あたしと彼のこと
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夜、彼からメールがきた。 「いま家にいる?アレもってくよ」
アレ・・・とは、彼が友人からもらったお土産のおすそ分けのこと。 「うん、いいよ」と返事をしたら、しばらくして彼が来た。
車の音がしたので、玄関の鍵を開けておいたのだけれど、でも彼はいつ ものようにチャイムを鳴らして扉の外で待っている。わたしが扉を開け てあげると、やっと玄関にはいってくる彼。 そして、部屋にもあがらず、その場所のままでお土産を受け取った。
ちょっと偲びなく思いながら「ありがと、あがっていったら?」と言う のだけれど、でも彼はそのまま帰ると言う。
誘いを断わられただけなのに、なぜか悲しいこの瞬間。
届けものをする為だけにウチに来たのだと思うのが悲しくもあり、少し だけ会ってしまうから離れるのが余計に寂しくもあり・・・でも本当は そんな理由どうでもよくて、とにかく悲しくて寂しいがるわたしが居る。 一瞬だけでもわざわざ来てくれた彼の行動は嬉しいのに、素直に喜んで いない自分が居る。
なんの事はない、我侭でもいじっぱりでもなくて、すべては自分の頭の なかの想像の悲しさに負けているだけ。 寂しさに負けて、悲しみにも負けて、ドン底になった後に味わう、彼の 優しさや愛情はそれこそ格別だから。そこにこそ愛を感じてしまうから。 だからなのだろう、知らずに私は期待してしまう。 でもこれは間違った感情の連鎖だと自覚している。
わたしは、こういう感情の「癖」を沢山もっている。 そして、そんな自分が嫌だということも知っている。知っているからこ そ、たぶんもうすぐ「癖」ではなくなる筈なのだけれど、それでもなお してしまう自分が、気持ちと態度がちぐはぐで、とてももどかしい。
もどかしいのだけれど今ここで踏ん張らないと、前には進めないのだ。
「そう、じゃぁまた今度ゆっくりお茶でもどうぞ、今日はお菓子をわざ わざ持ってきてくれて、ありがとうね」と笑顔で言って、これこそが自 分のベストだと思える「わたし」を彼に見せておく。
これは彼のためでなく、自分のためのこと。 いまは100%で言えないけれど、いつか100%で言えるために。
こんな時、いつも願いながら呟くのは「いまこの一歩は小さいけれど、 将来必ず大きな一歩になる」ということ。
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