがハンザ同盟の中心地になると、鱈の保管場所になった。 第二次世界大戦のとき、港で爆薬を大量に積んだドイツの船が爆発し、吹っ飛んだ。 修復した。 と、私のヒアリングが正しければ、そう言っていた。
ついでに、当時牢獄として使われていたという、2メートルくらいの狭い部屋を見せてもらった。 色々な犯罪を犯した人や、外国人が入れられていたらしい。 あるとき、台所のバターが盗まれたので、王様が怒り、台所で働く人全員がこの牢に入れられた。 結局犯人がわからなかったので、全員処刑された。 本当にそのヒアリングは合っていたのだろうか。 合っていたら、嫌だな、と思った。
塔の屋上に出ると、港が一望できる。 中世の建物が一番でかいなんて。 景観保護万歳。 ね、素敵な眺めじゃない、とジャバさんを振り返ると、いない。 ん? すると、後ろからついてきたヨーロッパの家族連れが、神様!神様!と叫んでいる。 よく見たら、ジャバさんが岩張りの屋根と壁の間に挟まって落ちている。
・・・・・・え・・・・・。
どうやら、景色と私を入れて写真を撮ろうとして、落ちたらしい。 反対に落っこちてたら、怪我じゃすまないぞ・・・。
塔から出て、すぐ近くの聖マリー教会に行く。 聖マリー教会は、ロマネスク様式で、ベルゲンで一番古い建物。 子供が教会の絵を描いた、みたいな、見事な教会の形の教会。 ドイツの船が爆発したときに、大砲の弾が飛んできたとかで、その玉が展示してある、と書いてあるのだが、玉がない。
すぐ隣に、ブリッゲン博物館がある。 博物館には、ブリッゲン(大昔の商店街だと思ってください)の歴史が発掘品などを中心に飾られ、ドイツの船の爆発したときの被害の状況なんかも、白黒写真付きでよくわかるようになっている。 でも、客がいない。
あまり誰もいないので、ジャバさんと走り回り、007ごっこ(遺跡に隠れて撃ち合いをする)をしていたら、足音がしたのか、チケット売り場のお姉さんが様子を見に来た。 怒られるかと思ったが、笑ってみていた。 というか、けっこう長い間黙って見ていたらしく、気がついて目が合った時に笑われた・・・。 楽しいんだよ、007・・・・。 ゴルゴでも良いけど。
さて、同じ通りのならびに、ハンザ同盟博物館がある。 初日に宿泊したホテルの表だ。 ハンザ同盟は、西ヨーロッパが中世400年に渡って結んでいた、商業の同盟。 ベルゲンはその中心地で、鱈の乾物を主に扱っていた。
ヴァイキング→北欧→ペスト→ハンザ同盟→北欧みたいな。 北欧ってのは、スウェーデンやデンマークの王様が、ついでにこの辺も支配していたりだったので。 だからというか、デンマーク好きじゃないとか、ぽろっという若者もいたりした。 ついでに、ジャバさんがアメリカ人だとわかると、ブッシュ嫌い、という人もいた。 あんま、皆思ってても言わないから、珍しい国だな、と思った。
なんとハンザ同盟博物館は、ベルゲン券が通用しないのだ!! 2000円位するチケットを買って、中に入ると、丁度ツアーの日本人とガチンコになってしまった。 背の高い外国人ツアーなら、競争率の少ない高さから盗み見れるのに、日本人のおじいちゃんおばあちゃんって、丁度皇帝と同じ高さ。 うーん・・・見えない・・・。 ジャバさんは逆に、上から全部見えて、日本語ガイドの話も聞けたらしい。
建物は、当時のまま木造。 鱈の干物も展示してあるので、生臭い。 商人や船乗りの宿泊施設もあり、壁に女の人の絵を落書きしたのが残っていた。 この建物は、女性禁止だったとのこと。 ほんでも、ノルウエーは近世以前から男女同権だったらしい。
さて、実は学友と食事をしようと、港で16:30〜17:00に会う約束をしていた。 日本人で、しかもA型の私としては、この「〜」はなんなのさ、という感じ。 しかも「港」。 広いよ!!
というわけで、16:00に博物館を出ると、チケットに何か書いてある。 どうやら、先ほど行った聖マリー教会の近くに、ハンザ同盟集会所の建物、というのがあり、ハンザ同盟博物館のチケットを買った人は、本日無料で見学できるらしい。 ぎゃー!全部見なきゃ(何で?BYジャバ) すっとんで元に戻るが、一角全部ユネスコの建物で、どれが該当の建物だかわからない。 すると、教会の前に郵便局が。 インフォメーションセンターで発券を待っている間、葉書を書いたので、それを出しがてら、道を尋ねる。 お姉さんは、そこで10年近く働いているが、博物館に入ったことがない。 よくわからない、とのこと。 坂の上をうろうろしていたら、それっぽい民家を発見して、入ってみたら確かに博物館らしい。 しかしこの建物、集会に使われていた、というだけで、特に何もない。
16:45 あー!!遅刻!!(何で?BYジャバ)
さあ!待ち合わせの港に行くぞ!と早足で歩いていたら、学友と道で出会った。 え・・・なんで港にいないの・・・?
よくわからない、よくわからないよ。 でも出会えてよかった。 ペンギンという名前の、地元の人でにぎわうカフェでビール乾杯。 ヨーロッパのビールは味が濃いのう。 電車の中で食べた、レンジでチンのミートボールがまずかったので、ここでリベンジ。 おいしい。 何故ミートボールとポテトにベリーのジャムをかけるのか、よくわからないけど、おいしかった。
地元新聞があるので、読めないながら見てみたら、(発音は違うけど、英語で想像できる程度の違い)「水族館でペンギンのベビーラッシュ、名前募集中」というようなことが書いてあるらしい。 じゃあ明日は水族館に行こう。
夜21:00まで開いている、ということで、H&Mという、北欧のユニクロみたいなチェーン店に行く。 お買い物、お買い物(やめてーBYジャバ)
コンビニで更にビールを買って、バスに乗って帰って、猫と遊びながらビールを飲んで寝る。
オスロ最終日。 副題をあげるなら、「うっかりジャバさんの愉快な一日」
夕方から、ベルゲン行きの飛行機に乗る予定なので、本日の観光予定を、昨夜から練っていた。 まじめだな、自分。 本日の観光地も、全てオスロ券が使えるらしい。
たぶん、私が旅行を計画していたら、初めからオスロinで、ベルゲンまで汽車で行って、ベルゲンoutだったと思う。 なんなんですか、このロスは。
などとまじめに考えているが、朝起きた時点で、喉が痛くて死にそうになっていた。 げほげほ。 ジャバさんも喉が痛い、とか言い出した。 嫌な予感。
朝ごはんを食べる前に、ホテルのフロントに全ての荷物を預け、荷物預かり用の半券をもらうが、もらって5分で半券を紛失するジャバさん。 「あれ、券もらったっけ?」 とか言って、ポケットを探っている。 あー・・・。
ボーイさんに言って、もう一回半券を発行してもらう。 あー・・・。
昨日財布をなくした件もあるので、「今日は絶対無くし物しないんだよ!」と、朝ごはんを食べながら、固く約束したのだが、食後 「あれ、オスロ券なくなっちゃった」 とポケットを探るジャバさん。 あー・・・。
私はそれがどこにあるのか、知っています。 昨日着ていたシャツの、胸ポケットに入っています。
結局皇帝が管理することになった、荷物の半券をボーイさんに渡し、荷物の中から昨日のシャツを出し、オスロ券を回収。 あー・・・。
朝っぱらから面目を失ったジャバさんは、黙って皇帝の強行スケジュールについてくることになった。 まず、24時間開きっ放しになっている、ヴィー・ゲラン公園へ、港の前から出ている12番バスに乗り込んで出かける。 バスもオスロ券で無料。
公園内には、韓国人とフランス人と中国人が詰まっていた。 故ゲランさんは、ノルウエー出身の彫刻家で、この公園内に数百体もの人物彫刻を造り、プロデュースしたのだ。 うまいのか下手なのか、判断に困るが、こう大量に作品を置かれると、もう問答無用でひれ伏しなさい、という感じ。 更に、自分の遺体までも展示してあるのだ。 どういう趣味だ。
趣味ははっきり言って、良くないと思う。 と、皇帝は思った。 遺体は残念ながら公開時間まで待てなかった(11:00〜)のだが、様々な彫刻と、同じポーズをしながら写真に納まるうち、「あんたの言いたいことはわかったぜ!」という気持ちになったので、潔く公園を後にする。 地元の小学生達が、公園の雑草取りをしていた。
