剛な日々




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2003年02月12日(水) 大切な人を失う事

昨日の、僕の生きる道。
見ていて、ある人を思い出した。

ちょうど1年前、私の身近にいた人が、癌で亡くなった。
彼は、30を少し過ぎたくらいだった。
看護師を目指す、優秀で真面目な、堅実な人だった。
夏に体調を崩し、入院。
その時には、既に手の施しようが無い状態だったようだ。
そのまま、退院することなく、亡くなった。

彼は、自分の病気について、最期まで告知を受けていなかった。
初めのうちは、医師に対する不審がいっぱいで、苛立っていた。
でもある時から、とても穏やかになった。
告知されていなくても、看護学生であったゆえ、きっと自分の病気のことはわかっていたんじゃないかと思う。

彼は、「両親にも誰にも頼りたくない。今までもずっとそうして生きてきたんだから」とよく言っていた。
私は、そのとき彼の本当の病名は知らなかったが、何故そんなにこの人は強いのだろうかと思っていた。
病気の時は誰かに頼ってもいいのに、甘えていいのに、そう思っていた。
ご両親が病院に付き添うようになったのは、彼の意識がハッキリしなくなってからで、それまでは自分のことは自分でしていたようだ。

お葬式の時、彼は周りの人に助けを求めないで逝ってしまったんだと思うと、とても悲しかった。
でも、後からわかった事だが、彼にはちゃんと彼女がいた。
そばで支えてくれる人が、ちゃんといた。
彼女は、一緒に励ましあいながら、共に勉強していた人だった。
それがわかって、彼女はさぞかし辛かっただろうが、彼が1人ではなかった事に安心した。

2人は、いったい残りの時間を、どうゆう風に過ごしたのか?
それは、私にはわからない。
でも、彼が亡くなった後、彼女と話したとき、悲しさの中に何か充実感のようなものが見えた。
ああ、きっと2人はお互い納得のいく時間を過ごしたんだろうな。
そう思った。


秀雄くんとみどり先生は、残りの時間をどう過ごすのだろうか?
予告を見ると、みどり先生は、逃げないで一緒にいる事を選択するようだ。
悲しいな。辛いな。
別れても、一緒にいても、きっときっと悲しくて辛いに違いない。
自分が秀雄くんの立場だったら、みどり先生の立場だったら、どうするだろう。
麗子先生の立場だったら、どうするだろう。

6話は、登場人物それぞれに感情移入して見ていると、すごく考えさせられた。
大切な人を失う事は、それが恋人でも同僚でも友人でも家族でも、きっととても辛い事。
このドラマは、余計なシーンやセリフがないので、否応なしに視聴者は想像し考えさせられる。
決して押し付けがましくない、脚本と演出と演技。
それが素晴らしいと思う。

本当に、いいドラマに出させてもらってるね。剛くんは。
初めに比べると、剛くんが少し元気そうに見えるのは、秀雄くんの心の動きを理解できるようになったからかなと、そんな風に思ったりした。






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