A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2006年12月15日(金) 秋吉敏子さん



秋吉敏子さん、アメリカで大きな賞をもらったそうですが、
ものすごく嬉しそう。「賞をもらったこと」が嬉しそう。
自身の積み上げてきた歴史が「賞」という形で評価された事が嬉しそう。
チック・コリアももらってるんだから!すごい賞!と
意味不明にもちあげるキャスターも嬉しそう。

秋吉敏子さんのジャズは、僕が30年近く聴いてきたあらゆるジャズの中で
最もつまらない部類に属するものです。才能はあるのでしょう。たぶん。
でも、あの人の音楽には色気がありません。ユーモアがありません。余裕がありません。
面白みがありません。理屈・理論先行型で大衆音楽としてのジャズではありません。
ルー・タバキンもつまらないし、秋吉敏子さんが弾くピアノもつまらない。

そう、一言で言えば、
「つまらない音楽」です。僕らが常に探し求めている「面白い音楽」の
対極に位置する「つまらない音楽」です。
そのつまらなさは、娘のMonday満ちるに受け継がれています。
ふたりが共演したテレビ番組をちょっと前に見ましたが、
驚くほど没個性的な演奏&歌唱に、思わず涙が。
何だか、悲しい親子。

大きな賞(単純に大きいという意味だけの賞)をもらって
ジャズ人生もまもなく完結するのでしょう。
でも、僕は、秋吉敏子さんの音楽を聴く事は今後二度とないでしょう。
それって、寂しくありません?
いえいえ、僕自身への問いかけではないですよ。
ジャズという音楽への問いかけです。



(12月6日 記)


響 一朗

My追加