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2006年03月11日(土)

昨日盛り上がった気持ちのままに、私たちは母校へ出向いた。
と、言っても移転したため、そこはただの見慣れない真新しいビルだった。
鈍い銀色の窓の広いビル。目の前に広がる青空。真下で幾重に伸びる線路。

先生は何も変わっていなかった。優しく、几帳面で、心配性だった。
いきなり訪ねた私たちを、何かあったのではないかと不安げな顔だったけれど、何もないとあっけらかんと話すとお前ららしい、と苦笑した。

戻れればいいのに。
何度もそう思った。
今の生活に不満はないけれど。何もかもが楽しかったあのころ。

空調のおかしかった校舎も(夏は寒く、冬は暑かった)、厳しかった校則も(いまどき専門学校なのに茶髪は禁止だった)、大変だった勉強も。
何もかもが懐かしくて。

またおいで。
笑顔で別れた。次はないかもしれないと思っていたけれど。




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