インコの巣の観察日記
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2003年01月18日(土) PSGの果たさなくてはならない義務 1月18日(土)

年が明けて各国リーグのMercadoもそろそろ具体的な動きを見せ始めているようですが…。PSGもUEFA Cup敗退を受けて、人員整理に手を着けなくてはいけないかもしれませんね。つまり、シーズン当初はLeague1、French Cup、League CupそしてUEFA Cupと4つのコンペティションを闘うことが出来るだけの戦力と言うことで要員を確保したと思うんです。でも、早くもこのうちLeague CupとUEFA Cupからは脱落(涙)。今の状態だと、余剰人員が出ているはずなんです。

しかしながらPSGに余裕があれば、余剰人員を抱えたままでも何ら問題ないと思うんですよ。まぁ、選手の側は試合に出られないと不満が堪る一方だと思いますが(苦笑)。しかし、残念ながらPSGはかなりの負債を抱えております。UEFA CupとLeague Cupを勝ち進めば得られたはずの収入(TV放映権料等)はあてに出来ない。つまり、売上高の減少ですよね。そうすると、コストダウンしないと、今シーズンも大幅な赤字経営ということになってしまいます。

一般企業もそうですが、借入金のない経営と言う物はありえないんですよ。その借入金に対する適正な資産と、利息と元本の返済を滞らせない利益を確実に上げていれば、何ら問題はないのですよね。しかし...PSGの場合は資産以上に借入金が多くて、それほど利益も上がっていないとのこと。売り上げ増が見込めないと、ますます経営は苦しくなる。このままだと債務超過となり、行き着く果てはFiorentinaやLazioと言ったクラブと同じ...デフォルトです。

何よりも一番困るのは、運転資金となる短期借入金の融資を銀行が断ってくること。そうなると、もうお手上げ。フランスと言う国はイタリアやスペインのようにFutbolクラブに対して銀行が甘いと言うことはないでしょうから(笑)。一旦銀行が貸し渋ると、途端にPSGの経営は苦しくなるんじゃないかしら??私はもうイヤですよ、また借金の肩にPochettinoが売られるなんて(苦笑)。

あの人が以前在籍していたEspanyol、あそこもデフォルト寸前にまで陥ったんですよね。選手の給与も未払い状態になっていたんじゃないかしら??そんな、Lazioのように半年とかって期間にはなってなかったけれど。決済資金が現在手許になくても、新たな借入金でまかなえると問題なかった...はずなんだけれど...ムリだったんですよね。だからPochettinoがPSGへ売られた。あんな安い値段だったのはPSGが“Cash”で支払うと言ったかららしいです。

まぁ、彼がEspanyolを出ていくことになったのは、もちろんこれだけが理由ではありませんが(調べてみると...Pochettino放出劇にはイロイロと裏があるようです。ねぇ、Mauricio!?人間生きていると、イロイロあるよね:苦笑)、彼が在籍していたインコさんチームの借金苦も一因となっているのは、間違いないですよね。

どんなにPochettinoのことを好きだと言っても、Espanyolを失うことには代えられない。多くのEspanyolistaが涙を飲んで、彼のPSGを了承致しました。愛するチームを失う悔しさ、悲しさって...ちょっと言葉では表現できないものですよね。私と同じように横浜フリューゲルスってチームが好きだった人は、この気持ちが良くお判りじゃないですか??


PSGはParisと言う世界に名だたる大都市を代表するクラブです。フランスのメディアの意地に賭けても潰しはしないでしょう。Parisに相応しいクラブを!!と言うことで半ば人工的に作られたのがこのPSGと言うクラブだと聞いています。だから..メンツを賭けて存続させると、私は思うのですが...如何でしょう??

人員整理と言えば、BenAchourくんがレンタルで出されましたね。また、続いてL.LeroyもTroyesへレンタル移籍。ようやくケガから復帰した彼ですが、あまり出番に恵まれなくて、これじゃますます試合カンを取り戻すのに時間がかかりそうですよね。なら、常時試合に出られる所へしばらく移った方が良いわけで...。

しかし、欧州のFutbolバブルは崩壊してしまったので、この冬のマーケットもそれ程ハデな動きはないでしょう。一番大きな移籍劇は、Real Madrid→InterとウワサされているSantiago Solariじゃないかしら??(一説によると、この話は潰れたとのことですが...)これも、Interが戦力補強したいと言うよりも、Real Madrid側の都合でSolariが出されると言った意味合いの方が遙かに大きな移籍でしょう。Real MadridはCB獲得の資金を備蓄しておきたいようで...。そう聞くと、私などは「だったら某スキッ歯さんを獲得する必要なんてなかったんじゃない??昨シーズンの戦力+CBで解決したんじゃないの??」と会長に喰ってかかりたくなるのですが...(苦笑)。

