| 2005年01月12日(水) |
◆(1)歴史的日を記す/新マーク決定 |
新年明けましておめでとうございます。長らく休止していましたが、書きたい放題を再開します。皆様、本年もよろしくお願いします。
■昨日(注:十一日執筆時)は、道院長研修会が本山ではなく高松で行われました。飛行機のパックツアー利用で出かけましてわりと早い時間の帰宅でしたが、やはり疲れました。
今回は少林寺拳法のシンボル「卍」に代わり、新マークが発表されるという歴史的な研修会で、期待半分、(気に入らなかったらどうするという)不安半分の気持ちを持った参加でした。
実は不安の種がもうひとつありまして、それはホテルの事情により作山先生との部屋がダブル(ベッド)ということで、エキストラベットが入らなかったらどうしよう、というものでした。幸いツインの部屋が取れ、ホッとしました…。
■ともかく、会場となった全日空ホテルの大広間には約二千名の道院長、支部長が集まり大変な盛況。立派なホテルにそぐわないパイプ椅子まで持ち出されている始末で、これに腰掛けた人達は四時間の苦行?となったことでしょう…。
登壇する人の顔が良く見えないくらい広いので、計五つのスクリーンが用意され、「これって本当に研修?」というイベント的な雰囲気。しかし私にしてみれば、三十七年間慣れ親しんできた卍が廃止になるという記憶すべき一日だったのです。
この日の感想を一道院長として書き残しておきます…。
■総裁・宗由貴サンのお話しの中で、全国各地に赴きますと、最近は開祖を知らない道院長、支部長が増えていることを実感する、と言われていました。
このような情報は、横浜の根岸という一布教地点に根を張る私=一般道院長には分かりません。当然ですが、立場が違う執行部と私とは感覚的な、実際的な差が大きくあるように思えます。最近ではこのような差を「温度差」と表現します…。
例えば今回、二千名を集めて平坦な席に着かせますと、私達はスクリーンを必要とし、執行部は必要としません。また、こちら側からは頭=黒色しか目に映りませんが、向かい合った側からは顔=肌色が見えるようなものです。
中国などの人民大会場と比して、このような一体感がまるで欠如した会場の選定からして(たとえなんらかの制約があったにせよ)、現在の少林寺拳法の何かを象徴している、と思えてなりません…。
■以前、国際大会のシンボルマークを拳士から公募したことがありました。前例が無くはないのです。
いみじくも鈴木義孝代表が言われた「あなた方、一人一人がブランドなのです」の言葉…。なら、卍というブランドを一生懸命作ってきた我々が、今後、新マークのブランド力を高めて行くであろう我々が、なぜ誕生に一言の関与も許されなかったのでしょう。
講義をした大学教授は、拳士の『異文化適応能力/ICAPS』のアンケート調査を二十四万円払ってプロの業者に分析させた、少林寺拳法側に請求した、と打ち明けました。同様なことが出来た筈です。公募はともかく、拳士の好みや傾向を事前に調査できたでしょう。
■新マークについて
*綺麗ではあります。もう一色(青)を加えると五行の配色になりました。
*双円ということですが、円ではなくて楕円形になっているのでゼロに見えます。ゼロは空ですが、それより、私にはカギを閉じた形に調和を感じられません。
*禅門覚道のマークとして、もう少しスッキリしたものであって欲しかったです。
*これは作山先生が帰りしにポツリと言いましたが、「パワーが感じられない」ということです。卍は宇宙の実相を表しており、古代人が何かを気付いた形なのではないでしょうか。ピラミッドパワーなんて言葉もありますもんね。
*昨日(注:この項十二日記)少年部、一般部に新マークを見せ、感想を聞きました。どちらも賛否が大体半分くらいでした。古い拳士=拳歴二十年以上は卍の方が良いと答え、新しい拳士は良く分からない、と答えました。尚、今練習に来ている海外拳士(三級)は卍のマークを初めて見た時、カギ十字に見えた、と言いました。
賛――「色が綺麗」「丸が重なっているのが人間関係を表現していて良い」など。「良い」
否――「卍の方がスッキリしている」「マークの意味が分からない」など。「嫌だ」
■新井庸弘会長が最後の講話で「(ICAPS調査結果に基づいて)道院長は開放性が一般値より低い」と言われましたが、そう念押しされると、新しいマークの発表について異論を唱えにくいですね…。
――「ブランド」という、少林寺拳法におけるカタカナ文字の概念が結局分かりません。曹洞宗「永平寺」は八百年間法統を保ち続けました。
禅の根本はいかに悟りを目指し、いかに人間を教育するのか、という命題と真摯に向かい合い、それをひたすら実践して来たからでしょう。
神奈川では○動禅問題があり、彼らの道場にも行きましたし、調査活動にも協力しましたし、名称問題=商標問題の重要性は実感として理解しています。ただ最近の商標問題は、情報の質量が執行部と格段の違いがあるので分かりません。ですから、この部分の私の指摘は的を射てないかもしれません。
しかしこの日の感想として、以上のことを記しておきました。十人十色、まあ私の言い分も聞いて下さい。
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