A Thousand Blessings
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2004年01月24日(土) |
高野寛が輝きだしたぞ! |
しばらく忘れていた名前だ。高野寛の新作「確かな光」を聴いた。 先日、日記に書いたともさかりえの名曲“愛しい時”の素敵なアレンジは 高野寛によるものである。 かつてトッド・ラングレンをプロデューサーに迎えて 極めて質の高いポップスを我々に提示してみせた高野だが、 彼も結構いい年になった。 新作ではそんな円熟しつつある彼の現在に触れる事が出来る。 作品の手触りとしては、玉置浩二の諸作に似たものを感じさせる。 スタジオでゆっくりと熟成させたような感覚、とでも言えばいいかな? 部屋で静かに鑑賞するために作られた作品という趣きである。 高野の歌い方は、極めて自然体で、小沢健二に通じるものを僕は感じた。 音を分厚く重ねるよりも、いかにして削るかに主眼が置かれた音作り。 選ばれた一音に全てを託すことの潔さと自信。 それは、高野が「いい時期」に入りつつあることを証明しているように思える。 一曲だけ収録されたカヴァー曲、ドノバンの「サンシャイン・スーパーマン」の アレンジに高野の才能を感じずにはいられない。
響 一朗
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