A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年10月27日(水) それでも救う。

坂本龍一のような「頭の良いアーチスト」は
逃げ道を巧みに用意した反戦運動をする、という見方はどうだろうか?
先日の『NEWS 23』で披露された“戦争と平和”を聴いて、そんなことを
考えた僕。


ソウル・フラワー・ユニオンの新曲“極東戦線異状なし!?” 

『この戦争をやめさせろ この戦争を
 あのブッシュ・シャロンみたいな類いのゴロツキは
 世界のあまたの唄が 首根っこを押さえるぜ』

こんな風に歌っている。
坂本龍一とソウル・フラワー・ユニオンの違い。それは。
誰に対して「具体的に」怒りをぶつけているかの違いだろう。
テレビ画面のなかで冷静に分析している場合ではないのだ。



イラクで日本人が拉致された。
というより、進んで拉致されに行った、という方が正確かもしれない。
無謀で幼稚で、ある意味純粋で(知らないが、たぶん)困った若者だが
それでもやはり日本政府は彼の命を無視してはいけない。
前回の拉致事件とは明らかに深刻度が違う事件だ。
確実に彼は首をはねられるだろう。
極悪人ではない若者が死んでいくのを、ただ単に迷惑をかけた
常識のない奴だから自業自得だ、という考え方で
納得してしまう日本人の心の歪みは、この国の未来が
真っ暗な闇でしかないことを僕に教えてくれる。
国民の不幸の上に立つ国家の体面など糞くらえだ。
何もかもむかつく事件だ。


響 一朗

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