バスに再び乗り込んで、港まで戻り、アーケシュフース城という、舌を噛みそうな中世から続くお城に入る。 お城敷地内に、第二次世界大戦時の、反ナチレジスタントの博物館があったので、見学する。 トイレがかび臭かった、とメモに書いてある。 私のメモは、トイレ情報満載。
ノルウエーでは、ナチス支配下で砂糖が食べれなかったので、虫歯になる国民が一人も居なかった、と、当時を振り返る展示。
デンマークなど、北欧を支配していた、建築大好きクリスチャン4世の設計で、ルネッサンス風に作られたお城。 北欧中に彼の建築物が残されており、「クリスチャニア〜」と表記される地名の街などは、ほぼ4世の設計で間違いないとのこと。
雨が降ってきたが、オスロ初日に雨に悩まされたジャバさんは、折り畳み傘を二人分買っておいてくれたのだ。 傘を開きながら、雨に追われる観光客を眺め、「私たち、もう素人じゃないものねー」とかいい気になって言ってみる。 後程、素人でもやらないトラブルを起こすなど、こののんきな二人は思いもしないのであった・・・・。
ぐるっとかび臭い城内を見まくり、近所に近代美術館があったが、モダンアートに興味のない二人は、そこを飛ばし、グランド・カフェという喫茶店にて昼食。 ここにはムンクやイプセンなどの著名人が通っていたらしい。 食事はうまかないっす(ごめんよ)。 食事をしていると、13:30の王宮衛兵交代のため、衛兵が街をパレードし始めた。 時計を見ると13:20。 サスペンス劇場とかだと、きっと探偵に、カフェに居た時刻を聞かれたりするのだ(なんの事件もありませんが)。
食後歩いていると、ハードロックカフェがあったので、ショットグラスを買いに行く。 世界中色んな都市にあるハードロックで販売されているショットグラスには、「ハードロックカフェ・○○○(都市名)」と書かれていて、ジャバさんがコレクションしているのだ。
ホテルの近所にある、国立美術館に行く。 昨日見れなかった、ムンクの作品が、たくさん見れる。 j.c.ダールの作品なんかが見所満載で、予定以上に美術館に時間を割く。
すぐ隣の歴史博物館へ走って行き、ヴァイキング時代の発掘品を見たり、何故かエジプトのミイラ(エジプトに返せ)特集を見たり、中国の円明園略奪品(中国に返せ)展示を見たりして、有意義に過ごす。
ホテルに荷物を取りに帰り、石畳をガラガラしながら、劇場駅からオスロ駅へ。 オスロ駅から、空港までの特急チケットを、昨夜ジャバさんはホテル内のインターネットで購入していたのだ。 素敵だ。 そして、時間に十分余裕を持って、オスロ空港へ。
誰が予想していただろう。
これから起こる、想像を絶する色々を。
あー・・・。 ジャバさんのオスロ→ベルゲン行きのチケットを見てみると、詳しくは、オスロ近郊の別の空港→ベルゲンでした。 あー・・・。
インフォメーションのお姉さんに聞いてみると、正しい空港まで、一番早い電車で3時間かかるとの事。 あー・・・。 成田と関空を間違えたくらいの衝撃。
ジャバさんはミスもしますが、ミスをどうにかするのにも長けているので(これまで幾度そのような事態に陥ったかがうかがい知れますね)、すぐに航空会社カウンターへ行き、元のチケットの飛行機が出発する直前にキャンセルし、何パーセントかの払い戻しを受け、今居る空港から出発する便のチケットを購入したのでした。 あー・・・。
予定より2時間遅れの、21:00発の飛行機でベルゲンへ飛ぶことに。
ベルゲンでは、ジャバさんの京都留学時代の友達(ノルウエー人)が待っていてくれてる予定だったのだが。
到着が遅れる旨の電話が繋がらないまま、搭乗。 あーうー。 と思っているうちに、23:00頃ベルゲン到着。 相変わらず太陽が出たままなので、深夜の気分は全くないですが。 一応夜遅くに申し訳なく思いながら、ジャバさんの学友に電話すると、今から家に泊まりにおいで、とやさしいお言葉。
学友は一人暮らしの30代の女性。 ベルゲンの中央からバスで15分くらいのところの、風光明媚なアパートに住んでいる。 夜中にすいませんねー、と言いながらお邪魔すると、かわいい黒縞の猫がおで迎えしてくれた。
風邪薬は、やはり家に置いていないとの事。 冬に窓を開けたまま裸で眠れる国民だからか。 トローチみたいな弱い薬をもらって、猫と遊んで、本日はさくっと就寝した。
ホテルブリストルの朝食は、おいしかった。 しかしどの観光地も、11:00とか、早くても10:00に開くので、できるだけ見て周りたい皇帝にとっては、旅行プランが立てにくいところだ。 その上、大体16:00とか17:00には閉館、閉園してしまう。 店が閉まるのも、やけに早い。
せっかく日が長いんだから、夏の間だけでも熱心に働いたら良いのに・・・。
そしてこの日、昨日雨に降られたせいか、喉が痛い。 ホテル風呂から、お湯が出ないとジャバさんが騒いでいたが、確かに、ほんのりぬるいお湯しか出ないので、ぬるいシャワーで悪化した気がするのだ。
皇帝と違って、のんびり散歩や日光浴などをして過ごしたいジャバさん。 観光経路を練りに練っている皇帝に、「あのさー、一番行きたいところから順番に行ったら良いんじゃない?疲れたら喫茶店に入ってさー。夕方からのんびりご飯食べようよー」と提案し、即効却下される。
もったいない精神。 朝食が終わったら、すぐさま、開店時間の一番早い、オスロ駅近くのセーター屋へ行く。 母にセーターを買ってくるように言われていたので、大人用XS(十分でかい)を母にと、12歳児用(ぴったりよ)を自分に購入。
重いので、一度ホテルに引き返し、荷物を置いてくる。 さて、やや郊外で一番みたい美術館、ムンク博物館へ、電車に乗っていく。 無賃乗車しても絶対捕まらない自信はあるが(駅員がいないので)、小心者なので、一応バカに高い切符を購入し、打刻。 駅の全ての説明がノルウエー語なので、よくわからないが、一時間乗り放題とか、一日券とかあるらしい。
ムンク美術館は、なんとイレギュラーでお休み。 なんということだ。 市内の観光は、ホテルの付近に発着があるので、またまた引き返す。
ここで作戦タイム。 美術館も博物館も交通費も、あまりにも高額すぎる。 お金が気になって、十分に遊べないのだ。 というわけで、ホテルの受付の人に相談すると、オスロ市内観光チケットが、24時間券、48時間券と存在することを教えてもらった。 明日もオスロに居るので、とりあえず48時間券を売ってもらう。 5000円くらいしたが、ディズニーランド程度だと思えばよし。
さて、オスロ券を持って、意気揚々と港まで歩く。 途中の銀細工のお店で、サーメ族の伝統的文様のデザインされたネックレスを買う。 何故か銀細工は日本の相場よりも安い。
港前の市庁舎前広場で、ジャバさんが空腹を訴えるので、適当なレストランに入る。 目の前にそびえる市庁舎を見ながらお昼を食べていると、ちょうど12時の鐘を、市庁舎が鳴らす。 オスロ券の取り扱い説明書を読んでいると、市庁舎に無料で侵入できると書いてあったので、食後、市庁舎まで行く。
はっきり行って、面白いことは何にもなかったです。 なぜなら、建物の大半は、まだ市役所として活躍しているので、見学できるのはホールまで。 ガイドを雇うと、もっと詳しくみせてくれるらしいが、入場料払って入った人は、きっとがっかりだろう。
市庁舎の外壁の、うまいか下手か判断に困る彫刻を眺めながら、港へ行き、フェリーに乗り込む。 なんとここでもオスロ券が発動! 無料でフィヨルドも見れるフェリーに乗り込むことができた。
対岸の、博物館が点在する港に到着。 ここから全ての施設が、オスロ券活動範囲内なのだ。
民俗博物館まで、結構な距離を歩き、更に館内は広大な土地を利用した、建物の屋外展示なので、その中をかなり歩き回る。 木造の見事な教会などがあり、見所は満載だ。 照りつける日差しに気をつけたい。
その後、近所のヴァイキング船博物館へ歩いていく。 オスロ観光に来た人間が、全てここに来るんじゃないかというくらいの、大盛況。 特にフランス人と中国人の山。 皇帝は、ヴァイキングに特にロマンを感じないので、ざくざくと小さな体を生かして、展示を見終わると、館内のベンチに着席。 ジャバさんはもっと詳しく見たいというので、そこで待機していた。
