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re-invention



 不器用でもいい

あるクラスでのこと。
塾の宿題がわからないという生徒から質問。
4a^4+b^4 を因数分解せよというもの。
最初は,てっきり4a^4−b^4の間違いかと思っていたら,
そうではない。
見てみると高等学校で扱うであろう因数分解の問題が,
ずらりと並ぶ塾の問題集。
確かにできる生徒だし,できる生徒のクラスなのだろう。
使っている原理も,中学で学ぶものだから問題ないのか?
高校の内容を先取りして学んでいくことが,今の時流なのだろう。
中高一貫や少人数習熟度という制度の本当の目的は
こんなところになるのだろうか。
こんなことは,首都圏なら当たり前なのだろうな。
先取りしてもいいけれど,
小手先だけの知識を習得させよとしているような気がして,
心に重くのしかかった。

こんな言葉を思い出した。
<法隆寺薬師寺の棟梁だった故西岡常一氏の言葉>
初めは,器用な人はどんどん前へ進むんです。驚くほど速く覚える人がおります。だけども本当のことを掴まんうちに進んでしまうこともあるわけです。不器用な人は,進むのは遅いですが,とことんやらなかったら気がすまん。得心がいくまでやるということが多いんです。こういう人が大器晩成です。結局は器用に先にどんどん進んだ人を追い越します。職人は頭が切れたり,器用な人よりも,鈍感で誠実な方がよろしいですな。


自分も,効率や要領だけを追ってしまうところがある。
結果が全てという言葉もある。
でも,それだけでは何かが欠ける。
納得がいかない。
根っこを育てるような,教育・授業をしたいと思う。
人を育てることを,基本にしたい。


2004年04月26日(月)
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