| 2003年10月01日(水) |
■双龍出海(4)/鎖鎌! |
■私は学生時代から日本武道館に出入りしていた関係で、現代武道や古武道の大会を当時から良く目にしていた。
その後、道院長になって古武道を多少研究した際、一度、古武道祭の演武を徹底的にビデオに収めてやろうと思い立ち、当時(詳しい日時は失念。湾岸戦争以前である)、少林寺拳法東京事務所に勤務していたJさんに頼み込んだ。甲斐あって、関係者ということでアリーナのベストアングルで撮影できた。
■様々な古武道の演武を改めてファインダー越しに見て、大変参考になった。この時、鎖鎌の演武を見たことが双龍出海に強く影響している。
私がどこに共鳴したかというと、相手の攻撃武器を攻撃、ないし無力化する発想にであった。遠間から積極的に相手の刀を狙って攻撃=絡め取る。もちろん隙があれば容赦なく分銅が頭を狙う。接近戦の技法もあった…。
まあ、実際は鎌で止めを刺すのであるから、型としては殺伐なものである。しかし私にとって、非常に具体的なメッセージ/ヒントを与えてくれたのは確かであった。
■思考は次のように展開された。現在も進行形である。例えば、攻撃は迎撃という概念に変わった。
◇相手の拳足攻撃に対する攻撃=絡め取りは有効である→それなら、片手よりは両手の方がより確実性がある(少年期の二刀流の影響もあったのだろう)→鎖鎌のように巻き付くにはどうしたら良いか…?(白蓮八陣の件に気付いたのは、この頃と思う…)。
◇絡め取った後の倒し、固めはどうする…?
◇連撃にはどうする…?
◇拳足を引かれたらどうする…?
◇修得する、させるにはどうする…?
等等。補足すると、元々少林寺には五花拳がある。だから両手の方がより確実とは、一挙に両手同時に捕ることを意味する。もちろん、当て身を入れてからもする。
■日本の古武道=鎖鎌におけるこの発想は、世界の武術に余り例のない特殊なものではなかろうか。本体攻撃がなければ、現在の戦略ミサイル防衛構想に通じると思える…。
であるから、もし相手からの拳足攻撃を受けても、双龍出海で迎撃すれば本体攻撃を避けることが出来得る。
相手を打ち負かすのではなく、愛撫統一を目指す少林寺拳法の理念と合致できるのである。
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