ところが、なかなかジャバさんが帰ってこない。 ますます入場する人間が増え、人人人となる。 そういえば、ジャバ家の祖先は、大陸に来る前海賊を生業にしていた。 その血が騒ぐのか?かなづちの癖に、とか思っていたら、青い顔したジャバさんが、人垣から出てきた。
「財布がない!」 とおろおろのジャバさん。 それは困った。 とりあえず、監視員のお兄さんに、遺失物届けを出し、前の民俗博物館までの道のりに落ちているかもしれないので、下を向きながら引きかえす。 監視員のお兄さんいわく、ノルウエーで財布がなくなったら、警察が全額保障してくれる、とのこと。 本当かそれは・・・。
疑わしく思いながら、民俗博物館の受付まで行き、遺失物届けを出す。 すると、スタッフのお姉さんが、今まさに、ジャバさんの財布を受付に届けに来たのだった。 ばんざーい。 中身もそのまま。 治安最高。
さて、皆に迷惑をかけ、しょんぼりのジャバさん。 別に、追い討ちをかけて責めたりはいたしませぬが、外国で財布を落とさないようにね(電子ちゃん)。
さて、朝から喉の痛い皇帝。 喉の痛みは最高潮だが、今日中にこの博物館地区を踏破したい! 財布事件でタイムロスはあったが、まだまだいける。 夕日(?)を浴びながら、ずんずんと、やや離れたコンチキ号博物館へ。 いい加減な道路標識に、一度迷子になりかけたが、海を目印に到着。
コンチキ号に関してはロマン。 いかだ(コンチキ号)でペルーからイースター島へ冒険したトールさんの博物館で、http://www.kon-tiki.no/Museum/ こんな様子。 トールさんの冒険は映画化されて、アカデミーまで受賞しているのだ。 しかし、ロマンの証明にはなったが、歴史の証明には、いまだなっていないようす。
すぐ隣に、フラム号博物館。 この船は、皇帝も幼少時から知っている。 世界偉人伝で読んだ、アムンセンが南極点到達した船だ。 確か、冬でも薄着で、窓を開けっ放しにして眠ったりした人の乗った船だ。 記憶とリンクして、ボルテージは最高潮。 しかもでかい! 船が丸ごと展示されているのだ!! 入り口で死んでいる白熊の剥製や、窓際で硬直しているオットセイ、アザラシ、トド、ペンギンもこの際無視して、船の上方に、階段で近づいていくと・・・なんと!船に入れるのだ! 太っ腹!! 大興奮で船内見学。 割と自由に、あっちこっち触ったりできて素敵だ。
更に、すぐ隣に海洋博物館・・・。 こちらは小ぶり。 船マニアにはたまらない模型なんかが置いてあるが、特に船模型好きではないので、あまり盛り上がらない。 別館には、何故か鱈の干物が大量に展示してあり、海臭い。
閉館時間ぴったりに見学終了。 何故か、この日の私の手書き日記メモに 『トイレを掃除する人以上に、重要な仕事はない。トイレを掃除する人は、世界一偉い』 と綴られている。 なんかトイレであったのか・・・。
再び、フェリーに乗り込み、オスロ市内の港で、ロブスターを食べる。 喉の痛みも絶頂だが、ビールでがぶがぶ流し込む。 すると、日本人の観光豪華客船が入港したらしく、大量の日本人観光客があふれ出した。 皆魚介類を注文している。
市庁舎前広場では、WWFの動物写真展が開かれていて、オープンに誰でも見れるようになっていた。 とりあえず、喉が痛いので、コンビニで水を買って帰ったら、なんと炭酸水。 げふう。
暖かい風呂にも入れないしな・・・。 ホテルでぐだぐだ不調を訴えていると、ジャバさんがのど飴を買ってきてくれた。 なんと、市販の風邪薬は、ノルウエーにはないということ。 じゃあどうするんだ、風邪引いた人は。 (後で調べたが、福祉の充実した国なので、風邪引いたら医者に無料で診察してもらい、無料で風邪薬をもらえるらしい。美しい国、ノルウエー・・・。でも外国人には厳しいっすよ)
熱いお風呂に首まで浸かりたいなー・・・と、じっと湯がまを眺めていたら、黒い小さなつまみを蛇口に発見。 押してみたら、黄色いお湯が出た。 あー・・・。
でも何故黄色いのか・・・。
ベルゲンの朝は早い。 いや、ずっと太陽が出ているので、屋根の窓から差し込む光で5:00くらいに起きてしまった。
本日は、この旅のハイライト(もう?)である、ベルゲン→オスロ間を7時間かけて移動する、長距離列車の旅なのだ!! 飛行機より断然高額で、時間もかかる汽車だが、大人気。 この時期のチケットは取りにくいので(夏だから)、大分前からジャバさんに予約してもらっていたもの。 うひひ。 移動中、風光明媚なフィヨルドや、雪山の上などを通過し、氷河も見れてしまう。
列車は10:00発なので、出発までベルゲンを散歩してみようということになった。 ただ、大抵の観光施設は11:00オープンなので、どこにも入れない。 まあ、散歩ということで、身支度を整えて、7:00頃ロビーへ降りる。 朝食は8:30からですよ、と言われる。
ホテルの目の前は魚市場。 7:00オープンのはずだが、昨夜がお祭だったためか、誰もまだ働きに来ていない。 徹夜組と思われる数グループが、船の上やバーの傍らで、まだ飲んでいる程度。 港を覗いてみると、水の明度はかなりクリアだが、スニーカーや鞄が落ちており、昨夜の狂乱ぶりがうかがえる。 しかし、誰も悪酔いしている気配がない。 落し物はないし、喧嘩している様子もない。 大声で話をして、歌って踊っているだけだ。
明るいせいか、治安は良い。 一時間ほど闇雲に散歩したら、街の中心であるU字型の港の、一方の先端まで歩いて、帰ってこれてしまった。 つまり、街を半分見れてしまったことになる。 狭い・・・。 しかも、一直線に先端を目指したのではなく、坂を登ったり降りたり、教会を覗いたり、けっこう寄り道していたのだ。 ジャバさんは、趣味の風景写真を撮るために、何度も立ち止まっていたというのに。
小さな街だが、石畳が綺麗で、古い建物がそのまま残されていて、良い感じだった。 さて、8:00頃魚市場にもどると、さすがにちらほら店が開き始めていた。 さまざまな獣の剥製や毛皮、ノルディックセーター、海産物が売られている。 北海道出身の日本人のお姉さんが、蟹味噌やキャビアを売りさばいていた。 安いのは海産物ぐらいで、後はかなり高額なようす。 おいしそうな様子に負けて、ついつい海老サンドを食べてしまう。 荷物になるから、今回は買い物せず、ホテルに戻って朝食をとることに。
朝食はバイキング式で、とてもおいしかった。 燻製ハム、チーズ、など、発酵食品がおいしいが、味が濃い。 オレンジジュースも牛乳も、なにやら味が濃い。 こういうものなのだろうか。 そして、さすがにヨーロッパ、コーヒーがとてもおいしい。 もりもり食べて、ぐびぐび飲む。
時間がまだ余ったので、汽車の出る中央駅を確認しに、また散歩に出る。 駅までも、歩いて10分程度。 コンパクトな街だ。 駅までの道も、石造りの古い町並みが続いている。 中央駅で、Eチケットを本チケットに変えて、ホテルにのろのろ戻り、スーツケースを手にして、再び中央駅へ。
ヨーロッパの古い街は、全て石畳なので、スーツケースにはやさしくないのだ。 以前、パリでキャスターを壊したことがある。 ガタガタ。
電車に乗ってしまえば、あとは快適。 座っているだけでいいのだ。 ただ、ここで気がついたのだが、大抵のノルウエー人は英語ができて、不自由しないが、駅や公共機関の標識に、ノルウエー語しか付いていないのだ。 嫌な予感・・・。
汽車の旅は、楽しかった。 どのように楽しいか、書くのは難しい。 小さな滝の下を通ったり、岩と雪しかないところに、ぽつんとある家を覗いたり、湖に映る山を見たりだ。 車内でミートボール(ノルウエー料理)を食べながら、ビールを飲んで、さてオスロに到着。
なんと土砂降り。 駅には便利なコンビニなどなく。 タクシーもどこに居るのかわからず。 とりあえず、地下鉄に乗り換えて、二駅行けばホテルなのだが、どこから地下鉄が出ているかも、よくわからない。 雨のため、足早に通り過ぎる人々。
・・・・・・・・だから折り畳み傘持ってきたかったのに・・・・・。
と、思っても仕方がないので、地下鉄の駅を求めて、土砂降りの中、外へ出ると、一瞬でびしょびしょに。 ちょっと屋根のあるところに逃げ込んで、ふと見上げると、交差点の向かい側に、地下鉄の駅発見!
