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■ 一瞬の夏
いよいよ勝負の県大会。 「君たちにとって忘れられない一日になるはず」と 生徒に話をするが,それは同時に 自分にとっても4月からの錬磨の日々が試される一日。
県武道館へ。 検量や練習など,昨年度から出ているチームだけあって 細かい指示を出さなくても,手際がいい。 思い切りのいい練習。 最後に何をすべきなのか, 細かいところで思いがずれるが,そのままに。 最初の試合は,3月の県大会でも苦杯を嘗めたチーム。 先鋒から動きが重い。 というよりも,慎重な試合運びでポイントを取れないまま。 中堅が勝負に出てポイントを取られ, 副将は旗一本の技がいくつか並ぶが,ポイントにならないまま。 大将戦でもそのまま逃げ切られる。 思いがけない敗戦にチームは混乱。
男子も,初戦は1−1で本数負けしている状態の大将戦から 勝負に行かずにタイムアップ。 大事なところで,懸待一致とはなかなかいかない。 先手で攻めるチームが活路を開く。 前回の大会での優勝が, チームも自分をも縛っていることに改めて気づく。
気持ちを切り換えて,男子はメンバーを交代。 2年生を3人に。 最後の大会でこれがいいことなのかどうかは難しい判断。 男子は,苦しいところで2年生が活躍して大将につなぎ, 今度はきちんと決めてまず一勝。 女子も次は3−1で勝利。少しは堅さがとれる。 ここからは勝者数,本数の勝負になる。
女子は勝負の3試合目。 相手の術にはまって先鋒はポイントを取れず。 研究されているという言い方もできるが, 逆に研究してこなかったことが裏目に。 次鋒が気迫の相面で一本勝ちするも, 一年生の中堅は焦ってポイントを奪われる。 「2人差なら一位通過できる」という指示が,仇となる。 副将は切り札同士。 面を警戒させての小手で先取されたのも,相手の作戦勝ち。 大将は逃げる相手を気迫で2本勝ちするもチームは引き分け。 このチームで予選リーグ敗退とは。場内もどよめく。 それも想定したこととはいえ, あまりのショックに掛ける言葉が見つからない。
男子チームのベンチへ。 思い切りのいい試合をすること。 大将につなぐことの2つを確認。 若いチームは勢いがある。 それぞれが爆発して,3−1で勝利。 予選リーグ2位で決勝トーナメントへ。 決勝トーナメントは県の新人戦で準優勝のチーム。 相手にとって不足はない。 これが最後と思い,一人一人に声を掛ける。 思い切りのいい試合で立ち向かう生徒。 負けはするが,気持ちのいい終わり方。
自分が育ててきたものは何だったのか。 未熟な自分を深く反省。 学校へ戻って,まずは大会に出場しなかった3年生, 次に男子チーム,女子チーム。 それぞれが思いを込めて話をする。
最後に自分。 勝つことよりも大事なことがあったはずなのに, 勝つことにこだわった自分が, 生徒から思い切りを奪い, なんとも不甲斐ない終わり方につながったことを詫びる。 「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」 という「剣道の理念」を掲げるチームでありながら, それを貫いていなかったことが,何とも悔しい。 これだけのチームに出会えることは,そうあることではない。 わずか4ヶ月の間だが, 自分の精一杯を尽くした日々を送ってきたつもりでいた。 でも最後の詰めが甘かった。 勝負は一瞬。 だからこそ「負けてもいいから思いきり行け」と 最初から送り出すべきだったのだ。 誰よりも自分が攻めていなかった。
脱力感を感じながらも,保護者からはねぎらいの言葉。 3年生と一人一人と握手をして,帰宅。 明日からは日数教東京大会。 勢いを獲て発表するつもりだったのだが・・・。
2005年07月30日(土) 本気で取り組むこと 2004年07月30日(金) 新チームのスタート
2006年07月30日(日)
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