A Thousand Blessings
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2005年04月27日(水) 【drums】コメント入り

給料が入り、CDを購入。

「ビージーズ/ライブ・イン・ラスベガス(ボーナストラック6曲入り!)」
「スピッツ/空の飛び方」
「ベン・フォールズ/ソングス・フォー・シルヴァーマン」
「デヴィッド・ボウイ/ステージ」
「大滝詠一/ナイアガラCMスペシャル」

ビージーズはとにかくプロの仕事!感服。
スピッツの“ラズベリー”はモータウンのエッセンスみたいな曲。
ベン・フォールズの新作ソロアルバムは、曲のあまりの良さに
驚き!あまり興味がない人だったが、いやぁ、無視してはいけないな。
ボウイのライブはアナログ時代から極めつけの名演としてあまりにも有名。
今回は、実際の演奏順に曲を並び替え、アナログに時間の関係で未収録
だったナンバーも揃い、完全版として永久保存盤になる。
大滝のCM作品集は我が家に無くてびっくりして購入したもの。
誰かに貸したままなんだろう。大滝の基本アイテム。

サンビマスターがどんどんつまらなくなっていく(苦笑)
ミスチルの新曲“未来”は、サビの部分で思わず腰が抜ける(意味不明)
桜井君、必殺のひとりハモり(っていうのか?)。
グレードを落とさずに曲を書きつづける能力はもはや神の域でしょ。
彼が、他人に作品を提供しない理由。彼が歌って初めて輝く桜井メロディ
であり桜井リリックであるからでしょ。彼以上に彼の曲を上手く
歌いこなせる人はいないから。

友人に送ったドラムス編集CD-Rの簡単なコメントを書かねば。

【Drums】

1 フューズ/ジャクソン・ブラウン(ラス・カンケル)
※ ジム・ケルトナー、ジェフ・ポーカロ、ラス・カンケル。
  この3人で70年代の全てのレコーディング・セッションが
  仕切られていたというのは極端だが(笑)、それくらい
  多くの仕事をこなしている。
  正確無比でありながら、実はライブなどで見せる豪放な一面もある
  のがラス・カンケル。ハイハットとシンバルの切れ味に若い頃の
  僕は、ただひたすら憧れた。
  
2 ディス・ホール・ワールド/ブライアン・ウィルソン(ジム・ケルトナー)
※ 70年代から80年代にかけて猛烈な数のセッションを経験してきた
  まさに最大級の売れっ子ドラマー。基本的には何でもできる人。
  僕的には、ハル・ブレインの後継者と考えている。もちろん
  ドラミングのスタイルに関して。聴いてすぐジム・ケルトナーと分かる
  極めて独特なタイム感覚。ただ、スネアーを叩いてても、全然違う。
  最近のベストプレイは「ジョー・ヘンリー/タイニー・ヴォイセス」
  収録の“フラッグ”と「サイモン&ガーファンクル/オールド・フレンズ」
  収録の“冬の散歩道”。
  絶対に打ち込みでは彼の演奏は再現不可。ゆえに超貴重。

3 カリフォルニア・ガールズ/ビーチボーイズ(ハル・ブレイン)
※ 60年代の花形セッションドラマーといえば、まずはこの人。
  ドラマーであるのと同時に彼は音楽家でもある。
  「ペットサウンズ」製作時、ブライアン・ウィルソンがどれほど
   ハルを頼っていたか。ほとんど相棒同然だったということ。
  世間的にはロネッツの“be my baby”のドラミングが有名すぎ。

4 ジ・エンド・オブ・ソング/カーペンターズ(ロン・タット)
※ 手数の多さで有名なロン・タットがおそらく彼のキャリアの中で
  最も何もしなかったのが、この演奏だろう。
  バスドラとハイハットとリムショットだけ。
  ご飯と味噌汁とたくわんよりも質素。しかし、ひとつひとつの音の
  表情の豊かさはいったい何なんだ?この演奏を知ったとき、
  初めてロン・タットの本質(歌伴こそが彼の仕事場)に気付いた。
  カレンの死後、リチャードが編集したものなので、実はヴォーカルは
  テスト録音時のもの。バックコーラスに兄妹のあの有名な
  多重録音ハーモニーが聴かれない事にお気づきであろうか?