がんばって走れば、行けそうな気がする。 ここでジャバさん「もういいよー。雨やむまで待とう」とか言い出した。 絶対やまない。 そう判断した皇帝は、かたくなに交差点を横断することを主張。 キーキー言い合うこと5分ほど。 今思えば、何をそんなにイライラしたのか(雨に濡れたからだな、間違いなく)一瞬にして爆発のような言い争いをし、「もういい!」とか言って(何がもういいだ)皇帝はざくざく交差点を渡ってしまった。 仕方なく、後を追うジャバさん。 プンスカしながら地下鉄の切符を買おうとすると、なんと読めない。 そして、改札に人がいない。 むっきー! ジャバさんも、ぷりぷりしながら、適当にスイッチを押す。
なんと初乗り600円。 えー!! しかも、一駅間は、たった歩いて5.6分なのだ。 何だそりゃー!と思いながら、ブリブリと2駅先の国立劇場駅に到着。 そして地上に上がると・・・・・・。
そこは晴れだった・・・・。
つまり、オスロは晴れたのでした。
・・・・いや、せっかくの旅行・・・喧嘩しては勿体無い・・・・・。 なんとか無理やりモチベーションを上げ、二人で石畳の上を、スーツケースガラガラ言わせながら、お手手をつないでホテルまで歩いた・・・・。
ホテルは由緒正しいブリストルホテル。 古い建物と、心の篭ったおもてなしが売りです。 荷物を置いて、夕飯を探しに、外に出る。
夜だというのに、相変わらず日が出ている。 沖縄では用心して、強い日焼け止めを塗っていたのだが、北欧と侮ってか、日焼け対策をしてこなかった皇帝。 地平線寄りをぐるぐる回る太陽に、じりじりとくまなく焼かれていくのだった。
無理やり仲直りタイムなので、お互い手を硬く握り締めたまま(いや、無理しているので)、相手を憎らしいと思った瞬間をできるだけ忘れるようにし、一時間ほどうろついた挙句、結局国立劇場近くのシアターカフェーンという店に入り、ノルウエー料理を食べた。
クジラの前菜とか、ワイン。 ワインは酒税が高額なので、やや割高。 黄色い日差しを窓から精一杯浴びながら、自分の顔面ぐらいある、巨大な鹿肉を食べたのでした・・・・。
オスロは黄色い。
深夜に親に車で羽田に迎えに来てもらい、翌朝成田からノルウエーに旅立とうとしていた二人。 実は、沖縄旅行は皇帝からジャバさんに、結納返しのような意味合いでプレゼントだったのだ。 なので、日程表もチケットの手配も、全部皇帝がやり、完璧な仕上がりだった。
しかして、ノルウエーはジャバさんの担当。 絶対なんかあると思ったが、のっけから、飛行機の時間を間違えるジャバさん。 11:20の便なのに、16:00と勘違いしていて、朝のんびりと支度をしていると、インターネットで便を確認した父が、事実を発表。 支度五分で、家を飛び出す。 間に合わなかったら、チケットを変更してもらおう・・・と思っていたが、父ががんばって、成田まで一時間で到着。 メークミラクルだ。 きっと、新婚旅行だったら、成田離婚だ。
しかしノルウエー旅行は今後、こうした挑戦とも思える、ジャバさんのさまざまな失敗に彩られていくのであった。 試されているのですか。
せっかくの楽しい旅行なのに、責め立てても仕方がない。 ということで、気持ちを切り替えて、チェックインカウンターへ走る。 パスポートも持ったし、忘れ物はあわてて出てきた皇帝が、コンタクトレンズを装着し忘れたのと、折りたたみ傘だけ。 まあいいか(と口に出してみる)。
ノルウエーまでの直行便は今のところなく、アムステルダムで乗換えとなる。 乗ったKLMの機体が古かったので、テレビがついておらず、ジャバさんの持ってたiポッドで映画やアニメを見て過ごす。 なんと、音を二つのヘッドフォンで使えるようにする、アダプターを持ってきていたジャバさん。 そういうものは忘れないのだ。 でももっと大事なことがきっとある。
アムステルダムから次の飛行機まで、4時間もある。 アムステルダム飛行場には、時間をつぶせるさまざまな施設があり、美術館も付いている。 リラクゼーションスペースで、指圧とウォーターマッサージをしてもらうことにした。 オランダ人は今世界一大きな人たちなので、マッサージマシンに皇帝が入ると、つま先から下、50センチほどの辺りから、機械がマッサージに入る。
あ・・・・・無駄だ・・・・。
と思う距離が50センチ。 機械の中で、水が往復するたびに、100センチが無駄になっているのだ。 それが終わると、でっかいおじさんが、指圧をしてくれる。 痛い。 痛がっているうちに終了。 飛行場にマッサージ屋さんというのは、とてもいいアイディアだ。
すっきりしたら、美術鑑賞。 英語で解説されているので、ジャバさんに訳してもらい、それから搭乗口まで移動。 掲示板で確認すると、20分以上かかるとのこと。 でかい空港だ。
「ノルウエー人は、靴が綺麗か汚いか、とても気にする」と何かで読んだジャバさんは、途中で靴を購入。
一度、EUに入国の手続きをしなければならないということになり(ノルウエーはEUではないざんすが)、カウンターでセキュリティーチェックを受ける。 すると、ジャバさんが成田で買った、日本酒がひっかかった。 何故。 日本酒は空港内で買われた物であるし、未開封。 だが、チェックの人は、開封されていると言い張り、どうも引く様子がないので、皇帝のバッグに入れて、一度従業員の通用口みたいなところからオランダ国内側に入り、バッグごとチェックインさせた。 セキュリティーに引っかかって国内に入れるとはどういうことだ。 そもそも、爆発物を疑ってのチェックならば、チェックインさせても、意味ないのでは。 そもそもセキュリティーティーチェックで液体小分けにさせて、ジップロックに入れる意味って、全然ない。 とか考えているうちに、搭乗時間も近づいたので、ゲートへ。
飛行機に乗ってから気がついたが、なんと皇帝、コンタクトレンズ保存液(開封済、特大)を、すっかり忘れてリュックサック(手荷物)の中に入れっぱなしだったのだ。 気づけ、セキュリティー・・・。
出発したその日の夜に、ベルゲン到着。 物価の高いヨーロッパに到着。 ユーロの高騰に伴い、EUに参加していないノルウエーでも、クローネが値上がり。 景気が良いらしいのだ。 空港においてあるユニセフの募金箱には、100ユーロがわんさか入って、ほぼ満杯になっている。 寄付金がすでにバブリー。
この日は夏至のお祭の日。 白夜だ。 23:00だというのに、まだ日が燦々と照りつけている。 頭では夜だとわかっているのに、なんだか変な気分。 人も、普通に歩いている。 というか、お祭なので、火を山でたいてる人とか、お酒を仲間と飲んでいる人があふれている。 タクシーは、日本の相場の3倍で、初乗りで1500円くらい。 恐ろしすぎる・・・。
山間に見える民家は、屋根が丸っこくて、かわいい。 沖縄の家は、全体的に四角っぽかった。 きっと角っこが好きなのだろう。 ノルウエーの家はかわいいが、中に住んでいる人たちは巨大でかわいくない。
ホテルは、ハンザ博物館と同じ建物(というか、繋がっている)の奥。 ハンザ同盟でかつて一斉を風靡した建物だ。 ユネスコに指定されているので、取り扱い注意。 古いが、水周りなどは新しく付けられたばかりで、綺麗で清潔。
教科書に出ていたハンザ同盟。 タラの輸出か・・・と感慨にふけっていると、新しく付けられたバスルームの扉が、閉まらないことに気がつく。 アバウトな。
ジャバさんが浴室で「ブラシ忘れた」というので、歯ブラシのことだと思い、すぐ目の前にあるセブンイレブンで買ってこようと思い、ホテルを出ると、忘れていたが夜中なので、というか夜中らしいので、酔っ払いがご機嫌で、あっちこっちで歌い踊り、はしゃいでいる。 でも明るいから、酔っ払いのテンションが、全く不当のように感じられるのだ。 うーん。
ところで皆背が高い。 カウンターに並んでいるのに、売り子さんに気がついてもらえず、何回か飛ばされながら、ようやく歯ブラシを買ってホテルに帰ると、わっしわっし歯を磨いている。 え・・・。 あ、ヘアブラシか・・・。
疲れたので、そのまま皇帝は熟睡。 港に面しており、窓の外からは、大道芸の人がアコーディオンを弾く音がしたが、それが何故かずっとゴッドファーザーのテーマだった。
時差ぼけと太陽に騙されたジャバさんは、その後真夜中の広場に散歩に行ったそうだが、やっぱり日の光の下で見る酔っ払いは、なんだかとってもおかしかったとのことです。
長い一日だった。
さて、最終日がやってきた。 最終日はレンタカーを返却して、空港に行くだけで終わってしまいがちだが、JTBの人に頼んで、ちょっと遅めの便に取り替えてもらったのだ。 夕方まで遊んでいられる計算。
