A Thousand Blessings
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2006年08月12日(土) |
墨田インタビュー「UA×菊池成孔/CURE JAZZ」 |
「UAの新作『CURE JAZZ』を聴いた感想は?」
「いきなり結論から言っちゃうと、12曲中、なかなかいいんじゃない? って思ったのは冒頭の1曲だけ」
「冒頭のはたしかメル・トーメの曲だよね?」
「そそ。多分これはヘレン・メリルとギル・エヴァンスの 新旧2枚のコラボ■があるじゃん?あのサウンドを雛型にしてると思うんだけど、 UAの声の個性に合った選曲だし弦をアレンジした中島某■の仕事も評価できるね。 ただ、女のアソコをいつまでも舐めまわすような菊池のすけべサックスには 辟易するけどね(笑)」
「あはは。確かに彼のサックスは饒舌でくどい(笑)」
「そう。名付けてオーラル・サックス!(爆)」
「上手いね!(笑)でも世間では菊池のことを天才って言ってるよね?」
「それはさー、彼のことを天才って思っちゃうほど聴き手の耳が貧困ってことだよ。 10段階で1くらいの耳しか持ってない奴には、5が天才に思えちゃう(笑) 菊池の演奏家としての才能なんて、せいぜいガトー・バルビエリ■程度。 作曲家としては、ま、坂本龍一クラスってとこ? たとえば8とか9の耳を持っていれば、本当の天才なんてほとんどいないことに 気づくしね。本当の天才って言うのは、10段階で20くらいの奴(笑) チャーリー・パーカーとかキース・ジャレットとか」
「つまり世間は亀田剛毅を見誤っちゃったように菊池を見誤ったと?」
「そそ。ちょっと楽理がわかって、音楽知識が豊富で、オーラル・サックスが得意なら 天才だと思っちゃう。これって、ある意味学歴コンプレックスと重なるよね。 知性的で頭の回転が速い菊池成孔、っていう評価。そんなの音楽と関係ないじゃん。 彼がやろうとしていることだけを純粋に見ればいいことでさ、耳を鍛えておけば 彼がいくらウェイン・ショーターに影響されたっていっても、ショーターの足元にも 及ばないことくらいすぐわかる」
「そんなに菊池を嫌いになった原因ってあるの?」
「東大生の前で音楽講義をしたから。その事実だけで、もうウザかったね。」
「墨田さん、東大生、嫌いだよね(笑)」
「大嫌い。くだらねー人種すよ。ずっと昔付き合ってた女の親父と兄貴が東大出身で すげーやな奴だった。二人似たようなのがいれば、それが世界の真実じゃん?(笑) で、僕の中での東大の評価は決定したわけ。」
「なるほどねー。言ってることよくわかるよ。せっかくだから、このアルバムの『聴きどころ』ではなくて『聴くなどころ』を教えてもらえる?」
「いいすよ。一気に片付けちゃおうか?(笑)」
「ぜひぜひ」
「まず1曲目の“ボーン・トゥ・ビー・ブルー”。僕が大好きなメル・トーメの曲だ。 UAのボーカルはヘレン・メリルの物真似だけど、雰囲気はいいよね。 中島某のアレンジは成功してる。リズムセクションは健闘している。 ピアノもまあまあ。サックスは駄目と(笑)こんな感じでいい?」
「いい、いい(笑)」
「2曲目は、話題の“チュニジアの夜”ね。これはもう全然すごくないね。 ラウンジ・リザーズの“ハーレム・ノックターン”の発想の奇抜さに比べたら、 もう、なんというかインテリの思いつきって感じでね。 すごく分かりやすいインチキ?(爆)録音もジャズのアトモスフィアが感じられないし。 UAはまあまあ、頑張ってる。 3曲目は、これも話題になってる“オーヴァー・ザ・レインボウ”。 これはもう完全に全員瀕死のパフォーマンスって感じだね(笑) 音楽的な要素が一個もない。驚き。聴いててイライラしちゃって 途中で止めたよ。発想の時点で、音楽的遭難は決定されてたね。 これ以上ないほど磨きぬかれたメロディのオリジナルを愚弄する行為は 一種の環境破壊と考える。ジュディー・ガーランドが聴きたくなっちゃって困ったよ。 4曲目はいよいよ菊池のオリジナル(6曲収録されている)“夜が明けない星のための音楽”だな。 この手法って誰の物真似だっけ?そっくりじゃん。