あたしと彼のこと
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ちょっと前に「妻」のことを「パートナー」と呼ぶ人に、肩を揉んで もらった「キミは目から来るかなりの肩凝りだから、できれば毎日 パートナーに揉んでもらうと良いよ」そう言って、彼の居るすぐ横で 揉んでもらった。 サスガ、妻であるパートナーを毎日揉んでいるだけあって、慣れた 手付きであり、私の肩はほどなくほぐれた。
その様子を、彼はしっかり見ていたようだ。
その日から何週間かした今日、彼のうちに居て、いつもの様にテレビを 見てくつろいでいた。 「さいきん本を読みすぎて肩が凝るのよ」とフイに言ったところ どれ揉んでやろう、と言いだし、そういえば、あの人はどうやって 揉んでいたっけ?と言って、あの人の手を真似て私の肩を探った。 「ちょうど良いよ、そんな感じだった」そう言うと、次に私が「もう いいよ、ありがとう」と言うまでずっと揉んでくれた。
なにやら、とても健気な気がして、いとしくなってしまった。 年がいもなく、頭をぐりぐりして、ぎゅうと抱きしめて、かわいいっ! かわいいっ!って言って、それでも足りなくて、一緒に海まで手を繋いで 走って波打ち際夕日に向かって叫びたいくらい すごくいとしい!ひたすらいとしい!
あまりの、いとしさとうれしさに、クラクラしてしまった。 ありがとうと言って、ぎゅうとして頬を重ねて、しばらくじっとして そっと離して目を交わした。 キスはしなかった、しても良かったけど、しなかった。 気持ちが溢れてくるから、それだけで相手に伝わっているから 強く強く、そう感じられたから。
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