今まで、時差でとんでもなく早起きしていたジャバさん、この日初めて8:00まで起きられなかった。 今までアラーム要らずだったので、起きてびっくり。 ざくざくとパッキングする。
ホテルをチェックアウトし、これは見に行かなければならないと、首里城へ。 ナビを設定しようとするが、カテゴリー「城址」で出ない。 「博物館」「公共施設」と、ことごとく首里城がヒットしない。 んー・・・。 ナビって便利なのか不便なのか。 カテゴライズを間違えると、全然理解してくれないナビ。 結局、「公園」で発見。 正式名「首里城公園」なのだ。 ふーん・・・。 でも普通の人、首里城を公園だと思わないよね・・・。
首里城は・・・・暑かった。 もう、暑さの記憶しかないくらいに暑かった。 あまりに暑いので、ざっと見て帰ろうかと思ったのだが、案内所のお姉さんが、スタンプラリーのパンフレットをくれてしまい、別にコンプリートする必要は全然なかったのだが、何故かそれを挑戦と受け取った二人は、必死で各ポイントまで歩いてゆき、スタンプで首里城を完成させたのだった。 あー暑い。
時々屋内展示があって、その中は冷房が聞いているので、一息つける。 たぶん、そのポイントがなかったら、年間何人かはひっくり返っているだろう。 昼ごろ、館内放送で「大変気温が高くなっております、ご注意ください」とか言われてしまうほど。 ご注意しないとひっくり返るのだな。
じっくり見ると二時間ほどの復元ぶりでした。 中学生以下のお子さんが、平日にスタンプを完成させると、プレゼントもらえるそうですよ。
毎回旅行に出ると、一人暮らしの祖母に葉書を送るのを使命としているのだが、今回適当な絵葉書を見つけることができないでいた。 首里城に来て、ようやく沖縄らしいポストカードがあったので、投函してきた。 祖母に葉書を出すのは、祖母が喜んでくれるという理由の他に、大抵、旅行先で誰かに葉書を出そうと思うと、住所のわかるのが祖母だということによる。 何故祖母の住所がわかるかというと、運転免許書の、本籍地の欄に書かれているからだ。 免許は、世界各地どこに行っても、財布に入っている。
さて、昨夜見てみた、ホテルの向かいの琉球ガラス屋が、品揃えは良いが、高額だったので、ジャバさんが別のガラス屋に行きたいという。 地理的には南沖縄に近いので、前回訪れた、ガラス工房に行こうということになった。 10パーセント割引クーポンも持っている。 さあ行こう、クーポンだ。
しかし、端から真逆に車を動かすジャバさん。 ナビを! ナビを設定しなおして、だいぶ遠回りな感じで再出発。
到着間際に、空腹の絶頂になった我々は、再び「三姉妹」を訪れ、今度はソーキそば定食と、ゴーヤ定食を注文したのだった。 おばちゃんありがとう。 刺身も絶品でした。
ガラス工房では、ロスのキッチンにあうような、ちょっとオレンジと青の配色がビビットなグラスセットなどを購入。 IKEAになさそうな、華奢なワイングラスなんかも買ってみた。 ジャバさんが割らなければ、向こうで愛用しようと思う。
さて、時間があまったので、道の標識を見ながら、おきなわワールドへ行ってみようということになった。 そこに、でっかい鍾乳洞があると、クーポンに書いてあった。 クーポンクーポン。
途中、沖縄の人が自決を迫られた崖とかを通過。 翌日が慰霊の日なので、たくさんの人が集まって、式なんかをしているのだ。 そこを、自転車で快走するモルモン教の人たち。 なんであの人たちは、一目でわかる格好をしているのでしょうね・・・。
さて、鍾乳洞はすごかった。 玉仙洞というとこで、何年前だかに名古屋の人が発見したらしいのだが、大変立派で、涼しかった(涼しさ重要)。 そして、通路に垂れるしずくから、さらに鐘乳ができつつあった。 成長に意欲的な鍾乳洞だ。 なんかの話で、数ミリ伸びるのに、10年くらいかかる、とか見たことがある。 カルシウムが多いのか、コンクリートにくっついたガムみたいな角が、点々と通路に生えてきているのだ。
洞窟を通過してしまうと、後は空港に走るだけ。 時間との勝負だ。 と思ったら、洞窟出口から、おきなわワールドの出口まで、ものすごい距離。 結局施設全ての売店を通過しなければ、駐車場にたどり着けないのだ。 罠が一杯。 「黒糖ここの方が安い・・・」とか「ビール試飲だ・・・」とか、さまざまな誘惑を振り切り、車に乗り込むと、一目散に空港へ。
まずレンタカーを返しに、DFSいや、おもろまち駅へ。 ここでも、ホテルでもらったクーポンを出してみる。 キャンディーもらえたよ。 そして、皇帝の今回厳選したツアー特典により、ガソリンは補充しなくていいサービス。 ふひ。
買い物の誘惑に負けないように、だだだとモノレールに乗り込み、ぐあっと空港に到着。 夕飯まで時間が空きそうなので、アグー豚まんと、ゴーヤまんを買い、ビールで乾杯して、飛行機に乗り込む。
大変良い旅だった。
最後に、22:00ごろ羽田着だったはずの飛行機が、飛行場での事故により、一時間近く上空をぐるぐるしたのさえなければ・・・。
昨日帰りの国道沿いに「琉球村」という看板を見つけていた。 ホテルに比較的近いし、伝統的な村を見る為だけに、またちゅら海やおきなわワールドまで運転するのも大変(島のほぼ西の真ん中にホテルがあるので、どちらも一時間ぐらいかかる)なので、琉球村をチョイス。 あと、昨日の韓国料理屋で、琉球村で使えるクーポンをもらったのだ。 クーポンに踊らされる旅。
琉球村に到着すると、やはり修学旅行生たちの山と遭遇。 もう逃げられない、あきらめよう。 実は、昨日から沖縄は梅雨明けしたらしく、雲ひとつない晴天。 午前中だというのに、殺人的暑さ。 そして、村の中では、村民(の役の人)に、強制的にエイサーを踊らされる。
いえ、私は別に、踊ったりするの苦じゃないんですけどね。 ジャバさんって、思いっきり金髪の外人なので、こういうアトラクションで目をつけられる率、ほぼ100パーセントなのだ。 そして、東京のカフェでは必ず窓際に座らされ、上海の道路では花売りの子供に囲まれるのである。
沖縄といえば、ハブ。 ハブショー。 しかし、何とか法により、数年前からハブとマングースの決闘は、みれないことになっている。 でもって、3Dで見れるのだ。 このように→http://www.ryukyumura.co.jp/02_habu/p02.html 3D自体は、実に他愛もないもんで、なんとも言えないが、「ハブの攻撃能力実演」というのが、バーのところでチラ見えしているおじいちゃんの、独特の語り口調が良く、楽しい。 ハブオイルが蚊刺されに良く効くと、おじいちゃんが豪語するので、買ってしまった。 昨夜韓国料理屋で蚊に刺され倒したので、付けてみる。 即効性は有ったかどうかわからないが、一週間たった頃には、全く痕が残らず消えたので、オイルとしては上々なんでないでしょうか。
ハブショーの間は冷房が効いていたのだが、外がやはり殺人的に暑い。 あー暑い暑い、と思いながら、鯉の餌を自動販売機で購入して、池に撒くと、ありえない量の鯉が、うぞうぞ寄ってきた。
暑い・・・。 しかし村民はへっちゃらそうだ。 暑くないのか。 そうか、まだ6月だしね。 暑い・・・。
ぼーっとなってきたので、黒糖を買って帰る。 本日は、ホテルのビーチで遊ぼうと思っていたのだ。 しかしその前に、昨夜酔っ払いながら聞いた、バーのマスターお勧めのタコス屋に行こうということになった。 酔っ払いの情報なので、もちろんたどり着けなかった。 どこにもたどり着けないままに、山道をさまよい、西海岸に居たのに、いつの間にか東海岸を走り、山を越え谷を超え。 「もういい、最初に出遭った食堂・・・」と言ってみたが、その時我々は、人の気配すらない(ウソ、基地はあった)山奥に居た。 あー・・・。
結局、ナビを見ながらホテルに戻り、近所のコンビニでタコライスを購入。 パクつきながら、ビーチに繰り出す。 昼のビーチは修学旅行生に占領されていた。 では、と、ホテルにくっついている、アトラクションを見てみる。 高校生にはできない、贅沢な遊びをしようというのだ。 ひひひ。
16:00〜のグラスボートを予約、更に、18:30〜のサンセットクルーズも予約。 他にも水中散歩やダイビングなど、面白そうなメニューが目白押しだったが、とりあえず時間の制約があるので、その二つだけ。 時間までビーチで遊ぶために、ペダルボートを30分レンタルする。
ペダルボートとは、水上自転車のようなもんで、池の白鳥ボートと同じく、こぎこぎして水上を移動するのだ。 水に触れない遊び。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暑い・・・。 こぎこぎこぎ。 遊泳禁止区域まで乗り出せるのが魅力だが、水に入れない海って、けっこう魅力がないことを、5分で発見した。 そして、ジャバさんには申し訳ないが、皇帝はペダルに足が届かないので、ジャバさんが一人でこぎまくる。 頭から湯気が出そうな日差し。
