A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2005年11月01日(火) くるり“baby i love you” サンボマスター“全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ” 吉田美奈子「FLAPPER」




「くるり/Baby I Love You」

2曲目の“the veranda”は、
岸田繁の肩越しに友部正人の照れくさそうな顔がのぞいてる、そんな曲。
今月末に発売されるニューアルバムへの期待を膨らませてくれる佳曲ですね。

一曲目の2分26秒後、転調して始まる2度目のBaby I Love Youのコーラスは空高く
上昇していく思いの翼のようにしなやかで力強い。ポップスでもロックでもフォークでもない
くるりだけの世界にさらに磨きがかかっています。これは見事としか言いようがないです。
フォトアルバム(つまり動かない映像)だけの初回限定DVDがついて1400円は少し高いかと思いましたが、実際に音楽をバックに見ると、このフォトアルバムは想像以上に
趣があります。これもやっぱり、くるりらしい考え方かなベリーグッドですよ。







「サンボマスター/全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」

演奏が荒くても(しかし、確実に進歩しているのが素晴らしい!)歌の音程がふらついても
歌詞に多少稚拙な部分があっても、僕はこれは許しちゃう。
だって、彼ら、志が低くないもんね。ゼニカネの世界ではなく、音楽の世界で上昇していこうとする意思は
作品を発表するごとに強くなっています。
それがあれば大丈夫。2曲目の和田アキ子のカヴァー曲“あの鐘を鳴らすのはあなた”も
一部だけ(つまづいて〜傷ついて〜♪の“傷ついて〜”の部分)メロディを変えて歌っていますが、
非常に効果的で感心しました。この方が、説得力があります。作曲者の森田公一に
聞かせたいですね。他にもドラムスのシンコベーションを効かせた部分とか、メリハリのある
アイデアが素晴らしい。
彼らがこれからやるべき事は、リズムセクションの強化と声の出し方のバリエーションを
増やすことかな。でも、今はこれでも僕は満足してます。超ベリーグッドです!









いつからか好きではなくなって、すっかり聴かなくなった吉田美奈子の「フラッパー」
を再購入。もちろん先日の林立夫セレクションで“かたおもい”を聴いたからで。
うーん、当時もこのアルバムには感動していたんだなー。全部思い出しました。
もちろん吉田美奈子の向こう側にはローラ・ニーロが見えているわけですが
むしろローラ・ニーロを志向したことで、日本語の発音や歌詞のアクセントのつけかた
に独特な個性が生れたのかもしれません。問題は、彼女がそれを途中で捨ててしまった(?)ことなのですが、ま、それは今はいいや(笑)
アレンジの矢野誠と佐藤博がもうすごくて、ドラムスは林立夫と村上秀一が叩き分けてて、
林立夫のロスっぽさに対して村上秀一のニューヨークっぽさ、その違いが面白い。
細野と高水の両巨匠のベースプレイはグルーヴしまくり、
松木恒秀と鈴木茂は共に味わい深いギターを聴かせ、矢野顕子のピアノは今話題の
上原ひろみなど足元にも及ばないほどの即興性とスイング感に溢れています。
聴きどころがあまりにも多くて書ききれませんが、ベストプレイは8曲目“”忘れかけてた季節へ”
での矢野誠のストリングアレンジと吉田美奈子自身によるピアノ。うわー、こんな演奏を
僕は10数年間忘れてたんだー・・・。ほんと再発見できてよかったー。
今なら僕が選ぶ日本のポップス&ロックアルバムベスト50に確実に入りますね。


仕事がとにかく忙しくて、ちょっと戸惑い気味ですが
何とか音楽を聴いて生きてます。うそ、死んでます・・・。
ただし、先日も書いたように疲労で休みの日以外は更新が難しい。
書き留めたい事は山ほどあるし、作りたい編集CD-Rの選曲もしたいし、
友人と話もしたいし、新譜もいろいろ出るし、旧譜も買いたい。
あー、本当に時間がありません。あー、神様、僕に強靭な肉体と有り余るほどの時間を
下さい。


響 一朗

My追加