少し話しがそれてしまいましたが...この冬のMercadoでは、“どうしても戦力補強しなくてはやってられない!!”ってチーム、つまりは“このままじゃ落ちる!!”とか、主力選手がケガで長期離脱を余儀なくされ“このままでは彼の穴を埋められない!!”ってチーム等、相当に切羽詰まったクラブでもない限り動こうとはしないでしょうね。PSGもRoniをInterへ売却するとしても、今年の夏になりそうですね。

掲示板でつきさんが「貸し出してる余裕がどこにあるのか、とも思うんですけど、本当に補強する気はあるんでしょうかねえ。」と仰ってましたが、私の見立てでは...恐らくPSGは放出はしても補強はないかと...。理由は上でダラダラと書き連ねた通りです。

PSGは相当に苦しいと思いますよ。負の連鎖と言うのかしら??悪い方向へスパイラルしているように見えます。相当に経営効率をあげないと、赤字は絶対に減らない。「Parisの街を代表するクラブと言うメンツにかけて」と言いましたが、そのメンツと言うかプライドの高さが非効率的な経営となっている面は否めないですけれどね。つまり、やっぱり見栄張ってしまうと言うことです。選手だけではなく、スタジアム部門やクラブ運営部門だとか、その他でもリストラ出来る部分って多分にあるかと...。

Real Madrid・借金大魔王の名を欲しいままにしていたクラブが、いつのまにか優良クラブとなっていましたよね??(笑)ここでちょっとお断りを。「Real Madridの借金が短期間のウチになくなったのはおかしい、あれは王室が金を出したからだ!!」だとか、裏金だの何だの言われていますが...私の考えを述べますと、裏金の存在は怪しいと思ってます。そんなものは存在しない。何を行ったかと言えば...前会長時代に膨らませた負債を消すために、銀行に債権放棄を持ちかけた..これじゃないかな??と思ってます。

フランスと違ってスペインでのFutbolクラブ、それもReal Madridというクラブの存在はあまりに大きな物です。あのクラブが破産申請を行うと、スペイン経済に少なからぬ影響を与えてしまう...それほど大きな存在なんですよ。資産もあるから潰れると“大型倒産”となってしまいますが、何よりも心理面での影響が大きいですからね。

Real Madridが何を行ったかと言えば、Madrid市に練習場の土地を売りました。それは2012年のMadridへのオリンピック招致運動と絡んでのこと。市内にある程度のまとまった土地を探していたMadrid市と練習場・Ciudad Deportivaの郊外への移転を考えていたReal Madridとの思惑が一致した。

今、これに関する資料が手許にないので(スペインから送ってもらった資料があるのですが...どこに片づけたか判らない...探せば出てくるはずですが:汗)あやふやな記憶に頼るしかないのですが...もともと、Real Madridの練習場・Ciudad Deportivaのある場所って規制区域なんです。勝手に商業目的のビルを建設しちゃいけない場所らしいんです。だから、Real Madridは前会長時代にも土地の売却を考えていたようなのですが?売却先を見つけることが出来なかったんです。


そりゃぁそうでしょう。商業目的に使えない土地を買ったって...何の意味もないですからね。ところが、Madrid市が2012年のオリンピックに立候補したことで状況は変わりました。Real Madridは言い値で買ってくれる相手を見つけることが出来ました。特定のクラブに対する公的資金の注入と言うことで、日本ではReal Madrid以外のファンから相当に叩かれましたが、例えば大阪もオリンピックの誘致活動を行っておりましたが、その過程でどうしてもセレッソ大阪の津守の練習場の土地が必要となり、大阪市がその土地を買い取ったとしましょう...市民の税金でセレッソの土地を買うことになりますが、オリンピック招致を決めたのは大阪市議会であり、市議や市長を選出したのは大阪市民なのですから...何をか況やですよね??

