愛があっても疲れる

2004年11月10日(水) Laughing Samurai

昨日はレイトショーで「笑の大学」を観てきました。
面白かったです。
やっぱり役所さんは素敵な役者さんですね。
日本でタキシードを素敵に着こなすことができる
数少ない俳優さんの一人だと思います。
どんなに早口で捲くし立ててもセリフの一つ一つがちゃんと聞こえる。
すべての動きに無駄がない。
はんこを押すシーンに思わず見入ってしまいました。

時間ギリギリに滑り込んでハァハァ言ってるうちに始まったせいも
あるけど最初の頃のゴローちゃんのセリフは滑舌が悪く思えて
「何言ってるかわかんないよ、ゴローちゃん」状態でした。
「今川焼き」は確かに言いにくいけどね。
そのうち慣れましたけど2人芝居なので
ちょっと辛かったのは否めない感じでした。


「笑の大学」は舞台も初演、再演とも観ました。
比べるものではないと思うけど頭のどこかに舞台がチラチラするのも
観てしまってるからどうしようもないことで。

善良で気が弱くて笑いを心から愛しているそんな椿を
全身全霊で演じていた近藤さんが忘れられません。
脚本を挟んで検閲官と喜劇作者という相容れない両者に芽生える
一種「同士」めいた感情。

秀逸だったのはどうして椿が脚本の手直しを素直に受け入れるか
向坂に打ちあけるシーン。
「それは自分にとっての闘いだから」というセリフに
「そんな言葉は聞きたくなかった」と検閲官の立場に戻る向坂。
一瞬で舞台の温度が下がる、その場の空気の変わり方は見事でした。
ライブでしか味わえない瞬間の醍醐味です。

西村さんも近藤さんも素晴らしくて舞台であんなに笑って
あんなに泣いたことはないかもしれないくらいです。
アドリブだろうと思えるような動きやセリフにもちゃんと
受けがあって本当に役者どうしのぶつかり合いという感じでした。


2人芝居というシチュエーションからも映画化してどうなの?
と思っていましたが面白かったです。
役所さんは素晴らしかったしゴローちゃんも笑いを愛する
喜劇作者さんを好演してたと思います。
役所さんを見るきらきらした目が印象的でした。
でも堅物で笑ったことのない検閲官の心の機微を役所さんが巧みに
演じてたのに比べてゴローちゃんは全体的にトーンが一緒だった
ような気がします。
もうちょっとその辺を演じ分けてくれてたら最後の
「必ず生きて帰って来い。」のシーンがもっと生きてくるかな、とか。
行けるかどうかわからないけど出来たらもう一度観たいです。
それにしても贅沢なエンドロールでした。


金曜日は定時退社を奪取して「夜叉が池」を観に行きます。
今週は土日のうちどちから休めるかもしれないので
もし休めたら「2046」をもう一度観に行こうと思ってます。
来週は仕事が本当に大詰めで25日くらいまでは
何時に帰れるかわからない日が続くと思うので行けるチャンスは
逃したくなくて。
「笑の大学」もリピートしたいですね。


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nanako [MAIL]