A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2005年08月14日(日) ミスチルのニューアルバム『I らーぶ U』

9月発売のミスチルのニューアルバム、タイトルは、




Tシャツのプリントみたいなハートマークのロゴに一歩引いてしまった僕だが、
よくよく見れば、潰れたトマトなのね。
飛び散った果肉は脳しょうと血痕を意味しているのだろうか?
それとも叩きつけられ破裂した心臓か?
どちらにしても死のイメージは強く、原稿用紙は戦場ジャーナリストの
それを思わせる。しかし、アーチスティックにデザインされたそれは
妙に現実感に乏しい。




「I LOVE YOU」と「I LOVE UNIVERSE」
どちらも宗教的な雰囲気が漂う。
マルコムXではなくキング牧師的な発想?
僕はメッセージの対象は具体的になればなるほどいいと思っている。
ソウルフラワーの中川敬がジャケットに選ぶ写真は
常に具体的かつ反アーチスティクである。
対象から逃げていない、とでも言ったらいいかな?

巨大になりすぎたミスチル(&スタッフ)に訴えたいテーマがあるとすれば、
ファンからひんしゅくを買うのを覚悟で、もっと具体的に対象を絞って、
それをドカーンとファンの前に提示してしまうのが手っ取り早いと思うのが。
これから「I LOVE YOU」Tシャツを着てピースサインで写真に収まる
若者が増えていく気がして、ちょっと萎える。

エコ事業に深く関わる事で、桜井たちは自身が日常感じている
後ろめたさから開放されていく。社会に何かを還元する事で、
社会は彼らに何かを再び与える。それは金とか名誉ではなく、
一種の達成感であろう。でもその社会は誰かを傷つけてはいないか?
誰かを悲しませてはいないか?誰かを殺してはいないか?
桜井が「I LOVE YOU」と叫べば、ファンも「I LOVE YOU」と続く。
それは合言葉のようなもの。宗教儀式のようなもの。
「地球環境保護」も「人類愛」も「世界平和」も僕にはピントがあっていない
写真のように見えてしまう。
たとえば、「原発反対」や「イラク侵攻反対」、あるいは「ゴルフ場建設反対」
ならピンボケはない。

桜井はジョン・レノン化していくのか・・・な。。


さて、それはそれとして、メロディメイカーとしての桜井には
今までどおり期待している。バンドも成長していることだろう。
これほど性急に新しいアルバムを出すのだから、
きっといい曲が出来上がったにちがいない。
と、、思うけど、もしかしてシングル曲が4〜5曲収録されていたら。
だとしたら、僕は「商売」という風に見てしまうな。曲目の発表が楽しみだ。





響 一朗

My追加