A Thousand Blessings
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2004年10月08日(金) 萩原健太には、がっかりだ

評論家活動の初期から鋭い耳と豊富な知識を誇っていた萩原健太。
僕が日本で最も信頼する音楽評論家であるが、
萩原のホームページに掲載された「ブライアン・ウィルソン/スマイル」評を
読んで「え?何?」と考え込んでしまった。

文章の中で、彼はほとんど感情ぶちまけといった感じの
イチロー批判を展開しているのだ。
何故あえてあのような形でイチローを批判せねばならないのか、
イチローを批判する事で巨人ファンである萩原の心の中の何かが
解消されるのか分からないが、ともかく彼にしては珍しく悪意を感じさせる
嫌ぁ〜な感じの語り口に軽いショックを覚えた。

イチローそのものが嫌いなのは全然OK。
松井の方を高く評価したい気持ちも分かる(実際に僕も松井の活躍には驚いている)
世間がみな主体性無くマスコミに煽られるように
イチローフィーヴァーに沸いている事を苦々しく思う気持ちも理解できる。
萩原健太がイチローをどんなに低く評価しても実は全然かまわないのだが、
問題はイチローをけなす材料の選び方にあると思うのだ。

例えば、『イチローが所属するチームが弱くなるのは、
そういう風にしちゃう負のパワーみたいなものが彼にあるのかな?
わからないけど。』だとか、
『日本のプレスを相手にしたときの、まるで中途半端な天狗になっている
頭の弱い若手ロックミュージシャンみたいな受け答えが好きになれない』
のような表現。

前者は「わからないけど」で逃げているけど(苦笑)
後者の「頭の悪いロックミュージシャンみたいな」という部分は
明らかに萩原健太自身の単なる印象にしか過ぎないのに、
読み手には、イチロー=頭が弱い、イチロー=天狗になっている、
という事実とは違うイメージを植え付けてしまっているように思う。

最後に結論として『日本中が一丸となって応援しているかのように見える
イチローに対してでさえ、こんなふうに何とも思わない人間がいるわけで。
人の感じ方というのは様々。誰もが同じように同じものを
賞賛するなんてことはない。』とおっしゃっていますが、
そんなこと言われなくたって分かってますよ。

そのことを言いたいが為に、
あえてイチローを槍玉にあげた事の子供っぽさにガッカリしたというか。
CCCD問題であれだけ熱っぽく語ってた人が、
急に小さく思えてきたというか。

ほとんど、ただのオヤジじゃん。普通の会社員の俺と変わらないじゃん。
駄目だね。全然、駄目。


・’゜☆。.:*:・’゜★゜


と、かなり最初の文章を書き直してみたが(9日深夜に加筆)
何だかだんだんつまらなくなってきた。
イチローをけなされて腹を立てているだけじゃないのか?俺は?とか
思わないわけでもなく。
でも、やっぱり、音楽の師匠としてお勉強させてもらってきた
僕としては、何だかなぁ・・・という思いが残るんだよね。
一度も話したこともないのにねー・・・。


響 一朗

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