あたしと彼のこと
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(昨日の日記の続きです)
買い物がおわって、彼の部屋にあがった。
なんで上がったんだろう・・メールの女の人への対抗心だろうか?
しばらくぶりの彼の部屋は、以前とおんなじだった。 相変わらず彼はマイペースで、テレビを見ながらうたた寝しだした。
無防備なひとだ。
寝息をたてた傍で静かにテレビを見ていると、不安が蘇ってくる。 メールの女のひとは、もうこの部屋に来たのだろうか。 彼のことを好きなのだろうか。彼ともう寝たのだろうか。
そう思いながら彼の寝顔をみる。
目の前に彼がいるのに、その彼にはもうさわれない寂しさがあった。 他の女がふれたかもしれない彼に、さわりたくない気持ちもあった。
彼にたいして、嫌悪感と同じくらい大きな独占欲を感じる。 頭がいっぱいになって、ぽろぽろ涙がでてしまう。
「なに泣いてんの」
寝ていたはずの彼がこっちを見ている。そしてわたしの頭をそっと 撫でてくれた。でもなにも応えられない。 この気持ちは打ち明けられない、嫉妬だから。
「ほれ、言ってごらん」
顔を近付けて真正面からむきあってくる。なだめるような優しい顔。 こういうトコが好き、優しくて心強い人だ、でも今はそれがつらい。
ともあれ、いま、泣いてしまった理由を説明しなければならない。
嫉妬はふせて、かろうじて言えたのは 「あなたに、ふれたい」だった。
今思えば、なんの事やらサッパリだけど、彼はいいよと言ってくれた。 そのまま彼に抱きついて頭と頬を撫でた。すぐに撫でかえしてくれた。
わたしのなかで、嫉妬や嫌悪感より、独占欲が勝ってしまった。
抱かれていると、すごく安らぐ。 こうやって友達だと言いながら体をあわせているのがヘンな事だなんて 思えなくなる。二人がふれあうのはとても自然なことだと思えてしまう。
でもそう思う事こそ、変なのだろう。
たぶんわたしは、それすら解らなくなっている。
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