5 帰ってほしいの/ジャクソン5(エド・グリーン)
※ エド・グリーンやこのあと出てくるロジャー・ホーキンス
  のように、黒人音楽の音づくりに多大な貢献をしている
  白人ミュージシャンはかなり多い。
  やっぱり黒人音楽はちがうぜ!と思っている人に教えてあげたい。
  オーティスのサウンドコンセプトを作ったのは白人のステーブ・
  クロッパー。アレサ・フランクリンと最も相性がよかったのは、
  黒人のバーナード・パーディではなく、白人のロジャー・ホーキンス。
  ジャクソン5のグルーヴを作り出していたのはエド・グリーン。
  スライを最もスマートに聴かせたドラマーは白人のアンディ・ 
  ニューマック。きりがない。

6 禁断の木の実/ザ・バンド(レヴォン・ヘルム)
※ まさにワン・アンド・オンリーなスタイルのドラミング。
  スネアーのハネを最大限に生かした叩き方は、重心の低いグルーヴを
  生み出す。これだけの後打ちなのに、歌いながら叩けるのは不思議。
  ベースを弾きながら歌うポール・マッカートニーと同じ。
  彼に相応しいベーシストは朋友リック・ダンコしか考えられない。
  それにしても、ザ・バンドってものすごいテクニシャンだと思う。

7 僕のコダクローム/ポール・サイモン(ロジャー・ホーキンス)
※ ロジャーのドラミングの醍醐味が味わえるのは、間違いなく
  アレサ・フランクリンの諸作。
  でも、僕にとってはこれかな。間奏でスネアーを叩き出す瞬間の
  グルーブ具合といったらもう。ハイハットをほんのちょっと開け気味の
  刻み方は実にソウルフルだと思う。スネアーの音ですぐにロジャー・
  ホーキンスと分かる。95%くらいの確率で(笑)
  
8 なごり雪/イルカ (たぶん・・・村上秀一だと思う)
※ イルカに興味はないのだが、この曲のドラムスだけは大好き。
  レコーディング・メンバーの情報がないのだが、
  おそらくタッチから見てキーボードは松任谷正隆?
  ギターは間違いなく鈴木茂!ベースはおそらく細野晴臣)
  ということは、バックはティン・パン・アレイ。
  なら、やっぱドラムスは林立夫って事になる。
  確かに林立夫っぽいんだけど。この間の取りかたは村上秀一的。
  55対45で、村上秀一(笑)

9 ディア・ミスター・ファンタジー/トラフィック(ジム・ゴードン)
※ 僕が一番好きなドラマー!60年代から70年代にかけて
  大活躍した。とんでもない数のセッションをこなしながら、
  いくつかのグループに正式メンバーとして参加し、
  多くの名演を残した。彼の特徴は、なんといっても鋭さと
  圧倒的なグルーヴ感、そして燃焼温度の高さ。
  グッと抑えた演奏にはじまり、徐々に熱くなっていき、
  最後には完全燃焼して灰に(highに)なる。
  ジムの最高の演奏は、ずばり!このライブ版“ディア・ミスター・ファンタジー”
  すでに200回は聴いている。何もかもが素晴らしい。
  ちなみに、ジムは「ペットサウンズ」でも叩いている。
  “アイム・ウェイティング・フォー・ザ・デイ”での強烈な音は
  ジムそのものである。精神錯乱状態で母親を殺害したジムは
  終身刑を宣告され、今も刑務所のなかにいる。辛い話だ。

10 トーキョー・シティ・ヒエラルキー/bank band(山木秀夫)
※ かつて、フュージョンドラマーとして一時代を築いたミュージシャン。
  ソウルよりもジャズよりの演奏スタイル。しかし、ロック的なダイナミズムも
  兼ね備えている。手数が多いのは昔からかな?
  BANK BANDに彼が参加したことで、桜井は別の引出しをさりげなく
  開けてみせてくれた。桜井への共感が彼のドラミングからリアルに伝わってくる。
  
11 ほうろう/小坂忠 (林立夫)
12 論寒牛男/大滝詠一 (林立夫)
※ 村上秀一とともに70年代・80年代の音楽シーンを支えてきた
  偉大なドラマー。代表作はあまりにもありすぎていちいち書くのはやめ。
  興味をお持ちの方はネットで調べてください。
  僕が選んだのはこの2曲。すぐに決まったけど、多分3日考えても
  これになると思う。今は、一回目の引退から復帰して、また半分引退常態かな?
  わからないけど。たしか、ファッション関係の会社の社長になってた気が。

13 99/TOTO (ジェフ・ポーカロ)
※ 若くして亡くなった。痛恨の極み。野球で言えば、三冠王をとれるのは
  ジェフだけだったと思う。才能のかたまり。テクニックとパワー。
  音楽家としてもサウンドクリエイターとしても輝く未来が拓けている
  はずだったのに。もう大好きすぎて、書けんわ。

14 ハート・オブ・ゴールド/ニール・ヤング(ケネス・バトレー)
※ 最後は、ナッシュビルのセッションドラマー、ケネス・バトレー。
  歌伴に徹する枯れきったスタイルのドラミングは、歌志向のアーチストから
  愛された。僕が初めて彼を知ったのがこのニール・ヤングの曲。
  もう1曲、ボブ・ディランの「ジョン・ウエズリー・ハーディング」から
  選んでもよかったな。これだけはいえるのだが、こんなに簡単に見える
  ドラミングなのだが、実際に真似しようとすると無残な結果になるのだ。
  チャチこの上ないカスカスの演奏になってしまう。
  つまり、タイミングの取りかたというのは、他人には真似しがたいものなの  
  だ。決めはタイミングにあるというのが結論。終り。


響 一朗

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