A Thousand Blessings
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2006年08月14日(月) A HUNDRED HIGHWAYS

仕事は無くても、amazonからCDは容赦なくやってくる。
音盤に魂を抜き取られたオレの未来は暗黒より暗いぞ。真っ黒だ。
ものすごい勢いで小谷美紗子とジョニー・キャッシュを吸収中。
ほんとにオレってスポンジだなぁ、って思う。しかも相当でっかいスポンジ。
縦横50メートルくらい。






ジョニー・キャッシュの遺作となったアメリカン・レコーディングスでの第5弾
「A HUNDRED HIGHWAYS」(録音は2003年、死の直前)が届いた。
リック・ルービンのプロデュース作品はこの5枚で完結。
一聴して老人と分かるその声には往年の力強さや輝きはなく、
音程はふらつき、声は絡まり、呼吸することさえためらいがちなのに、
この表現の深さは何なんだ。
キャリアと言ってしまえばそれまでだが、
やはり彼は目には見えない何ものかに選ばれた特別な表現者だったんだと
思わずにはいられない。それほどすごい作品。
ジョニー・キャッシュの長いキャリアの始まりである
サン・レコードのコンプリート・レコーディングス(全54曲)を取り出して
“there you go”を聴いてみる。
希望に満ち溢れた未来に船出するにはあまりにもつらい内容の作品だが、
常にその目でシビアーに現実を捉え、その体現者であろうとする姿勢は
半世紀という長い年月が流れても変わらない。
50年後の“there you go”を「A HUNDRED HIGHWAYS」に聴いてしまうのだ。
ハンク・ウィリアムスのカヴァー曲“on the evening train”に涙が止まらない。


響 一朗

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