あー、思い出せない。 パルコかなんかのCMみたいだな(笑) 坪口の結構聴けるピアノソロに割り込む菊池のサックス。 淫靡な雰囲気のラブホのBGMだな。 5曲目はポール・ウィリアムスの傑作“オーディナリー・フール”。 ブロッサム・ディアリー風にブリッコボーカルで迫るUA。それはそれで下半身に響く。 藤井信雄のブラッシュワークは平凡でつまらない。ここはやっぱ、ポール・モーシャンでは? ラインがハッキリしすぎる(録音のせい?) 鈴木正人のベースはロン・カーターみたいでなんかいや。坪口のピアノはいいと思う。 最後まで菊池が登場しなかったのがよかった。芳垣のパーカッションは素晴らしいな。 5曲目は菊池のオリジナル“嘆息的泡”。広東語で歌われている。だからなんなの? 平凡な曲だし、カーセックスの前にかかりそうな演奏だ。途中からリズムがかわって、 行為も佳境にってか?(笑) 聴くなどころ満載。ジョン・バリーの「タクシー・ドライバー」のパクリ。 さてさて、お次は菊池のオリジナル“この街はジャズすぎる”というお寒いタイトルで。 菊池とUAのデュエット。もう普通のお行儀のいいジャズ。 テレビ東京の川平慈英の音楽番組(もう終了してるか?)で演奏したら 似合いそう。次の“ルイーザ”もダサいなー。ジョビンのオリジナルだけど、 冒頭から全開の菊池の青白きボーカルが、素面じゃ聴けね〜〜〜。(汗) カエターニ・ヴェローゾを尊敬してるらしいけどこれってその辺の影響ってこと? UAの口の中で空気を転がすような歌い方は、少なくともこの曲には相応しくない。 菊池のオリジナル続くぞ“蜜と蠍”。リンガラ風に始まり、 やがてエチオピアジャズ風へと展開していく、アイデア的には面白いナンバー。 UAの声もビョークみたいで結構ミスマッチで面白い。芳垣らのパーカッション隊も頑張っている。 あとは録音だけかな。もっとパーカッションの音を前面に出さなきゃ。 声なんて隠れたっていいんだよ。しっかし、バックでのけぞっている 菊池のサックスはガトー・バルビエリみたいでうるせーな。ちょっと黙ってろって(笑) 中島某のブラスアレンジは、全然分かってないね。勉強しなおしてね。 6分後に始まる坪口のピアノソロはいいね。 でもバックのチェイスかBSTみたいなブラス群にかき消される。 さて、いよいよ賛美歌登場!菊池オリジナルの“ランバレネの賛美歌”だぞー。 評価する気なし。キワモノだよ。それも食えないキワモノ。 “アイル・ビー・シーイング・ユー”での露骨なビリー・ホリディの物真似に ジャズシンガーとしてのUAの限界を見たね。雰囲気捉えてるだけだし。 菊池のサックスはよく喋るけど、大切な事は語っていない。 たとえばレスター・ヤングだったら? べったりではなく。そっと寄り沿うよね。最後は菊池本性丸出しのオリジナル“水質”。 曲調もパクリくさいけど、それにしてもインテリ価格の暴落を体現したかのような エセおシャンソン。坂本龍一と全く同レベルのチンケな一品。最後にジャケットね。 これはUAと菊池の関係を表しているんだろうけど、どこか安っぽい。 かといって、場末のジャズバーの泥臭さを想像させるものでもない。 パルコでお買い物する人種がいかにも好きそうなちょっとおしゃれでコンサバな感じ。 ふぅ^^^〜〜、一気で、疲れたぁ・・・。(汗)」
「ほんと一気にいっちゃったね。しかし、全然誉めてないけど、 何でこんなの買ったの?」
「買う訳ないじゃん。くすねたのよ。(笑)」
「どこから?」
「言えねー」
「最後にみんなにメーッセージを!」
「ハーイ!みんな、、こんなの買うなよー! 3000円あったらつぼ八で飲もうぜ! ま、女くどく時は結構つかえるけどさ。以上!」
「今日は忙しいなか、サンキュー」
「誰が忙しいんだよ?!(怒)」
※ ちなみにこの日記も2日ほどフライングしてます。 現在10日の午前3時半。読み終えた僕のブログのファンの方は 念のため、昨日の日記を確認してみてください。読まれていない 可能性もあるから。読まなくても別に生活に支障はありませんがね。
響 一朗
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