A Thousand Blessings
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2005年08月14日(日) |
ミスチルのニューアルバム『I らーぶ U』 |
9月発売のミスチルのニューアルバム、タイトルは、
Tシャツのプリントみたいなハートマークのロゴに一歩引いてしまった僕だが、 よくよく見れば、潰れたトマトなのね。 飛び散った果肉は脳しょうと血痕を意味しているのだろうか? それとも叩きつけられ破裂した心臓か? どちらにしても死のイメージは強く、原稿用紙は戦場ジャーナリストの それを思わせる。しかし、アーチスティックにデザインされたそれは 妙に現実感に乏しい。
「I LOVE YOU」と「I LOVE UNIVERSE」 どちらも宗教的な雰囲気が漂う。 マルコムXではなくキング牧師的な発想? 僕はメッセージの対象は具体的になればなるほどいいと思っている。 ソウルフラワーの中川敬がジャケットに選ぶ写真は 常に具体的かつ反アーチスティクである。 対象から逃げていない、とでも言ったらいいかな?
巨大になりすぎたミスチル(&スタッフ)に訴えたいテーマがあるとすれば、 ファンからひんしゅくを買うのを覚悟で、もっと具体的に対象を絞って、 それをドカーンとファンの前に提示してしまうのが手っ取り早いと思うのが。 これから「I LOVE YOU」Tシャツを着てピースサインで写真に収まる 若者が増えていく気がして、ちょっと萎える。
エコ事業に深く関わる事で、桜井たちは自身が日常感じている 後ろめたさから開放されていく。社会に何かを還元する事で、 社会は彼らに何かを再び与える。それは金とか名誉ではなく、 一種の達成感であろう。でもその社会は誰かを傷つけてはいないか? 誰かを悲しませてはいないか?誰かを殺してはいないか? 桜井が「I LOVE YOU」と叫べば、ファンも「I LOVE YOU」と続く。 それは合言葉のようなもの。宗教儀式のようなもの。 「地球環境保護」も「人類愛」も「世界平和」も僕にはピントがあっていない 写真のように見えてしまう。 たとえば、「原発反対」や「イラク侵攻反対」、あるいは「ゴルフ場建設反対」 ならピンボケはない。
桜井はジョン・レノン化していくのか・・・な。。
さて、それはそれとして、メロディメイカーとしての桜井には 今までどおり期待している。バンドも成長していることだろう。 これほど性急に新しいアルバムを出すのだから、 きっといい曲が出来上がったにちがいない。 と、、思うけど、もしかしてシングル曲が4〜5曲収録されていたら。 だとしたら、僕は「商売」という風に見てしまうな。曲目の発表が楽しみだ。
響 一朗
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