2001年11月19日(月) |
◆身体の運動/操作について! |
■ 守者は相性の良い動作、方向で防ぎ、攻者をして相性の悪い動作、方向を取らせれば良い訳です。言うは易しですが…。
□1.身体の運動/動作は、前後運動、左右/側屈運動、回旋運動、開閉運動を大本とし、これらの複合体として、少林寺拳法の各種体捌きがあります。
これまで色々な人達を指導をして来て、身体の使い方の様々なことに気付かされました。それは取りも直さず、“私の勉強”となって来た訳です。
近年、ある動作、ある体位、あるいは姿勢と著しく相性が良い、悪い運動/動作の存在に気が付きました。
□2.判りやすい例では、前受身と非前屈動作/姿勢。これで受身を行うと、痛くてしょうがありません。合気道の本には、ですから、「帯を見ながら回りなさい!」と書いてあります。
今度は逆に、前屈動作と(前方)蹴りはとても相性が悪い運動です。初心者は蹴りをする際、「オジギをしてはいけない!」と注意されるのはこの為です。前屈して蹴る癖を取らないと、何時か腰を壊します。
蹴りは、後屈、側屈、回旋動作と相性が良いのです。ただし、後屈動作は相対動作として力の伝達が出来ないので、回旋や側屈を主に蹴りをします。ここで言う後屈という表現は、体操的な後屈ではなく、反るということです。表現、難しいですね…。
□3.もうひとつ、蹴る側の骨盤の高さが重心側より下がると、これも蹴りに適した姿勢ではありません。特に、中段より上を蹴る場合、その側が高い方が明らかにやり易い姿勢です。
この問題は非常に面白く、片足立ちになり、同側の骨盤を高くしても低くしても、動作的には側屈になりますが、前屈の要素が加わらない限り、前方への蹴りは出来ます。
たまに逆蹴りで、骨盤下がりのフォームの人がいます。この体勢が少林寺拳法のどの基本と結びつくか分かりません。しかし、蹴り動作は両姿勢で可能であると述べておきます。
これは他の動作についても言えますが、まさしく、それらの中から相性の良い動作と悪い動作を峻別するのです。
□4.突きや蹴りは、体重移動と直結した動作です。武道において、体移動の動作はとても重要で、体で行うにせよ、膝、足で行うにせよ、その段階で頭部は前後、左右、上下と自然に移動し、且つ攻撃線を外すことになります。
左中段か一字構えで、差しこみ寄せ足をして順蹴りをします。この時の体勢は回旋、側屈を主動作として腰をやや上げるような半身の構えとなり、左肩、左腰は上がり、右肩、右腰下がります。つまり、自然に体重を後方に移し、左足を上げやすい体勢になる訳です。
骨盤の線/上下を変えるのは簡単です。踵を上げれば、上げた側が高くなります。中野先生の順蹴りがこのような体勢です…。
さらに考えれば、前足を後方に引いても同じ体勢になります。逆突きでは寄せ足をいいますが、受けからの順蹴りでも、(後ろに引く)寄せ足が重要になります。防禦時は顔をより安全にし、攻撃時は顔が近付き過ぎないようにする体捌き、足捌きなのです。
□5.蹴り/順蹴りや回し蹴りについて、少林寺拳法の蹴りは、手は内転、足は外転系の蹴りであることを理解しなければなりません。
良く、手を外転、足を内転して蹴る人/サッカーの蹴りをイメージすると判りますが、守ってからの反撃には、前者が適した運動です。流派の出力系統は大事にしなければなりません。
蹴りを主体に述べてみました。
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