また話がそれてしまいましたが、このMadrid市への売却資金を以て銀行への返済に充てると言うことだそうです。で...それまで抱えていた負債が殆ど消えるということらしいです。実際は「それでも払いきれない負債が存在しているのに、チャラってどういうことだ??」ってことで、裏金の存在なんて言われていますが、私は「これだけ返すから、この部分は債権放棄してくれ」と言うような取引あったんじゃないかな??って勝手に想像してますけれどね。銀行にしたって、Real Madridと言うクラブが存続する方が、また新たな融資が出来る可能性があるわけだし...好都合じゃないですか??(笑)ちなみにスペインでは“借りた者”の方が“貸した者”よりも強いんだそうです(驚)

Real Madridの再建ですが、このCiudad Deportivaと言う大きなプロジェクト以外にも、当たり前だけれど、なかなか出来なかったことを実行しております。現会長が徹底的に行った改革...私たちが見るのは“Futbolチーム”の部分ですけれど、その他の部門において、相当にリストラ・人員入れ替えを行いました。マーケティングの部門もトップ以下幹部のクビを全員飛ばして、民間企業からヘッドハンティングで連れてきた人間を据えましたからね。

そのヘッドハンティングしてきた人たちも、スペインのビジネス界では結構有名な人たちらしいですよ。あの会長はマジでReal Madridと言うクラブを“巨大企業”に変えようとしている。そのコトに反感を持つファンは日本にも多いけれど...Futbolの世界が変わって言ってるのだったら、その流れを無視して生き延びることは出来ない。私はそう思っているから、受け入れられますよ。ま、私も最初は反感どころか嫌悪感を抱いていたのですが...ようやく2年掛かって自分の気持ちを切り替えるコトできました(苦笑)。


あ、ヤバイ。すっかりPSGから話が離れていってしまってる...(困)Futbol界にある確実な“流れの変化”これに気付いて軌道修正が出来るクラブは生き残り、それが出来ないクラブは消えていく運命にあるのかもしれません...非常に残念なことではありますが。だから、そうならない為にもPSGにも改革は必要だと言うことです。←たったコレだけのことを言うのに、私はどれだ駄文を書き連ねていたのだ??(爆)

PSGってフランス以外で儲ける気、さらさらなさそうですよね(苦笑)。Parisと言うホームタウンの知名度やブランド力を借りれば、もっともっとメジャーになれると言うのに。中には「そんなメジャー化、ビッグクラブ化なんて、望んではいない。PSGは今のままでよい。強いんだか弱いんだか判らない、そこが魅力なんだ。Parisと言う街の規模に釣り合わないままで良い」と、そう考えてらっしゃるPSGファンも結構いらっしゃることでしょう。でも、私は大きくなれる、強くなれる可能性があるのにそれを活かそうとしない態度を見ていると歯がゆくて仕方ないって感じる人間なんですよ。「賭けてみようよ!!」って言いたくなるんです(笑)

まぁ、10年以上もReal Madridと言うクラブを応援し続けてきたファンだから...ビッグクラブ志向な私だと言えますよね。だから...PSGにもそうあって欲しいと思っているのかもしれません。何よりも...PSGが“強豪”でなければ、Pochettinoがピレネーの山を越えた意味がない。えぇ、私は“EspanyolのMauricio Pochettino”が大好きでした。今から2年前の1月、どんな思いで彼を見送ったことか...。あの時の身を切られる思いは決して忘れない。だから、大好きなPochettinoを奪っていったPSGと言うクラブに対して私は傲慢です。                           

「あぁ、これでやっとPochettinoは自分の能力に相応しい舞台に立てるんだね。アナタはね、毎シーズンUEFA CUPどころかCLにだって出られるだけのDFなんだから。Espanyolでは決して手に入れることが出来なかった舞台を、アナタはやっと手に入れられる。良かったね...だから、私、寂しくなんかないよ。」

PSGはPochettinoを奪ったんだから、私の願いを叶える義務がある!!何と傲慢な態度だコトか...でも、それだけのクラブなんです、PSGは。だから、私はPSGがFutbol界にある確実な“流れの変化”これに気付いて軌道修正を行いビッグクラブとして生き残って欲しいと思っているのです。それがRCD Espanyol de Barcelonaから、Mauricio Pochettinoと言うDFを奪っていったPSGのつとめなのです。そう、Real Madridですら奪えなかったPochettinoを...。

今のPSGには大きな2つの問題に直面していると、誰もが気付いているはずです。PSGと言うFutbolチームを建て直し、順位を上げること、白星を飾ることと、そしてPSGと言うクラブ自体を立て直さなきゃいけないと言うこと。この2つのことは切り離して考えることは出来ません。両輪なのですから。PSGだけでなく、多くのクラブが直面するこの問題、この先どうやって解決させていくのか、しっかりと見届けたいと思います。いつか必ずPSGが私のことを“見返し”てくれると信じて...。



最後まで読んで下さったみなさま、ここまで駄文にお付き合い下さり有り難うございました。


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