A Thousand Blessings
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2006年12月25日(月) |
編集CD-R 【 の・だ・め 2 】 |
編集CD-R sumita’s selection 2006.12.25
【 の・だ・め 2 】
1 ドビュッシー「2つのアラベスク」より“第1曲”/ミシェル・ベロフ(pf)
2 ストラヴィンスキー「ペトルーシュカからの3楽章」より“ロシアの踊り” /ミシェル・ベロフ(pf)
3 バルトーク「ディヴェルティメント」/ブーレーズ(指)シカゴ響
4 ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」/モニク・アース(pf)
5 ドビュッシー「喜びの島」/ミシェル・ベロフ(pf)
6 ショパン「12の練習曲 作品10」より“第4曲”/マレイ・ペライア(pf)
7 プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」より “モンタギュー家とキャピュレット家” /スクロヴァチェフスキ(指)ケルン放送響
8 ストラヴィンスキー「タンゴ」/ミシェル・ベロフ(pf)
9 ドビュッシー「前奏曲集第1巻」より“亜麻色の髪の乙女” /ベネデッティ・ミケランジェリ(pf)
10 ドヴォルザーク「スラブ舞曲」より“第3番”/セル(指)クリーヴランド管
11 ショパン「12の練習曲 作品10」より“第3曲”/マレイ・ペライア(pf)
12 ラヴェル「水の戯れ」/モニク・アース(pf)
13 リスト「超絶技巧練習曲集」より“鬼火”/ジョルジ・シフラ(pf)
14 ストラヴィンスキー「ピアノソナタ」より“第2楽章”/ミシェル・ベロフ(pf)
15 R・シュトラウス「歌劇カプリッチョ」より“序奏”/小澤(指)サイトウキネン
16 ショパン「子守唄」/ジョアン・ピリス(pf)
今後、クラシックに関する編集CDRは、「の・だ・め」シリーズとする。 今回も特にコンセプトは無し。のだめ的な演奏集というわけではない。 思いつくままに。今、聴きたい演奏を。
1 ドビュッシーといえば、まずミケランジェリ、ついでフランソワ、 最後にベロフの新録かな。超絶な美音でもなく、面白リズム解釈もせず、 ただ、瞑想するように弾き込むベロフのそういう部分に惹かれるときもあるのだ。
2 ベロフの演奏は、ポリーニよりずっと好き。ポリーニは完璧すぎ。 ベロフは途中で疲れてる?(笑)リズムが微妙に揺れる。そこが好き、なんていう クラシックファンはいるのだろうか?来週の放送で、のだめはどう弾く?
3 すでに先鋭的なバルトークは影を潜め、代わりに音楽的に温かさが前面に出てくる。 好きだなぁ、こういうバルトーク。対位法的にもこれは、バロックでしょ。 ショルティの切れ味鋭い名演を愛聴していたが、ブーレーズ盤を聴き、 その響きの柔らかさに心を奪われた。
4 モニク・アースを好きになるなんて思わなかった。だって、ずっと面白みのない 演奏家だって思ってたから。言ってみれば、フランソワの真逆的演奏。 テンポルパート無し。楽譜どおりに真面目に弾いている印象。それなのに この叙情性はなんなの?!と、数日前に気づいた。僕はまた素晴らしい再発見を してしまった。
5 来週、のだめが弾くのね、この曲。ベロフのアプローチは明晰そのもの。 同じくベロフが弾いたメシアンとの音の共通性を感じてしまう。 でも決して冷たくはない。強靭なピアニストでないゆえの温かさをかんじさせる。 しかし、ベロフの演奏だとスコアーが丸見えって感じ。スコアー、読めないけど(笑)
6 のだめがマラドーナ・コンクールでテキトーに弾き飛ばした曲(笑)。 ペライア盤に出会って、ポリーニもアルゲリッチもアシュケナージも聴けなくなった。 バッハといいモーツァルトといいシューベルトといい、ペライアは新たな地平を 切り拓いて行ってるなー。
7 これは、もう有名なあのメロディーが聴きたくて収録。のだめでも何度も使われた。 本当はゲルギエフ盤で聴きたかったのだが、昔処分してしまった。 で、スクロヴァチェフスキをご用意。無問題。ケルン放送はほんと巧いわ!
8 ストラヴィンスキー1940年の作品「タンゴ」。ハルサイも遠い昔、 新古典主義も過去のこと。晩年へと向うストラヴィンスキーは、 タンゴもやればラグタイムもやる。何となく中途半端に 時代をつまみ食いしていく感じ?その無思想性がのだめっぽくて、好き。
9 ミケランジェリで、ドビュッシーで、前奏曲集ときたら、解説不要でしょ。 ずーっと昔、友人のピアニストがミケランジェリのコンサートを見に行って、 抜け殻になって帰ってきた。
10 セル/クリーヴランドのドヴォルザークは特別。特に「8番」と「スラヴ舞曲」。 永遠の名盤であるEMI盤から「スラヴ舞曲第3番」を。「10番」でメランコリックに 涙するのもいいが、僕は九ちゃんの“上を向いて歩こう”を連想させる「3番」が好き。
11 おおお、映画『さびしんぼう』の富田靖子ちゃんは可愛かったな! 「別れの曲」を聴くと、あの映画ばかり思い出してしまう。音大生のFちゃんの 18番だったことなんて、あんまり、思い出さない。
12 モニク・アースの「水の戯れ」。ハマってます。やはりテンポルパートなし。 でも音の粒立ちはすごく良くて、ラヴェルの世界を100%表現できている。 あ、僕、こういう演奏大好きなのかもしれない。なんか、楽しみ増えた感じ。
13 リストの超絶技巧練習曲。全然、音楽的だとは思わないけど(笑) 時々無性に聴きたくなる。で、聞き終えた後、何にも残ってない(爆) シフラの独特な演奏だから聴きたくなるのかも。のだめも弾いてた。
14 ストラヴィンスキーの1924年のピアノソナタ。1903年のピアノソナタは もろにドイツロマン派の物真似で、全然良くないが、24年の方は、新古典主義で 部屋の模様替えをしちゃったあとだから、どこにも属さないタイプのピアノソナタに なっちゃっている。この人が現代音楽に向わなかった理由がわかる。のだめだから。
15 美メロの帝王、R・シュトラウスの傑作オペラ「カプリッチョ」から序奏を。 1941年にこんな曲を書いているんだから、彼はやっぱりラフマニノフと並ぶ 映画音楽家の開祖なのね。 ワーグナーとR・シュトラウスの関係を、 ドビュッシーとラヴェルの関係にたとえていいのかい?専門家の人よ。 R・シュトラウスの末裔に筒美京平がいるのは合ってるん?
16 最後は、ショパンで一番好きな曲を。これはピリスで聴かなくてはいけない。 世界の真実・宇宙の摂理だ。左手のコードが揺りかごの揺れを演出する・・・。 ・・・・おやすみなさい・・・・・zzzz〜
「モニク・アース/ラヴェルピアノ作品集」■
全然、興味の外だったモニク・アースなのに、突然かけがえのない 演奏家に!だから、音楽は面白い。っていうか、僕自身が面白い。 「クープランの墓」、超名演です!
(12月14日 記)
響 一朗
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