と、浜で高校生が怒られている。 なんか守れなかったとかで、海で泳ぐの禁止、とか先生に言われている。 こんな青い海まで出てきて、怒る仕事の先生って大変だ。 しかし何をしたか知らないが、一生に一度の修学旅行、泳がせばいいじゃないか・・・先生・・・。
とか何とか思いながら、25分くらいでペダルボートを返しに行く。 すると、高校生達はスイカ割りを始めていた。 でも、悪いことをしたらしい、首謀のグループは、まだ説教されていた。 あの子らの修学旅行の思いでは、浜で怒られた、だ。
で、高校生も海から上がったので、遊泳区で泳いで見る。 晴れているので、海は底まで見渡せる。 ちゅら海水族館で、毒の生物は予習したので、やたら針の長いウニ等には近付かない。
グラスボートは、他の乗客がおらず、船長さんと我々だけ。 シャコ貝やニモ、大きな魚がうようよと沖合いに居る。 船長さんが食パンを撒くと、うじょうじょっと魚が寄ってくる。 この日はこういう魚を見るのは二回目だ・・・。
ホテルへ戻り、時間が半端に余ったので、向かいのガラス屋に行ってみて、帰りにホテル付属のエステで、マッサージの予約をする。
夕方、サンセットクルーズに参加する。 ビールのサービスがあったので、ぐびぐび飲む。 ぐびぐび。
ホテルに戻り、和食の食堂に入ってみる。 沖縄ブランドの豚肉を、しゃぶしゃぶで食べ比べることにしようと言いながら。 琉美豚とかアグーとかを、もりもり食べる。 もりもり。 米に良くあうおいしさ。 ついでに、青くてピンクの線が入っている、ネオンな色彩の魚、イラブチャーをお造りでいただく。 見た目に目をつぶれば、固い身がおいしい魚だ。
食べ終わってから、初日に使い損ねたクーポンを出してみると、なんと4000円お得になった。 チーン。 あんなに食べまくって1500円とわ。 このホテルは大丈夫か。
申し訳ないので、更にロビーのライブを見た後、バーで泡盛ぐびぐび飲んで、エステへ。 初日の指圧と違い、もみもみと気持ちいいマッサージ。 すると、隣の部屋から、ジャバさんの大イビキが聞こえてきた。 寝てしまったらしい。 ホテル内でよかった。
朝方、ジャバさんがのろのろ準備をしている間、もう一回クーポンの類を見ていたら、昨夜のバーで割引クーポンが使えたことを発見し、なんだか悔しい気持ちになった。 クーポンって、幸せになるためのエッセンスじゃないのか。 損してないのに損した気分。
本日はジャバさんたっての希望で、ガラスを吹きに行く。 ガラス工房を目的地に設定して、出発。 一時間ほどで、南沖縄に到着。 ガラス体験コーナーでは、職人さんの指示とともに、自分の選んだ色のガラスを吹き、コップを作ることができるのだ。
対になるように、二人とも同じ水色のガラスをつけてもらう。 赤く燃えたガラスを筒の先に付けてもらって、コップの型みたいなとこにあてながら、思い切り吹く。 それから、左手で筒を回しながら、コップの飲み口になる部分を右手の金棒で均すのだ。
皇帝は、自慢ではないが、こういう小技みたいのが、大得意だ。 プー、クルクルクル。 と、売り物のように立派な薄いガラスのコップが出来上がる。 しかも軽い。
そしてジャバさんは、手先が大きいせいか、あまり小さなことをするのが、全く得意ではない。 クルクル回すところが、カタカタ回っている。 もちろん仕上がりも、飲み口がカタカタガクガクしている。 そして重い。
でも良いのだ。 彼にとって、何かが上手に完成することは、大事なことではない。 それを体験したことに、意味があるのだ。 既製品ではけして手に入れることのできない、分厚いコップを造り、とても満足気だった。
ちなみに、ガラスは冷えるまで時間がかかるので、後に黒猫で家に送ってもらう仕組み。
体験系に興が乗ったので、同じ施設内で、ガラスアクセサリーを作成することにする。
ジャバさんは、トンボ玉を自分で造るコース。 皇帝は、すでにあるちゅら玉(琉球ガラスのビーズみたいなもの)を選び、革紐で組んで、アクセサリーを作るコース。
何度も言うが、皇帝は、そういうことが圧倒的に非常に得意なので、編み技などを駆使して、売り物よりもゴージャスなネックレスを完成させる。 (ちなみに、編みのイメージは、こんな感じ→http://item.rakuten.co.jp/riverflow/10059/)
隣のトンボ玉コーナーでは、指導のお姉さんがジャバさんと格闘している。 がんばれ(主にお姉さん)。
やがて、ジャバさんが工房から出てきて、お昼ご飯を所望。 トンボ玉が冷えるまで、一時間ぐらいかかるのだ。 車で出かけて、あえてナビをつけず、「最初に出会えた食堂が、運命の食堂だ」とか、わけのわからないことを言いながら、闇雲にサトウキビ畑を突っ走る。 適当に走っていたら、袋小路っぽい郵便局にぶち当たり、その向かいに、「三姉妹」という食堂を発見。 なんだか年季の入った店構え。 今まで、食事運はほとんど良くないこの旅行。 嫌な予感がする。
具志川・・・そういえば、仕事をしていたとき、具志川にもお得意先のお店があって、時々注文があった。 一体誰が、この広大な自然の中で、うちの機能的でない商品を身につけていたのか。 というか、そんなファッションショップ、売り場はどこにあるのだろう・・・もっと国道側か・・・。
とか考えていても腹が減るだけなので、さっさと注文する。 沖縄そば定食と、三姉妹定食。
うまい。
これはうまい。 特にラフテーが絶品だ。 煮物が悶絶するうまさだ。 うまくてお勧めなので、リンクもはっておこう。 http://www.k3.dion.ne.jp/~sansimai/ えい。 この下の、「喜屋武について」というとこをクリックしていただけると、どんなロケーションなのかわかると思う。 ああおいしかった。
若貴兄弟の手形入り色紙もあったので、手を当ててみると、ジャバさんの方が大きかった。 この手先では、小さなシーサーの口なんか、開いてようが閉じていようが、そんなことは些細なことだ。
満腹になったので、前述の郵便局でお金を引き出してから、ガラス工房へ帰る。 郵便局誰も居なかった。 ご飯か。 ならば仕方がない。
さて、ジャバさんのトンボ玉は、お姉さんの努力により、なんとか形になっていた。 それを使って、ネックレスを作るのだが、ジャバさんにできるのは紐に通すくらい。 しかし、ジャバさんは皇帝が先に作っていた編み編みのネックレスが良いと言うので、作り方を教えながら、二人で編んで・・・・みたのだが、無理だと思った・・・。 なぜなら、ジャバさんの指先で紐をつまんだら、ビーズまでもが覆い隠されてしまい、細工をするどころではないのだ。 しかしじっくり取り組めば、編み編みもできるかもしれない。 と、激励しながら、何とか簡単なバージョンで編みネックレス完成。 長かった・・・。
さて、近所にひめゆりの塔があるので、行ってみる。 修学旅行生でまんぱんなひめゆり。 献花して、一通り見学して、ホテルに戻る。 沖縄戦というのは、まず戦争したことに怒って、沖縄全てを巻き込んだことに怒って、降伏しないで犠牲を増やしたことに怒って、と、過去に怒るところが一杯なのだ。 とても旅行中楽しい気分になれるところではない。 でも、何度も思い出さないと、人間は学ばないので、原爆ドーム同様、訪れることに意味があると思う。
帰り道、国道沿いで電気屋を探し、コジマを見つけたので、アダプター変換器を買い、ホテルのビーチへ直行。
オフシーズンの上、夕方だったので、親子連れ一組以外いないビーチ。 小一時間泳ぎまわる。
ホテルの前に韓国焼肉があったので、行ってみたが、オフシーズンのため客がいない。 しかし窓が開いている。 なので、蚊が入ってくるのだが、他に餌がないので、皇帝に集中して飛んでくる。 とてもじゃないけど食事を楽しんでなど居られず、飛び出てくると、その隣に一杯飲み屋が。 蚊取り線香を炊いてもらって、蚊取りネットをもらい、泡盛のカクテルを飲んで、看板犬のチワワの小次郎さんと遊び、でろでろになって、ホテルに戻って眠る。
ホテルの朝ごはんは、バイキング。 もりもり食べて、コーヒーを飲んで、席をたつ。
昨日皇帝に無駄に怒られてこりたのか、ジャバさんがついに国際免許を持って、運転。 ナビの目的地を、ちゅら海水族館へあわせて、出発する。 ちゅら海は人気スポットなので、どのクーポン冊子を見ても、割引が見つけられない。 クーポンって、有ったのに使わなかったりするのを、発見したときの悔しさったら、もうないじゃないですか。 例え100円200円でも、クーポンって使い損なうと悔しい。
