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2006年04月10日(月)
ストーキング

今日わたしは一線を越えてしまった。

毎朝電車で会う、冴えない女《ギョロ子》。

年は化粧っ気が無いので読めないが、多分30代前半
もしくは意外と20代なのかも。
服装はカーキ色、茶色、濃いベージュなどで
ズボン(パンツではない)をいつも履いてて、髪は今時どこで
切ってるのか謎な重ためおかっぱ。

地味なことは放っといて、覇気がないっていうのかな
電車の待ち位置も車内の立ち位置も必ず同じで、
降りてから斜めカーブで歩いていく様も毎朝毎朝一緒!

姿勢も悪く歩き方まで冴えない、横から見ると目玉が飛び出してるので
ギョロ子とあだ名つけちゃってる彼女なんですが
今日帰り初めて電車が一緒だった。

「あ、ギョロ子だ」と思って、わたしはなんとなく後ろから
電車を降り、なんとなくついていってしまったの。
手に和菓子屋の袋を持っている。
おうちに帰って一人でお茶するのかな?とか
もしかして結婚してたり子供おるかも?とか
色々考えて、わたしが勝手に想像してる貧しい女では
無いかもしれないと期待半分不安半分で
ストーキングしてしまったのです。

いや、こんなことするのマジで生まれて初めてっす!
かっこいい男の人でもなく、どうして冴えないギョロ子を
つけるのかわからないのだけど
どうしても確かめたかったのだ。

わたしとは駅をはさんで真反対側の商店街をどんどん歩いていく。
あまりにも遠いと疲れるなあと思いつつ
しかし商店街を抜けてすぐの古いおうちにギョロ子は入りました。

想像通りのおうちで、
ギョロ子は怪しい女がつけていることなど
一向気づかず。
別に「お帰りお母さん!」なんて声も聞こえず
すぐに2階の一室に暗い電気が点り
わたしの冒険は終わったわけだけど。

何を確かめたかったのかな、わたし。
ちょっと病気なのかな。
ギョロ子が仲間だと思っているのか
自分より不幸な人だと思っているのか。
どっちにしても健康的な精神の人のすることではないな。

ま、すっきりしたからいいや。