あたしと彼のこと
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病院に行って、無事正常な妊娠であることを彼に伝えたら よかったねと言ってくれた。
心拍を確認するまではエコー写真はもらえない(病院の方針らしい) なので、机の上にあった耳掻きのアタマに付いたこけしを指さして 「いま、これくらいなんだって」と伝えた。
ちょうど1cmほどのこけしの頭を手にとって 「へぇぇ、小さいね」なんて余りにもあっさり言うので ヒョイと摘んで、すっぽり鼻に入れてあげた
「これから大きくなるよ、鼻じゃなくて目に入れても 痛く無いくらいになるかもよ」 そう言うと、そうかもねと笑ってくれた。
そこで、ふいに思って 「子が生まれてくるという実感は、ある?」と聞いてみた。
そしたら彼は 「ない、ぜんぜん想像つかないんだ」そう応えた。正直な人。
「そうか、実はわたしもなんだ」自分だけじゃないことに安心した。
「これからだんだん分かるんだと思う、急いでないよ」優しく言う彼。
「そうだね、気持ち、取り残してかないように行きたいね」
今日のやりとりでずいぶん不安が消えたよう。 私は取り残されてなんかいない、彼も同じだ。
こんなスタートでもいいか
これから描くしあわせに向かってゆけば、それでいいか
やがてそうなれば良いじゃないか。
そう思えた。
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