◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2004年06月21日(月)  宙組 『ファントム』 千秋楽

今年研8の巽希和ちゃんが退団する日。

仕事もそこそこに(汗)バタバタと豪雨の中、劇場へ向かった。

巽希和ちゃん・・・ひとみちゃん。
ふとしたことから応援し始めたのが彼女が研2の春。

いつかはこの日が来る・・・と思っていた日。
それでも静かな気持ちで席についた。

公演自体はアドリブもなく・・・いつもどおりに進んでいった。
ただ、最初のクリスティーヌが歌うシーンで
街の人々の中をめぐりながら歌うクリスティーヌがひとみちゃんに軽く合図を送った。
歌いながらにこっと笑って・・・軽く手を挙げた・・・。
ふとした・・・さりげない花サマの気持ちにグッときた。

そのあと、カルロッタに台本を薦める時、
ひとみちゃんは・・・いつもより、長くカルロッタに挑んでいた。

いつもと違うところはそれくらいで、あとはキャリエールとエリックの銀橋のシーンのあと、
拍手がいつまでたっても鳴り止まなかった・・・劇場が震えた。

いつもよりどことなく、重みのある舞台全体。
千秋楽・・・という重みがひしひしと伝わる。

それからフィナーレ。
花をつけて登場するリキとひとみちゃん。
2人ともいつもより増してニコニコ。
そして黒エンビでずらり・・・と並んだ時、リキとひとみちゃんにスポットライトが当たった。
もう涙が止まらなかった。
客席を見据えるような瞳で踊る2人。

「退団するんだ。」としみじみと思った瞬間だった。

いよいよ・・・大階段でのあいさつ。

「ひとみちゃーん。」という組長の声に「はーい。」と明るい声。
明るい声とはウラハラにひとみちゃんの目には早くも涙が浮かんでいた。

「私は“笑顔”という言葉が大好きです。
 でも楽しいことばかりではなく、ツライこともありました。
 そんなツライ時、いつも助けてくれたのは同期でした。
 それからいつも優しく、時には厳しく教えてくださった上級生、
 親しんでくれた下級生・・・いつも支えてくださったスタッフのみなさん、
 そしていつも応援してくださったファンのみなさま。
 優しく見守ってくれた、おじいちゃん、おばあちゃん・・・そして両親に
 心からの感謝の気持ちをこめて、ありがとうございました。」
そんな挨拶だったと思う。

言葉を大切に紡ぐように話すひとみちゃん。
もうボロボロ泣いていた。

そのあと、リキは明るく元気に挨拶をした。

ワオさんの両端に少しテレながら立つ2人。
ワオさんの促されながら、一緒に深々と挨拶をする2人。

すっごくニコニコだけど、ひとみちゃんはニコニコ泣いていた。

そして何度目かのカーテンコールで
「この大切な2人が最後の楽屋を出る時に晴れ間が見えますように。」と
ワオさんが言った。

ブラボーだった。
なかなか言えないよ・・・こんなこと。
もう涙が止まらなかった。

ワオさんもにこにこ、リキもにこにこ・・・ひとみちゃんもにこにこ。
3人を見つめる組子たちも涙を流しながらもニコニコだった。

劇場を出た時、雨はまだ降っていた。
バタバタと用事を済ませながら、楽屋口に走って行った。
するとちょうどひとみちゃんが出た時だった。
彼女はまた・・・泣いていた。

気がつくと・・・雨はすっかりやんでいた。

スゴイや、ワオさんの願いが届いた!!!

泣きながらもニコニコのひとみちゃんは大きく手を振りながら・・・去っていった。

あとでパーティで聞いた。
なんでもすごく気持ちがあたたかくて、シアワセで・・・感動して
涙が止まらなかったらしい。
気持ちが満たされていたらしい。

いい千秋楽だった。
本当にとても気持ちのいい千秋楽だった。
なんだかとてもシアワセな気分だった。



 BACK  INDEX  NEXT


春吉

My追加