あたしと彼のこと
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2002年05月25日(土) いつも通りで、そうでない日

夜、彼の家にビデオを借りに行きました。
ついでに麻婆豆腐を丼にして、差し入れ。

いつもながら美味しそうに平らげてくれる彼。すっかり食べ終わり
ふたりテレビを見ながらまったりしていると、ふいに彼の携帯にメ
ールがはいった。程なくして彼の友人が家にやってきた。

玄関をあけた友人はわたしを見るや「なんだぁそらちゃんも来てた
んか〜」なんて言って、フツーに上がってきたのだけれど、じつは
こういうパターンは今回で何度目のことか。

友人は、缶コーヒーを2本しか持ってきていないのを気にした。
でも彼がすかさず「そらは缶コーヒー苦手だから丁度いいんだよ」
と言った。わたしは黙ったまま笑って頷いた。

そして「お茶もらうね」そう言って、冷蔵庫からウーロン茶を出し
慣れた手付きでグラスにそそいでそれを飲んだ。

友人、彼、わたし、3人の会話のなかで、初めて彼の事を、堂々と
名前で呼んだ(いつもは名字)少しドキドキした。

帰りがけに、使ったコップを台所で洗い、さっき彼が食べた丼の器
も一緒に洗った。たまっていた食器もついでに洗ってあげた。

そう・・・いつもの二人の様子を、ありの侭を、友人に見せたのだ。

でも友人は何も言わなかった。なにも気付いていなくとも、気付い
ていたとしても、どっちでもいい。ありの侭の自分を彼以外の人の
まえで、普段通りに過ごせたことが嬉しかった。

友人はそのまま用を済ませて帰っていった。
友人が、心意気の広い人でよかった。野暮な人でなくてよかった。

その後すぐにわたしも帰った。
彼はいつもと変わらなかった。
いつもと変わらなかった彼が、特に嬉しかった。


桑田そら |MAILHomePageBBS

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