A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年03月18日(木) 平井堅“デスペラード”。女子十二楽坊ウィルス繁殖中。ジョー・ヘンリー“flag”のドラムス必聴!

苦味40%カットのビールのCMをやっている。
意味が分からない。ビールから苦味を40%もカットしたら、
それはビールと言えるのか?
別のCMで平井堅の歌声が流れていた。
イーグルスの“デスペラード”のカヴァー・ヴァージョンだが、
これが苦味のない何とも大甘な歌い方だ。
おそらくはベイビーフェイス出現以降のある種の流行りなのだろうが、
昔からのソウル好きとしては、どうにもウザったくて仕方がない。
イーグルスのドン・ヘイリーが聴いたら苦笑するだろうな。
“デスペラード”とは「ならず者」という意味。


人は何故、女子十二楽坊に群がるのか?
2枚のアルバムで200万枚近い売上げという事は、
同じ人間が2枚とも購入したと仮定すると、
つまりは、現時点で日本の音楽を必要とする人間のうちの
100万人が聴いている勘定になる。
武道館を30回近く満員御礼にできる人数である。
これは由々しき事態だ!驚け。
友人に女子十二坊を購入した奴がいないので、
直接「どこがいいの?」と聞けないのが残念だ。(友人のお身内に
購入された方はいらっしゃるが)
指が正確に速く動く、一糸乱れぬ集団演奏だからすごいの?
綺麗なおねえちゃん達が余裕でニコニコ笑っているのがすごいの?
バックの80年代打ち込み風のリズムに東洋の楽器が乗っかって
いるのが、融合しているみたいですごいの?
中島みゆきのカヴァーで泣いちゃうの?
3枚目のCDを買うと、何と、ライブのDVDまで付いてくるそうだ。
相当儲かった事で余裕も生まれてきたのだろうが、
3枚目も100万枚を突破したりしたら、これは異常事態だ。
でも突破するんだろうな。
「水戸黄門」「続・水戸黄門」「続続・水戸黄門」と続いて、
4枚目はなんだろう?「新・水戸黄門」か?
僕の結論。女子十二楽坊の音楽とパラパラ(すでに懐かしい)の
音楽は似ているという事。どこが似ているかはお考え下さい。



ドラムスに少しでも興味がある方は、いますぐ
ジョー・ヘンリーの新作「 タイニー・ヴォイセス」収録の“flag”を聴くべし。
ドラマーはジム・ケルトナー。
シンバルのジンジンという音、ハイハットのペシャッという音、
スネアーのコトッという音、バスドラのボムッという音に、
ドラムスについて学ぶべき事の中でも最も重要かつ難しい
「歌わせる」という技術の全てが聴き取れる。

“flag”が、今夜はエンドレスで流れている。
ジョーのヴォーカルを聴いていると、トム・ウェイツやコステロが嘘っぽく
感じられてしまう。不思議だ。
個人的な2004年度のベスト10には間違いなく入るアルバムだ。


トータスの新作「イッツ・オール・アラウンド・ユー」が
すごいことになっている。
初めは、つまらなかった。理由は最後まで聴かなかったから。
これはCD購入者にはあるまじき行為だが、ちょくちょくある。
最初の1〜2曲で判断する癖がなかなか抜けない。
理由の一つに時間がないことを挙げたい。
実際、聴きたい、聴かねば、といった曲が多すぎて、
一枚のアルバムをじっくり腰を据えて聴くことが出来ない。
さあさあ、どんどん良くなるよ〜!と言いながら
ちっともエクスタシーに達しない事が多いのだ。
できれば1曲目、それが無理でも2曲目に印象的なものを
持って来てくれれば、その勢いで最後までイっちゃうのだが。
トータスの新作は4〜5曲目あたりから急に曲の出来が良くなってくる。
雑誌評では2曲目の評価が高いが、僕は一番出来が悪いと思っている。
途中からおい!おい!すごいぜ!ってな感じで最後まで突っ走る。
思うね。曲順は大切だよ。
「TNT」が大成功したのは曲順の良さもあるのではないか?
しかし、我が人生にこういう風に「聴きどころを聴かれなかった」アルバムって
かなりあるんだろうなー・・。
そう考えると、損した気になる。今はディスク・ユニオン経由で
他人の手に渡ったアルバムたちよ。許せよ。


訂正・・・文中に誤りがありました。書き直すのも面倒なので
     ここに訂正しておきます。
     3月3日発売の女子十二楽坊のCDは3枚目ではなく
     2枚目でした。その2枚を合わせて200万枚という
     勘定になります。さらに、次の女子十二楽坊のアルバムは
     「新・水戸黄門」ではなく「続続・水戸黄門」になります。
     


響 一朗

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