A Thousand Blessings
2004年1月〜最新|ひとつ前に戻る|ひとつ先に進む
坂本龍一のような「頭の良いアーチスト」は 逃げ道を巧みに用意した反戦運動をする、という見方はどうだろうか? 先日の『NEWS 23』で披露された“戦争と平和”を聴いて、そんなことを 考えた僕。
ソウル・フラワー・ユニオンの新曲“極東戦線異状なし!?”
『この戦争をやめさせろ この戦争を あのブッシュ・シャロンみたいな類いのゴロツキは 世界のあまたの唄が 首根っこを押さえるぜ』
こんな風に歌っている。 坂本龍一とソウル・フラワー・ユニオンの違い。それは。 誰に対して「具体的に」怒りをぶつけているかの違いだろう。 テレビ画面のなかで冷静に分析している場合ではないのだ。
イラクで日本人が拉致された。 というより、進んで拉致されに行った、という方が正確かもしれない。 無謀で幼稚で、ある意味純粋で(知らないが、たぶん)困った若者だが それでもやはり日本政府は彼の命を無視してはいけない。 前回の拉致事件とは明らかに深刻度が違う事件だ。 確実に彼は首をはねられるだろう。 極悪人ではない若者が死んでいくのを、ただ単に迷惑をかけた 常識のない奴だから自業自得だ、という考え方で 納得してしまう日本人の心の歪みは、この国の未来が 真っ暗な闇でしかないことを僕に教えてくれる。 国民の不幸の上に立つ国家の体面など糞くらえだ。 何もかもむかつく事件だ。
響 一朗
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