ってなことを考えていると、道のところどころに、「ちゅら海水族館割引入場券販売中」とかいう旗が出ている。 コンビニやダイビング教室などの窓口で売っているらしい。 ダイビング屋さんの駐車場に停めて、チケットを買いに行くと、160円引きのチケットを売ってくれる。 二人で320円お得。
さて、走行しているうちに、雨が降ってきて、やがて大雨に。 それが、半端ナイ降りぶりで、水族館の駐車場に着いてなお、外に出ることができない激しさ。 少し車内で待ってみたのだが、一向にやむ気配がないので、猛ダッシュで走り出てみる・・・・・・・・・。
これからは、思い出すのも書くのも悲しいのだが・・・・・・・。 はあ。
この時皇帝は、ハワイでジャバさんに買ってもらった、貝のネックレス、シェルレイをしていたのだ。 んで、走っていたら、するっと首から抜けてしまった。 抜けてしまっただけなら良かったのだが、駐車場だったので、落ちたところを、後続車にひかれてしまったのだ。
はあ。 はああ。
悲しすぎる。 悲しすぎるが、とにかくハンカチにネックレスを回収し、濡れない所まで走っていき、傘を買う。 すでに全身ずぶぬれだが、何故人間は傘を欲しがるのか。
館内に入ると、冷房が寒いので、あらかじめ持っていたセーターを着て、ぶらぶら周る。 水族館は、大変クオリティが高く、清潔で規模も大きい、申し分ないものだった。 サメの大きいのを見たが、その大きさでも、まだ子供のサイズだと言うから、もっと大きくなるはず。
屋内展示を全部見終わって、外に出ると、なんと雨が上がった。 がびーん。 強烈な日差し。 傘を日傘代わりにして、屋外のイルカショーと、クジラショーを見て、海亀の水槽とマナティーの水槽を、地下から覗く。 皇帝的には、マナティーが今回の生物では一押し。 大きいし、愛嬌があるし。 水槽の中を、ぐるぐる自転公転しながら泳いでいるのが良かった。
水族館内のレストランで、沖縄料理バイキングをした。 昨日の沖縄料理よりもおいしく、特にサーターアンダギーが香ばしく、食べやすかったので、もりもり食べる。
しかし日差しがきつい。 雨が降っても困るが、晴れると観光が厳しいくらいに暑い。
さて、水族館の付いている施設内に、色々な施設がくっついており、けっこう時間をかけて巡ったので、すでに夕方。 今からできる観光はーと地図とクーポンを見ていると、ちょっとだけ離れたところに、シーサー造りを体験できる琉球窯という所が有るらしいということがわかったので、ナビに入力して走り出す。
そして、いまだに原因がわからないのだが、ナビがその瞬間だけ、とても嘘つきになり、何故か何度設定しても、目的地周辺施設を設定しても、しつこく那覇市内のどっかを目的地に変えてしまうという、不思議なことを繰り返し始め、結局、最終受付17:00に、間に合わないかもしれないという事態になってきた。 肉眼で地図を確認すれば、国道でほんの15分の距離にあるはずなのに、何故かウソを付き続けるナビ。
窯に電話をすると、「ちゅら海から?すぐですよー」と言ってくれるのだが、どうしてもナビはわかってくれない。 けっきょく、ジャバさんが地図を見ながら移動。 山っぽいところを通っていったのだが、ビッツなので、上り坂で力が出ない。 いつも排気量の多い、燃費の悪そうなスポーツカーに乗っているジャバさんは、ハンドルを叩きながら「ガンバレーガンバレー」と言うのだが、がんばるはずもなく。
のろのろのろのろ行くと、山っぽいところの真ん中に、琉球釜発見。 受付5分過ぎていたけど、快く招き入れてくれて、しかもクーポンも使わせてくれた。 ありがとうございます。 しかも、シーサー体験は60分、と書いてあるのに、二人ともディテールにこだわりすぎて、結局120分かかっていた。 店の片づけを始める指導の人。 しかし、一向に手を休める気配のないジャバさん。
皇帝は先に終え、必要な書類をジャバさんの分まで書き込む。 シーサーを粘土で作ると、店の人が乾かし、焼いて仕上げをしてくれるのだが、大体完成まで一ヶ月くらいかかるのだ。 だもんで、一ヵ月後、黒猫で届けてくれる用に、書類を書く。 他の人のものと間違って送られてこないように、自分のシーサーの特長とかを書いておくのだ。
で、ジャバさんのシーサーの特徴を書こうと思ったら、なんかおかしい。 一生懸命作っているのだが、何かが違う。 シーサーというものは、二体で一組。 一方の口が開いていて、一方の口が閉まっているものなのだが、ジャバさんは、作り始めるときに「俺口の開いてるやつ作る」と言って作り出したのに、シーサーの口に、歯や牙をつめているうちに、すっかり口が閉じてしまっている。 ・・・。 まあいいや。
そんなわけで、来月うちには口の閉じたシーサーが二体来るのだ。
ホテルへ戻る途中の国道で、ソーキそばを食べて、ホテルで一休みしてから、一階のバーで泡盛の飲み比べをして寝る。
前日成田から我が家に来ていたジャバさんと、羽田へ。 福はジャバさんが怖くて、一度も食卓へ来なかったていたらく。
大雨の那覇に着いてから、レンタカーを取りに、モノレールでおもろまち駅というとこまで出て行く。 けっこう遠いのだが、モノレール代はレンタカー会社が出してくれる。 そして、只より高いものは無い。 なんとおもろまち駅には、罠があったのだ。
駅にDFS、免税店がくっついている。 車を取りに来て、買い物させられるとは。 とりあえず化粧品を買って、ジャバさんに引きずられながらビルから出る。
ナビが付いているので、初めての土地でも迷子にならずにすむわけなのだが、なんとジャバさんが、右ハンドルになれるまで、とかいって、運転を拒否。 雨の中、ペーパーの皇帝がノタノタ運転する。 しかも高速なんて、教習のとき以来、全く乗っていない。 ついでに、実は沖縄の道というのは、石灰かなんかが入っていて、本土よりも滑りやすいとかなんとか。 怖い怖い。
あとナビって、あの独特の言い回しとか、慣れるまで難しい。 『直進方向』ってなんだ。 そしてよく間違える。 『斜め左方向です』とか言われても、斜めも左もないときがある。 あああああああああ。 とパニックになっているところに、「チョクシン?チョクシンってどういう意味?どういう漢字書くの?」とか聞いてくるジャバさんに、パニック2倍。 あああああああああ。
地名も難しい。 『次、料金所を出て、ハエバル方面』 え?? 道路標識には、ローマ字も表記されているので、じっくり読めば「南風原」がハエバルなことはわかるのだが、パニックしているのにとっさに読めない。 そこへジャバさんが「ミナミ、カゼハラー。ワラ?オダワラー。ワラ!ワラ!」とか、独り言を言い出すので、ハンドルを握る手が、どんどん硬直していく。 そこへきて、「60キロは後ろの車がぶつかるんだよ」とか、指摘されると、冷静ではいられない。 いられないじゃないですか。 もう。
なんだかんだ言いながら、一時間ほどでホテルに到着。 色んなクーポンをもらう。 事前にJTBからも色んなクーポンをもらっていたので、もうクーポン長者。 ホテルのレストランで、夕飯只券をもらったので、一階の洋食を食べに行ったが、それはいまいちな味わいだった。 そして、修学旅行生がたくさん歩き回っている。 うろうろ。
食後、雨がやんだので、ホテルのビーチへ出て行くと、ちょうど日が沈む頃合で、パシパシと写真を撮る。 ハワイよりも、砂が柔らかく、ビーチは歩きやすい。 水も透明で綺麗だ。
クーポンを見ていると、本日ネーネーズのライブの入場料が無料ということなので、ざくざくと車に乗って、また那覇へ戻っていく。 あー怖い怖い。 途中、一方通行の罠にかかったりしたので、10分ほど遅れてしまったが、ライブは中々楽しかった。 しかし、出される沖縄料理は、どうも本土の新鮮ではない沖縄料理の水準からみたとしても、お世辞にもおいしいとは言えないもので、残り20分のライブを見て、とっとと帰る。
夜の高速は、それはそれは恐ろしく怖かった。 地元の人があまり使わない、有料道路を選んだら、照明もまばらで、どんどんスピードが落ちていく。
あまり怖かったので、ホテルに戻ったら、すっかり肩ががちがちにこってしまい、指圧のおばちゃんに、部屋に来てもらう。 しかし、この指圧おばちゃん、ものすごい痛い。 「痛い痛い」と訴えても、「痛くないと効かん」と厳しく言われ、ちっとも加減してくれないのだ。 そして、沖縄語でなにやら叱咤激励されるのだが、何を言われているのかわからない。
初日はけっこう疲れる旅だった。
を大切に。
去年の収入を元に、住民税を徴収されている皇帝。 今月ちょびっと売り場に立った金額が、そのまま税金に。 ついでに年金もまとめて振り込んだので、思いっきりマイナス。
「あのころ国民年金に数百円を納めるのは、大変だった」 と、怒っている人の気持ちがよくわかる。
仕事をしているとき、多少貯金していて良かった。 これから仕事を変えたり辞めたりしようとたくらんでる人は、とにかく三か月分くらいはためとかないと、だ。
明日、コンビニから住民税を振り込もうと思うが、顔が白戸三平風になること請け合い。
花嫁のドレスを見に行った。 どれもとても綺麗で、良い感じ。 しかし最大の問題がひとつ。 それは
どれも同じに見える。
ということ。 この中から、どれか選べといわれても、大変困るのだ。 どれも白いし。 ドレスが選べないなら、きっとベールも手袋も選べないだろう。
旦那を選んだところで力尽きている。
店よりも 自分の部屋を 掃除したい
掃除を「そーじ」と発音して、575。
クジラを見たくて、南極にまで行ってしまった、クジラ愛好家のジャバさん。 でも休暇は日本とノルウェーに行く。
クジラは大きくて、あごがしゃくれていて、かわいいと思うが、あの体に付いてるイボ(イソギンチャク?)はどうにかならんかね。
あのイボを自己処理できたら、私もクジラを知的な動物と認めよう。
本日の売り場は、立って眠れるほど暇だった。 まず入れ物自体の集客がなかったので、接客しようにも人が居ない有様。 暇な時の売り子が、一体何をしているのか、ここに暴こうと思う。
基本は掃除。 売り場の棚の埃を、満遍なく払い。 商品の表面を拭き、または粘着テープでころころし。 ガラスをマイペットで神経質に拭き取り。 床をウェットのワイパーでぬぐいまくり。 更に乾拭き。 これを、二時間に一回くらい繰り返す。
その合間に、配置換え。 商品がより良く、もしくは昨日と違うように見えるように、売り場内での商品の位置を、マイナーチェンジする。 一通り動かしまくると、どこからともなく埃がやってくるので、また掃除。
時々在庫チェック。 客が居ないのに、在庫を把握している意味があるのかないのかわからないが、店頭に出ている以外のものを、どんだけ持ってるか覚えておくと、販売に有利なときもある。 (販売する客が居れば)
それだけしても、まだ時間が有り余っているので、ストレッチ、ヨガをする。 ただ立っていると勿体無いので、柔軟体操などを心がけ、ダイエット。 これまた埃が舞うので、掃除で〆。
でもまだ時間が有るので、たまたま電話をかけてきた本社の人間と長話。 皇帝が店に立っていると聞いて、面白がって工場の人やら経理の人やらも電話をかけてくるので、応対。
向かいの店舗の人も暇そうなのだが、顔が光浦靖子に似ているので観察。
大体そんな感じで時間をつぶします。
ザーサイを小松菜と豚肉と一緒に炒めると、おいしい。
さて週末は、ただの化膿止めの薬の副作用により、寝込んでいた。 しかもこの化膿止め、化膿してない身には不要だったのではないかと疑い中。 もう飲み終わったから良いけど・・・ぶつぶつ。
そんなわけで一日中ごろごろしていたので、書くことがない。
強いて言えば、冒頭の小松菜を調理した話なのだが、最近小松菜の茎ばかり余っている皇帝宅。 なぜなら葉の部分が、ペットの陸ガメの餌になっているからだ。 亀に葉っぱの部分をちぎってあげてしまうと、茎が残る。
醤油で炒めるか、塩で炒めるか、味噌で炒めるか、茹でるしかないのだが、ザーサイで炒めてもおいしいですよ。
今日一日かかって、それしか言うことがない。
あ、そうだ。 アメリカの結婚式で女性が白黒服が着れないということを書いたが、他にタブーはないか、とけっこう聞かれたりしたので。 あの、写真取るとき、あらゆるシチュエーションでピースサイン出すのは、国際的にはあんまり認められてないです。
参考になったでしょうか。
脂肪の塊かのう・・・。 病院とか調べてもらっちゃった。 ありがとうございます。 とりあえず、化膿止めが効いたら、悪いものじゃないと思うけど、どうかなあ。
ジャバさんが、新聞に結婚の広告を載せるけど、とか言い出したので、あわてて止めた。 冠婚葬祭は新聞に載せたりする風習があるらしい。
謹んでおやめ。
わきの下にぐりぐりするものがあったので、皮膚科に行った。 というか、大きい病院の乳腺科とかに行きたかったのだが、予約係の人に、紹介状がないと、八月の半ばくらいになってしまうとか脅されたので、先に近所の皮膚科に行ったのだ。
ちなみに、その前に外科の大きいところに電話したのだが、やんわり断られている。
診断は「脂肪の塊」だった。 特に悪影響は無いが、大きくなったら取れば?という、アバウトなものだった。 そして化膿止めの抗生物質をもらう。
まて。 なんで脂肪の塊に化膿止め?
しかも納得して出てきてしまったが、紹介状をもらいたかったのでは??
狐か狸に遭った気分の医者たらいまわし。
スピーチについて、深く深く悩んでいる今日この頃。
結婚式でスピーチやってもらう人が必要かもしれない。 普通、結婚式のスピーチといえば、最も近しいお友達にお頼み申すのが筋ってもんだが、「英語でゆってちょ」などと、気軽に頼めないではないか。 ついでに、日本人ゲストのために、「日本語でゆったあと、英語でゆってちょ」とは、ますます頼みづらい。
実は、一人最適な人材が、居なくもないのだが。
それはモデル。
ブライドメイドだし。 日本人ゲストには、英語が細かくわからないし。 アメリカ人にとっては外国人だから、何言ってもOKな雰囲気あるし。 モデルだから、人前に出て緊張しないし。
しかし知り合いになってからの期間が、短すぎやしないだろうか。 何も皇帝について語ることがなさそうだ。
きっと、同級生とかは「○○ちゃんは昔から責任感が強く・・・」とか言えるのだろう。 でも知り合って間もない我々の関係では、何もかもが根拠なさそうな話になるのではないだろうか。 どうだろう。
この問題については、もう少し深く悩みたい。
というか、この日記を見た皇帝の学友が、英語でスピーチできるよ、とか名乗り出てくれないだろうか(ちら)。
スピーチ人の特典としては、よく映画のパーティーシーンで見る、ワイングラスの柄をフォークで「チンチン」と叩くアクションができます。
・・・できてもなあ(自滅)。
沖縄についても、色々準備しなくてはなるまい。 なんせ一度も行ったことがないし、ジャバさんは何にも考えてなさそうだ。
レンタカー、ホテル代、飛行機代込みで、4泊5日、お一人様60000円強って、奥さんとってもいいプランを見つけたんじゃありませんこと? うふふ。 しかも、ホテルは全室オーシャンビューの、プライベートビーチつき。 がんばって探した。
ところで、全然脈絡はないが、ジャバさんが昨日ロスの焼肉レストランにて、えっくす日本のヨシキさんに出遭ったらしい。 「運命だと思った」 と、電話口で熱く語る酔っ払い。
ジャバさんにとっては深夜のテンションだが、皇帝にとっては真昼。
のるうええのガイドブックを探したが、無かった。
全く無かったわけではないが、単独のものは、少なくとも無かった。 近いところでは、デンマークかスイスがメジャーらしく、ノルウェーはわりと注目されていないらしい。 各ガイドブックに点在するノルウェー情報では、とりあえず長距離汽車が、世界の車窓系雑誌にフューチャーされている他、画家ムンク関連、バイキングロマンなどなど。 あと、フィヨルドの、人を拒んだみたいな断崖絶壁の渓谷とかが、ハイキング好きにはたまらないらしい。
そうして、ストイックに観光客を拒めば拒むほど、行ってやろうじゃないか、という気にさせられる。
とりあえず、電車に乗って、美術館に行って、ハイキングをしようと思う。
ぶんだばー。
そんなわけで売り場に立ってみた。
久々に長時間立ちっぱなしになっていたら、腹筋などが筋肉痛に。 痛いが、これでぼやけた体型が、多少なりとも締まるかもしれないという、薄っすらとした期待を糧にがんばりたい。
でも明日からしばらくヘルプは要らないので、休む。 だらだら。
横浜中華街の水族館のオコゼは、飼育員に棒で突かれたりしてかわいそうだと思った。 毒を持つ動物だからって、いじめても良いというわけではない。
さて、6月の終わりに、ジャバさんと沖縄とノルウェイに行くことになったらしい。 ふーん。 皇帝はアメリカに入れないが、ジャバさんは日本に入れるのだ。
沖縄は、いつしか行ってみたいと常々思っていたので、行ってみたいのだが、何故ノルウェイ。 唐突にノルウェー。
いくつかの原因があり、最終的に、先週そういう旅程に決定したのだ。 ジャバさんの、日本留学時代の学友がノルウェー人で、泊めてくれるらしいのだ。 そして、ユーロがドルに対して、大変力強いことになっている昨今。 ヨーロッパには行きたいが、ユーロは使いたくない。
それでのるうえー。
風光明媚そうだ(他に何も知らない)。
皇帝
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